※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

ティールと空也に学園内の探索を任せ、クリア一行は校外の探索を行うことにした。
普段は多くの人で賑わう学園前大通りも今は誰もいなく、不気味な静寂の中に時折バグのものと思しき奇声が響いていた。

「さて、と・・・。校内の探索はティール達に任せるとして・・・」
「エルナ先生、校外を探索するとは言っても具体的にはどうするつもりなんですか?」
クリアがそう訊ねるとエルナは困ったように腕を組んだ。
「そーなのよね・・・。なんだかんだ言ってもこの学園の周りって結構広いのよね・・・。どこをどう探索したらいいものかしら」
ただ闇雲に移動してもバグに遭遇してしまうだけだろう。スキルトレースシステムを用いて戦うにも変身時間は短く、しかも再変身にはかなりのタイムラグがある。おまけに変身回数自体にも制限があるということもあり、迂闊な戦闘はなるべく避けたい。
変身せずに戦闘をこなせるのはエルンストと弓道用の弓で武装したイルのみ。クリアとエルナの2人もそれぞれ竹刀や竹箒といった簡単な物で武装こそしているものの戦力になるかどうかは甚だ怪しかった。
「とりあえず、私達と同じ様にこの世界に捲き込まれた人間と合流することが先決なのではないだろうか?」
しばし熟考していたのか沈黙を守っていたエルンストが口を開いた。
「そうね・・・。エルンストの言うとおりね。もし私よりも早くこの世界に捲き込まれている人間がいるならばXPが尽きて難儀しているかも知れないし・・・」
「それに、ケータイのシステムの事を知らない人もいるだろうし、自分がどういう状況に置かれているかわからないっていうのも結構不安だと思うしねー」
エルナとイルがそれぞれ同意を示す。クリアにも特に反対する理由は見つからず、首肯した。

バグに遭遇しないように周囲を警戒しながら進んでいると、不意に先頭を歩いていたエルンストが立ち止まり一行を制した。
「エルンストさん?どうしたんですか?」
「静かに。右前方の曲がり角から声がした」
一同に静かな緊張が走り、耳を澄ませているエルンストに注目した。
「声の様子から察するに・・・どうやら切迫した様子だな。もしかしたらバグに襲われているのかも知れない」
「急ぎましょう!」
エルナの一声と共に一行はエルンストが示した方向に向かって走り出した。
「それにしてもエルンストさんって耳が良いんですね。私なんて全然何も聞こえませんでしたよ」
「何、目を失ったら他の器官がその代わりを務める。それだけのことだ」
クリアの賞賛にエルンストはやや自嘲気味に答えた。

曲がり角の向こうでは2人の男子生徒がスライム状のバグに襲われていた。
「うりゃ!せいっ!どりゃぁっ!!」
「がんばれー」
「ふんっ!はっ!はああっ!!」
「いいぞー」
スライム状のバグは弱いのか、男子生徒の1人は変身せずに手にした竹刀を振るって戦っていた。しかし多勢に無勢。1匹倒すたびにどこからともなく2匹湧いてくるため、一向に減る気配が無い。
「だああっ!もう!お前も戦えよ!!」
竹刀の男子生徒は後ろで応援しているだけのもう1人を振り返った。
「えー?俺丸腰だし。」
「さっきみたいに変身すりゃいいだろうが!」
「ヤダ。ポイントもったいないし」
「お前なぁっ!!」
漫才めいたやり取りをしているうちにうっかり背を向けてしまった男子学生にスライムが飛び掛ってくる。
「あ。」
「!!しまっ・・・」
とっさに身構えてダメージを防ごうとしたがその試みは徒労に終わった。スライムの体を1本の矢が貫いていたからだった。

「セオ!トート!2人とも無事?」
思わぬ援軍の登場で狼狽したのか、スライム達はクモの子を散らすように逃げていった。
その後、2人の男子学生・・・セオとトートは一行と合流し、互いの状況確認をした。
2人が話すには、新聞配達のバイトを終えて学校へ向かう途中でこの世界に捲き込まれてしまったという。
訳の解らぬまま取り敢えず学校へ避難しようとしていた矢先に先程のバグの大群に襲われたのだそうだ。
「それにしてもセオが無事でよかったー」
イルがホッと一息つく。2人はクラスメートで、普段ボーっとしているセオに対してイルがイタズラを仕掛けようとしている姿をよく見かける。
・・・もっとも、それが上手くいった試しは無く、毎回セオのちょっとした報復を受けて終わるのだが。
「ま、新聞配達やってるときに見つけた裏道やら近道やら使ってなるべくバグと会わないようにしてたからな。どーしても逃げられなかった時に1回変身して後はそれっきりさ」
「それじゃ、2人ともXPはそこそこ残っているわけね?」
エルナが2人の携帯電話をチェックする。
トートの残XPは7、セオは1回分少ない6だった。
「えーと、15分に1ポイントだから1時間システムを使わなかったら4ポイント。セオさんは1回使っちゃったから6ポイント・・・。よく考えたら2人とも1時間近く逃げ回ってたんですね・・・」
クリアは驚きと感心の混じった顔で2人を見た。
「まぁ、上手い事立ち回ってた訳じゃ無いんだけどね」
そう言うとトートは携帯電話を何も無い空間に向けて決定キーを押した。
アンテナが示した先から1台の自転車が現れた。トートが言うには見つかりそうになった時はこれに乗って全力で逃げていたそうだ。
「バイト先の新聞店から勝手に拝借しただけだけどな~」
得意げに話すトートにセオが鋭いツッコミを入れた。
「お前なぁ・・・そういう事は言いっこなしだろ?どうせ返すつもりなんだから・・・」
「ハイ皆、談笑はそこまで!早いとこ次の仲間を探しましょ!」
エルナの一声と共に一行は路地をあとにした。


PTキャラ残りX・P

クリア   4回
エルナ   4回
イル   4回
エルンスト   4回
セオ   6回
トート  7回


連絡可能の別行動キャラ
ティール
空也