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水飛沫が舞い、岩が砕け散る。
水の奔流は龍となって、その男・春青龍の周囲を縦横無尽に駆け回る。
天から地から、巨大な龍が牙をむいて天野銀次に襲い掛かる。
もはや避けるだけの気力すらも失って倒れ付す銀次に、青龍が語りかける。
「ルシファーは約束してくれた。彼と共に新しい世界を築けばそこには妹も……龍華もいるはずだと!」
銀次は口の中の鉄の味を噛み締め、足を踏ん張って何とか立ち上がった。
「そんなのウソっぱちだ!龍華は死んだんだ!俺の腕の中で!」
銀次自身がその言葉を口にするのは、耐え難い苦痛だった。
大切な友人を守れなかった自分の不甲斐無さを、自ずから思い出す事になる。
自分が雷帝として覚醒したのは、あの時の龍華の死がきっかけだ。
それは殺戮の力であって、誰かを守るための力ではないかもしれない。
しかしそれでも、銀次の心の持ちようによっては、誰かを守るために使える可能性を孕んでいる。
実際に彼は無限城時代、その力を、仲間を守るために使っていた。
もしも、あの時……龍華が死んだ時に、既に自分が雷帝の力を持っていたらと、何度考えた事か。
それはパラドックス。龍華の死が先に有りきである以上、雷帝の力で龍華を守れたという可能性は、有り得なかった。
有り得なかったが、しかし何度も、何度も悔いてしまう。あの時自分に力があれば……と。

「龍華だったんだよ!紛れも無く!」
青龍の猛攻はなおも続く。彼自身、アバリアリティの中の龍華が真の龍華だとは、思えなかった。
しかし、あれは真の龍華だと、思い込みたかった。信じたかった。
ルシファーは言った。
「青龍君……ここはまだ蜃気楼のように儚くて、私も君もここに永く留まる事は叶わない」
「しかしこの領域がもっと確かなものになるとしたら? 
 今我々が生きている世界と変わらぬ確かさをもって存在できるようになるとしたら?」
「君の妹は……龍華は生きているのと同義だとは思わないか?」
そんなものは詭弁だ。生きているのと同義?
同義という事は、本当は違うと言い切っているようなものではないか!
それでも、青龍は縋りたかった。抱きしめたあの感触は紛れも無くリアルと同じだった。
リアルとアバリアリティは、次元が違うだけで、どちらが本物、どちらが偽物というものではないのかもしれない。
アバリアリティからしてみれば、リアルの世界が偽物に相当するのかもしれない。
机上の空論とも思えそうな理屈を必死で組み立てて、青龍はルシファーに従う道を選んだ。
「私はあえて禁断の果実を口にする! 愛しき龍華の笑顔をもう一度見られるのならば!」
春雷を浴びて神々しくも禍々しく輝く双龍を前に、銀次は観念しかけた。
だがその時、銀次の胸ポケットから一枚のカードが零れ落ちた。
それは、全てを見越してマリーアが予め銀次に持たせていたものか。
それとも、銀次を思うあの少女の心がもたらした奇跡か。
『花園の麗龍』
別れの一撃を放つ青龍から、銀次を守った一枚のカードは、柔らかな大気でもって、銀次を包み込んだ。

気がついたのは、暗闇の中だった。
「……あれ、ここは……? 俺、死んじゃったのかな……」
辺りを見回すと、暗闇の中にわずかな光が、一点だけゆらめいている。
その光は、七色に煌いていた。光は大きくなり、形を為し、人の姿へと変わっていった。
黄色い光が髪の毛に、薄紫はオーバーオールに、あざやかな緑は円らな瞳に、次第に変わっていく。
色とりどりの光を纏い、懐かしい少女がそこに現れた。
「久しぶりだね……銀次君」
「君は……まさか、龍華!?」
死んだ筈の少女が、生前と変わらぬ姿で、銀次の前に佇んだ。
あまりの事に、銀次はしばし呆然として言葉を失った。
「あ……えっと、これ……どういう事、なのかな……?」
疑問を口にはしてみたものの、マリーアに記述の力を習った四人の中では、十兵衛に次いで順応の早かった銀次だ。
