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(ん…眠…)

ある夜のことだ。
彼女、シータがこの大陸に来て、居候粉いな生活を始めてから(実際には何だかんだ言って役立っているのだが)数ヵ月になるある日のこと。
人には寝れない日があるものではある。
理由がある場合と無い場合にそれは別れるが、彼女は後者であり彼女は後者であった。
つまりはたまたま寝れないので仕方なくパソコンの電源を立ち上げて、作業…というかデータを覗いてる内に眠くもなるだろう、と思いパソコンに向かった。

(ふーむ…あのデータは何処だったカナ…)
そのデータはこの大陸に来て、ある人に彼女が機械技師として頼まれた初めての依頼についての作図などのデータについてだ。
黒船の数々のデータの一部を保存している彼女のデータの中に、それに関する物があったと記憶していたので、検索機能を使って検索をしてみた。
すると、思ったより短時間でそれを見つけることが出来た。

と、ここまでは普通の話だが検索で見つかったファイルの倉庫、フォルダの中にはそれ以外の複数のファイルが保存されていた。

(ん…保存場所がおかしいな…)
彼女は整理に関してはマメな方でパソコン内のデータもきちんと定位置に保管しているのだがそれがなされてない。

(んぅ、急いでたか…それとも…)

この時点ではどちらともとれず、ともあれ中身を確認しようとして開こうとするが、中を見ることはできなかった。
データ自体に鍵がかかっていて見るには鍵が必要な圧縮されたものだった。

(む…この名前のファイル…見覚えが無い…何だろ…)
圧縮に加え、ロックまで掛けてあるとなれば、それには何か意図があると彼女は確信した。

好奇心。
ただ眠れそうも無い夜にこれほど、ある意味では素晴らしい物は無いだろう。
彼女は直ぐ様データのロックを解除しに かかる。




それがパンドラの箱を開けることに近いことかもしれない、と分かっているかはその時は知りようも、分かりようもなかった。
ただ、好奇心が先立っていただけだった。




そして、数分後。
予想以上に短時間でロックは外れた。
というより、ロックは彼女には簡単に見つかった。恐らく他人が探すにはもっと時間がかかる。
…というより、見つかったのは偶然に近いものもあった。
ファイルの近くにカモフラージュされて、見つけにくいように鍵のプログラムがあった。
勘で探り当てた。そう表現するのが正しかった。

しかし、彼女はこのことを頭の奥で感じていた。
そこに鍵があるということを感覚的、いや本能的にだ。

(う…ん…何、この感覚は…)

探し当てた直後に本能が何かを訴えているような感覚を受けた。
このまま見ない、という方法も確かにとることはできた。
しかし、彼女はそれを選択しなかった。
いや、選択できなかった。
むしろ、見なければならない、そう本能が訴えてもいた。

(んん…データが…訴えている…)

その時に受けた最初の感覚はそれだ。

(んぅぅ…これは…)



今こそ見て。



そう訴えて来るよう聞こえたかのように錯覚した。

そして決めた。
そのファイルを開き、中身を見ることだ。

(こんな夜にこれを見たら…この後寝れるかな?)

開く直前に思ったのはその一点だった。
彼女はそのファイルを開きながら、黒船にいた『あの頃』のことを思い出しながら見ることにした。