婁震戒攻略  ◆Wv2FAxNIf.



 ルルーシュの指示に従い、長い廊下を駆け抜ける。
 そうして二人は遂に目当てのスタジオに辿り着き、天化がその入り口を蹴り開けた。

 途端、視界が拓ける。
 行く手を阻み続けていた死体の群れが、ここにはいない。
 だが緊張は解けるどころかさらに高まった。
 入り口から十メートル以上進んだ先の撮影用スタジオに、一人の男が立っていたのだ。

 黒と赤の派手な仮面で顔の上半分を隠した、黒マントの男。
 ルルーシュと天化がいる入り口の方を向いてはいるが、仮面のせいで視線の先は判然としない。
 不自然なまでに目立つ姿の男を前に、天化は反射的に剣を構えた。
 目を凝らし、集中し、どんな動きにも対応できるよう足に力を籠める。
 だがその集中を、ルルーシュの声が破る。

「天化、その男は『違う』!」
「!!」

 天化が前面に絞っていた感覚を広げる。
 視線を左右に配り、耳を澄ます。

「…………そこさッ!!!」

 微かな空気の流れを肌で感じ取り、天化は振り向きざまに莫邪の宝剣を振り下ろした。
 ルルーシュの首筋めがけて伸びていた黒い影は、宝剣を避けて飛び退さる。
 影がそのまま天化たちから距離を取り、仮面の男の隣りで立ち止まったところでようやく、人の形を成して見えた。
 戦いに慣れた天化の目をもってしても、その男の気配は捉えがたかったのだ。
 対面で向き合ってなお、男の後ろの景色が透けて見えそうなほどに気配が薄い。
 ルルーシュと同様、その輪郭は淡く光って見えているというのに、それをまるで感じさせなかった。

「天化、助かった……」
「助かったのはこっちさ。
 俺っちだけじゃ騙されてた」

 仮面の男の隣りに並び立った、黒い皮鎧の男。
 顔は死体のように青白く、目の下の濃い隈が一層不健康な印象を強めている。
 天化は黒衣の男から仮面の男の方へ、ちらと視線を移した。
 輪郭の光はなく、よく見れば首を絞められた痕がある。
 恐らく、そこらにいた死体のうちの一体に目立つ衣装を着せて立たせていたのだろう。

「死体にこんなことができるってことは、あんたが親玉だな?」
「…………」

 黒衣の男は答えない。
 仮面の男と違って顔がはっきりと見えているというのに、感情はまるで読み取れなかった。

 死体を操りながら天化たちの先回りをし、罠を張って待ち受けていた男。
 その存在は、『ルルーシュの読み通りだった』。


 天化と出会い、一応の安全を確保して以降、ルルーシュは思考し続けていた。
 主に街を覆わんとしている死体の群れの正体や思惑についてだ。
 しかし仮説を立てようにも、死体が動き回るという荒唐無稽な状況を前に手詰まりを起こしかけていた。
 だが天化がもたらしたある情報がそれを打ち破り、ルルーシュは一つの結論に行き着いたのだった。

「高継能、っつったかな。
 そいつと戦った時と、ちょいと似てるさ」

 非常階段を進む間、天化はそう呟いた。
 天化本人は状況の打開までは期待しておらず、雑談のつもりだったのだろう。
 その人物はフェロモンを操る宝貝で遠距離から蜂の群体を支配し、蜂たちをミイラのように仕立てあげて襲ってきたのだという。
 確かにその話は、現状とは異なる点を多く含んでいた。
 だが「ギアスをもってしても実現不可能な事象を可能にする道具」の存在が、ルルーシュが立てる仮説の幅を大きく広げた。

 階段で天化が戦う間、ルルーシュは集まった情報から四桁に及ぶ可能性を列挙し、さらにその中から一つの答えを導き出す。
 そして最上階に着いたところで、それを天化に告げたのだった。

「天化、振り返らなくていいから聞け。
 恐らくこの先、俺たちは待ち伏せされている」
「んなことどーしてわかるさ?」

 スタジオは既に目と鼻の先であり、ルルーシュは手短に説明した。
 まず、天化が戦った宝貝使いの時と同様、この死体の群れにも指揮官がいるのは明らかだった。
 一見すると死体それぞれに知性は見られないが、火や車両を扱って建物を破壊している個体がいる。
 ルルーシュがバリケードを築いていたこのテレビ局への侵入も極めて手際がよく、ただ機械的に人を襲うだけの群れには不可能である。

