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烈心「ぶへくしょいっ!! 本当にえらい寒い場所だな此処は・・・。何か防寒具でも借りてくればよかったな・・・。」


 強烈なくしゃみを出しながら、俺は白羅雪原を散策し、依頼品の『氷華水晶』なるものを探していた。
聞いた限りでは氷の塊のような形らしいが、輝きの具合や硬度が段違いだとの事だ。
しかし俺は水晶の類を扱った事は少ないので区別のしようが無い…。


烈心「とりあえず・・・、そこらへんにある氷の塊をしらみつぶしに探すかね・・・。グハクショイッ!!」


 俺は寒さに震えながらそこら辺に転がっている氷の塊を調べ始めた。しかしそう簡単に見つかるものではなく、
あちらこちら探している内に日が暮れ、辺りは薄暗くなっていた。。


烈心「あらま・・・、もう夜かよ・・・。仕方がねぇ、何処か寒さを凌げる場所でも見つけるかね・・・。」


 その時、前方に明かりのようなものが見え、人の気配がした。数は数人ほどで、何やら会話をしながらこっちに近づいてくる。


烈心「む・・・? 誰かが集団で来るみたいだな・・・。」


 俺は近くの岩陰に隠れ、気配を殺して様子を伺った。


????「おい、この辺なのか? 昨日同胞達が消息を絶ったのは?」
????「ああ、確かにこの辺だ。逃げたガキどもを追いかけていたんだからこの辺に違いねぇ。」
????「てか、この辺は十六夜の近くだぜ? ひょっとしてヤツらに出くわしてやられたんじゃ・・・。」


 話している内容を聞く限り、奴らは昨日俺が斬り捨てた二人組の仲間らしい。通りで人相の悪い面構えだ。
しかし、何か気に掛かる事をほざいている。ガキども云々といっていたが、あの子の他にもう一人居たのか?


????「とにかく、こんな状態じゃ街に戻る事なんてできないぜ・・・。なんとかあのガキを見つけねぇと・・・。」
????「ああ、俺達の首がスッ飛んじまうわな・・・。」


 どうやら奴らは自分達の仕事が達成できずに困り果てているらしい。いつの時代も下っ端は哀れなものだ。同情する気は全く無いが。
すると、奥の方を探していた獅子舞のような面の男が何かを発見した。


獅子舞のような面の男「お、おい! こっちだ!! こっちにいたぞ!!」


 獅子舞のような面の男は酷く慌てた様子で二人を呼んだ。俺は何か気に掛かり、その男の後を密かに付いて行った。
なんとそこには、片足を酷く傷付けた少女が獅子舞のような面の男に髪の毛を掴まれて激しく抵抗してた。
一見すると普通の少女に見えるが、頭部に何やら耳のようなものが確認できる。恐らく獣人の類だろう。
すぐそばに洞窟のようなものがあり、どうやら少女はそこに身を潜めていたらしい。そこを運悪く見つかったようだ。


ガマガエル面の男「こぉのクソガキが!! よくも昨日はこの俺の面に氷塊をブン投げてくれたな!! おかげで俺の自慢の顔が傷付いたじゃねえか!!」


 ガマガエルのような面をした男がいきり立ちながら少女の顔を乱暴に掴む。どうやらこの少女に手痛い一撃を喰らったらしい。
しかし、元が薄汚い面なのに自慢も糞も無いだろう。むしろ余計に歪んでしまい滑稽な面構えになったと思える。


10円ハゲの男「さあ、他に逃げたガキは何処にいやがる!! さっさと吐かないとその可愛い顔がこのナイフでズタズタになるぜ?」


 ガマガエルの傍らに居た10円ハゲの男が手に持っているナイフを少女の顔に突きつける。少女は恐怖でガタガタ震え、今にも失神しそうな勢いだ。


少女「知らな・・・い。知っていてもアンタたちになんかに・・・、ぜった・・・い、教え・・・ない・・・!」
10円ハゲの男「な、なんだと!! このクソガキャ!!」


 少女は恐怖に震えながらも力強く答えた。まだ年端も行かぬ子供なのになんて気丈な子だ。
そしてそれを聞いた10円ハゲの男は怒りに震えて少女に強烈な平手打ちを喰らわせようとした。

 その瞬間、俺は10円ハゲの男目掛けて拳の塊ほどの氷塊を思いっきり投げ付けた。


10円ハゲの男「もがひゃぷぺっぺぇ!! はばばばら!?」


 その氷塊は男の顔面に見事にめり込み、男は鼻血を豪快に噴出し、意味不明な言葉を発しながら雪の中へ突っ伏した。
その突然の光景に驚いた他の二人は少女を放り出して10円ハゲの所へ賭け付けた。


ガマガエル面の男「お、おい!! しっかりしろ!!」
獅子舞面の男「だ、だれだ!! 一体誰がこんな事しやがった!?」


 二人は少女に目もくれず、顔を真っ赤にして氷塊の飛んできた方向へ行った。俺はその隙に奴らの背後に回りこみ、少女の所へ駆けつけた。
そして少女を担ぎ、二人に解らない場所へ


烈心「おいっ、大丈夫か!! しっかりしろ!!」
少女「あああ・・・、ううう・・・。」


 少女は恐怖に怯え、気が動転していて白黒の判別も付かない状況だ。
その時、漸く少女を連れ去られたのに気付いた二人組が怒号を発していた。


ガマガエル面の男「お、おい!! いつの間にかあのガキがいねぇぞ!!」
獅子舞面の男「な、なにぃ!! 誰が連れて行きやがった!! 出てきやがれ!!」


 二人組の男は赤い顔を更に真っ赤にさせていきり立っている。なんて情けない姿だ。


烈心「お嬢ちゃん、ちっとばかし此処に居てくれよな・・・。あのゲテモノどもを成敗してきてやるからな・・・。」


 俺は少女に自分の付けていた外套を包ませ、二人組の男の所へ行こうとした。




 しかしその時・・・




????『ヌハハハハハハ!! フハハハハハハ!!』



烈心「!? な、なんだ一体!?」
二人組「ニャ、ニャに!!」


 俺と二人組の男は声のした方向を振り向いた。するとそこには月光をバックにマントを着けた白装束の男が悠々と立ちはだかっていた・・・。




   -続く-