ましてつい今しがたまで、青龍が記述の力で龍華に再会出来たという話を聞いていたばかり。
目の前の龍華が記述によって蘇った存在だと、頭では理解出来ていた。
「不思議だね……死んだ筈の私が、こうしてもう一度、銀次君と一緒にいられるなんて……」
龍華はもう一歩銀次に近づくと、もはや自分よりはるかにお兄ちゃんになった銀次を、上目遣いで見上げた。
「えへへ……お兄ちゃんが、もう一人増えたみたい」
そう言われて銀次は、最後の一撃を放った時の青龍の、悲しい瞳を思い出した。
気がつくと、周囲は既に暗闇ではなかった。
もっとも、ある意味では暗闇よりも恐ろしい場所と言えたかもしれない。
そこは、かつて龍華が死亡した、無限城の下層階の風景だった。

「わかってはいたけど……誰もいないねぇ」
子供のように――本当に子供なのだが――浮き足立って歩く龍華の後を、銀次はついてまわった。
「私、無限城で何の危険も感じる事無く歩けるなんて、無いと思ってた」
そこには、ベルトラインの化け物達も、ロウアータウンのゴロツキ達もいなかった。
代わりに、他のありとあらゆる人間も、存在していなかった。
「ゴローやリューレン君達も、死んじゃったんだよね……」
無人の世界で、龍華はかつて天子峰猛の元に集まっていた少年や少女達の事を思い出していた。
自分のような非力な子供が、あの無限城で変態どもの性奴隷として捕らえられる事も無く
純潔を保ったままで暮らす事が出来たのは、彼らのような強力な庇護者のお陰と言えた。
もっとも、その頃の龍華は他者を信じる事など出来なかった。
無限城にいて他者を信じる事など、並の精神力では出来ない。あの冬木士度でさえ、銀次と出会うまでは排他的だった。
いつ死んでも構わない。生きる事が出来るのなら、いっそベルトラインの連中に飼われるのも、悪くはない。
生前の彼女は、そんな風に自棄になっている部分があった。
それでも彼女が他人の事を思いやりながら生きる事が出来たのは、銀次のお陰だった。
彼がいなければ、龍華は世界を恨んだまま、醜い心のままで死んでいたかもしれない。
更に言えば、銀次が雷帝として覚醒してベルトラインの化け物達を一掃してくれなければ
死んだ後でまで、化け物達の便器として扱われていたかもしれない。
ネクロフィリアなど、無限城では珍しい事ではない。塩漬けで保存された若い女性の死体なども、普通に売られていた。
「やっぱり私がいた頃の無限城とは、結構違うね。と言っても、雰囲気は全く一緒だけど」
無限城では、一ヶ月もあれば新しい通り道が出来ていたり、逆に道が無くなったりした。
あった筈の壁が無くなったり、無かった筈の壁に阻まれたり、地下だった場所が吹き抜けになったりした。
ひび割れた大きな鏡の前に立って、龍華は自分と銀次の背を見比べた。
「あの頃は、私達って殆ど身長変わらなかったのにねぇ……」
今ではもう、背伸びをしても銀次には届かない。
「ねぇ銀次君?」
まるで蛮の邪眼の世界にでもとらわれたかのように呆然とする銀次に、龍華が話しかけた。
「あ、な、何だい? 龍華……」
「もうっ、ぼーっとしちゃって。せっかくのデートなんだから、シャキッとしてよ!」
まだ頭の中がすっきりしない銀次の片手をとって、龍華は半ば強引に腕を組んだ。
「もし私が……あの時死ななくてさ、今でも体が成長してて、銀次君と同じように大人になれてたら……
 少しは、銀次君の背に届いたのかな?」
彼女の成長を……未来を止めてしまったのは、自分だ。銀次はそう思っていた。
何でも自分のせいにして考えてしまう、心根の優しい銀次だからこそ、背負った罪の意識はなお強かった。
龍華を殺害したのはベルトラインの者達であり、それ故に銀次には復讐を決意する動機さえ在ると言える。
しかし、自分の非力を棚にあげて復讐などと考えられるような性格ではなかった。
「ごめんな、龍華……あの時俺に、力があったら……」
俯く銀次を無視して、龍華は近くの階段まで歩いていった。
