【赤梅】豆腐小僧(R)
基本情報
名前 【赤梅】豆腐小僧
種族 魔種
ジョブ アタッカー
召喚コスト 20
<タイプ> 怪異
タイプ 百鬼
HP 350
ATK 10
DEF 10
覚醒
超覚醒
アーツ
CV 石川 静
備考 魔種〔豆腐小僧〕との同時登録不可

アビリティ
召喚 なし
覚醒 なし
超覚醒 怒りの高野豆腐
防御力が上がる。
また、自身が攻撃を受けるたびに防御力が下がり、攻撃力が上がる。
※「怒りの高野豆腐」について、カード表記上の「ダメージを受けるたび」という表記は誤植

ステータス
状態 HP ATK/DEF
召喚 350 10/10
覚醒 400 20/20
超覚醒 450 80/300〔0回攻撃を受ける〕
230/1〔30回以上攻撃を受ける〕

DATA・フレーバーテキスト
+Ver3.5
Ver3.5
身長 1.5尺
体重 豆腐20丁分
その佇まい 幽玄なるおぼろの如く
その技 滑らかな絹ごしの如く
その闘志 荒々しき木綿の如く
その意志 堅固なる高野のごとく
イラストレーター moi
フレーバーテキスト
『黒い森』の奥で見つけた『赤い月』に“夢”を吸い取られたニルス、マキリ、オーサン、ヤニワニは、豆腐小僧を残し、深い眠りに落ちてしまいました。

その様子を見て、慌てて「妖精王に報告する」と駆けだす妖精の守護者・キュン、そしてその後を慌てて追いかける豆腐小僧。

ほどなくして二人は、森の近くにある小高い丘の小さな洞窟へと入っていきました。洞窟の中は真っ暗で、豆腐小僧の目の前を走るキュンの姿さえ見えないほどです。

「おいおい犬っころ、どこまで行こうってんでぃ!?」
「うるさいワン! ついて来くるなワン! そもそも、この先は妖怪なんかが来ていい場所じゃないワン!」
「なんだとぅ! さっきっから妖怪妖怪ってよぉ! 妖怪も妖精も一文字ちがうだけで似たようなもんだろぅがよ…って、うわぁ!」

豆腐小僧の視界が、突然まばゆい光に包まれました。

「なんでぃ、ここは…」

くらむ目をゆっくり開けると、そこはたくさんの妖精たちが飛び交う、美しい森の中でした。

「はぁ… とうとうこんなとこまで付いて来てしまったワンね… ここは妖精の世界『妖精丘』だワワン。ここで迷子になられても困るワンから、おとなしくワッシのあとについてくるワン」

二人は、森の奥へと続く一本道を進んでいきました。

しばらく進むと、森が開け、木々の枝葉が絡み合わさった美しい天蓋に包まれた空間にでました。その真ん中、一段高い丘には二つの玉座があり、その片方には、色とりどりの羽をたずさえた大きな妖精が、頬杖をつき、不機嫌そうに座っていました。

キュンは、おずおずと妖精の前に進み、かしずきます。それを見た妖精は、さも面倒そうにゆっくりとキュンを見やりました。

「…キュンか。私は今、虫の居所が悪い。下がるがよい」
「オーベロンさま! それが、緊急事態なんですワン! 先ほど『黒い森』にて、4人の妖精たちの夢が“夢の結晶”に取り込まれてしまったんですワン!」

オーベロンと呼ばれた妖精は、キュンの報告を聞いて気色ばむと、顔をもたげ、羽をひとつバフンと強く羽ばたかせました。

「“夢の結晶”だと? 『魔女』を封じていたあれか… あれはついぞの前に突然バラバラに砕けて消えたのではなかったか?」
「そうなんですワン…それが、気づくと再びくっついて、『黒い森』に戻ってきてたんですワン…」
「…それで、結晶はどうなった」
「欠けていた部分を妖精たちの夢で補ったあと、どこかに飛んでいってしまったですワン…」
「このような時に、なんと忌々しい… 『魔女』が意識を取り戻したのかもしれぬな… だとすれば、結晶が完全に元に戻れば、夢がはじけて奴が復活するやもしれぬ…」

