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ん…あ、じ、時間は

幸一「未だ8時か」

今日は約束した霧島さんと出かける日

待ち合わせは10時に美澄の駅前集合だ

隣の駅なので9時30分に出れば間に合うはずだ

由紀「おはよ~って起きてたの?」

幸一「今起きた」

由紀「幸ちゃん最近起きるの早いね」

幸一「そうかな…」

確かに以前から起きるのは早いほうだったが最近は特に早い

由紀「今日はお出かけするの」

幸一「あ、うん。ちょっとね」

由紀「…そう。朝食作っておくからシャワー行ってらっしゃい」

幸一「サンキュ」

フェードアウト

シャワーを浴び服を着替えると時間は9時20分を指していた

あれ、もうこんな時間か

移動 居間

テーブルにあるトーストをかじる

由紀「幸ちゃん、頑張るのよ」

幸一「え?」

由紀「女の子と歩く時とか座る時とかは気をつけなさい」

(何で分かってるんだ?!)

由紀「女の子はね~そういう所ちゃんと見てるんだからね」

幸一「べ、別にただミラーの調子を見てもらいに行くだけだよ」

思わずトーストを落としそうになってしまった

由紀「はいはい、いってらっしゃい」

むぅ~母さんにはかなわないな…

移動 学校までの道

今日も晴れているが、空気は涼しく風もあるため少し寒い

暑くなったり寒くなったり、どうなってるんだろ

ちょっと急がないと時間に遅れちゃうな

移動 美澄駅

あんまり栄えていない地元のローカル線だけどこの電車、好きなんだよな~

時間は…9時50分か。良かった間に合った

霧島さんは…あ、居た

幸一「おはよう霧島さん」

オレの声に気がついたのか霧島さんはこっちを向いた

レン「おはよう」

(そういえば霧島さんの私服って初めて見るな)

以外にも彼女の服装はとてもラフなものだった

幸一「それじゃ行こうか」

レン「うん」

移動 道

幸一「…」

レン「…」

(何か話しにくいな、霧島さんもそんなに黙ってないで何か言ってよ~)

仲良くなって未だたいして時間が経っていないせいかお互い言葉を捜している気がした

レン「桜井…」

幸一「どうしたの」

レン「私服…初めて見た」

幸一「ぷっ」

レン「何で笑うの」

幸一「だって休日に会うのは今日が初めてだもん、霧島さん面白いよ」

霧島さんは顔を膨らませるとオレの頬を強くつねってきた

幸一「痛!痛いって!ウソですウソー!」

レン「…素直でよろしい」

幸一「ったく~ほぉ~痛ぇ…」

レン「桜井~何だかほっぺが腫れてるぞ」

幸一「誰のせいだよ~」

レン「ふふっ」

痛みという代償ははらったものの着く頃には何時も通りの会話ができていた

移動 ジャンク屋

幸一「着いた、ココだよ」

レン「…鉄くずの山じゃない」

幸一「まぁね、でも色々掘り出し物もあるんだよ」

幸一「お~い、ジョンソン」

?「誰だ~」

ジョン「おお、幸一じゃねーか」

幸一「やぁジョンソン久しぶり」

レン「ジョンソン?」

幸一「紹介するよ、ここで働いてるジョンソン」

レン「…でも、日本人だよね。どう見ても」

幸一「まぁね、それは後で話すよ」

ジョン「おいおい!凄ぇ可愛子ちゃん連れてきてるじゃんかよ。彼女か?」

幸一「えっと…」

レン「違う。何でもない関係」

(そこまで否定しなくても…)

ジョン「そ、そうか。お前ら仲良いんだよな」

幸一「う…うん、そうだよね?」

レン「さぁ…」

(何か何時ものレンに戻ってるよ~)

ジョン「彼女も外国に憧れてるのか?」

幸一「え?」

ジョン「だって完全な金髪じゃねーかよ」

幸一「霧島さんはハーフだから、これは本物なんだよ」

ジョン「マジか!?こんだけ可愛くてさらにハーフかよ」

幸一「霧島さんはね、父親が…」

レン「!!」

ギュ!

