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 その日の夕方、ヴァイとディン、そしてティールと21を呼び出すディーラー。

「ヴァイ様、ディン様、ティール様、それと21。 来て頂いて誠にありがとうございます。」
「君に呼び出されるとはね、一体何が有ったんだい?」
「そうですね、呼び出した要件は他でも無い。 …と言った処でしょうか。」
「…用が無いなら俺は帰るぞ。」
「お帰りになられるのでしたらこれをどうぞ。」

 彼女が指パッチンを鳴らすと突然、手紙が頭上からふわふわと舞い降りて全員に一枚づつ手元に来る。

「…手紙?」
「ええ、ウグイス様からの伝言を預かってまして…。」

 魂占いの館の主からの伝言、一体何が書かれているかは分からないがそこで21はこう聞く。

「…今から読んでいい?」
「はい、他人に見られて困る内容では無いと思われます。」

 その一言と共に21は封を切り、手紙を読んだ。


 


 ルーレット21へ。

 貴方が帰って来なくなって数ケ間経つけど…玉には顔を出しなさい。
 きっとBETチップが無くて全力が出せないって困ってると思うから
 BETチップを2枚同封しておくわ。
 これで2回は大技をメンタルに気にせずに撃てるわ、良かったわね。
 そうね、今度からは纏めて渡すからチップが無くなったらうちに来なさい。
 後は帰って来なくても他のメンバーでやっていけるから心配は不要だわ。
 一応、ね。 私ってあんた達の創造主というか、母親みたいなものじゃない?
 五感転写とか記憶閲覧とか、どんなに離れてても繋がってる訳だけど…
 たまには顔を見たいって思ったりするのよ。
 うん、内容は以上。

 後は…、あんたの想い人、前世、前々世、前々々世と続く
 とんでもない天然ジゴロ体質の魂だから厄介よ気をつけなさい。
 結構結ばれてる魂にブレが大きいからチャンスはあるわね。

 それと…、あんた可愛いんだからいつもの黒服ばっか着てないで
 可愛い服を着た方がいいと思うわ。
 フリフリのワンピースとか似合うと思うわよ?
 ドレスとかも捨て難いわね…。
 可愛い系が良いと思うけど、いっそセクシーなのもアリかもしれないわ。

 ラッキーカラーは『ピンク』あんたの髪の色が丁度いいわ。
 そうね、幸運の扉を開く鍵は…十六夜の…『お盆の時期』
 時間は二人の影が長く長く伸びる時、逢魔ヶ時…『日没間近』。
 髪を解いて、いつも着ている黒服とは違う服を着ている貴方…か。
 …これだけ知っていたら後は運命が勝手にシチュエーションを作ってくれると思う。

 ま、関係無い話だけど男っていうのはどんな奴でも一回、
 恋愛感情を抱いてしまったら一生引き摺るもんよ? 特に初恋とかね。
 要は起爆剤となるきっかけさえあればいい、
 後はそこにつけ込むぐらいの度胸が無いと…ね。

 後、あんた。変な所で急にシャイになる所があるから気をつけなさい。

 

 PS ところで、前例が無いからわからないけどあんた達って子供作れるのかしら?
   一回試してみれば判るからあんた、適当に夜這いでもして人柱になってよ。
   まあ、その時は楽しみにしてるわよ♪



 手紙を読んだ21が機嫌悪く手紙をクシャクシャにして呟く、そこをディーラーが耳元で囁く様に話す。

「な…何なのよこれ…、余計なお世話よ。」
「ウグイス様はウグイス様なり私達の事を考えていらっしゃるのですよ。」

 柱にもたれかかりながらティールは手紙を眺め、うんうんと頷いていた。

「うん、こっちには21の事は任せたからよろしくって感じの事を書かれてたよ。
 後はついでにラッキーアイテムとかラッキースポットとかが書かれてたかな?」


 そして突然…


「!?」
「!?」
「!」
「!?」
「…」

 ディンとヴァイが手紙の封を開けた瞬間、突然ボンッと爆発音がした。
 そしてひらひらと舞いあがる焦げ付いた手紙…
 そこには「お前らはとりあえず爆発しとけ。by魂占いの館 主人 ウグイス・カラミティレイド」…と書かれていた。

「…ウグイス様は幸せな方が、特に幸せな事に気が付いていない方が嫌いなのです。
 きっとヴァイ様とディン様は十分幸せだから、その幸せに気付く努力をすべきだと戒めたのだと…。」
「聞こえは良いけど…唯のカップルに対する八つ当たりだよね。 これ…」
「…ティール…、ウグイス様はそういう人よ…。」

 そこを二度風呂から上がってきた浴衣姿の35が通りかかる。

「ん? 何で上半身黒焦げで蛙の轢死体みたいに仰向けになってんだ? あいつら…」

 …何の爆発物を仕込んだのかは判からないが男を一人伸びさせるのは十分な爆発力のある物だったようだ…。

 

 …フローナの魂占いの館にて…

 昼寝から目が覚めたウグイスは窓を開き夕日を眺める。
 ぼーっと夕日を眺め、暫くすると小さな黒服の女の子が彼女に駆け寄ってこう言う。

「うぐいすさま~、そろそろまどをしめないとかぜがひえこむころです~。」
「ああ、ごめんね00。」
「0~、3呼んできて~、今日の料理はあいつに作らせるわー。」
「は~いっ! わかりましたうぐいすさまっ!」

 窓を閉ざしたウグイスは満足そうな表情をしていた、きっとそれは自己満足なのだろう。
 ソファーに寝転がりに向かう彼女は全てを見通す瞳を閉じて一人、呟く。


「薄暗闇の向こうから、……あれは、彼?……彼の様でもあり、そうでないようにも見える……それともあれは……
 おぼろげな記憶の糸の果てに何を見るか? それはあたしにはわからない…。
 もしも、心のどこかでまだ想っているのなら…、一秒の奇跡が見えるかもね? あんたにも。」

 彼女は誰に語りかけたのか、彼女だけが知っているのだろう。
 いや、彼女は全てを知っているのではないだろうか、それなら…。


『ま、何をやろうが結局はあいつ次第なんだけどね、あたしは可能性を創造しただけ。』


 ウグイスはにやりと笑いながらそう言うとソファーに寝そべり、ゆっくりと眠りについた。