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静かな朝、こんな朝は久しぶりだ…。
すこし街から離れてみるのもいいものだな。
そう思った束の間、奇怪な声が廊下から聞こえた。
「…うぇぇ。ヴォェェ…。」
「…朝から、どうしたんですか?」
「今日は…イルが作った朝食だから、気ぃつけろよ。」
そこらじゅう怪我してげっそりとした顔で警告してくれたのはセオさん。
隣には同じような状態のルカもいる。
前回ゆで卵しかできない彼女は、今回初めてゆで卵以外のものを作ったらしい。
とりあえず、食べに行ってみよう。
そんな軽い気持ちで行ったのが馬鹿だった。
悔やんでも悔やみきれない…
テーブルの上に並んでいる料理は、イル今回初挑戦のスクランブルエッグ。
セオさんの感想によると「スライム」だそうだ。
見た目はそう悪くない。きっと味も美味しいだろう…。が
口に入れた瞬間、その味をどう言い表せばいいのかわからない。
「かんそーは?」
「え…えぇ。お…おいしいです…はは…。ね、ねぇフェイ?」
隣のフェイをチラと見る。
彼の顔はもうなんか真っ青。
フォークが握られている右手はぶるぶると震えているし、冷や汗もかいている。
「あ…あぁ。う、ぇ…。」
どうすればいいんだろう、このまま食べれば…
一週間以上ベットで安静しなきゃいけない気がする…。
「あ、でも僕、朝はそれほど食べれないんですよ。
すいません。全部食べきれなくって。ごちそうさま。」
「別にいいよ。セオに食べさせるから。」
満面の笑みでイルさんが言いました。
「ライ、後でセオに謝んなきゃな…。」
真っ青な顔で言うフェイ。
「…そうだね。その前に、行くところがぁ!」
二人で廊下を走る。よいこは真似をしてはいけません。
トイレに駆け込んだ後の二人の顔は実に晴れやか。
途中でイルさんが何かを引きずって廊下を歩いている所に遭遇。
何事も無く通り過ぎようとしたが、すれ違って2.3秒すぐにズボンの端をつかまれた。
「あ…セオさん…。」
「意地でもつれてってやる」
「嫌ですって、放して!僕はまだ死にたくないんだ!」
「俺だって死にたくねぇぇぇぇ!!」
ガギギギギギギギギギギギィィィィ
両手に戦闘用の爪を装備して床に爪を立てているセオさん。
そんな努力も無駄に終わり、床に爪跡だけ残して引きずられていった。
その日の夜、セオは原因不明の腹痛によって夜を明かした。