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[[《BACK》>—砂上墓所1—]]  〈ゴォォーーッッ!!!〉 「…クッ、『グランスピネル』がまるで効いちゃいねぇ!」 「それに、ワタシたちがヤツの弱点の『属性』を持ってないのが辛いわね…。」 大物のサラマンダーを前に苦戦するふたりは、 小型剣ほどもある大きな穂先の短めな槍を手にするパラディンナイトの男と、 掌の幅くらいの幅広の中型剣一対を両手に装備しているセイクリッドの女。 「…おーい、加勢に来たよ…ッて、ソフィア! ヨシナリ!」 「…ジュリア! どうしてここに!?」 「ソフィア、気にするな! …ところでそっちのオッサンは誰だ?」 「わたくしはジュリアに護衛を依頼しているカネモリという者ですよ、ヨシナリさん。」 どうやらジュリアと女セイクリッド・ソフィアは知り合いらしく、 カネモリとパラディンナイト・ヨシナリも手短に挨拶を済ませる。 「ヤツの鱗は恐ろしく硬く、剣も槍もなかなか通しゃしねぇ。 その上、吐き出す炎のリーチは長く、オレの槍でも届かねぇンだ!」 「トカゲやワニの皮は、腹の側は薄いと聞いています。そこを狙えば…。」 「でもどうやって、常に這い蹲(はいつくば)ってるヤツに腹を向けさせるのよ?」 「ねぇっ、ボクに名案あり! 任せてよ、ふたりとも。 …カネモリ、後は頼んだよ。〈ボソッ〉」 「了解です。〈ボソッ〉」  「キシャァァーッ!!」 興奮するサラマンダーに対峙するジュリアは… 〈ザッ…〉 あろう事か愛用の剣・コリシュマルドを腰から外し、丸腰の状態で火トカゲに突進! 「ハッ!」 魔物の目前で前方転回し、そのまま上空へと飛び上がった! サラマンダーは、空中で身を翻す人間に食い付こうと後ろ足で立ち上がるが… 〈トスッ! トスッ! トスッ! トスッ…〉 そのとき露わとなったトカゲの腹と足に、カネモリの打った手裏剣が数本突き刺さる! 「グ…ゥゥ……」 「相手は薬で麻痺しています! さぁ、お願いします!」 「うぉりゃぁぁーーッッ!!」 それまでの鬱憤を晴らすが如く、ヨシナリが大身槍(おおみやり)でトカゲの腹を抉る! 「ハァッ!!」 続いてソフィアが、両手のチンクエディアをトカゲの首筋に突き立てる! 〈………ドサッ〉 こうして哀れ巨大サラマンダーは、砂漠の砂海に沈む運命となったのであった…。  「…いや、なかなかやるじゃねぇか! オッサン呼ばわりして悪かった、カネモリ。」 「まったく…、ヨシナリは口が悪いんだから。 …それよりジュリア、あんな無茶して大丈夫だった? ケガしてない?」 「えへっ♪ 着地で転んじゃったけど、下が砂だから痛くもなかったよ☆」 「へへっ、何が『えへ』だよっ!? …全く、オレとジュリア、どっちが大切なンだよ、ソフィア?」 「ヨシナリは彼氏、ジュリアは彼女。どっちも別腹なのよ♪」 「…いや。みなさん、仲がよろしいのですね。羨ましい限りです。」 「そりゃ話が違うと思うがなぁ…。」 強敵・巨大サラマンダーを倒した四人は、カネモリが「水の元素」から解放した水を 口にしながら一息ついていた。幸い、ヨシナリとソフィアの負傷は大したレベルでなく、 彼らが自分で行使できる『治癒《リラ》』の聖術で完治していた。 「おふたりはやはり…砂上墓所へ向かわれるのでしょうか?」 「いや、もう探索終わって帰るところだったんだ。 今回は役人の棺室見つけちゃってさ…ほら!」 ヨシナリは嬉々とした顔で、背負い袋から副葬品の金細工や勾玉などを取り出して見せる。 