「セオ~おっきろ~!」
「起きてるよ、怒鳴らないで…。」
「とりあえず起きてよ、買い物行くから。」
「ライとでも行ってくれば…?俺、腹いたいから…。」
それだけ言うとまたもぐりこんだ。
「じゃあ、セオのために何か作ってあげる!」
それを聞いた本人はベットから飛び出し、慌てて着替える。
その様子を微笑しながらイルの姉ルウは見ていた。
「じゃあ行ってくるね。ルウお姉ちゃん!」
「気をつけてね。」
遠ざかっていく二人、それを見送ってからルウはまた本を読み始めた。ライはルカとフェイの様子をしばらく見ていた。

「ん?あれは…。」
フェイもルカもその人物を見てライのところへ走ってきた。
「支援者。怪我してるみたい…。」
ルカはそれだけ言うと、愛用のチャクラムを両手に持ち支援者のほうへ走っていく。それに続き、槍を持ったフェイも走る。
「ルカッフェイッ武器持ってどうするんだ!」
「魔物に追われてんだよ!」
それだけ答えて二人は支援者のもとへ。
ライは慌てて傷薬の調合を始めた
「くそ…この怪我さえなければ…。」
その支援者は所々出血しており、足を引きずりながら魔物から逃げていた。
「なんだぁ?あれ?コボルトってのに似てるけど」
「…わかんない。」
二人とも魔物に関する知識は浅く、魔物が何かはわからない。
「っくるな!」
二人の存在に気付いた支援者は刃を避けながら叫ぶ。
「グォォォ!」
「クソッ!」
「…やらせない!」
ルカが投げたチャクラムが魔物の刃の軌道をずらす。
刃は地にめり込み、抜かれる前にフェイが攻撃した。
戦闘場所から離れたところに、買い物から帰って来た二人。
「…おいおい、なにやってんだあの二人はぁ!」
「え?ちょっとセオ!ありゃ~…まずいねあの二人。」
イルはそのまま走って部屋へ行き、クリスクロスをとり走った。
「つ…強ぇ…!」
「グォォォン!」
斧を振り上げる魔物。防御に遅れるルカ。
「ぶっ飛べオラァ!!」
そこに走ってきたセオの強烈な飛び蹴りがヒットする。
少し遅れてイルの放つ矢が降り注ぐ。
弱ったところを見知らぬ支援者が矢で急所を射抜いた。
魔物は残り二体、手際よくセオが弱め、それをイルが倒す。
「やれやれ…。あんたも不運だね。よりによってナハト・コボルトに襲われるとはね。」
「助けてくれてありがとう…。リックテールはすぐそこだよね?」
「すぐそこだけど、ちょっと失礼。…当分戦えないな。」
そういうと、年上のハンターを引きずって小屋へ向う。
「ま、まって。それってどういう意味?戦えないって?」
「左足が折れてるし、ついでにいうと右腕もいっちゃってる可能性が高い。ってこと。ナハト相手によくがんばったねぇ。」
イルがそういうと、先に小屋へ走っていく。その後ろをルカとフェイがついていく。
「宿は高いから、どうせなら泊まっていったら?あいつの家広いし部屋余ってるから。」
「でもっ迷惑だろう?」
「迷惑じゃなさそうなんだな、俺なんか居候してるし。」
そういって家へ連れて行った。
最終更新:2007年04月19日 20:55