 また二人が非常階段にいる間、群れの中にはわざわざ各階の頑丈な扉を破って襲ってくる者たちもいた。
 恐らく、二人がそこにいるという情報が群れの間で共有されているのだ。
 そしてそれにも関わらず、二人が身動きできなくなるほどの数が殺到することはなかった。
 統率が取れており、かつ相手を行動不能にするという点については消極的である。

「死体の群れの使いようによっては、俺たちを完全に進めなくすることもできたはずだ。
 つまりその指揮官は俺たちを妨害し、時間稼ぎをしている。
 そして最上階を目指すこと自体は阻止しようとしていない」
「あー、あるかもしれねーさ。
 こいつらみょーにばらけて出てくるから、進みにくい割に大したことねーんだ」

 天化にも心当たりがあったようで、話はすんなりと伝わった。
 天化は頭脳労働は不得手だと自称していたが、戦いの最中でも敵をよく観察している。
 剣を振るだけが能ではないらしい。

「それでそいつに待ち伏せされてるって話になったわけか。
「そうだ。
 俺たちが外の階段を上がっている間に、建物の中を通って先回りしている」
「はー、なるほどなぁ。
 中は死体まみれっつっても、操ってる本人なら関係ねーわけだ」

 天化は感心した様子で納得していた。
 そしてルルーシュはもう一つ、推測を付け加えた。

「どうやらそいつは、俺たちと直接会いたがっているようだ」
「死体どもがあんまやる気ねーからか?」
「それもあるが……この建物だけ、火が回っていないからだ」

 ルルーシュが非常階段から観察した限り、周囲のどの建物にも火が放たれていた。
 群れが暴れた結果燃えているのではなく、車両を建物に突っ込ませたり、可燃物を使用したりと、意図的に燃やされている。
 目的は参加者を炙り出す為だろう。
 二十人の参加者に対してこの街は広大すぎるが故に、隠れる場所を大胆かつ効率よく奪っているのだ。
 しかしこのテレビ局だけは、未だ出火した様子がない。

「死体に人海戦術で囲まれて、身動きできなくなっているうちに火を使われたらひとたまりもなかった。
 まぁ、お前の力があれば突破できたのかもしれないが。
 殺せる機会をあえて見過ごして、わざわざ待ち伏せている」

 合理的ではないが、あらゆる可能性を加味していった結果残った結論だった。
 殺人に快楽を見出す人種なのか。
 二対一でも勝てる自信があるのか。
 何らかの理由があるのだろうが、そこまでは読めなかった。

「んー……ま、着いてからも用心しろっつーこったな」
「そういうことだ」

 やる気があるのかないのか、天化の軽口からは判断が難しい。
 だがその腕が確かであることも、意外に真面目で誠実な男であることも、短い付き合いではあるが理解できた。
 まだ信頼には及ばないが、信用はできる。

 そうして二人はスタジオに辿り着き、天化はルルーシュの期待を裏切る形で豪快に扉を蹴破ったのだった。


 還り人となり新たな能力を得たものの、婁の本分はあくまで暗殺者である。
 奇襲が失敗したことは少なからぬ痛手であったが、さりとてそれで撤退する婁ではない。

 これまでの経験でも、対象に初手を防がれるのは別段珍しいことではなかった。
 まして今回に至っては配下の還り人たちの耳でルルーシュと天化の会話を聞き取っており、読まれていることは折り込み済みだった。
 待ち伏せが不発に終わったならば、正面から斬るのみ。
 武芸の達人として研鑽を積んできた婁は、天化が相手でも敗北はないという自信があった。

『……使って来んようだな』

 妖剣が囁く。
 婁と七殺天凌が真に警戒していたのは天化ではなく、ルルーシュの方である。
 この男の能力について未だ多くが推測の域を出ないが、捨て置くには危険過ぎたのだ。
 最初の奇襲で天化ではなくルルーシュを狙ったのもその為である。

 他人へ命令を強制する力。
 それを行使する直前の所作から魔眼と推察したものの、効果を確認できたのは一度きりだった。
 判断材料が限られる今、魔眼ではなく言霊によるものだという仮説も立てられる。
 ただ黄天化に一度使用してからは、天化本人の自由意志に任せているように見えた。