幸一「痛ぇぇぇ!!」

レン「フン!」

ジョン「大丈夫かよ、彼女随分乱暴だな」

レン「普通だよ」

ジョン「これが普通って…幸一、お前Mか?」

幸一「違うって!」

ジョンソン、本名は小林太郎って言うバリバリの日本人だ

何でジョンソンなんて外人ぽい名前を名乗っているかというと

どうも海外思考が強いらしく外見や名前をそれらしく変えている

オレが中学の時今回同様ミラーの調子が悪くなって部品を探していて出合った

それ以来何時も調子が悪くなるとジョンソンに見てもらっている

周りからは変わってるって言われるけど面倒見が良くてオレは好きだな

レン「結構昔の機体もあるんだね、少し見てきて良い?」

ジョン「ああ、いいぜ。彼女、オレの事はジョンソンって呼んでくれよな」

レン「小林さんよろしく」

ジョン「いや、ジョンソンだって…」

レン「それにしても随分汚い所だな~」

霧島さんはそう言うと奥に消えてしまった

幸一「…ごめんジョンソン、あれでもましな方なんだから」

幸一「オレなんて初めはろくに口も利いてもらえなかったんだよ」

ジョン「しっかしありゃストーミーより扱いが難しいぜ」

ストーミーとは昔の機体の1つで性能的には今の主流機、最新機とも張り合える性能がありながら

操作性があまりにも困難とすぐに故障を起こすため後継機がでずに終わってしまった。古くからの飛人は幻の最強機呼んでいた

幸一「でも、ストーミーと同じ位凄いんだ」

ジョン「伝説のパイロットの子供であんなに可愛くて…なのにあの性格だもんな。もったいねぇ」

幸一「ジョンソン、データと怪しい所の写真を持ってきたよ」

ジョン「おう、見せてみろ」

ジョン「ん~なるほどな」

幸一「やっぱりこの辺りかな?」

ジョン「何だ、分かってるんじゃねーかよ」

幸一「いや、確信は無かったんだけど」

ジョン「あれだ、幸一の旋回と彼女の旋回では掛かる負荷の場所が違うんだよ」

ジョン「だから何時もは薄く補強してすむところでも、すまなくなわるけだ」

幸一「乗る人によってチューンナップを変えるのは聞くけど」

ジョン「それだけ期待は敏感で繊細なんだよ。見た目はただの鉄でもよ」

幸一「やっぱりあれだけのマニューバを決めたらミラーの負荷も大きくなるんだね」

ジョン「それは違うな、むしろ負荷は軽くなる。マニューバって言う奴は完璧に決めれば決めるほど負荷は減るんだよ」

幸一「そうなんだ…」

ジョン「おいおい、ちゃんと知っておけ。今度体験したら分かるぜ」

幸一「この前乗ったけど凄すぎて何が何だかさっぱりだった」

ジョン「ふ~ん」

ジョン「ところでよ」

幸一「何」

ジョン「お前高校卒業したらここで働けよ」

幸一「やだよ~油まみれになっちゃうじゃん」

ジョン「いいじゃねーか、汗水たらしてお天道様の光を浴びて…まぁ男らしくてよ」

幸一「何が言いたいのかよく分かんないけどいいや」

ジョン「…そうか」

幸一「ちょっと霧島さんの様子見てくるね」

ジョン「代えの部品は用意しておくから、彼女にあんまりウチの物壊すなって言っておけよ」

幸一「あ、うん。言っておく」

そう言うとジョンソンは棚にある部品の入ったダンボールを下ろして広げ始めた

(さてオレも探しに行くかな)

そんなに広くは無いが色々な機体が山積みになっているため中々見つからない

幸一「霧島さん~」

声をかけてはみるが全く返答はない

幸一「お~い」

幸一「まったく何処にいるんだよ」

レン「ここだよ」

霧島さんは一昔前の機体の残骸を見つめていた

幸一「これって結構前の機体だね」

レン「パパ…これに乗ってたの覚えてる」

幸一「え?!この機体!」

レン「コレじゃないよ、同じ飛行機だけど」

幸一「そうだよね、ハハハ…」

(一瞬霧島幸一が乗っていた物かと思ったよ。よく考えたらそんなに凄いものが此処にあるはずないよな)

レン「何か…懐かしい」

幸一「そうだね、今じゃ見る事も中々できないし」

レン「コレ…何?」

錆付いた機体の中に光る何かがある

幸一「なんだろ」

レン「綺麗…」

幸一「ちょっと待って、取ってみるよ」

レン「あ…無理しなくていいよ」

幸一「ん!…ぐぅ~!」

中は思ったより狭く体を押し込むので精一杯だ

幸一「ぬぅぅ!」

何とか上半身を機体の中に入れることができた

レン「桜井、大丈夫」

幸一「大丈夫、大丈夫」

幸一「わぉ!これってクリスタルチップじゃないか。スゲー!」

レン「クリスタルチップ?何それ」

クリスタルチップとは機体を動かす珍しい鉱石の事で

それ自体に大きなエネルギーが詰まっているため昔の人達はこのチップを沢山掘りあてて活用していた

しかしフライトウイングができる頃にはほとんど使われなくなっていた

何故かと言うと、掘り過ぎてチップの数が激減したのが大きいが最近ではそれ以上のエネルギーを開発したため今となっては無用の存在だ

幸一「オレも初めて見た。しかも長い事眠っていたんだろうな、綺麗な結晶体になってる」

レン「もう出てきたほうがいいよ何か上の機体が揺れてる…」

幸一「今見せてあげるからね」

チップを取ると出ようとするが、服が引っかかって身動きがとれない

幸一「ぐぅ~!」

(まずい、本当に出れなくなっちゃった)

ガタッ!