深刻な様子で話すオーベロンとキュン。そこに、会話の意味が分からずイライラと湯だった豆腐小僧が割って入りました。

「やいやい! 魔女とか結晶とかなんの話でぃ! こちとらチンプンカンプンだ! そんなことより、あいつらは助かんのか!? どうなんでぃ!!」
「なんだ、その四角いのは…」
「あぁん? お豆腐は四角くて当たり前だろぅが、こんちきしょう!」
「お前黙るワン! 恐れ多くも妖精王の御前だワンよ!! 申しわけございませんワン… この者は、夢の結晶にとりこまれた者たちの仲間のようワンでして、ここまで付いて来てしまったんですワン… ともかく、ここはどうかオーベロンさまのお力で妖精たちを救い出して欲しいのですワン」

オーベロンは目をつむり、ゆらりと羽を動かすと、再び頬杖をついて二人を見やりました。

「私は行かぬ」
「…え?」
「今、私は虫の居所が悪いと言っただろう? 我が妻が妖精丘より姿を消して以来、私は多くの政務に追われ、非常に困っているのだよ。妻の気配を辿り異世界にまで足を延ばしたが、まったく見つかる様子もない。これ以上の煩い事はごめんだ」
「し、しかしオーベロン様…」
「かああ! なんて器のちっせぇ王様でぃ!!」
「やかましいぞ、四角め。手を貸さぬとは言っておらぬ。…キュンよ、お前が行け」
「ワワン?」
「私とて、かの『魔女』が復活しては面倒だ。1000年前のように暴れられてはかなわんからな… 今より『妖精の道』を開いてお前を“夢の結晶”の中に送り込む。とりこまれた者たちの夢をとり戻し、『魔女』の復活を阻止するのだ。よいか、それを果たすまで、決して戻ってくるではないぞ? これ以上、私を煩わせるのは許さぬ」
「か…かしこまりましたワン!」

妖精王がひどくおっくうそうに片手をキュンの前にかざしました。すると、キュンの前の空間がぐにゃりと歪み、そこにぽっかりと薄桃色の穴が空いたではありませんか。

キュンは意を決すると、その穴に飛びこんで消えてしまいました。それを見た豆腐小僧は、「ま、待ちねぇ! オイラも連れてきなぁ!」と、急いで穴に飛びこみます。

―――バチーーーン!!!

しかし、豆腐小僧の体は穴に弾かれてしまいました。

「な、なんでぃ!? それ、もう一回! …うわぁ!!」

豆腐小僧が何度穴に挑んでも、穴は頑なに豆腐小僧を拒みます。鬱陶しそうにその様子を眺めていたオーベロンが、見かねて豆腐小僧に言いました。

「…何度やっても無駄だ。その『妖精の道』は妖精と妖精をつなぐ道、妖怪などが通ることはかなわぬ。おとなしく去れ」
「いやだぃ! オイラだってあいつらを助けに行きてぇんだ! 意地悪言ってねぇでオイラも通してくれよぅ!」
「なんと厚かましい四角だ… 意地悪などではない、妖精と妖怪は異なる存在なのだ」
「うるせぇ! それでもあいつらはオイラの大事な仲間でぃ! あんた王様なんだろ? そんならできるだろ!? 頼むから通しとくれよーー!!」

豆腐小僧はプルンプルンと体を暴れさせながら妖精王に訴えました。

「…なんと煩わしい無理を…それにプルプルと目障りな…それ以上騒ぐと、お前を四角いレンガに変えてしまうぞ?」

いらだったオーベロンがずずっと立ち上がったその時です。


「――では、その子が妖精になればよいのではなくて?」


見ると、いつの間にか、オーベロンの玉座のかたわら――空いていた方の玉座に、美しい女の妖精が座っているではありませんか。

「…な!? ティターニア!? そなた、今までどこに!?」
「フフフ、あなた、お久しゅうございますわ。古い友人の計らいでこうして戻ってこられましたの。まぁ、詳しいお話は後ほどに…」
「そ、そうか、それは重畳… して、こやつが妖精になればよいとは、いったい…」
「妖精の王と妖精の女王の力をもってすれば、妖怪の子供くらい妖精にしてしまえるでしょう」