『だが実際にあの小僧を見て分かったことがある』
「ほう?」
『あの程度の生体魔素では、強力な魔眼など扱えまいて。
 あれでは幼子のそれと変わらんな』
「ならばあの力は……」
『暗示か、催眠術の類と見た。
 あの黄天化の言った宝貝のような、わらわの知識の外のものでない限りはの』
「…………」

 妖剣との念話を続けながら、婁は思案する。
 魔眼でないならば、少なくとも相手の視界に入っただけで術中にはまることはない。
 ルルーシュの発声と視線に注意を払っていれば回避できるはずである。
 未だ憶測をはらみ、賭けになる――だが婁は自ら仕掛けることを決めた。

「来ないのか」

 婁が念話をやめ、ルルーシュと天化に向けて口を開く。
 ルルーシュから天化への「生け捕りにしろ」という命令が耳に入り、やはり能力を使う様子は見受けられない。
 そこで婁は、剣を抜いた。

 意志を持ち、人の血を啜る妖剣・七殺天凌。
 この剣を抜くことは特別な意味を持つ。

「これでも……来る気はないか?」

 息を飲んだのはルルーシュだった。
 目を見開き、目眩を起こしたように数歩後ずさる。
 そして陶酔しきった声で呟いた。

「う、美しい……」

 婁は口の端を吊り上げ、さらに見せつけるように赤い刀身を掲げた。
 七殺天凌は、ただ美しいだけではない。
 その魔力によって人を魅了し、「己のものとしたい」という欲望で染め上げるのである。

「よこせ……その剣は、俺のものだ……!」
「あんなに立派な持ち物があるのにか?」

 ルルーシュの目からは知性も理性も剥がれ落ち、ぎとついた欲望だけが映っていた。
 そんなルルーシュの前で、婁は大袈裟な身振りをもって巨大甲冑を指す。
 恐らくはルルーシュが目的としていた、切り札となりえる兵器である。
 婁の挑発を受けたルルーシュは、その表情を憤怒に塗り替える。

「こんなもの……!!」

 ルルーシュは懐から取り出した『鍵』のようなものを床に叩きつけた。
 兵器を使うのに必要なパーツであることは想像に難くない。
 七殺天凌へ心酔しそれまでの価値観が壊れる様を目の当たりにして、婁は一層笑みを深めた。

「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!!
 その剣を、――っ!」

 ルルーシュの声が途切れる。
 婁は囮に使った仮面の還り人の背後に回り、耳を塞いだのだ。
 だがその還り人の五感を利用し、ルルーシュが命令を取りやめたことは把握できた。

「貴様、まさか俺の力を知って……!」

 ルルーシュのその反応から、婁は確信を得る。
 声だけで能力が発動するのなら、そのまま命令を言い切っていただろう。
 やはり危険なのはこの男の眼である。
 ここまで分かれば、対応のしようがある。

 だが七殺天凌とルルーシュの間に割って入る者がいた。

「あんたの剣、やべー力があるみてえだな。
 俺っちも、ちっとだけくらっときちまったさ」

 七殺天凌の魅了跳ねのけるには、強靱な意志と運を必要とする。
 黄天化にはその両方が備わっていたらしい。

「ま、俺っちは魔剣ってーのにイヤな思い出があっからよ。
 ルルーシュほど夢中にはなれねーみてえさ」
「天化、そう言ってあの剣を独占する気だろう!」
「あー、もう、あんたしょーがねえ人さ……」