レン「あっ!桜井動いちゃ駄目!」

急に大声を出したのでビックリした

幸一「どうしたの?」

レン「動いたら上の機体が落ちてきちゃうよ」

幸一「え…」

動きを止めた時にチップを落としてしまう

幸一「クソっ!」

思いっきり手を伸ばし何とか取り返す事はできたが…

グラァァ!!

レン「いやっ!」

上で何かが崩れる音はオレの耳にも聞こえた

(やっちゃった…)

ガン!!

(ぐっ!!)


想像していた激痛は無い。確かに機体の大きな音はしたんだけど

ジョン「オラァァ!!」

ガシャン!

(ジョンソン!)

ジョン「まったく!なんて危ねぇ事してるんだよ」

幸一「ご、ごめん…」

オレはジョンソンに引き上げられ無事に機体から出られた

ジョン「ったく、オレが来なかったらお前両足骨折…悪けりゃ下半身が使い物にならなかったぞ」

幸一「う…うん。ごめん」

ジョン「飛行機ならいくらでも直してやるがあいにく人の修理までは受け付けてないんでな」

レン「小林さんありがとう。結構役に立つね」

ジョン「だからジョンソンだって!小林って気にいらねぇんだよ~!」

レン「良いじゃん、小林さんで」

幸一「ジョンソン、本当にありがとう」

ジョン「まぁ済んだ事は気にするな、又暇な時は遊びに来いよ」

幸一「ありがとう」

ジョン「今度来るときはオレにも可愛い女の子紹介しろよ、ストーミーみたいな性格じゃないやつな」

幸一「アハハ」

レン「最低…」

その後ジョンソンから部品を貰うと駅まで戻ってきた

(はぁ…カッコイイ所を見せるつもりがジョンソンに助けられて…情けねぇ)

レン「どうしたの?随分落ち込んでるみたいだけど」

幸一「そりゃね~」

レン「小林さんだって気にするなって言ってたし、もう忘れたら」

幸一「そうします~」

レン「桜井…さ」

幸一「ん?何」

レン「何時もは大人しいのに一度決めると凄い行動力だよね」

幸一「そうかな…あんまり考えた事ないや」

レン「ちょっとビックリした」

幸一「ビックリしたのはこっちだよ、あの時あれだけ大きな声を出すんだもん」

レン「…だって、言わなきゃ君が大怪我すると思ったから」

現にあそこで霧島さんが大声を出さなかったらジョンソンが駆けつけるのが遅くなっていたかもしれない

幸一「霧島さんにも助けられたね~」

レン「…これでおあいこだよ」

幸一「おあいこ?」

レン「この前君が私を助けてくれた、今度お礼をするって言ったけど~これで無し」

幸一「あ!」

確かに女子達が霧島さんを旧校舎に連れて行ったときに助けたんだっけ

幸一「そうだった~未だ使ってなかったんだ」

レン「これで桜井にエッチな事されないで済んだ、良かった~」

幸一「べ、別にそんな事考えてないって!」

レン「どうかな~ふふっ」

駅に着くともう19時をまわっていた

幸一「うわ~もういい時間じゃん、ごめんね遅くまで」

レン「本当だよ、どうしてくれるのかな」

霧島さんが本気で言っていない事はオレにも分かった

幸一「じゃお詫びにコレをあげるよ」

ポケットから出したのは薄黄金色に光るクリスタルチップだ

ジョンソンには悪いけど頂きます

レン「あ…」

幸一「どう…許してくれる」

レン「…仕方ない、許そうかな」

手渡すと霧島さんは太陽に向かってチップをかざした

光によってチップがキラキラと本物の宝石の様に輝く

レン「凄く綺麗…」

幸一「本当だね」

レン「ありがとう…」

幸一「もう少しカッコ良く取れればよかったんだけどな~アハハ」

レン「……カッコ良かったよ」

幸一「え…」

レン「ウソ!」

幸一「なんだよー!」

一瞬ドキっとしちゃったじゃないか

それから別れるまでずっと話していた

移動 自宅

幸一「ただいま~」

由紀「幸ちゃん!」

幸一「わっ!なんだよ母さんまで大きな声出して」

由紀「え、あ、ごめん。母さんまでって何?」

幸一「なんでもないよ」

由紀「まさか女の子に大声出させる事したわけじゃないでしょうね」

幸一「え…」

由紀「も~!いきなりは駄目よ!」

幸一「母さん何か勘違いしてない?」

由紀「してません!幸ちゃん!ちょっとテーブルに座りなさい」

幸一「ちょっと待ってくれ、オレ今日は疲れてるんだよ」

由紀「だ~め!まったく手の早さは誰に似たんだか…母さんは悲しいぞ」

幸一「そんな事より飯くれよ~」

由紀「罰として今日はご飯抜き!」

幸一「えー!!」

まったくもって色々忙しい1日だったな
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