まさかの提案に驚く妖精王と豆腐小僧。しかし、妖精王は顔をしかめて言いました。

「…そのような面倒をかける必要はなかろう。先ほどキュンを夢の結晶に送り込んだのだ。あやつに任せておけばよいではないか」
「あら、相手はあの“偉大なる魔女”ですのよ。キュンだけの手に負えるかしら? それに、魔女の呪いにとらわれた者を救い出すには“強い思い”が必要… そのような思いをもつ者など、この場にはその子以外にいないのではなくて?」
「むぅ、たしかに… しかし、本当に妖怪を妖精にすることなど…」
「できますわ。ただし“一時的に”ですけれど」
「だがな…」
「――私、また、いなくなってしまいますわよ?」

妖精の女王はそう言うと、ニコリと笑って妖精王に手を差し出しました。妖精王はしぶしぶといった面持ちで女王と手を取り合うと、美しい羽を輝かせ、豆腐小僧に力を送ります。

するとどうでしょう。豆腐小僧の白い体が美しい光を帯び、さらに白く輝いてゆくではありませんか。

「うおおお…これが妖精かぃ! ぴっかぴかつるっつるの極上絹ごし豆腐みてぇじゃねぇか!」
「よいですか? その妖精の力は一時的なもの、時が過ぎれば二度とこの世界に戻れなくなってしまいますからね」
「おぅよ、助かったぜおふたりさん! そんじゃ、行ってくるぜぃ!!」

豆腐小僧は言うやいなや、穴の中にすぽーんと飛びこんでいきました。


* * * *


豆腐小僧が穴を抜けると、そこはいやな気配がむんむんと漂う気味の悪い空間が広がっていました。まるで何か大きな生き物のお腹の中にいるかのようです。

豆腐小僧が戸惑っていると、どこからかキュンの声が聞こえてきました。

「ワンワンワワン! も~いい加減に目を覚ませワン!」

声の方を見ると、透明な殻のようなものに閉じ込められた、ニルスとヤニワニ、マキリ、オーサンに向かって、キュンが必死に吠えているではありませんか。

「なんでぃ、こいつらは? ひよっこにでもなっちまったのかぃ?」
「ワワン!? お前、どうやってここまで来たんだワン!?」
「へへん、オイラ正真正銘の妖精さんになったのよぅ! どーでぃ、この妖精らしい絹ぷる肌!」
「はぁ? 何を言って…あ、ほんとだワン!? お前から妖精のニオイがするワン!! あの妖精王さまがそこまでなさるとは、いったい向こうで何があったワン…」
「そんなことより、コイツらどうしちまったんでぃ?」

殻の中にいるニルス、ヤニワニ、マキリ、オーサンは、それぞれの夢の世界に浸っていました。

ニルスはきらびやかな都会で大きなキノコを栽培。

ヤニワニは沢山のプーカたちと一緒に星空観賞。

マキリはムッキムキの逞しい剣士になって女子にモッテモテ。

オーサンは真っ赤な髪でキジムナー達と追い込み漁。

いくらキュンが呼びかけても、彼らに声が届かないというのです。

「こいつらの夢はまだ完全には取り込まれてないワン。そうなる前に早く夢から覚ましてここから連れ出せれば…」

すると突然、地面が小刻みに揺れると、たくさんの黒い腕がわしわしとニルス達を包む殻をつかみ、地面にズブズブと引き込み始めたではありませんか。

「ああ!? おいおいどこ持ってくんでぃ!?」
「しまった、取り込まれ始めたワン! ウゥ~、こうなったら力づくでたたき起こすしかないワン!!」

キュンはそう言うと、タタタっと殻から距離を取り、助走をつけて殻に思いきり体当たりをしました。

―――ゴチンッ!!

「キャイン!!」

しかし殻は割れることなく、キュンは弾き返されてしまいました。

「犬っころ!!!」
「ゥウ…硬いワン… おそらくこの殻はこいつらの夢の強さなんだワン… こいつらの夢への思い、半端ないワン…」

そうしている間にも、殻はどんどん地面に引き込まれていきます。豆腐小僧は必死に殻を叩いて叫びました。

「お前ら、いつまでも寝ぼけてんじゃねぇ! とりこまれちまったら、その夢は夢のまんまなんだぜぃ!!!」

だめだ取り込まれる――キュンが思ったその時、ダン!とものすごい音を立て、豆腐小僧が両手で殻を叩きました。

「やいやい! 魔女だかなんだかしらねぇが、おいらの友だちの夢を奪ってどうするつもりなんでい! お前らもお前らだ……いい加減にしやがれぃぃぃぃ!!!」

ダン!!――再び力いっぱい殻を叩く豆腐小僧。怒りに燃えるお豆腐の白い光は、みるみると、まさに梅豆腐のようにまっ赤に染まり、同時に高野豆腐のように固くなっていきます。