「銀次君、こっち来て」
銀次は、言われるままに階段へと向かった。その階段は狭く、人一人が通れる程度だった。
龍華が階段の上に立っているせいで、銀次は階段の手前で止まらざるを得なかった。
階段の上に立てば、龍華はどうにか銀次と目線の高さを同じくできた。
龍華は、そのまま銀次の方へと、顔を近づけた。しかし、距離があるために、前のめりに倒れそうになる。
慌てて、銀次が龍華の体を支えた。だがその瞬間を狙ったかのように、龍華は銀次の唇を奪った。
「んな……っ」
相手は子供とは言え、突然キスをされては誰でも動揺する。銀次は驚いて後ろに倒れこんだ。
つられて龍華も銀次の上にうつ伏せに倒れこんだ。銀次は咄嗟に両手で床を叩いて、柔道で言うところの後ろ受身をした。
「ちょっ……危ないよ、龍華!」
「えへへ、不意打ち成功~!」

龍華が上に馬乗りになっているため、銀次は体を起こせなかった。
力ずくで起き上がる事も出来たが、龍華相手に無理をする気はなかった。
「本当はさ、階段に立てば、私でも銀次君に並べると思ったんだけど……」
徐々に、龍華の着ている服が、光となって空気の中に溶けていく。
「よく考えたら、わざわざ階段の上に立たなくても。こうして、寝転んでれば、高さなんて関係無いんだよね」
龍華は、銀次の胸のあたりに両手をついていた。
龍華の掌が触れているあたりから、少しずつ銀次の衣服も光に変わって、消えていく。
「龍華……?」
「ねぇ、銀次君……私の事、いやらしい子だって、思わないでね……?
 私の全部……銀次君にあげたい……私の気持ち、受け取ってもらいたいだけなの……」
銀次は何も言わず、ただ龍華を抱き寄せると、その広い胸で、優しく抱きしめた。
「龍華……ありがとう。俺、嬉しいよ……」
少女のまま成長しない龍華の体は、無垢な上に、小さかった。
成長期にさしかかっていたから、わずかな腰のくびれはあったが、それだけだった。
乳房は殆ど膨らみを伴っていなかったし、その先端の乳首も、男性である銀次よりわずかに大きい程度のものでしかなかった。
乳輪は可愛らしいピンク色で、股間にはわずかに産毛が生えている程度だった。
「こんな事……青龍さんに知られたら、殺されるぐらいじゃ済まないかも……」
銀次の陰茎を、その小さな口で懸命に咥える龍華が、上目遣いで答えた。
「んあ……ぷはっ……大丈夫らよ……わたひ、おにいひゃんにも……いわないから……」
フェラを希望したのは、銀次の方だった。
いくら生きていた頃の年齢は殆ど同じとは言え、さすがに12歳(公式)の少女を犯すのは、躊躇いがあったのだ。
しかし童貞の銀次には、女性にとっては普通のセックスよりもフェラの方が余程抵抗があるという事は、わからなかった。
それでも龍華は、銀次が望むのならと、一所懸命にグロテスクな肉棒を咥え込んだ。
テクニックなど何も知らない龍華は、ただひたすら銀次の陰茎を咥えて、先端の方を自分の口から出し入れしていた。
先走り汁が、少しずつ銀次の亀頭から漏れ出る。唾液に混じって、それは龍華の舌の上にとろけた。
段々と苦さを増していく事に顔をしかめながら、龍華はまだ懸命に口をスライドさせた。
その内、好奇心から、舌をもっと使おうという気になった。
初めは遠慮がちに、しかし少しずつ大胆に、龍華は銀次の男根を舐めた。
もはや銀次の陰茎は、いつでも準備OKな程に、硬く膨張していた。
「もう良いよ……龍華。次のステップにいこう」

銀次は、さっそく龍華の中に挿入しようと思った。
先程までは、それだけは我慢すべきと考えていたが、もはやそれは龍華に失礼だと思い直していた。
しかし龍華としては、まだ挿入してほしくはなかった。
龍華は子供で、更に義務教育さえ受けていない。性教育も受けていないし、教えてくれる大人もいなかった。
故に前戯という言葉など備わっていなかったが、それでも、胸を揉むぐらいの事は、銀次にしてほしかった。
「ねぇ……いきなりってのも怖いし……おっぱい、一先ず揉んでみてよ」
