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烈心「ふう、やっと天候がマシになりやがったか・・・。ったく、昨晩は酷い目に遭ったぜ・・・。」


 俺は昨晩の吹雪で出て行くこともできず、その日は詰所で一晩を明かした。
日が明けると、昨日の吹雪が嘘なほど晴れ間の広がる朝だ。高原地帯だから朝の空気も可也清々しい。


烈心「さてと、この国をしらべるには・・・、まず路銀が必要だな・・・。」


 俺は腰に下げていた巾着を手に取り拡げた。中には倭国で使われている貨幣が入っているが、無論ここは倭国とは違う国なのでこの貨幣が使えるはずがない。
幸い貨幣の他に幾許かの金と銀は入っているものの、金銀の概念が此方の国にあるのかどうかも疑わしい。多分大丈夫だとは思うが・・・。


烈心「確か・・・、空也の言う事では酒場で支援士(へるぱぁ)とか何とかの募集をしているとか何とか聞いたが・・・。」


 俺は早朝の十六夜の町へと繰り出した。早朝だから流石に昨日の夜みたいな賑わいはない。しかし、朝市等が出ているので一定の賑わいがある。
俺は市場の人に酒場の場所を聞き、酒場へ赴いた。酒場には朝早くにもかかわらず人の気配がある。どうやら昨日から此処で夜を明かしていたり、
朝早くから依頼を受けるために赴いた支援士達で賑っているようだ。


烈心「ほう、これまたえらい朝早くから賑ってるみたいだな。」


 俺はそれを尻目にこの酒場を統括している人物を探した。すると奥のカウンターにそれらしき女性がいた。
普通酒場と言うと男性・・・いわゆる大将が付きものだが、此処では女性・・・いわゆる女将らしい。別にそんな事などどうでもいい事だが。


女将「あら、いらっしゃい。貴方はじめて見る顔ね?」
烈心「ああ、俺は昨日此処に来たところでな。それより、何か路銀を稼げる仕事か依頼かなんかは無いものかね?」
女将「あらあら、いきなりお仕事の依頼ね。それで貴方のランクは幾らなのかしら?」


 女将が俺のランクがどうたらこうたらと尋ねてくる。どうやら支援士にはランク・・・階位というものがあって、それに準じて仕事や依頼が変わるらしい。


烈心「ランク? いや、俺は昨日このせ・・・っと初めて仕事を請けることになったんだがな。」
女将「あらあら、すると貴方はルーキーなのね? そうなるとランクEからが妥当だけど・・・、貴方から見てランクEは似合いそうにもないからDかCからかしら?」
烈心「イマイチよう分からんが・・・、次の町に行けるぐらいの路銀が稼げればいいんだがな・・・。」
女将「そうは言ってもねぇ・・・、私は貴方の実力を知らないものだし、そうそう危険な仕事を回す事なんて出来ないしねぇ。」
烈心「まあ、至極真っ当な意見だわねぇ・・・。」


 女将が言うにはランクは依頼者から見て妥当だと思った仕事を受け渡すらしい。確かに腕の未熟な輩がいきなり大仕事など土台無理な話だ。
請け負ったところで達成できず終いになるのが目に見えている。酷い場合だと死に果てて無様な姿を晒す事になる。


女将「貴方に合いそうな依頼っと・・・。あ、一つあったわ。ランクCの依頼だけどね。」
烈心「ほう? 一体どういうものなんだ?」


 俺は女将から1枚の紙切れを受け取った。その紙切れには『白羅雪原(びゃくらせつげん)にある氷華水晶を採掘してくれたし。報酬額:20000フィズ』と書いてあった。


烈心「採掘依頼・・・か? これまたよくわからん依頼だな。」
女将「依頼自体はそう難しくはないんだけどね、この一帯である『白羅雪原』は遥かなる北の雪原ほどじゃないけどダンジョン指定されるほどの場所でね、結構危険なモンスターやらが徘徊しているのよ。」
烈心「あの雪原がか・・・。まあ確かに何か変なのがいそうな雰囲気だったねぇ。」
女将「それに・・・、最近見知らぬ輩も出没しているとか何とかとの情報も入っているみたいだし・・・。」


 女将が気に掛かる言葉を呟いた。見知らぬ輩というと昨日俺が斬り捨てた2人組の事だろう・・・。
昨日の奴等の会話を聞いた限りではまだ仲間がいるような雰囲気を漂わせていた。俺も昨日の一件には未だ気にしている。


烈心「よし、それじゃあその依頼を受ける事にするぜ。」
女将「あら、これでいいのね。それじゃあこの紙に請負者の名を書いてもらえるかしら。」


 俺は女将が差し出した紙に名を記入し、この仕事を請けることにした。


烈心「色々世話してもらってありがとうな。それじゃ行ってくるぜ。」
女将「ええ、初めての依頼頑張ってね。」


 俺は外套を身に付け、依頼場所である白羅雪原へと赴いた。



 -続く-