「いいかぁ? 夢ってのはなぁ! 見るもんじゃねぇ、てめぇで叶えるもんなんだあ!! それをなんだ…こちんくしょうども! 豆腐の角に頭ぶっけて、目ぇ覚ましやがれぇぇええええい!!」

豆腐小僧は4つの殻に向かって次々に渾身の頭突きを放ちました。

―――バリン! バリン! バリン! バリーーーンッッ!!!

すると4人を包む殻は粉々に砕け散り、中から妖精たちが勢いよく飛び出したのです。

「んぁ? オラはいったい…」
「あ、あれ? 赤い月はどこ行ったでありますか?」
「うみゃみゃ~? くまやまー(ここはどこ)??」
「ぷ、ぷきゅー???」

そして4人は姿はそのまま透明になり、ヒュワン、と消えてしまいました。

「でかしたワン!! お前、豆腐のくせして、よくあんな硬い殻を壊せたワンね! あいつらきっと、今頃外で目覚めてるワンよ!」
「へへん! これぞお豆腐の妖精さんパワーでぃ!!」

豆腐小僧とキュンは手を取り合って大喜びです。

しかし、そんな喜びもつかの間。今度は、天井や壁から、無数の黒い腕が二人に迫ってくるではありませんか。

「魔女がワッシたちに感づいたようだワンね… さぁ長居は無用ワン! 早く帰ろうワン!」

ふたりを捕まえようと伸びてくる黒い腕をかいくぐり、キュンと豆腐小僧は、入ってきた穴に飛び込もうとしました。

―――バチーーーン!!!

しかし、豆腐小僧はまたも穴に弾かれてしまったのです。

「なんだってぇ!?」
「…!? どうしたんだワン!?」
「…だめだ、オイラさっきので妖精さんパワーを使い果たしちまったのかもしれねぇ…!」
「それじゃまた妖怪に…!? ほ、ほら、ワッシのしっぽにつかまるワン! ワッシとくっついてたらお前も通れるかもしれないワンよ!?」
「お、おぅ! そんじゃ失礼するぜぃ!」

キュンは自分の尾を豆腐小僧に握らせると、再び穴に飛び込みました。―――しかし

―――バチブチーーーン!!!

「キャィィン!!」

穴には入れたのはキュンだけ、やはり豆腐小僧は穴を通ることができず、豆腐小僧に引っ張られ、キュンのふさふさの尾はごっそりと毛が抜けてしまいました。

豆腐小僧は、キュンの尾の毛を握りしめたまま、下を向いて言いました。

「…行きねぇ犬っころ、元はオイラたちのせいだ。お前まで巻き添え食わせるわけにゃいかねぇや」
「よ…妖怪ぃぃぃぃ…!!」

そして、キュンはそのまま穴に吸い込まれ、穴自体もまた、みるみる閉じて跡形もなく消えてしまいました。

豆腐小僧は改めて自分の体を見ました。

やはり妖精の光は失われ、いつものお豆腐に戻っています。妖怪に戻ってしまっては、もう夢の結晶の外に出ることはできません。

豆腐小僧は、消えてしまった穴のあとを見つめ、ふぅ…とひとつ息をつくと振り返りました。

背後には豆腐小僧を捕まえようと無数の黒い腕が迫ってきていました。

「仕方ねぃ…でもまぁ、あいつらが逃げ切れたならもう心配ねぇか」

豆腐小僧は腹を決めると、無数の腕たちを睨みつけました。

「おぅおぅ! 魔女さんよぉ、無駄にワラワラニョロニョロしやがって! オイラはなぁ、美味しいお豆腐を世界中のみんなに食わすのが夢だったんだぜぃ。もうそれは叶いそうもねぇが、このまま誰にもオイラのお豆腐食わせることなく終われるかってんでぃ!」

そう言うと、豆腐小僧は懐から取り出した『おたま』を構え、ベベンと見得を切りました。

「てやんでぃ!! オメェなんかにゃもったいねぇが、オイラのこのつるっとした絹のごときお豆腐、一丁ありがたく食らいやがれぃ!」

そして迫りくる無数の腕に向かって、目にも止まらぬ『おたま』捌きで、自らのお豆腐をすくっては投げすくっては投げの大立ち回り!

