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あるところに恋人をなくした一人の魔法使いがいた
彼が求めたのは、死者を甦らせる禁断の秘法
領分を侵すものに降りかかるのは厄災のみと知りながら
何故人は求めるのか? 人智を超えた魔神の力を…

吹き荒む風は砂を巻き上げ若い旅人の行方を阻んだ
旅の道連れは二人の支援者と一人の依頼人。二匹の竜。
砂丘を乗り越えて村へと向かう。

「あ、暑い…。」
「何だ、その手は…水ならさっき飲んだろ…。」
「干からびる~…。」
「干からびろ…。」
「酷いね。セオ…。」
同じような会話が約30回くらい続いて、ようやく村に着いた。

「ラディン、元気にしてたかい?」
胡散臭い髭の男がラディンという青年に近づいた。
「えぇ…。それよりアンバーさん。ランプを取りに…。」
「あぁ、そうだね。
それより…この支援者達はなんだね?
まさか、こいつらにもランプの話をしたんじゃないだろうね?」
「えぇ。そうですが…なにか問題でも?」
「願い事を譲れと言われるだろうが…。」
「いえ、報酬は願い事ではなく、ランプですから大丈夫ですよ。
さぁ、日が暮れるうちに取りに行きましょう。」

ランプを擦ると魔神が現れ三つの願いを叶えてくれると言う
願い事を一つ譲るという条件で、ラディンはその在り処を聞き出した。
そのランプは 南西にある洞穴に封印されているといわれている。

「南西の洞穴…って言ったって何にも無いよ?」
「あるとしたら砂上墓所ぐらいだろ…。」
何処まで歩いても、相変わらず砂ばかり。
「さて、洞窟を呼び出そう。」
「そんなこと、できるんですか?」
「舐めてもらっちゃ困るよ。魔法使い君。コレでも私は魔術師なのだから。」
そういうと、わけのわからない呪文を唱え始める。
<ゴゴゴゴゴゴ…>
地面がゆれ、洞穴が姿を現した。
片足が悪くてうまく歩けないという男の変わりに、ラディンとセオは穴の中へと降りた。

砂漠の下の大きな空洞。
冷たい空気が背筋を掠める。

二人が居ない、地上では。

「さて、お嬢さんとお兄さん。その竜を渡してもらおうか?」
「片足が悪いって言うのは嘘だったんだね?」
「あぁ。特にあの黒い子は危険な感じがしたんでね。ラディン君と行かせたが。
君達はそれほど強いというわけでもあるまい。」
アンバーの後ろには、数人の盗賊たち。
「さぁ、どうするんだい?竜の子を渡すか。ここで死ぬか…。」
「あんた達みたな物騒な人たちには子育てはできません。」
「そうか…ならばお望みどうり、殺してやろう!いけっお前ら!」
各々の武器を振り上げて飛びかかってくる盗賊たち。
その盗賊たちを、真っ赤な炎が飲み込んだ。
その炎は、フェイが口から吐いたもの。
火傷ですめばよかった者も、そのまま焼け死んでしまった者もいる。
「な…幼竜だというのに、これほどの力が…。」
「さて…アンバーさんも同じめにあっていただきましょうか…。」

再び洞穴内

「キュィィ…。」
「見るからに、怪しいよな。」
「でも、ランプはあれです。」
妖しい祭壇の手前で三人で話し合う。
祭壇のうえには黄金のランプと古びたじゅうたん。
「せーのでいくぞ。」
「せーのっ」
ラディンがランプとじゅうたんを一緒にとった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴー!
「うわわわわっまずいってば!まずい!」
洞窟が崩れ始め、目の前が暗くなる。
暗い闇の中 懐かしい声をラディンは聞いた。
「貴方はまだこっちへ来てはいけないの。遣り残したことがきっとあるはず…
 失われたモノのために願うより、今目の前にあるモノを見つめてください。」
そこで声は途切れた。
目醒めれば砂が巻き上がり砂丘の上で抱かれていた。
魔神が笑いながらこちらを見ている。
「古の罪と罰のロンド、ランプに閉じ込められていた愚かな私を出してくれた
 御主人様、さぁ願いをどうぞ叶えましょう」
やたらテンションが高いこの魔神。
じっとラディンが何かを言うのを待っている。
三つの願いを全て叶えたら、このテンション高い魔神は再び冷たい砂の下で幾千の孤独に震えることとなる。
(この魔神となら楽しく暮らせそうな気がする…)
ふと、ラディンはそう思った。
「それじゃあ、君を自由にしよう。」
「えぇ!マスター!本当ですか!わぉ!いーやったぁ!」
ランプから解放され、魔神はラディンと共に暮らすこととなり
魔法のランプは中が空になり、それを報酬としてもらった。

吹き荒む風は砂を巻き上げて若い旅人の行く手を阻む
旅の道連れは二人の支援者一人の依頼人。竜が二匹に魔神が一人…