 妖剣に魅了されたルルーシュが食ってかかるが、相変わらず天化は煙草をふかし、飄々と受け流している。
 天化の余裕の態度に、七殺天凌が震えた。

『やはりどちらも面白い……前菜と呼ぶにはもったいない輝きよ……!
 早く、早く食ろうてやりたいわ!』
「お任せ下さい、媛」

 婁は掲げていた妖剣を構え、臨戦態勢に入る。
 同時に天化も口論を切り上げ、纏う空気を一変させた。

「こいつはマジにならなきゃやべー相手さ。
 剣は取ってきてやっから、あんたは下がってな……っと!」

 婁が音もなく地面を蹴る。
 天化も遅れず前へと進み出て、広い部屋に剣戟の音を響かせた。


 高継能を相手にした時とはまるで違う。
 莫邪の宝剣を握る天化の手に、わずかに汗がにじんだ。

 人に戦わせ、本人は高見の見物をしているという点では、この黒衣の男は高継能と同類だった。
 ルルーシュの推測を聞いている間、天化は密かに「そんなやつには絶対負けねぇ」と意気込んでいたぐらいだ。
 危険とあっては逃げ隠れし、姑息に待ち伏せして罠を張るような卑怯者は、純粋に嫌いだった。
 だがこうして本人と対面し、天化は己の浅慮を恥じる。
 手段を選ばないという意味で、この男は確かに卑怯者と言えるだろう。
 しかし同時に、卓越した剣客だったのだ。

 立ち振る舞いに服装、それに最初にルルーシュを狙ったことからも、この男が暗殺に特化していることは確かである。
 そして暗殺者であるならば、待ち伏せによる奇襲の失敗は大きすぎる痛手だったはずだ。
 にも関わらず、男の表情にはまるで焦りがない。
 奇襲は手段の一つに過ぎず頼りにしてもいない、天化はその在りようの裏に確かな研鑽を見た。
 天化も努力を重ねてきた身であるが故に、それが理解できたのだった。

 さらに驚嘆すべきはその手数である。
 天化が大振りの一撃を繰り出そうとすれば、この男はその間に四度五度と正確に急所を狙った乱舞を見せる。
 その精緻な動きはまさしく達人――否、超人の境地であった。

 その極められた身体能力は、攻撃のみに留まらずあらゆる動きに反映される。
 天化の剣が如何に鋭くとも、黒衣の男の体は柳か羽毛のようにするりとすり抜けていく。
 そして初めに見せられた気配の薄さも健在だった。
 身軽さと素早さが加わって、至近距離にあってもなお、油断すれば見失いそうになるほどだ。

「あんたはめっちゃ強え!
 たぶん技量なら俺っちより上さ、けどな……!」

 敵が強いからと、諦める天化ではない。
 むしろ敵が強ければ強いほど、闘志を燃え上がらせる男である。

 頸動脈を掻き斬ろうとした妖剣を、莫邪の宝剣が受け止める。
 急所を狙う技術が正確であるが故に、天化にもその一手が読めたのだ。
 鍔迫り合いに持ち込み、なおも無表情を貫く黒衣の男に向かって吼える。

「黄飛虎譲りの腕力と!!
 負けん気だったらぜってーに負けねえさ!!!」

 その言葉通り、押しているのは天化だった。
 黒衣の男も単純な力比べを不利と悟ったのか、剣の角度を僅かにずらした。
 莫邪の宝剣を妖剣の上で滑らせ、切っ先を逸らそうとしているのだ。
 それに気づいた天化は逸らされる前に、『宝剣の刀身を消した』。

 莫邪の宝剣は柄が本体であり、刀身は任意のタイミングで出現させられる。
 鍔迫り合いの状態から唐突に相手を失い、さしもの黒衣の男の体幹が微かに揺れる。

「ッらぁ!!!!」

 再び発現させた莫邪の宝剣も、羽毛の如く逃れる男にはやはり届かない。
 紙一重、黒衣をわずかばかり裂いて終わり、距離を取られてしまう。
 だがそこで天化は驚き、目を剥いた。
 黒衣が裂けた箇所から覗く腹部には、真一文字の生々しい傷があったのだ。

「あんた、その怪我でよく生きて…………っつーよりあんた、ホントに生きて――」
「それはお互い様だ」
「!!」

 天化の足下に包帯が落ちる。
 腹部に巻き付けていた包帯が、距離を取られる間際に斬られていたようだった。
 そうして天化の左の脇腹の、出血し続ける傷口が露わになる。

「あんたのに比べりゃこんなもん……あっ」

 天化の話途中で、黒衣の男は背を向けて走り出した。
 向かう先にあるのは窓である。

「逃がすか!!」

 街の騒ぎの元凶でもある危険人物を、みすみす逃がす理由はない。
 天化が勢いよく歩を進め、そしてすぐに止まる羽目になった。

「天化、早く追いかけろ!
 あの剣を必ず奪うんだ!!」
「……そーだったさ、この人がいるんだったさ……」

 妖剣に魅了された今となっては、完全にお荷物となってしまったルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。
 彼を置いていくか否か、しかし悩んでいる間にも黒衣の男は逃げていく。
 男が窓を叩き割ったところで、天化は覚悟を決めた。