「おらおらおらおらおらおらーーーーーー乱れ豆腐でぇぇぇい!!!」

べちゃりべちゃりとお豆腐を投げ当てられては押し戻される黒い腕たち。

しかしそれもつかの間、気づくとお豆腐は頭の半分ほどがなくなっていました。これ以上減っては意識が保てなくなってしまいます。

「へっ… 食い残しはいけねぇぜ… さいごは特大豆腐だ、一丁おまちぃぃぃ!」

豆腐小僧がふらつく体で体当たりをしようとしたその時です。


「「「「「待つ(ワン)(けろー)(でございますぅ)(さー)(っきゅー)!!!」」」」」


なんと、キュン、ニルス、マキリ、オーサン、ヤニワニが、消えたはずの穴から飛び出てきたのです。

「お前ら…なんで…!?」
「ワン公に聞いたよぉ! おめぇがオラたちを助けてくれたってぇ」
「お豆腐どのを見捨て、拙者たちのみ助かったとあっては、コロポックルの名折れ!」
「くぅんどぅやわん達がたしきゆん番さー(今度は俺達が助ける番さ)!!」
「ぷきゅっきゅーー!」
「お前ら… でも、どうやって来たんでぃ? もうここには妖精がいねぇのに」
「お前がつかんだワッシのしっぽ毛を頼りに、もう一度妖精の道を開いてもらったんだワン!」
「なるほどねぃ! …でもオイラ、結局あの穴からじゃ帰れねぇんだけど…」
「心配無用でございます! みなで魔女を倒せば夢の結晶とやらも壊れて、きっと出られるようになるでございますよ! ……たぶん!!」
「なんくるないさーー!(なんとかなるさーー!)
「んだんだ! こうなりゃヤケっぱちだぁ!」
「ハハ、お前ら無茶しやがってぇ… でも、みんな一緒なら怖いもんなんてねぇや!」

みんなで魔女を倒して帰る――豆腐小僧たちは、再び襲い来る無数の黒い腕を見据えました。

本当にそんなことができるかなんて誰にもわかりません。でも、今はやるしかない! この仲間たちがいっしょならばきっとやれる――!

「おおっし! みんな、いっくぜぇぇい!!」

豆腐小僧を先頭に、みんながいっせいに飛びかかったその時――

――ベチャン!

「なぁっ!?」
「ぐへぇっ!!」

豆腐小僧たちの目の前に、ポワンと穴が開いたかと思うと、中から3人の少女が飛び出してきたのです。

豆腐小僧は真ん中にいた、上から下までまっ赤な少女に頭からつっこんでしまいました。

「な、なななななんだこの者らは!? 妾のまっ赤なドレスが、ベチャベチャの白まみれになってしまったではないか!!」

まっ赤な少女がわなわなと震えて怒りだします。

「本当ね、このおちびさんたち何かしら? もう一人のわたし」と、金色の髪の少女。
「さぁ、わからないわ。妙なかっこうの子ばかりだし、魔女の呪いの一部かもしれないわね、もう一人のわたし」と、白い髪の少女。

その時です。今までにないほどの大量の腕たちが、一行と少女たちに襲い掛かりいました。

「あら、たいへん。だいじょうぶ? もうひとりのわたし」
「当然でしょ、もうひとりのわたし。あなたは聞かなくても平気よね」
「ふん! 妾を誰と心得る! 妾はあらゆるゲームの支配者であるぞ?」

言うや否や、3人の少女は、手にしたバットで無数の腕たちを一瞬で消し飛ばしたのです。

「…すごい(ワン)(けろぉ…)(でございますぅ…)(さぁ…)(きゅぅ…)」

少女たちの圧倒的な力を見て、言葉をなくす妖精たち。

あたりに黒い腕がなくなったのを確認すると、金色の髪の少女がすずしげな顔で言いました。

「ふぅ、やっぱりこの中は少し危ないわね、2人とも気をつけて行きましょ」
「そうね、そうしましょ」
「ふん、貴様に指図されずとも分かっておるわ…だが、少し待て」

まっ赤少女は不機嫌そうにそう言うと、頭が崩れて気絶している豆腐小僧をむんずとつまみあげ、妖精たちの方に苛立たし気に近づいていきました。そして、あまりの少女の迫力に身動きできないでいる妖精たちの前に仁王立ち、バットをぐぐぅっと構えます。

