※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

天気は快晴、何事もなく進む輸送船。
「……セオさん?」
「………。」
「ありゃ、また寝てるね。」
すーすーと寝息をたてながら寝ている。
「こうすれば起きるよ。」
水が入ったバケツをひっくり返す。
ズバシャァァァ…
船の甲板の一部がぬれる、掃除するから別にいいよね?って顔でイルは見てくる。
「…。」
「ありゃりゃ?起きなかった。じゃあ次はこれで…。」
掃除用具を顔に近づける。
「こら、お前達…遊んでる暇があったら早く掃除おわせよ。」
たまたま船室から出てきた船の主、ヨイチが言う。
風向きと、船の方向を確かめてから、二人と一匹に言った。
「この調子だとあと二、三日ぐらいで着くだろう。掃除終わったら昼だ。」
それだけ言ってから船室へ戻っていった。
「セオさん。起きてください。掃除ですよ。」
「もう食べられない…根性だ…うん別腹。」
どんな夢を見ているのかは不明だが、怪しい寝言を呟いている。
そんなセオに呆れ、ライの最終兵器、目覚まし時計をセット。
セットされた時間まであと一分。
カチッ…。長身が動いた。それと同時に
「ジリリリリリリリリリリリリリリリ」
喧しい音が響く。
「んぐぅ…ウルサイ。」
振り下ろされた左手が哀れな目覚まし時計にヒットする。
メキリ…
「ああっ…目覚まし時計がっ!」
「不吉な音をたてて狂ったように叫んでるね。まずいよ。絶対壊れたと思う。」
「知ってますか?イルさん。あの時計はね…爆弾代わりになるんですよ。」
「へぇ…凄いね。危ないね。どうにかしなよ。」
「五分以内に音が止まらないとですね、自爆するんですよ。」
「へぇ…凶器だね。爆発したら長針とか刺さるんじゃないの?」
「そこまで考えてませんでした。」
ライが目覚まし時計に駆け寄り、音を止めようとするがとまらない。
イルは船の周りを少し見る。
見慣れない船が急速接近。
髭のおじさん数人。
「あちゃー…。まずいねフェイ。どうする?」
「目覚まし、投げたらどうだ?」
一人と一匹が狂った目覚まし時計の音をバックにしながら話をしている。
「せんちょー。賊が来ましたよー。」
「なんだと?撃退するか、」
船室から船員とヨイチがでると、凄まじい音が鳴っている。
慌ててとめようとしているライと、いつの間にかおきているセオ。
彼の殺意のこもった目線は、目覚まし時計へ。
「ウルサイ…。」
「え?」
「うるさいって言ってるんだよ!」
目覚まし時計をつかみ、投げ飛ばす。
運がいいのか悪いのか。
賊の船の上に目覚まし時計は着地した。
着地と同時に音が止まり、大爆発。
「ギャァァァァァ!」
「あーお頭!撤退だ!お頭を助けろっ。」
「いー部下持ったね。」
イルがボソッと呟き、ヨイチの前に歩いていく。
「お昼。ちょーだい。」
「わかったよ…。」
船内に異常なし、天気は快晴。
ハプニングは多少あり…。
「おやすみ~。」
いち早く寝たのはセオ。
「一日中寝っぱなしの人が何故あんなに眠れるんだろうね。」
「そりゃぁ…魔リ…じゃなかった。」
途中で言葉を切り、彼女もベットの中へ。
「…?」
悩んでいても仕方が無いので、寝ることにしよう。
「………イル。」
「何?」
ライが寝ているのを確認してから返事をする。
「持ってる?スペア。」
「ありゃ?きついの?一晩寝てても回復しきれない?」
「疲れがとれない…。」
「明日作っておくから、もう寝たほうがいいよ。」
「わかった。」
翌朝
「…これと、あとは。これで完成!のはず。」
ガラスの容器の中には、透明な液体が入っている。
「師匠と同じ方法でやったけど…うーん。」
見た目は完成度が高いが…果たしてちゃんと効き目があるのか?
「まぁ…いいや。疲労、魔力回復…だっけ?」
調合専門の本を見ながら呟く。
本と睨めっこをすること五分。
「……ありゃ?使い魔及び妖精専用。参ったね。」
人が飲んでも効果が無い。それでは意味が無いかもしれない…
「グットモーニング!若い支援者と依頼者それと生物共!」
朝からハイテンションな船長ヨイチが寝室のカーテンを開ける。
開けたと同時に二人の絶叫。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ…ぁぁ。えうぅ…呪ってやる…。」
「うわぁぁぁぁ!バカァ!こっち持ってくるなぁ!」
叫んだのはセオとライの二人。
「どうしたんだ?この二人…というより大丈夫なの?」
ビックリした顔のまま尋ねてくる。
「うーんとね。セオが叫んだのはきっとあの日の夢見てるんだと思うよ。」
「?」
「つまり、取り押さえられて『注射』をされた日。セオ、注射嫌いなの。」
注射嫌いはまだ絶叫している。
その叫びをバックにして、今度はライを見る。
「で、こいつは?」
「さぁ?」
うなされている二人をその場において、外に出た。
「あれ?港?」
「昨日の深夜に着いた。あの二人を起こして来い。下船の準備をしてな。」
うなされ続ける二人を本でたたき起こし、荷物をまとめる。
「…イル。そのうちお前の師匠に絶対会う。絶対…。」
「へー。だからうなされてたんだ。」
ライはうつむいたままブツブツブツブツ何かを言いまくっている。
「……ライ、うるさいぞ。」
「あ・・・ごめん。フェイ。」
下船をし、船長ヨイチにお礼を言ってからまたフローナをぶらつく。
朝食は携帯食料で済ませ、中央都市へ