銀次は、お預けをくらった自分の陰茎を残念に思いながら、後ろから龍華を抱き上げた。
コンクリの段差の上に腰掛け、親が幼い子に絵本を読んで聞かせる時のように、龍華を自分の両足の上に座らせた。
その時、銀次が無意識に龍華を自分の肉体に密着させたのか、或いは龍華の方から銀次に密着したのかはわからない。
わからないが、ちょうど龍華の尻が、銀次の反り立った陰茎に、ぴっとりとくっついた。
龍華は、先程まで自分が咥えて、怖いくらいに大きく硬くなった、銀次の肉の棒が、
自分の大事なところのすぐ後ろに密着している事に、恐怖と快感を感じた。
銀次は後ろから龍華の細い体の横を通って、腕を前へと伸ばした。
そして彼女の要望通り、わずかに膨らんだその胸を、ゆっくりと揉みしだいてみせた。
もっとも揉める程の柔らかさは無かったのだが、それでも銀次は、掌で龍華の胸を隠すように覆い、餅のようにこねた。
「えと……ごめんね、銀次君……私の体、つまんないでしょ……?」
「そ、そんな事無いよっ!」
銀次は必死で否定したが、客観的にはそれはロリコンと間違われかねない発言だった。
大人の女性が相手なら、銀次の腕は相手のワキの下を通っていた事だろう。
だが、子供が相手だったので、銀次は龍華の腕の更に外側から、直接自分の腕を前に突き出していた。
そのため龍華の両腕は擬似的に体に押さえつけられたようになっていて、少女は拘束感を覚えた。
今更躊躇っても逃げられないという怖さは心拍数の上昇に直結し、図らずも銀次に一層のドキドキを感じた。
銀次は不器用に指先で龍華の乳首を弄んだが、やはり龍華の乳首は勃起しなかった。
「おかしいな……前に蛮ちゃんに無理矢理見せられたえっちな写真集の女性は、もっとおっぱいの先がコリコリしてたのに」
童貞の下手糞な指使いで乳首を立たせられる女など普通はいないし、まして龍華は処女である。
土台、乳首が勃起出来るわけはなかったのだが、銀次はしつこいくらいに乳首を重点的に責めた。
「ちょっと……銀次君。今、えっちな本読んだって、言った……?」
快感からではなく、脈拍の上昇から呼吸を微かに荒げていた龍華は、銀次の迂闊な発言に反応した。
しかし銀次は、自分の発言の何がまずかったのか、気付きもしなかった。
「うん。俺、死ぬ前は蛮ちゃんって人と一緒に仕事してたんだけどね。
 蛮ちゃんはホンットにえっちで、よくヘヴンさんのおっぱいも揉んでるし、俺にもえっちな本読ませるし……
 俺の周りって、作者のせいかもしれないけど、何でか結構えっちな事起こるんだよねぇ。
 ……そう言えば、こないだ、この無限城で雷帝になっちゃった時に、朔羅の服もひんむいちゃってたみたいだし……
 弥勒って人と戦った時は、奇羅々さんの服も脱がせちゃったし、こないだなんか、記述の特訓中に
 ずぶ濡れになった卑弥呼ちゃんとヘヴンさんの、あられもない姿を見られたり……」
銀次自身はそれらのエピソードを、身に降りかかる面倒事程度に話したつもりだったのだが、
話せば話す程、龍華の機嫌が悪くなっていっている事には、全く気付いていなかった。
「……何よ、銀次君……私だけじゃ、ないんだ……」
ぽつりと呟いた少女の声に、銀次は自分が、相手の嫉妬心を刺激してしまったと気付いた。
「い、いや、全部ただの不可抗力で……」
「やだ! もう銀次君には、指一本触らせてあげない!」
龍華は銀次の腕の中でもがいた。銀次は思わず龍華の胸から手を離して、代わりに龍華を強く抱きしめた。
「ごめん……俺が悪かったよ……だから機嫌なおしてよ、龍華……」
正直、龍華はこれを味わいたくて、わざと拗ねてみせたようなものだ。
自分より年上の男性が、申し訳なさそうに自分に甘えてくるという感覚に、女性はどうしても弱い。
「しょうがないなぁ……今回だけ、許してあげる」
「ホント?」
「そん代わり……本気で、私を抱いてよね?」

銀次に頼っているだけではどうしても濡れてこない龍華は、覚悟を決めた。
