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 ギルド。セレスティアガーデン・・・・から、ちょっと離れ(何
 これは、もしかしたらもしかするんじゃないかな。という考えから生まれたリエステールの昼下がりを描いた物語。

 ターゲットはリエステール中央通りを歩いているマグノリア。
 性格は極めて男勝り。見ていて清々しい限りである。

 仕掛け人はあたかも彼女に偶然出会うかのように装い待機している一人のシスター。

「やっほ~♪ 奇遇ねぇ~」
「ん?」

 仕掛け人が動きを見せる。
 シスターとは言え油断をしてはいけない。彼女は結構シスターの中でも型破りな人物である。
 ・・・名をエルナ。

「ああ。エルナじゃないかい!」

 前にフィールドで不意の怪我を負った際、マグノリアの治癒を行ったのが彼女であった。
 ついでにその時何故彼女がフィールドに居たかといえば、公務からのボイコットであった事は内緒の話である。

「今日はお休み?」
「そうだねぇ。特にやる事も無いかもしれないな」

 そのマグノリアの一言に、キュピーンと目を光らせるが、彼女は一切気付いてなど居ない。
 「ふふっ・・」と洩らすさり気ない笑いに続き、エルナはにこりと笑って彼女に提案するのだった。

「じゃあ、ちょっと私の部屋に寄って行かないかしら? お茶くらいなら出せるわよ?」

 もちろん、そのお茶もパックだと言うのは内緒の話だ

「え、ああ・・・まあ、良いか」

 何かを悟ったか感づいたか、まあどちらでも構わないのだが、マグノリアは内心半歩下がるも、エルナの誘いを受ける。
 ――――後に、マグノリアはそれを後悔するのかどうかの気持ちは、我々の知るトコロではないが




「正直、マグノリアは可愛い服が似合うと思うのよ」

 ぶっ!!
 お茶が入り、それを口にした直後、エルナの言った言葉にマグノリアはそれを噴出す。
 上記を遡ろう。彼女の性格は極めて男勝り。
 その突然のエルナの言葉に、困惑を通り越して驚くのは無理も無い話である。

「あ、あんだってー!!!??」
「じ・つ・は・♪ マグノリアに似合いそうな服をちょっと買ってきてね」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! というか、なんでアタシのサイズを知って・・・!!!??」

 黒い。聖職者にあるまじき実に黒い笑みをエルナは浮かべている。
 確実に彼女はわかっている。マグノリアは確実に拒絶するだろうという事は、


『いやよ
 いやよも
 好きのうち  ゑるな』


「と言うわけで、ショールーム(一面鏡を飾った仕切りの向こう)を用意してあるから“着替えてきてね”♪」

 もはやその言葉に拒否権は無い。
 しかしマグノリア選手(?)、そこで後に引くかといえば大間違い。

「な、なんでアタシがこんな服を着なきゃいけないんだ!!」

 彼女の指すこんな服。とは、基本白と黒を基調にしたメイド服に近い感だろう。
 ただし、白のレースを残しつつ『メイド風味』というだけで、十分に普段着の範疇なのだ
 で、話を戻すがマグノリアのその言葉に対し、エルナは

「・・・楽しいから?」
「疑問系!?」

 嫌がるマグノリアと、引かぬエルナに、
 遂にエルナが一言を発した。

「はぁ・・・しょうがないわね」

 そのエルナの呟きに内心ホッとするマグノリア。
 だが、彼女のその考えなど甘かった!

