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―中央都市リエステール周辺フィールド―

「トカゲ人間が8匹。俺4匹な。」
フィールドに出て早速獲物を見つけた二人は突撃準備をしていた。
ハルバードを構えるフェイとチャクラムを用意するルカ。
セオは欠伸をしながらその場に座り込んでいる。
二人は獲物に向って走り出そうとするが、だんだんと速度を落とし
最後には、立ち止まってしまった。
「…先客かよぉ。」
がっくりと項垂れるフェイ。
一瞬のうちに倒されてしまった魔物を見て呟く。
その数秒後、その先客と思われる支援者が
「竜はっ!!どこだーーーーーっ!!?」
と叫んだ。
それと同時に、支援者を相手していた最後の一匹が綺麗に両断される。
その様子を見て、その声を聞いた二人はセオの後ろに隠れる。
「大丈夫か?」
「ううん…怖い。」
「じゃあ、中に隠れたら?」
「そうする。」
ブルブルと震える二人。
「あ、早くした方がいいぞ?こっち来てるから。」
それを聞いた二人は、焦って変身を解除できないらしい。
確かに、急に『竜は、どこだ!!?』と叫ばれれば…
「おーいそこの人~!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!来たァ!」
「落ち着けよ、なにも会ってすぐにザックリやられるわけじゃないんだからさ
それに落ち着いてやればうまくできるんだろ?」
「ザックリやられないのはセオにぃだけだって!あぁもうっできねぇーーー!」
「ザックリさせないから。安心して?な?」
前を向きながらそういうが
「むりぃぃぃ!」
その言葉と同時に微かな光が見えた。
どうやら上手くできたらしい。
急いで二匹はポシェットの中へと入り込んだ。
「こんにちは。君も支援者?」
「あ、あぁ。そうだけど?」
慌ててポシェットを後ろに回す。
「アタシはマグノリア。君は?」
「お、俺はセオ…よろしく。」
ポシェットはブルブルと震えている。
ちなみに、少しだけ赤い尻尾が出たまま。
「……、…。」
「……。」
ポシェットの中は暑苦しく、息苦しい。
そして外の二人の会話もよく聞こえない。
「龍?」
「そうっ!龍と戦ってみたいんだ!」
「ふぅん…龍と、ね。」
「セオは戦ってみたいとか思わない?」
それを答える前に、2、3回肩を叩かれた。
「え?だ、だれ?」
驚いたマグノリアとセオが振り返る。
「無防備の状態で大丈夫?後ろから狙われちゃうよ?」
そこに立っていたのはハルバードタイプの槍を持った少女。
「ティール…エインフィード…さん。」
パピードラゴンの通り名で知られる少女が二人の後ろに立っていた。
「こんにちは。えっと…。」
「セオ。」
微笑んでそう名前を教えると、マグノリアも自己紹介をした。
「龍退治……。」
一瞬、ティールが表情を曇らせる。
彼女自身、魔龍と対峙した経験がある。
その魔竜の返り血を浴びたことで、自然回復力の向上など特殊な能力を手に入れたが、その代償はあまりにも大きなものだった。
数分の沈黙が訪れる。
「理由無しに生活を脅かすことはよくないと思うけど…。」
呟くようにセオは言うと、その場で大きく伸びをした。
「でも……。」
マグノリアが、考えるような顔をして唸る。
「そんなに戦いたいなら相手してやるぜ?」
いつの間にか、人の姿になっているフェイが言う。
「な、結局出てくるのか…隠れる意味無いじゃんか!」
「いいたいことがあったから出てきたんだよ!この女にな!」
マグノリアの方を見て怒鳴る。
「え……君は、龍…なの?」
いきなりの登場にマグノリアはかなり驚いているようだ。
「強い敵と戦いたいだなんて理由で、俺達と戦う奴なんか、
俺がぶっ飛ばしてやる!」
「はいはい、ストーップ。殴っちゃダメ。」
「放せよ!一発でもいいから殴らせろ!!」
フェイはセオに服の襟をつかまれてマグノリアの前でじたばたしている。
「フェーイ、ダメなもんはダメなんさ。ライに言いつけるぞ?」
「俺が悪いんじゃねぇ!」
「殴ったらお前が悪いの、わかった?責任は俺が取らなきゃいけないの。
怪我させたらどうするんだよ、治療費すら払えないんだぞ!」
「財布にはいってんだろ?金ぐらい!」
「ふざけるな!お前の食費がばか高いからもうほとんどねーんだよ!」
ぎゃーぎゃーと言い争いをしている二人を見てティールは言った。
「マグノリアは、龍と戦って何がしたいのかな?」
「え…それは…。」
「はぁ……。本当に強い敵と戦いたいだけなんだね…。
じゃあ、貴女のその私欲を叶えるだけのために強い敵は皆新でも仕方が無いと思ってるんだ?」
「そんなわけじゃ…。」
「じゃあ、どう思っているのかな?」
再び沈黙。
「食費を減らせ!このっ!」
「なんだと?!これ以上減らしたら餓死するんだよ!」
セオとフェイの口げんかだけが聞こえる。
それを黙ってみていた幼龍のルカはティール達の所へトコトコと歩いていく。
そして、ルカはマグノリアを見上げた。
口を開いたのはティール。
「今まで考えてなかったら今から考えてみれば?
これからゆっくり考えてみればいいと思うよ?」
「え……?」
「そうでしょ?」
ティールが微笑む。
「う、うん。そうだね。」
リエステールのほうから、微かに鐘の音が聞こえる。
正午、昼になったらしい。
「だーかーらー、無理なもんは無理なんだ!」
「引っ掻くなこら!大体、お前一日にどれくらい食ってるかわかってるのか!
ライが帰ってきたら、ちゃんと食事代請求するからな!」