「・・・疲れたって。」
「植物も侮れないね・・・。」

生命をかけた地獄の鬼ごっこが始まって早一時間。
現在、自分の他にも人がいるだろうと探していた所、タイヤ痕を発見し、それの後を追っている。

そして、その後ろには、ラフレシアの怪物といつの間にか増援が追ってきている。
「あれは・・・タンポポ?」
「にしてもでかくなりすぎだよ・・・?」
ラフレシアの後ろをついてくるように追ってきているのは、普通でかくても10cmぐらいのタンポポなのだが、
それを10倍に巨大化したと思われる、タンポポ怪物がよだれ?をぶちまけながら追ってきている。

(・・・絶対に捕まりたくねぇ!!)

そう思いながら、既に植物園が後ろから見えなくなってきた時。悲劇は起こった。
「う~ん、ロキ。前から見えるのってさ。何だろ・・・」
「・・・う~ん、きっと着ぐるみを着たドッキリ企画担当者・・・じゃないかなぁ?」
現実逃避。そして、絶望。
その時、今まで無言をずっと通していた携帯が震える。
「こんなときに電話かよ・・・。」
「ありゃ?僕もだ。」
二人とも速度を落とさず、携帯を開く。

少し前まで、意味不明な数字ズラーな待ち受けだったはずが、元通りになっていた。
それともう一つ変わった点が・・・。
「「メールだねぇ。」」

メールの送信者は誰だか不明。
ロキには一通。
ネクには四通。
それぞれ、メールを開けてみる。

しばらく、走りながら無言が続く・・・。
相変わらず後ろは、よだれ?をぶちまけながら音を立て走ってきている。

ロキが苦笑いでネクを見る。
ネクも同時にロキを見る。
そして・・・

「んなこたぁ、知るかぁ!!!!!」
「意味不明だ!!コラァ!!いたずらかぁ!!」
ネクのメールは全て、
『ダウンロードに失敗しました。』
という一文から始まり、その後に意味不明な字がびっしり。
そして、最後の一文は。
『再度ダウンロードを開始開始開始開始開始開始・・・』
『開始』という単語がずっと続いている。

一方ロキは、普通の文章のようで。
「何かボタンが追加されたとか。いわれてもね。」
ロキが携帯のメニューを開き、色々と探り当てていく内に、追加された項目らしき、プログラム。
『スキルトレースシステム』という物が追加されていた。

「う~ん、これを使えば、戦えるだのどうとか、書いているんだけどね。」
「じゃ、戦えっ!」
ネクが横から『スキルトレースシステム』の項目を押す。
すると、電子音の後に…

ADRESS
02EA19B 00 23 48 9A 8E FA F3 23 51 00 00 00 07
02EA1AB 89 9F 00 00 00 23 13 25 74 68 34 76 99
02FC4DF 99 74 82 39 10 00 93 00 92 84 73 28 49
............................................
という意味不明なものが画面全体に書かれていき、下まで行ききると上から書き換えられていく。
二秒程で終わったのか、一度真っ暗になり。

ついに・・・スキルトレースシステムが・・
『エラーが発生しました。』
立ち上がらず。
「え・・・。」

足音足音。ただそれと轟音。
会話が無い。

「・・・あは。」
「あはははは・・・そうか。もう一度やってくれってか。」
今度はロキ本人がボタンを押す。絶望的な状況。

すると、また出てくる数字・・・ではなく、今度は日本語。

『適合者確認、本人指紋確認、スキルトレースモード解除。』
機械的な声と同時にもう一つの声が聞こえてくる。
今度は英語で。
―Skill...Trace System On. Time Count 5!sec ・・・・・・Start―
・・・最後辺り、どうやら、5の階乗といったらしい。
笑って欲しかったのだろうか・・・。

「えっ!?」
ロキを中心に光だし、やがて、発光が終わると・・・
「う~ん。結構おもしろいね。」
ちょっとロキには大きいサイズからもしれないコートを羽織っている。

え・・・。
「うん、ネク。ここは僕に任せようか。」
コートから大量のナイフをとりだす。どうやら、扱い方は知っているらしい。
「あ~それくらいなら、よろしく。」
ロキの横でスタンナイフを構える。

「軽く、よくとがれた投げナイフ・・・だね。」
周りにいたタンポポ怪物は、ロキの投げナイフに辺り、一撃で灰に還る。しかし、ラフレシア怪物はどうだろうか・・。
あの花は・・・見た目からして生命力がある。
だから、倒れず、何十本も刺さっても倒れない。

―Time Out!!―

強烈な電子音と機械音声が告げ、ロキが元の姿に戻ってしまう。
あっという間の二分。
しかし、ラフレシア以外全滅できたわけで。


「さっきよりは、楽だと思うけど、やっぱり、これ、速いって!」
「マラソンで一位になりたいと、思ってろ。後ろは二位の奴だと思えぇ!!」

限界が近づいてくる。一時間半全力疾走していれば、疲れてしまうのは当たり前。
そして、倒れこもうとした時。
前からも敵がやってくる。
「いくぞコラァ!!」
半分やけになったのか、ネクが立ち上がり前方の敵に向かい携帯を上に投げつける。

ボソボソと、何か聞こえた後には、先程の光が集まり。

「やってやろうじゃねぇかぁ!!」
意識が朦朧としている結果、半暴走状態になりながら、両爪をはめ込み着地・・・。
「そこの少年!!どけぇぇ!!」
「なぁぁぁぁぁ!!」

ド派手な轟音と共に、四輪駆動車は、ネクを空に高々と打ち上げたっ!!
そして、反動で浮き上がり、着地と同時に四輪駆動車はラフレシアを粉砕。

それを呆然と眺めているロキに空也がドアを開け、身を乗り出し、手を伸ばす。
「乗れっ!!」
「え?おわぁ!?」
空也に引っ張られるという形で四輪駆動車に乗車。
前を飛ぶメルカーバとギガネウラを追うように、走り続けようとした時。

「いいいいいいいいいぃひゃっっはぁぁ!!」
もう、人を超えそうな勢いでギガネウラの目の前をネクが落ちた。
「グフッ・・・。・・・ん?」
ネクが後ろを見ると、胴体が真っ二つになって崩れ落ちるギガネウラと、自分をぶっ飛ばした四輪駆動車が。

「よし、任せた。」
変身が解け、タイミングよく、ジャンプし、車の上に乗る。

そして、メルカーバを追う形で、再び植物園へ・・・。






パーティキャラ残りXP
ネク    0回(初めて使用の為。)
ロキ    0回(同じく)

連絡可能とはいっても・・・介入したばかりですね;;
最終更新:2009年06月22日 23:03