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セオとフェイの口喧嘩が数分後終了した。
「さて…お昼ご飯にしますか。
お二人さんは、どうする?一緒に食う?」
「え、でも…。」
「作りすぎたから、食べてって。」
「じゃあ、お言葉に甘えて、いただきます。」
ティールに続き、マグノリアも昼食を手に取る。
「セオって料理上手なんだね。」
「まぁ…。」
以前まで料理の腕はイル以下だったが、毎日こんなものを食べているわけにもいかない。
ということで、酒場のマスターにあれこれ教えてもらったらしい。
「イルねぇちゃんは、最近、親父に料理教えてもらってたぞ?」
「セオにぃのパートナー。弓矢の腕は確かなんだけどな、料理が…。」
「フェイ、それ以上は禁句だ。ばれたらまずいことになる。」
まずいことになる。
それは、イルが作る大量の可哀想な卵焼きフルコースを食べるか、
ライ&ルウの拷問用新薬を予告無しに飲まされてしまう。
という最低最悪の罰ゲーム。
「大変なんだね…。」
「拷問用の新薬って、痺れ薬とかそこらへん?」
「まぁ…ほとんどが失敗作なんだけどな。飲まされた回数は…。」
思い出すように、指を折って数えていく。
「20…21…ぐらい?」
「そんなに飲まされるほど何したの?」
「…半分が、お仕置き。」
「お仕置き!?」
「まぁ…この世界に来てから、イルと師匠のところに預けられて、
ルウの奴が「何か悪いことしたらこれ飲ませてあげてください。」って言って
渡したらしくって、そのころはいろいろした訳。うん。」
とりあえず、悪いことを何度かやらかしたらしい。
「師匠って、どんな人?」
「名前はよく知らない。」
「その師匠って人は何処に住んでるの?」
ティールが興味深げに聞いてくる。
「この大陸のどこか。場所は覚えて無いな…。
でも時々、酒場に来てるらしいよ。」
「こんど、会ってみたいな……。」
「怖いよ、かなり。」
「どうして?」
「模擬戦闘でも容赦なく斬りかかってくる人だから。
隙があっても無くてもいつでも攻撃を仕掛けていい。
たとえ、その人が何をしていても。
有無は無用のサバイバルと言うべきかな。模擬戦闘じゃなくって。
何度殺されかけたことやら…。」
「実際何されたんだ?」
フェイが聞いてくる。
「え……。真夜中に家の外に放り出されて一晩中魔物と師匠から追いかけられたり、
近くにある井戸の中に突き落とされたり…
魔物の群れの中に放り込まれたり…
まぁまだ一杯あるけどきりが無いから。」
恐るべし、セオの師匠。
セオの体験談が終了。
「…で、思ったんだけど。マグノリア、卵。どうするの?」
「え…あ。あぁっ!」
「とりあえず何でもいいから買っておけ。」
フェイがいう。
「いわれなくても買うさ。」
「じゃぁ早く買って来いよっ。」
「まぁまぁまぁ…フェイもそう怒らないで。」
ルカがなだめる。
「とりあえず、夕飯までに間に合えばいいんだよな?」
「うん。」
「じゃあ、何でもいいから買いに行くか。」
「え、いいよ。あたしの仕事なんだし…。」
「いろんな卵もってきゃいいだろ?卵なんて一杯あるんだからよ。
それに、時間も無いだろ?だから、手伝うだけ。さ、行くぞ。」
「じゃあ、私も手伝うよ。」
そんな訳で、全員でリエステールへ。
10分後、合流とのことで全員ばらばらに別れる。
フェイとルカは小さいので二人で行動。
道が混んでて歩きづらいとかいったセオは、家々の屋根の上を走って飛んで。
マグノリアとティールは逆方向で。

―10分後―

「…結構な量だな。こりゃ…。」
「こんなに、卵ばっかりで夕飯大丈夫なのかなぁ…。」
「夕飯の材料。……。」
「材料…というと、卵だけ持ってくと卵料理しか出ないんじゃないかなぁ?」
ティールが呟く。
「まぁ…ありえそうだなぁ…。イルだったらやりかねない。」
「あ、来たよ。マグノリアとルカとフェイ。」
人ごみをかきわけながら、卵を割らないようにこちらに来る3人。
「数える?」
「数えるのか?相当かかるぞ…。」
「数えるならもう一回フィールド出て…僕達疲れた。」
「あぁ…お疲れ。ということで、フィールドに行っても?」
マグノリアとティールが頷く。

――再び中央都市リエステール周辺フィールド――

「はぁ……。もう、ダメ。」
ルカが竜の姿に戻る。
フェイはなんとも無いらしい。
「で…こんなに卵使う料理なんかあったか?」
「イルの拷問卵料理フルコース。」
即座にセオが答える。
「…あの。」
「ん?」
「ありがとう、アタシのためにこんなにしてくれて…。」
「いーや。別に礼をされるようなことはしてないから。」
「うん。私達は友達のお手伝いをしただけだから。」
それにしても、バスケットの中に入った卵の数は相当の物。
この卵達はどのような夕飯になるのだろうか…。
「おい、そのバスケット抱えてちょと立ってみろよ。」
「?」
フェイにいわれたとおりにするマグノリア。
すると、フェイは微笑しこういった。
「マッチ売りの少女ならぬ、卵売りの少女だ。」
そういい、ケラケラと笑い始める。
「『卵いりませんか~』って言ってみろよ。」
笑いながらマグノリアに言うフェイ。
「む~…。じゃ、アタシは帰るよ。ありがとう、みんな。」
「おう。卵割らないように気をつけろよっ!」
笑いながらフェイが言う。
「じゃあね。マグノリア、またどこかで。」
「セレスティアガーデンだっけか?機会があったらよってみるよ。」
別れの言葉をいい、小さくなっていくマグノリアの後姿を見送る。
一度、マグノリアがとまった。
そして
「今度、お手合わせ願うよ~フェイ~!それまで強くなるんだぞ!」
と、それだけをいいまた歩き始める。

それを聞いたフェイは、溜息をつき呟いた。
「なんだかなぁ……。」
「竜も溜息つくんだね。」
「当たり前だ。」
「知らなかったよ。私は。」
ティールは、怒ったような顔をしたフェイに微笑んだ。