「え~い気色の悪い魔女の呪いどもめ、よくも妾のドレスを汚してくれたな! 妾がルールである! お前たちは、退場だ!!」

そう言い捨てると、まっ赤な少女は、空中にまっ赤な『穴』をつくり、みんなを次々とバットではたき込んでいったのです。


* * * *


豆腐小僧が目を開けると、そこは見知らぬ草原のど真ん中でした。

「おぉ! お豆腐どのも、目を覚ましたでございますぅ!」
「んぁ…? ここは…外…!? オイラたち、出られたのか!?」
「そうみてぇだなぁ。…しっかしすっげぇな、おめ、また豆腐生えてきてるでねぇの。キノコみてぇだなぁ」
「ぷっきゅ~~~!!」
「うみゃみゃみゃ~♪」
「しっかし、なんだったんだぁ、さっきの娘っこたちは?」
「わからないワン…して、ここはいったいどこだワン?」

まだ夜なのでしょうか、薄暗い草原に吹く、少し冷たい風が運ぶ不思議な空気は、豆腐小僧たちにはなじみがない感じがしました。遠くに見える、緑色の光を湛えた、変わった形の樹のようなものも、みんな初めて見るものです。

もしかして…知らない世界に飛ばされちゃった? …と、みんなの心に不安がよぎります。

「…ま、まぁ、とにかく脱出できたのでございます! 今は喜びましょう!」
「そ、そうだな! いやぁ、お前らホントありがとな!」
「何を言います! お礼を言うのはこちらの方でございますよ!」
「んだなぁ。危うくオラたちは一生夢から覚めなくなるとこだったんだって?」
「助かったさ~! にふぇーでーびる(ありがとう)!」
「ぶきゅきゅっきゅー!」
「へへ、よせやぃ! まぁしかし、とんだ赤い月だったなぁ。せっかく追い詰めたのに、結局夢はふりだしに戻っちまったぜぃ」

みんなは、豆腐小僧の言葉にハッとすると、下を向き黙ってしまいました。

「…そうでもないでございますよ」

沈黙を破り、マキリが顔をあげて言いました。

「お豆腐どのが助けてくれた時の言葉、実は聞こえていたのでございます。『夢は見るもんじゃなくて、てめぇで叶えるもんだ』…って。拙者、たしかにそうだと思ったでございます。誰かに叶えてもらったら、それはもう拙者の夢じゃないでございますからね。 …確かに今の拙者はまだまだ未熟者でございますが、みなさんと一緒に歩いた冒険の旅は素晴らしい修行になりました。拙者の夢である“立派な剣士”に一歩近づけたと思うでありますよ!」

それを聞いたニルスは、照れくさそうにまっ赤な帽子をぽりぽりと書きながら言いました。

「なるほどなぁ。たしかにオラも夢の中で“びっぐ”になろうと、それはどでかいキノコを育てたんだけんどもよぉ、実際、“とかい”のあんなゴミゴミキラキラしたとこじゃ、いいキノコは育つわけねぇよなって思ったんだぁ。なーんだかんだ言ってよぉ、故郷のお山でいいキノコ育てんのが、“びっぐ”になる一番手っ取り早い方法かもなぁって、オラ気づいちまったよぉ」

オーサンもヤニワニと目を見合わせて言いました。

「わん(俺)も、キジムナーなのにからじ(髪)が青いから、赤くなりたいって願っていたんさ~。けど、この冒険の旅でからじの色とかの前に、でーじ(とても)変わった見た目の妖精がひるさんしけー(広い世界)にはばんない(たくさん)いるんだってよく分かったさー! あんくとぅ(だから)、からじの色なんてどうでもよくなっちゃったさー! それに、どぅし(友達)もばんない(たくさん)できたし! な?」
「ぷっきゅ、ぷっきゅ♪」