「…でも、不死魔(アンデッド)化した役人にボコられかけたじゃないの。 あ〜ぁ、そろそろ冒険はふたりじゃ厳しいかしら? ジュリアー、あなたも冒険に挑戦してみない?」 「う〜ん…、ボクは支援士の仕事で手一杯だからねぇ…。 ところで、ボクたち『風の元素』ッていうモノ探してるンだけど、墓所でまだ手付かずの 場所ッて…心当たりないかな?」 「そりゃ深く潜れば、手付かずの場所もあるだろうけどよぉ…」 「そうよ! 『開かずの石扉』なんてどうかしら?」 ソフィアはポケットから手描きのマップを取り出し、 「地下4階のこの回廊の脇に、特別開けにくい石扉があるのよ。 たいていの人は諦めて素通りするんだけど、たまにむりやり扉をこじ開ける連中もいるわけ。 …でも、彼らはほとんど帰って来ないか、帰って来てから死んじゃってるわ。 そして、別の冒険者が後で調べると、扉は元通り閉まってるのね★ 危な過ぎるから、無理にお奨めはしないけど……」 「ありがとうございます、ソフィアさん。 わたくしたちは、そこを目指そうと思います。」  「いいかー! 絶対無理すンじゃねぇぞーー!」 「ありがとー! ボクたち頑張るよーー!」 ヨシナリ・ソフィア組と別れて、砂漠を歩くこと二時(ふたとき)。 『……………………。』 高潮のような砂漠に半ば埋もれかけた巨大な古墳にカネモリとジュリアは到達した。 「これが…砂上墓所……。」 「そうだよ。 ボクは考古学者やミイラから薬を採るクリエイターを護衛して、2・3回入ったコトある けど…。」 「『開かずの石扉』…。 その向こうには、何があるのでしょうか?」 こうしてふたりは、大昔盗掘者によって崩された石扉から入っていった。 [[《NEXT》>—砂上墓所3—]]
[[《BACK》>—砂上墓所1—]]  〈ゴォォーーッッ!!!〉 「…クッ、グランスピネルがまるで効いちゃいねぇ!」 「それに、ワタシたちがヤツの弱点の『属性』を持ってないのが辛いわね…。」 大物のサラマンダーを前に苦戦するふたりは、 小型剣ほどもある大きな穂先の短めな槍を手にするパラディンナイトの男と、 掌の幅くらいの幅広の中型剣一対を両手に装備しているセイクリッドの女。 「…おーい、加勢に来たよ…ッて、ソフィア! ヨシナリ!」 「ジュリア! どうしてここに!?」 「ソフィア、気にするな! …ところでそっちのオッサンは誰だ?」 「わたくしはジュリアに護衛を依頼しているカネモリという者ですよ、ヨシナリさん。」 どうやらジュリアと女セイクリッド・ソフィアは知り合いらしく、 カネモリとパラディンナイト・ヨシナリも手短に挨拶を済ませる。 「ヤツの鱗は恐ろしく硬く、剣も槍もなかなか通しゃしねぇ。 その上、吐き出す炎のリーチは長く、オレの槍でも届かねぇンだ!」 「トカゲやワニの皮は、腹の側は薄いと聞いています。そこを狙えば…。」 「でもどうやって、常に這い蹲(はいつくば)ってるヤツに腹を向けさせるのよ?」 「ねぇっ、ボクに名案あり! 任せてよ、ふたりとも。 …カネモリ、後は頼んだよ。〈ボソッ〉」 「了解です。〈ボソッ〉」  「キシャァァーッ!!」 興奮するサラマンダーに対峙するジュリアは… 〈ザッ…〉 あろう事か愛用の剣・コリシュマルドを腰から外し、丸腰の状態で火トカゲに突進! 「ハッ!」 魔物の目前で前方転回し、そのまま上空へと飛び上がった! サラマンダーは、空中で身を翻す人間に食い付こうと後ろ足で立ち上がるが… 〈トスッ! トスッ! トスッ! トスッ…〉 そのとき露わとなったトカゲの腹と足に、カネモリの打った手裏剣が数本突き刺さる! 