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「口を開いてから撃つまでの時間がルミナスより短いな。 前と同じってわけにはいきそうにないな」
「あの時は、私は気絶しておったからなぁ……そのあたりは二人に任せるのじゃ」
魔砲を回避した体制から、それぞれ立て直す3人。
エメトキャノン――いや、性質上は模造品であるからゼロキャノンとでも言うべきか――は、膨大な力を放出する分直後からしばらく動力に回るメンタルの出力が落ちるらしく、行動を一時停止するか、極端に動きが鈍くなる。
それは目の前にいるゼロも本来のエメトと変わらないらしく、行動が鈍くなると同時に、常に体全体から発せられているシルバーの光が、より暗くなっているのがわかる。
「まぁ、タイミングは今ので大体わかった。 あとは、もう一発撃ってくれなきゃはじまらないね」
エメトゼロとの戦闘が開始した時点で、ティールはエミリアからひとつの皮袋を受け取っていた。
その中身はいわずもがな、エミリアが唯一使えない理属性のうちの一つ、火属性が弱点の相手に使うためだという大量のフレアボムである。
かつて、モレクでのエメト・ルミナスとの戦いでもこの爆弾が勝敗を分けていた。
「オオ……オオオオオオ!!」
……とかなんとかしている間に、徐々に全身の輝きが戻っていき、行動速度も回復してきているらしいエメトゼロ。
どこから発しているのか轟音のような雄たけびを上げて、再びティール達の方へと移動を始める。
「話し込んでる暇もないか。 ディン、エミィ、まず足を崩そう、動き回れなくなれば、飛び道具中心で来るはず」
「……わかった。 ディン、あの時みたいなへまは……」
「してたまるか。 お前を犠牲にするのは二度とごめんだ」
「うむ、いい返事じゃ。 ……ならば行くぞ!!」
天羽々斬を構え、エミリアの号令とともにエメトゼロに向けて走り出すディン。
同時にティールは別方向に飛び出し、相手の側面に回り込むようにして走り始める。
「我が手に宿りし氷精 ここに命ず――」
エミリアは相手の腕が届かない射程外の位置をキープしつつ、杖を構えて詠唱を開始。
その照準は、直線的に向かっていくディンの身体の向こうにある、エメトゼロの右足。
……いつものことだが、味方が肉弾戦をしているところに強力な魔法を叩き込むということ……
それは、下手をすれば援護どころか逆に傷つけてしまう可能性も秘めている。
「汝、万象を断つ冷たき刃と成りて……」
それでも、信頼して背中をこちらに向けている彼を裏切らないために、魔法は唱える。
前から、ずっと交わし続けてきた信頼の証だ。
「オオオオオオオ!!」
足元まで接近したディンに向けて、エメトゼロが腕を振り回し、大降りで拳を叩き込もうとする。
また、ディン自身も攻撃の態勢に入っていて、今更その軌道を変えることはできない。
「チャージストライク!!」
その一撃がディンの身体に触れようかとした瞬間、真横からティールの特攻がその腕を捕らえ、その軌道を何もない虚空へと逸らす。
……図体もアクションも大きいだけに、一度空振りしてしまえば、残るのは大きな隙のみ。
「はあああああああ!!!」
ディンは、その間に懇親の力を込めて、相手の右足に一撃を叩き込む。
仮にも相手は岩石かなにかの塊であり、その一撃で砕けるようなことはなかったが……
「クロスブレイク!!」
先の特攻から素早く体制を建て直し、ディンが攻撃を入れたまったく同じ箇所に次の技を放つティール。
その連続した攻撃が耐久力をこえたのか、その表面に大きなヒビが現れる。
「……我が前に立ち塞がりし愚かなる者を打ち貫け! フェイタル・フロ-ズン!!」
直後、エミリアの杖先から巨大な氷槍が召喚され、それは周囲の気温を急激に低下させながら、高速でそのヒビに向かって飛来する。
「オオオオオオ!!」
エメトゼロは、その氷槍を叩き落そうとしているのか、ようやく立て直した体勢から再び大きく腕を振り上げ、向かい来るそれに向けて振り下ろそうとする。
……だが、その直後に、真横から飛来する闇の球体がその腕を捕らえ、大きくはじき返した。
「アルト!?」
そう、それはこのホールにいる仲間の一人である、アルトの呪文、闇の力を集中させた破壊球”シャドウグローブ”
「まずいと思ったら、手は貸して……だったよね」
そう言いながら、にこりと笑うネクロマンサの少女。
――そうしている間に、エミリアの氷槍はエメトの足のヒビに深々と突き刺さり、ビシビシと大きく音を立ててヒビを広げ、氷槍を中心にしてどんどん凍結していく。
「ディン! 今じゃ!!」
「ああ! ディヴァイン・F・ブレイド!!!」
そして、最も亀裂が大きい箇所に渾身の一撃を叩き込むディン。
それは表面を覆いつつあった氷の膜ごとその身体を叩き割り、一気に右足を崩壊させる。
「グッ……オオ……」
