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ある部屋で、何かを押している音が聞こえてくる。
それはこの大陸では非常に珍しい物『ぱそこん』と呼ばれる物に付いている『きーぼーど』を押した時に聞こえるものに違い無かった。
そして、その『ぱそこん』の液晶にはこういった文が表示されていた。

―――あの事件、『黒船』の侵略を止めたことからもう数ヵ月もたった。
あの日の記憶は今も曖昧のままだ。
朧げな記憶の糸を引っ張った所、あの船の謎に包まれた部屋に入った、そのことまでしか覚えていない。

でも、その思い出せない所はむしろ覚い出さない方がいいと思う。
知らない方が良いこともあるから。

そして、それからあそこにいた八人に直接会うことは…一人を除いて無かった。
でも、噂なら聞いていた。
まずルインは直接会った。
彼女はこの世界に入って間も無く何処から聞き知ったのかは知らないが『ヘルパー』と言う、この大陸で流行り(?)の職に就き、力を発揮しているようだ。
アウルとレイヴンの二人はよくは分からない。
ただ、最近腕の立つ二人組の新しい傭兵が各地で参戦していると言った話を聞いたことはあるから多分間違いない筈…と、勝手に納得しておこう。うん。
アインは純粋に各地を回っているようだとルインから聞いた…しかし、ここまで噂が広まって無いのは日が浅いからかもしれない。
ただ、アリス、アル、ワルツに付いては全く話を聞かない。
勝手な予想だが、彼女達はここにはまだいないのでは無いか、と思う。
彼女のいるべき場所は今はここではなく、彼女の元いた場所だと思う。
そして、この僕。シータは

―――

と、ここで一端区切れる。
彼女、シータがいた部屋に一人の人が入ってきたからそこで手を止めたのだ。
「シータ、営業は終わったわよ…って、まだやってたの?」
「ごめんごめん、すぐ行くから~」
「はいはい、出来るだけ早く区切り付けてね。まだ掃除が残ってるんだから」
「ん~善処はするよ」

―――
あの日の夜に、彼女、エルフィに拾って貰った(という表現が正しいかも)。
で、今は彼女の店で居候もとい店員をやってる。
彼女もまた機械技師だからせっかく拾ってくれた礼に知識をあげたいと思う、あと食についても。

―――

書き終えて立ち上がる前にふと思い付き、さっきの文の後に文を打つ。

―――
道はまだ始まったばかりだから。
なーんて、書いてみたりして。
―――

と。

そして下の階で待っているエルフィの手伝いをすべく立ち上がって、降りていった。

 

fin.