「グ…ゥゥ……」 「相手は薬で麻痺しています! さぁ、お願いします!」 「うぉりゃぁぁーーッッ!!」 それまでの鬱憤を晴らすが如く、ヨシナリが大身槍(おおみやり)でトカゲの腹を抉る! 「ハァッ!!」 続いてソフィアが、両手のチンクエディアをトカゲの首筋に突き立てる! 〈……ドサッ〉 こうして哀れ巨大サラマンダーは、砂漠の砂海に沈む運命となったのであった…。  「…いや、なかなかやるじゃねぇか! オッサン呼ばわりして悪かった、カネモリ。」 「まったく…、ヨシナリは口が悪いんだから。 それよりジュリア、あんな無茶して大丈夫だった? ケガしてない?」 「えへっ♪ 着地で転んじゃったけど、下が砂だから痛くもなかったよ☆」 「へへっ、何が『えへ』だよっ!? …全く、オレとジュリア、どっちが大切なンだよ、ソフィア?」 「ヨシナリは彼氏、ジュリアは彼女。どっちも別腹なのよ♪」 「…いや。みなさん、仲がよろしいのですね。羨ましい限りです。」 「そりゃ話が違うと思うがなぁ…。」 強敵・巨大サラマンダーを倒した四人は、カネモリが「水の元素」から解放した水を 口にしながら一息ついていた。幸い、ヨシナリとソフィアの負傷は大したレベルでなく、 彼らが自分で行使できる『治癒《リラ》』の聖術で完治していた。 「おふたりはやはり…、砂上墓所へ向かわれるのでしょうか?」 「いや、もう探索終わって帰るところだったんだ。 今回は役人の棺室見つけちゃってさ…、ほら!」 ヨシナリは嬉々とした顔で、背負い袋から副葬品の金細工や勾玉などを取り出して見せる。 「…でも、不死魔(アンデッド)化した役人にボコられかけたじゃないの。 あ〜ぁ、そろそろ冒険はふたりじゃ厳しいかしら? ジュリアー、あなたも冒険に挑戦してみない?」 「う〜ん…、ボクは支援士の仕事で手一杯だからねぇ…。 ところで、ボクたち『風の元素』ッていうモノ探してるンだけど、墓所でまだ手付かずの 場所ッて…心当たりないかな?」 「そりゃ深く潜れば、手付かずの場所もあるだろうけどよぉ…」 「そうよ! 『開かずの石扉』なんてどうかしら?」 ソフィアはポケットから手描きのマップを取り出し、 「地下4階のこの回廊の脇に、特別開けにくい石扉があるのよ。 たいていの人は諦めて素通りするんだけど、たまにむりやり扉をこじ開ける連中もいるわけ。 …でも、彼らはほとんど帰って来ないか、帰って来てから死んじゃってるわ。 そして、別の冒険者が後で調べると、扉は元通り閉まってるのね★ 危な過ぎるから、お奨めはしないけど……」 「ありがとうございます、ソフィアさん。 わたくしたちは、そこを目指そうと思います。」  「いいかー! 絶対無理すンじゃねぇぞーー!」 「ありがとー! ボクたち頑張るよーー!」 ヨシナリ・ソフィア組と別れて、砂漠を歩くこと二時(ふたとき)。 『……………………。』 高潮のような砂漠に半ば埋もれかけた巨大な古墳にカネモリとジュリアは到達した。 「これが…、砂上墓所……。」 「そうだよ。 ボクは考古学者やミイラから薬を採るクリエイターを護衛して、二・三回入ったコトある けど…。」 「『開かずの石扉』…。 その向こうには、何があるのでしょうか?」 こうしてふたりは、大昔に盗掘者によって崩された石扉から入っていった。 [[《NEXT》>—砂上墓所3—]]

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