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 その日、美玖はなかなか眠りにつくことができなかった。

 莉奈がいなくなる?私の生活から消えてしまう?そんな馬鹿な……。

 平和な暮らしに安住していた美玖は、その環境が変わる事を受け入れたくはなかった。それまでの生活は、小学校での辛い日々に比べれば、中学校生活は幸せすぎた。それが、壊れる事があるなんて。美玖は考えてみた事もなかった。

 だから尚更ショックだった。平和な生活にもいつかは終わりがあることを突然突きつけられた美玖は、混乱して何も考えられなかった。

 次の日、帰りの道で莉奈は再び高校について語りだした。

「たった一度の高校生活だからさ。こんな所で終わらせたくないよ。」

 分かってない、と美玖は思った。何も争いがないのが、気の強い彼女にとっては、ただつまらないだけなのだろうか。それとも、クラスに女子しかいないのが、たまらなく退屈で、どこかの男の子と擬似恋愛を楽しみたいのだろうか。

 多分どちらも当たっている。莉奈は、自分では自覚していないのだろうが、彼女は非常に人を傷つけやすい性格だ。その所為で、小学校時代は友に恵まれなかったらしい。確かに、莉奈を受け入れられるような人は数少ないだろう。そういう人は、ごく稀だ。自分を強く信じて保てる事のできる人間か、どんなに厳しい言葉でもスポンジの様に吸収できる人間に限られている。

 美玖は、その後者のほうだった。

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