右足を失い、重力に従って体勢を崩すエメトゼロ。
地面に倒れこみそうになるその身体から逃れるべく、ティールとディンはいち早くその場を駆け出した。
「…さぁ、ろくに身動き取れないその状態で、私達を殴るなんて無理だよ! さっきの魔砲、撃ってきなさい!!」
もしも目の前のゴーレムに目があったならギロリとこちらをにらんでいただろうか?
その挑発を受けるかのように、その顔を3人の方へと向け、銀色の身体を少しづつ強く輝かせ始める。
……ティールはブレイブハートの炎を高め、さらにその力を足へと集中させる。
チャージから口を開き……魔砲を撃ち出してくるまでが勝負。
爆弾の詰まった皮袋を握りしめ、即座に駆け出せる体勢に入った。
「オオオオオオオ!!!!」
「…えっ!?」
しかし、エメトゼロが放ったのは、先程見せた大出力のゼロキャノンではなく、部屋中に散らばっていくかのように分散する中程度の光線。
だが、チャージしていた出力とは別に出していたのか、全身の輝きはまだ失われていない。
「…それにしたって、どこを狙って……?」
……そう、あくまでその攻撃は無差別に部屋中に飛び散っているようにしか見えず、特に周囲にいるこちらの味方を狙っている様子もない。
ただ、まっすぐに壁に向かっていくのみである。
「ミラーキャノン……!!  ティール、動きなさい!!!」
「ルイン……っ!?」
その時耳に飛びこんできたルインの声に、ティールは改めて周囲の光線へと目を向けた。
見えたものは、壁という壁で反射し、四方八方から狙い打つように彼女の元へと殺到してくる光景。
「ディン、エミィ、走って!!」
「あ、ああ!!」
瞬時にその弾幕の穴を見極め、隣にいる二人に呼びかけるとともに走り出すティール。
ディンはエミリアを抱え上げ、とっさに走り出す。
……が、その瞬間、エメトの口が大きく開かれていくのが目に入る
「……この状態で撃ってくるつもり!?」
おそらく機械仕掛けの電子頭脳とかいう制御コアだろうが……戦闘に対する思考能力はたいしたものである。
無数の小さな光線はタイムラグを交えてこちらに向かうように放たれているし、そちらにだけ気をとられていてはメインのゼロキャノンの餌食となる。
だが……それにこちらも気がつけたのは運がよかった。
「私を、なめるな!!  バーストステップ!!」
足元に集中していた炎を大きく炸裂させ、その爆風に乗せて速度を上げるティール。
それは相手の思考を上回っていたのか、一気にミラーキャノンの弾幕を抜け、エメトゼロの足元へと到達する。
「さて、ご苦労様」
そして、以前と同じように……自分の炎を叩き込んだ爆弾袋を、開かれたその口の中へと放り込み、即座にエメトゼロの懐から離脱する。
……その直後、全身の輝きが最大まで膨れ上がったその身体が……
「ゴオオオオオオオオオ!!!!」
内部から大きく爆破音が響き、それに一歩遅れて、前進余すことなく広がっていくかのように、間接部から連鎖爆発を起こすエメトゼロ。
「……なるほど、限界まで魔力が高められたコアを爆破してしまえば、制御がきかず暴走した魔力で自滅するか……」
「……うん、そのはずだけど……」
その光景を実際に見るのは始めてのエミリアだったが、理屈という点では一目で理解できていたらしく、感心したような目で目の前でボロボロと崩れていくゴーレムの姿を眺めていたが……全員、それ以上にその光景に対して妙な違和感を感じていた。
……崩れ去ったはずのその瓦礫の山から、何か嫌な気配が感じられる。
魔砲やそういったもの以上の、強い魔力が……
「3人とも、離れなさい!! あいつ、自爆するわ!!」
「じばっ……!!? ……は、走って!!!」
その時、再び飛び込んできたルインの声。
それにとっさに反応したティールは、ディンとエミリアの手をつかんで、強引に走り出す。
一歩遅れて事態を理解したらしい二人も、ティールの引くままに従い、足を動かし始める。


―――カチッ!

そして、そんな音が聞こえた気がしたその次の瞬間……

「うっぉおああああああ!!?」
もはや誰がどこで叫んだのかわからず……いや、そんなことはどうでもよくなるほどの大爆発が、ホールの中央で崩れ去ったエメトを中心に巻き起こった。









と、いうわけでエメト戦、ものすごい妙な勢いで決着です(苦笑
まぁこの3人も成長してますし、攻略法も戦闘力も同じならこんなもんかなーとか思ってますw
あ、ちなみにですが「自爆装置」は広い広いホールの中だからこそ使ったのであって、通路配置のエメトゼロには設置してないと仮定しています(まぁありといえばありとも思いますが……)w
とりあえず、周囲にいた雑魚兵も大方片付いたものと考えてくださいな(苦笑
あと、爆発で開いた穴が下の階につながってしまったとかいろいろ派生できると思いますので、お好きにw

では、アリス~エメト戦と連続して書かせていただいてましたがここでバトンタッチですw