「聖フロリアの執行なる右手よ!! 彼の者の記憶を封じ今一度の眠りを与えたもう!! ブレインアウト!!!」
「がはっ!!!」

 エルナの手がマグノリアの額を捕らえた直後、マグノリアは意識が飛び、地に倒れる。
 薄れる意識の中、最後に聞こえた言葉は

 ――――してやったり。だった



「うん・・・」

 マグノリアの目が覚めれば、見慣れぬ一室であった。
 だが、すぐにここがどこかを理解する。

「やほー。目が覚めた?」
「エルナ・・・?」

 水差しを持ってエルナが居る。と言うことは、ここは教会のエルナの部屋と言うことか?
 差し出された水を飲み、マグノリアは一息つく。

「ふぅ・・・そういえば、なんでアタシはココにいるんだ?」
「え、えっとそれは・・・」

 マグノリアの質問の直後、一瞬目線を逸らした後にエルナは

「ぐ、具合が悪くなったのか急に倒れてね!! アタシがここまで運んだわけよ!! アハハハハハ!!!」
「そ、そうか?」

 エルナの表情がにわかに硬いが、マグノリアは一応気にし無い事にして言葉を返した。
 しかし、ここでマグノリアは妙な事に気付く。

「・・・? 身体が、妙に軽い気が・・・?」
「それはきっと休んだからでしょ!! 今日はもうギルドに帰って休むと良いんじゃ無いかしら!?」

 エルナの勧めで身体を起こされ、歩く。
 教会の外まで見送られ、「お大事に~」と手を振られるのを見送った後、マグノリアは微妙な心境でギルドへと帰っていった。
 ・・・彼女が去った後。黒笑みを浮かべたエルナに気付かず。



「一体なんだったんだ?」

 説明しよう。マグノリアがエルナによって与えられた魔法、ブレインアウトの正体を。
 聖十字騎士団の時代。黒コートの男にエルナン・フロリアが教わった術であり、
 教会の術にするのも危険である為、フロリアの一家のみに伝えられる事となった『記憶消去魔法』である。
 つまり、マグノリアは今日エルナとあったことをサッパリ覚えて居ないのである。

(・・・だけど)

 マグノリアは、思った。

(・・・妙に視線を感じるんだけど・・・?)

 自分におかしなトコなどあっただろうか?
 ふっと、自分を見る為に下を見る。
 ・・・黒と白のふりふり服。

「・・・・」

 ガバッと横の店のガラスを鏡の代わりに自分を見る。

「な、な・・・」

 そこに写っていたのは、
 ほんのり化粧され、ぷっくりとした唇と、
 すらりとした体系に可愛い系の服を着た。
 オマケに髪型までツインテにされていたりする
 マグノリア(?←と、本人は思いたい)の姿であった。

「なんだこれはー!!!??」

 思わず叫ぶ。
 つか、服ぐらい気づけよ。とかいう突っ込みは内緒(意味不明
 教会を振り返るが既にギルドとの中間地点。正直、戻るには近くない。
 マグノリアは悪い夢かと思うが、しかし――――

「お? 彼女~、可愛いね~。でも、凄いモデル体系じゃない?」
「ぁ・・ぅぁ・・・」

 軽そうな男が片手を上げてにへらと笑いながら寄って来る。
 突然の事態と混乱しきったマグノリアの頭の中はまさに Now Loading

「ヒマならさぁ。オレ達と行かね~?」

 さっと、男に手を取られた瞬間

「さ、触るなぁ!!」
「ぶべっ!!」

 顔面を殴り、男の体はポーンと地面をバウンド、
 そのまま家の壁に激突!
 10点 10点 10点 10点 10点
 ・・・などと言う意味不明な看板はさて置き、
 マグノリアは走ってギルドまで向かう。

(こ、こんな姿・・・誰かに見られたら・・・!?)
「あれ? お客さんですか?」
(見られたー!!!??)

 目の前に居るのは同セレスティアガーデンのマージナル。リリー
 考えてみれば、ギルド内に戻れば自分の服や装備があるが、同時に同僚に見つかる可能性も大であった。
 現に、店長は店の隅で腹を抱え、声を押し殺している。

「お姉さん綺麗ですね。あ、お客さん、今お茶出しますから」

 そう言ってパタパタと駆けていくリリー。
 つか、

(気付いてない!?)

 店入り口で固まるマグノリア。
 その後、彼女は結局セレスティアガーデンの皆にこの衣装の姿を見られることとなり
 彼女の中の黒歴史として残るのであった。
 ・・・因みに、断固捨てるとしたマグノリアのオサレ衣装は、
 店長がちゃっかり保守しちゃってたりするのは内緒。




「あ、コレ良いわね! エミィに似合うんじゃないかしら!?」

 ・・・次に貴方の身に起こるのは、明日かもしれません