「えーーい、ここまできて置いてけるか!
 舌噛んでも知らねーさ!」
「ほわぁ!?」

 ルルーシュを肩に担ぎ上げ、天化は男の後を追う。
 割られた窓から下を覗くと、数十メートル下の大通りを走る影が見えた。
 天化は躊躇なく窓から飛び降り、外壁に剣を突き立てて減速しつつ落下していく。
 そして適度な高さで外壁を蹴り、大通りを跋扈していた死体のうちの一体の上に着地した。

「わり、今は相手してる時間ねーさ」

 ルルーシュを抱えたまま、黒衣の男が逃げた方角に向けて天化は走る。

(……あ、背負っちまった)

 非常階段を移動していた頃は、ルルーシュが如何に足手まといであっても直接手を貸してやることはしなかった。
 底知れず、どこか信用し切れなかったからである。

(急いでたっつーことでまぁ……)
「天化、早くあの剣を……!」
「あんたってホント残念な人さ……」

 思考が剣一色になったことで、ある意味御しやすくなったとも言える。
 何とか納得できるだけの理由付けをしつつ、天化は呆れと諦めの混じった煙をふかした。


(何故俺の能力に気づかれた……?
 いや、今はそれよりも……)

 天化に運ばれながら、ルルーシュはいつものように策を講じようとしていた。
 だが全ての優先順位が魅了によって上書きされ、普段の思考力は見る影もない。

(死体どもの破壊が都心部に収まっている今ならまだ、電波が届く。
 そこらから携帯を奪ってスザクたちに連絡を……。
 違う、今はまずあの剣だ……!!)

 スザクやジェレミアが焦りとともに動き出した頃。
 彼らの声の届かぬ場所で、ルルーシュは魔剣に深く囚われていた。



【一日目昼/九段下 テレビ局付近】

【ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[所持品]なし
[状態]七殺天凌に魅了されている
[その他]
  • 携帯電話を紛失


【黄天化@封神演義】
[所持品]莫邪の宝剣、鑚心釘
[状態]左脇腹に傷
[その他]
  • ルルーシュの「俺を助けろ」ギアス使用済み(効果が継続しているかは不明)



「……さて」

 婁は元の最上階へ舞い戻っていた。
 逃走に見せかけてルルーシュたちを撒き、堂々とやり過ごしたのである。

「申し訳ございません、媛。
 天化とルルーシュの両方を見過ごすことになろうとは」
『構わん、一筋縄でいかない連中とは承知の上よ。
 焦らずともまた機会はあろうさ。
 あやつらのさらに上の極上の獲物も控えておる以上、戦いを長引かせる方が愚策と言えよう』

 妖剣の囁きを受け止めながら、婁はあるものを回収した。
 ルルーシュが捨てた、巨大甲冑の鍵である。
 婁自身がこれを扱うことはできなくとも、知謀に長けたルルーシュにこれ以上の戦力を与えるべきではない。

『とはいえ婁よ。
 そろそろわらわも渇きを覚えるぞ』
「ええ媛、次こそは。
 それまではどうかこの身を――」

 婁はうやうやしく七殺天凌を掲げ、そして自らの脇腹に突き立てた。
 己が食われる感覚にすら、婁は酔う。

『くくっ……おぬしの味は、未だ飽きることがない』
「恐悦至極に存じます」

 婁は妖剣に生体魔素を吸わせながら、街全体に張り巡らせた『目』を凝らす。
 愛しい妖剣が上機嫌でいるうちに、次なる標的を捜す為に。



【一日目昼/九段下 テレビ局 最上階スタジオ】

【婁震戒@レッドドラゴン】
[所持品]七殺天凌、ルルーシュの携帯電話(故障中)、蜃気楼の起動キー
[状態]健康(還り人)、生体魔素を消費(媛は空腹であらせられる)
[その他]
  • 七殺天凌は〈竜殺し〉
  • 還り人たちを通して会場全域の情報を得る。
  • ルルーシュの能力についてほぼ把握




009:天凌府君、宣戦布告す 婁震戒 012:光芒
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア -
黄天化