「なんでぃ、結局みんな赤い月なんかなくても大丈夫じゃねーか! ま、オイラもこの旅で、お豆腐の潜在顧客はたくさんいるって分かったしな! やっぱお豆腐はお豆腐らしく、混じりっ気なしの“ぷれーん”味で勝負してやるぜぃ! それと…もう一丁、夢追加でぇい! 今度こそ、本物の“豆腐の妖精”になってやるぜぃ!」
「はぁ? だから、そんな妖精聞いたことないワン。あとな、あんな特例措置、一度きりに決まってるだろーがワン」
「ええー!? そんなケチくせぇこと言うなよぉ!」

がびーんと固まる豆腐小僧が可笑しくて、皆はおなかを抱えて笑いました。
そしてひとしきり皆が笑い終えると、豆腐小僧はすっくと立ち上がって言いました。

「さぁ~て、そんじゃ、みんなで元の世界に戻るって夢、かなえに行くとするかぃ!!」

豆腐小僧の言葉に、キュン、ニルス、マキリ、ヤニワニ、オーサンは「おぉー!」と手を挙げ答えます。

そして、みんなは立ち上がり、元気よく立ち昇る朝日の方へと歩いていきました。


~『妖精たちの赤い夜』 <おしまい>~

考察
3.5Rで追加された【】付き使い魔の1人。
超覚醒アビリティ「怒りの高野豆腐」の効果により防御力が上がり、攻撃を受けるたびに、攻撃力+5、防御力-10される。
変化したステータスは、タワー駐留やゲート帰還などでリセットできないので注意。
30回攻撃を受け最低のDEF1になると、それ以降攻撃を受けてもATKは上がらなくなる。もちろん朱雀など外的要因で一時的に増加した分は有効だが、攻撃を受けると下がっていく。
超覚醒時にDEF300になるので、超覚醒直後は基本的に固定値しか入らないが、根元の全殴り等で対処されると割とすぐに防御は下がるため過信は禁物。しかし、防御力が下がってくるにつれて攻撃力が20コストの範疇を超えて上がっていくので、帰還したのち、カウンターに来た30、40コスを高野豆腐の角で頭をぶつけて死なせるのに十分な火力になる。
逆に相手に使われると対処方法は2択に絞られる。
1つが根本も含めた総攻撃でATK上昇は仕方ないと割り切りDEFを一気に下げて中堅アタッカーなどで迎撃する。
2つ目が攻撃しなければATK80と20コスト超覚醒並しかないので無視して【】豆腐小僧と一緒についてきたもう片方の荒らしに対応する。その場合は当然ダメージ受けた際のヒールには十分に注意する。
ATKが成長しなければただの堅い豆腐な為ATKが低い状態だとさすがに50コストの超覚醒には対応しきれない。
だがやはり他の20コスと比べて帰還後に魔種サポートをつけての防衛や優秀なアタッカーの多い種族には一緒に攻め込み高い火力でのタワー空き巣などできることの幅が広いので、何(のデッキ)に入れても合う美味しい豆腐である。
キャラクター説明
妖精の力を得て大幅にパワーアップした豆腐小僧
夢の世界に飲み込まれた妖精を救うため、オーベロンティターニアに無理を言って妖精化の秘術を施してもらった。


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  • 全殴りでの撃退・撃破は容易だが、生還されて全凸にでも混ざられると厄介か? -- 名無しさん (2016-10-05 08:29:50)
  • 超覚醒時のDEF300は驚きものだが、模擬戦時にCPUがよくやるような全殴りで対応されてしまうと即座に防御が下がり、防衛に出ている召喚主力のスロウやらダッシュアタックやらもあいまって溶けやすい。上がった威力で根本をワンパン、もしくはニパンで狩れるのは魅力だが、できれば帰還後に連凸などで生かしたいところ。よって無茶ができるユニット、というよりは20コストのセオリー通りに動かし、10回程度ならば最低保証値しか食らわないスペックで末永~く愛される(荒らせる)豆腐を目指したい。 -- 名無しさん (2016-10-09 07:06:09)
  • 考えようによっては早く倒すために敵方に全殴りを強制できるともいえるので、その分自ユニットはしっかりとマナを貯め、差を開けていきたい。 -- 名無しさん (2016-10-09 07:13:00)
  • 禁書に殴られると80/80になりそこから減少のみしていくことを確認 -- 名無しさん (2016-10-09 19:39:30)
  • 実際にインデックスで殴ってみたら、確かに効果中はスペック落ちるけどその後すぐにdefが200以上に戻ってたから挙動がわからん -- 名無しさん (2017-01-19 04:37:43)
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