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『黒船』がこの大陸への進行を決める、その数年前のことだ。

彼ら達が産まれた…というより起動されたのはほぼ時刻を同じしてだ。
カプセル状の人一人しか入れないようなそれに彼らは一人ずつ眠らされていて、時期が来たから起動したというのも知っていた。
作られた時にそういうふうにある程度必要な知識は頭の中に記憶されていたからだ。
だから、彼がそういうまでも無く知っていた。

『刻は来た。今こそお前達が目覚める刻』

『イモータル・アーク』…もとい、黒船艦長、でいいだろう。
この時は正式な名前の略称である『方舟』と呼んでいたがその外見から黒船と呼ばれることになるまでそう時はかからなかった。
直ぐに知られることになったのは周知の侵略行為、侵攻した大陸から大陸にこの黒船と言う名で広まった。

そうして、カプセルに入っていた彼らはその時から『兵器として』産まれた。
…とは黒船側の見方で、彼らにして見ればを押し付けられようが知ったこっちゃは無い、という状況だった。
が、主従関係だけははっきりしていて、普段は従うしかない無かった。
とは言えども、この船の戦に刈り出されるのはまだ後になる。
調整という理由で、暫くは様子見扱いだった。
それにはアインが何らかの形で関わっていたらしいが…

ともあれ、シャマルの言葉を聞き、向こうも最低限のことを言ったと判断したのかその場から立ち去った。
そして彼らは漸く話す機会が出来た。

―――へぇ、あなたみたいなチビっ子も作られるなんて、全く開発者の気が知れないわね…

始めに口を開き、会話の糸口を結んだのはその中では後にすぐ知ることになるルインとアウルの中間位の背の女性。
彼女は『シローネ・ノベトリー』
彼女がこの場は仕切り、顔合わせだけではなく友として知り合うことが出来た。

あの時から彼らは、ある意味では兄弟姉妹のように行動を共にした。
まとめ役でもあり、リーダー格でもあり、姉貴分をシローネは担っていた。
彼女がいたからまとまることが出来た、と言っても恐らく過言では無いだろう。
そして最初に彼女がいなかったら、後の心の通いは違うものだったかもしれなかった。
後にルインをリーダー格にすることになるが、この時も何一つ不満も漏れず、むしろ適正がある筈と彼らは思い彼女に任せるが、引き継いだ後の行動に殆んど支障が無かったのは心が既に一つにまとまっていたからだと思う。

シローネがいたあの頃、あの頃が一番良かった、楽しかったと彼らは共に記憶している。
ただ、あの頃は調整と言う名の模擬戦があった、それだけを除けば非戦闘時は平和だった。

そう、あの日が来るまでは。

あの日の前日からあの日までは、雨が降り続けていた。

模擬戦がある時は前日に明日やる、と伝えられることになっていて、連絡はシータとシローネに伝えられた。
あの時は他に出来るだけ早く作らなければならないプログラムがあったので、それを口実にシータはサボろうかと思いサボりたいと言うことは勿論伏せて、仕事があるというそのことを伝えに来た伝令兵にそれを伝えた。そして直ぐに幹部に連絡が行く。
すると向こうも仕方ない、と言うことでシータの代わりに繰り上げでルインを試合の相手に変えた。

しかし、彼女は何か釈然としなかった。
何かが心に引っ掛かる、そう思い今来た伝令兵に声をかけようかと思ったが既にその姿は無かった。
それで、何かが引っ掛かりながら、その理由も分からず前日は終わった…