「さあ!! 『ブラックシップ』にいる何者かをぶっ飛ばすわよーーっ!! 私の『東方ネタ』がこの程度じゃ終わらないってとこ、見せてあげるんだからっ!!!」
「セー、いいかげんマグノリアたちと合流して、真面目に船に乗り込もうよ。」


 ここでこうして足止めを食らっている間にも、船の中では中盤の山場を迎えようとしているというのに、
このままでは全く見せ場がないまま終わってしまう。



「厚顔無恥、支離滅裂。付き合ってられないよ。ソール、ヒミン、さっさとあっち行こう」

 そう言って立ち去ろうとするマーニだったが、それをさえぎるセー。

「あら、あなた・・・、マーニって言ったっけ、なかなかいい素材ね。」
「何?」

 睨み返すマーニに対して、セーかまわずマーニを品定めするがごとく、足の先から頭のてっぺんまで視線をめぐらす。
そして、何を思いついたのか、頭の上に突如、電球を発光させると、マーニに、横からひっつくようにして、

「ちょっと協力してくれないかな? すぐに終わるから。」
「な、なんで私が、あなたなんかと・・・」

 嫌そうにするマーニ。
すぐ側を飛んでいるソールに、助けを求めるような視線で訴えるが、
逆にソールに、「ちょっとぐらい、いいんじゃないかな?」という目で見つめられて、いよいよ逃げ場がなくなってきた。


「えっと・・・、私に合わせて、これを読んで欲しいの。」

 諦めの表情を、承諾と受け取ったセーが、懐から取り出したのは1枚の紙切れ。
そこには難しそうな漢字がいっぱい書かれていて・・・。

「四字熟語?」
「ん~、まあ、そんな所だけど・・・。」


 一瞬、セーの思惑が分からず戸惑うマーニだったが、
四字熟語で私を試そうとは、笑止千万。と軽くあざ笑う。


「じゃあ、いっくよーーーっ!!!」

 そう合図すると、マーニとの間に距離をとるセー。
その構えも意味不明。

 周りには、何が起こるのかと、楽しみにしているソールとリリー。
何も起こらないでとお腹を押さえながら切に願うヒミン。


 そして、それは始まった・・・。



「答えよっ!マーニっ!!! 流派・東方不敗はっ!!!」
「お、王者の風よ(って、これ四字熟語じゃないし・・・)」
「全新っ!!!」
「系列。(何?このテンションの高さは?)」
「「天破侠乱」っ!!!」

 マーニが驚いたのは、そのセーのテンションの高さ。
これは大きな誤算だった。合わせるなんてとても無理。


「見よっ!! 東方は赤く燃えているーーーっ!!!」
(ダメ・・・、私には言えない・・・。)

 無駄に決めポーズをとるセーに、ついに合わせ切れなくなったマーニは、最後の大事な部分で黙り込んでしまう。
一方、丁度東の方から見ていたソールは、「ソールのこと?」と、頭の上にはてなマークを浮かべている。


「BGM魔法っ!!『我が心 明鏡止水~されどこの掌は烈火の如く~』っ!!!」

 セーがBGM魔法を唱えると、どこからともなく勇ましい音楽が流れ始める。
どこが明鏡止水だ、と心の中でツッコミを入れるマーニ。
すると、セーはマーニの方を向いて、

「さあ、テンション上げていくわよーーっ!!!」
「・・・まだやるの?」

 よく見ると、セーの渡した紙切れには、裏にも四字熟語のよーなものが1つだけ載っていて・・・。


「・・・ん? 『超級覇王』??? って、しまった!!」

 それに気を取られたマーニ。その隙にマーニの後ろに回りこんでいたセーは、

「『電影弾』ーーーっ!!!」



 ズゴゴゴゴゴゴゴォーーーーーーーーーっ!!!!


 セーに背後から撃ち出されたマーニは、渦巻く光を纏って『ブラックシップ』めがけて一直線に突撃し、
海上を飛び回る魔物を次々と消し飛ばしながら、一瞬で敵船に到達。


 そこで・・・。

「ぶゎあぁーーく!! はつっ!!!」

 セーの掛け声に合わせて、マーニの纏っていたオーラが爆炎を上げる。
やがて煙が晴れると、『ブラックシップ』の頑丈そうな外壁に巨大な風穴が・・・。


「マーニっ!!!」

 流石に目の前で展開されたその光景に、マーニの身が心配になったソールが叫ぶ。

「大丈夫よ。技の性質上、使用した側には一切ダメージはないから。」
「そうなの?」


 その言葉どおり、すぐに戻ってくるマーニ。
そしてまず最初にすることは・・・。

 ズコーーン!!

