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「・・・・」

 船の中。ヴァイは一人黙り、窓から外を睨みつけている。
 その向こうでは、幾らの人が死んでいるのだろうか。
 ・・・敵が死ぬなら、まだ『仕方が無い』で片付けられる。だが、少なくとも味方が死ぬ事を受け入れるのは難しい。
 ・・・痛いほど、それは経験している彼だからこそ、これからの戦場(いくさば)には、良い印象を持たない。
 なにより、彼は思っていた。

(・・・おかしい)

 そう。おかしい。
 相手は、一大陸に戦を持ち込む相手だ。それこそ、相応の戦力を以って、圧倒的に潰すと思う。
 だが、戦況は敵が徐々に劣勢。しかも、引く様子も無い。
 今は、フレイムウォールにより、攻め倦ねいている用では有るが、それも時間の問題。

(・・・切り札でも持っているのか・・・?)

 妥当な線とすれば、それだ。
 それに、

(・・・助けて。か)

 リスティの言葉。戦場の方角より聞こえた、救助信号。
 この異常な戦いの末は・・

「・・・ヴァイさん」
「! ・・悪い」

 不安そうなリスティの声に、ヴァイはハッとなる。
 いけない。チームのリーダーと一応指名されている以上、これ以上不安がらせるわけにはならない

「まあ、少し落ち着くとするか。どうだ、リスティ。メシ、食べに行くか?」
「あ・・はい」

 ふわりと笑うリスティの顔を見て、ヴァイは今一度気持ちを固める。
 ―――――こいつを、守り通すのだと。