銀次の前で、躊躇いがちに自分の右手を股間に伸ばす。左手は、自らの胸にあてがわれた。
「へぇ……話には聞いてたけど、本当に女の子でも、オナニーってするんだね」
「だって……しょうがない……じゃん……こうでも、しないと……その……濡れないし……」
産毛の奥の、一本の筋に、少女は指を這わせた。そのまま、こするように指を前後に動かす。
そうこうしている内に、段々と指先がテカってきた。筋から、少しずつ肉がはみ出してくる。
龍華は、立って自慰をしていた。本当は座り込みたかったが、衛生管理の悪い無限城で、
一番清潔に保ちたい部分を床にこすりつけてしまいかねないような事は、したくなかった。
寝転がってする事も考えたが、埃だらけの床に全裸で寝る事は、女の子としては出来なかった。
しかし我慢して立っているため、既に膝は折れそうになっており、ガクガクと震えている。
乳首は十分に硬くしこっており、唇にはとても小学生程度の年齢とは思えない艶やかさが生まれていた。
「凄いな……俺が触った時は硬くならなかった乳首が……」
少女の自慰を見て既に気がふれそうになっていた銀次は、先程からずっと剛直している自分の陰茎を
一心不乱にしごきながら、立つ事もままならなくなってきた龍華を、その胸に抱きとめた。
ぽた……ぽた……と、龍華の股間から粘性のある液体が、少しずつこぼれ落ちる。
「銀次くぅん……もう、良いんじゃないかなぁ……私、もう……」
「あぁ、龍華……俺ももう、限界だよ……」
龍華が床に寝転がりたくないと思ったのと同様、銀次自身、彼女を床の上に寝かせたくないと思っていた。
そこで彼は、まず自分が仰向けに寝て、その上にまたがるように、龍華に指示した。
いわゆる、騎上位。初等教育の年齢の子供に、いきなりそんな体位をさせるのはどうかと思ったが、
龍華がそれで納得したので、銀次もその好意に甘える事にした。
龍華は、さぞかし初めての時は痛いのだろうと、腹をくくっていた。
だが、その痛みをむしろ積極的に味わいたいとも思っていた。
大好きな人と繋がる初めての記念なのだから、むしろ激痛を伴う方が、より記憶に強く残る筈だ。
龍華は涙をこらえながら、少しずつ、少しずつ、銀次を自分の中に引き入れていった。
途中で出血もしたし、その時はさすがに力尽きてしまいそうだったが、何とか堪えた。
堪えなければならなかった。もし力尽きて、そのまま膝の踏ん張りを失ってしまえば、一気に腰を落とす事になる。
そうなれば、一直線に奥まで挿入され、生半可な痛みではなくなるだろう。
十五分程かかって、ようやく龍華は、奥の奥まで銀次の陰茎を包み込んだ。
「いっ……た……痛い……よぉ……」
「大丈夫、無理しなくて良いから……動けるようになってから、動いてくれたら良いよ」
銀次はそう言うと、龍華の幼い手を握り締めてやった。
龍華は、爪が食い込む程強く握り返してきた。破瓜とは、これ程までに忍耐を伴うものなのだと、銀次はある種感動した。
やがて龍華は、ゆっくりと腰を浮かせた。
銀次は、あまりの痛さに耐え切れなくなって、彼女が抜こうとしたのかと思った。しかし、そうではなかった。
亀頭の淵のあたりまで腰を浮かせると、そのまま彼女は、再び腰を下ろした。
どうやら、懸命にピストン運動しようとしているようだ。
そのまま少しずつ、腰を浮かせてはまた沈め、浮かせては沈め、を繰り返した。
しかし、その動きに激しさが全く無いために、パンパンというセックス特有の音も発生せず、
自分の腰にゆっくりと降りかかってくる彼女の体重だけを、銀次は感じ取っていた。

「焦らなくて良いよ、龍華……時間はいくらでもある。
 何しろ俺達、もう死んでるんだからね」
だが、その言葉を龍華が否定した。
「違うよ……銀次君……君はまだ、死んでない……
「え?」
「ここは、神の記述とかっていう……カードが作り出した……特殊な空間の、一つだよ……
 舞台が無限城なのは……私の記憶が……反映、されてる……から……」
ここが、アバリアリティの中?