「ったっ!!」

 おもいっきりセーをグーで殴るマーニ。

「なんて事するの!! 死ぬかと思ったじゃない!!!」
「あはは、ゴメン、ゴメン。 でも、これであの船にいる『何者か』に、私たちの力を見せ付けてやれたわ!!」
「得手勝手!! 自画自賛!! 言語道断っ!!! あと『たち』って、なんで私も入れるの!!?」
「何言ってるの、2人の友情パワーの勝利じゃない!!」
「そんなものないっ!!!」


 やはり全く反省する気のないセー。
セーはマーニのことが気に入ったらしく、強引に仲間に引きずり込もうとしているようだ。

 マーニは、自分がネタの一旦を担わされて、ご機嫌斜め。
その一方で、友情パワーならソールと組みたいと思っていたり。

 そしてソールは・・・、

「ソールもあれやってみたいな・・・」
「「え?」」





―― 一方その頃。

「ヒミンさん、大丈夫?」
「・・・うん、さっきもらった胃薬でなんとか・・・」




―――――――『次回予告』―――――――

 ついに現れた劇場版最強の敵!!

「ダメ、ソールの『日輪弾』が効いてないよ!!」
「くっ、マーニ、ここは今一度私と協力して、究極奥義をっ!!」(セー)
「誰があなたなんかと・・・、それよりソール、2人の愛の力でラブラブ奥義を」(マーニ)
「うん!!」(ソール)

「『石破』!!」(マーニ)
「『ラブラブ』~!!」(ソール)
「「『天驚拳』ーーーっ!!」」(ソール&マーニ)


 交錯する思い・・・。

「何やってるの、二人とも、やっぱり私がいないとダメなんだから。」(ヒミン)
「ヒミン!!」(ソール)
「胃はもう大丈夫?」(マーニ)
「大丈夫よ、それより、いくよ!!」(ヒミン)

「古代妖精究極フォーメーション『フェアリー・トライアングル』ーーーっ!!!」(ヒミン&ソール&マーニ)


 互いの命運を賭けた戦いが今ここに・・・。

「私がいるのを忘れてもらっちゃ困るわ。」(セー)
「でも、あなた古代妖精じゃない。」(マーニ)
「この際そういう細かいことは気にしないの!!」(セー)
「ソールも、セーにも協力してもらった方がいいと思うよ。」(ソール)
「・・・ソールがそう言うなら・・・。」(マーニ)
「それじゃあ気を取り直していくよ!!」(ヒミン)

「新・古代妖精究極フォーメーション『プリズム・カルテット』ーーーっ!!!」(ヒミン&ソール&マーニ&セー)


 そして遂に物語は結末を迎える!!

「こうなったらもう、妖精も人間も使い魔も関係なしよ!!」(セー)
「セー、私が入るのはいいけど、使い魔はいないって。」(リリー)
「で、ここで私の知りうるネタでいうと、2つのパターンがあるんだけど、どっちにする?」(セー)
―――――――――――――――――――――――――
決め技を選んでください。
⇒『ギャラクシーオメガスター』
 『シャッフル同盟拳』
―――――――――――――――――――――――――
「なに、これ?」(ヒミン)
「優柔不断、曖昧模糊。ここでそれを聞く?普通?」(マーニ)
「じゃあ、両方混ぜちゃうっていうのはどうかな?」(ソール)
「あ、それいいかもー!!」(セー)
「もう、何でもいいからいくよ!!」(ヒミン)


「今、みんなの愛と友情を一つにして!!」(セー)
「この魂の炎!!」(リリー)
「極限まで高めれば!!」(マーニ)
「倒せないものなど!!」(ソール)
「無いっ!!」(ヒミン)

「「「「「私(ソール)のこの手が真っ赤に燃えるっ!! 勝利を掴めと轟き叫ぶっ!!」」」」」(ヒミン&ソール&マーニ&セー&リリー)

「「「「「『ばぁぁぁぁくねぇつっ!! ギャラクシーオメガスターシャッフル同盟けぇぇぇえんっ!!!』」」」」」(ヒミン&ソール&マーニ&セー&リリー)


―――――――――――――――――――――――――
「・・・っていうのはどうかな?」(セー)
「絶対駄目。」(マーニ)
最終更新:2007年04月10日 08:52