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宿泊部屋 13号室

物騒な物が散らかった部屋。
その部屋の中に三人。
「申し遅れました。僕はライと申します。」
依頼主の自己紹介が簡単に済み、イルが話を切り出した。
「依頼内容っていうのは、そのサラバンドの書ってのを探すこと。だよね?」
「えぇ…ですが、探す前に二つの物を揃えなければ…。」
「ランプと竜の卵。だよな?」
セオがライに尋ね、首を縦に振るライ。
話し合いながら、食料という食料を詰め込み、武器の手入れをする。
「……卵、いらないよ。」
「いる。」
「何に使うんだよ…魔物の顔面に投げつけるって事はしないよな?」
「……だ、だめ?だめだよね…そんなことしたら卵の神様が怒っちゃうよね?」
(卵の神様ってどんなのだよ…?)
心の隅でそう思いながら、ライのほうを見る。
「どうかしましたか?」
「いや…。そんなに持って大丈夫なの?」
「慣れてますから大丈夫ですよ。
昔はコレを背負って走り回ってましたから…。あはは…。」
何があったかは知らないが、追求するのはやめよう。
ふいに
<バキャ…>
と不吉な音が連続で聞こえたので彼女の方を見る。
「………。」
沈黙している彼女。目線の先には、無残にも割れた卵。
ちなみに全部割れて中身が床に広がっている。
「ぁ~…」
なんと言ったらいいのか。
言葉が出てこない。どうやったらこんなに割れるのさ?
そういえばさっき投げる練習してたけど、投げた?投げたの?
無言のまま、卵を見つめる彼女。
何か考えたらしく、彼女はキッチンから真っ赤に燃え盛る火のついた木切れを持ち床板に放置する。
「ちょっと待てぇぇぇぇ!考え直して!放火だってばぁぁぁ!」
セオの叫びはむなしく、火は床板に燃え移り煙がもくもくと出てくる。
「あ…あぁぁっえっと、えっと。水持ってきます!」
慌てて走っていくライ。
バケツの水を燃えている箇所にかける。
「…イル、何考えてたのさ?」
「うーん。もう疲れたよ、セオ。寝かせて…。」
ベットに倒れこもうとしたが、本日、一回目の水害でぐちゃぐちゃに濡れている。
「…はぁ。今日はもう此処出るんだから、寝てる暇は無いよ。」
「えぇ~…」
せめて明日出発にしよう。とでも言うような声で言う彼女。
「封印を解くための鍵は二つ。
その在り処がわからない以上、早めに出発した方がいいと思います。」
話し合いの結果。
最初に探すのは、竜の卵。
「最初はクロッセルの方にいって、情報収集かな?
結構珍しいものがたくさんあったりするから。」
「あの…一回、シュヴァルに行ってくれないかな?弓の調子が…。」
「ライは?」
「いいと思いますよ。ついでにシュヴァルでも情報がもらえるかもしれませんし。」
三人は荷物をまとめ、宿の宿泊代をはらい、森林の町シュヴァルを目指す。

その三人を影から見ているものが居た。
そしてその男は呟いた
「全ては計画通り、狂いは無い…。」
マントを翻し、男は笑いながら消えた。