マリーアから教わり、ガブリエルと名乗る少年に引き込まれた事もある、あのアバリアリティ?
それでは、まだ自分は死んでいない?
「銀次君……兄さんを、止めて……」
龍華は未だ懸命に腰を上げ下げしながら、銀次に願いを託した。
「今の兄さんは……怖い人に、なっちゃってる……
 私なんかを蘇らせるために……人を、傷つける人になっちゃってる……
 だから、兄さんを止めて……」
銀次は少女の言葉を聞きながら、同時に考えていた。
ここがカードの力によって生まれたアバリアリティなら、術者である自分が強く念じれば、それは実際に起こる筈だ。
龍華はもう、十分に痛みに耐えた。これからは、気持ちよくなってもらいたい。銀次は、強くそう願った。
「あぁ……お願い……兄さんを……あぁっ……」
銀次の願いが届いたのか、龍華に元々素質があったのか、少女の声が段々と色っぽくなってきた。
ピストン運動も激しくなって、無人のロウアータウンに、パンッ、パンッと、肉の音が響き始めた。
「あぁあお願いぃ……銀次くぅん……にいひゃんを、とめれぇ……」
感極まって何かを貪欲に求めるように舌を突き出し、龍華は呂律がまわらなくなった。
その口の端からは、だらしなく涎が流れ落ちていた。愛液も、少女とは思えない程ビチャビチャと迸っていた。
「あぁんっ……ぎんじくん……ふぁあ……きす……あんっ!……きす、してぇ……ひぅっ……きすぅ……」
銀次はいたいけな少女の願いを叶えようと、ゆっくりと体を起こした。
龍華の上下運動の妨げにならないように、あくまでゆっくりと起き上がる。
「あはぁあ……ぎんじくん……あなたにぃ……ちからを……あげるからぁ……」
銀次は少女を抱きしめ、唇を重ねた。彼の腕の中で、少女はまだ上下運動を続けていた。
少女が動くたびに、唇が上下にこすれ、図らずも舌が擦れ合う。
うまく唇が重なった瞬間、銀次は少女の中に射精し、少女も絶頂を迎えた。
「んむ……んむぁあぁあ……!」
あまりの快感に叫び声をあげそうになったが、同時に銀次にキスしていたため、おかしな喘ぎ声となった。
だが、それでも口は銀次を貪欲に求めていたため、
さながら貪るように、少女は彼の唇を自分の口で覆って、キスを続けた。
絶頂を迎え、天にも昇る心地になった龍華は、体の内から溢れ出る力を、口移しで銀次に分け与えた。
「あぁ……力が……俺の中に……」

ホンキートンクから外へ出た夏実は、無限城と呼ばれる違法建築の塊に、雷が迸るのを見た。
「無限城に雷が落ちてる……」
喫茶店のマスターは、全てを悟った風に、彼女の見解を否定する。
「いや……違うな夏実ちゃん。ありゃ無限城から空に向けて、雷が迸ったんだよ」

ロウアータウンを現在管理しているMAKUBEXの手製の並列処理コンピューターが、わずかな間だけダウンした。
「MAKUBEX! 2秒間、メインシステムの電源がダウンした模様!」
「システムリカバリの必要は?」
「ノットネセサリイ! サブシステムが即時カヴァーしたため、トラブルは回避出来そうです!」
「そうか……」
眼精疲労を癒すために愛用のディスプレイゴーグルを外したMAKUBEXは、再び目覚めた『彼』に
恐怖と畏怖をもって思いを馳せた。
「永別了、銀次君……」
トドメをさそうとした青龍の前に、目もくらむ程の閃光が迸った。
電流が、細胞の一つ一つをピリピリさせる。肌が総毛立ち、本能がアラートを鳴らす。
「なっ……! ロ、龍華……?」
そこには、麗しき龍を従えた、『最強の雷帝』が立っていた。
「終わりにしよう、青龍さん。
 あんたはもう――俺には勝てない」