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「リト~いつまで寝てるの~」
早朝、朝ごはんの支度をして寝坊気味な兄を起こすのが妹の私の日課である。
ララさんがいるにはいるがなかなかにマイウェイな人なだけあって起きる時間も比較的(ということにして)遅い。
そういえばララさんが来てからの日常に退屈はない。リトの観察もなかなかに楽しい。
慌てふためいたり困った時のリトは嫌いじゃない、夏休みの自由研究に虫とか花とか観察するより面白いのは確かだ。
リトは男というイメージが弱い分、時折カワイイと思える節があってむしろ好きな部類に・・・・
・・・・・・・・・妙に危ない発言はいりそうだから切ろう・・・

・・・・・・
「これで・・・・よしっ!と。」
とりあえずはしたくは済んだ。テーブルにも並べたし時間は・・・ギリかな。
「遅いな・・・・・まったく二人とも・・・・・・」
もぅ・・・妹にまかせっきりって言うのも考えものだと思うなぁ・・・
部屋へ向かい、部屋の前で手を伸ばす・・・・・・・・が一時停止。
・・・・・別に妹だからズカズカ入ってもいいだろう。
だがあの時やあの時みたいに裸なララさんがいてリトがそばにいたらと思うと警戒はする。
もちろんリトにそんな度胸ない事は知ってるし、マチガイや誤解なんて微塵にも思ってない。
ただ・・・・・・・刺激が強いだけ・・・・(もちろん内緒)
まぁそんなこと言ってても始まんないから結局は入んないといけない。とりあえず意味もなく深呼吸。
すぅ~・・・はぁ~・・・・・・ん。部屋の戸を開けて一声。
「リト、早く起きなって・・・?」
・・・・・・・暫し沈黙。
部屋に入ったはいいが、誰もいない。
周りを見渡す。別に広い部屋じゃないから入った時点で視覚に問題がなければ誰もいないコトは理解できた。
うん、とりあえず誰もいない・・・・・・じゃない!
今日は早く登校するとか言ってなかったし、いない理由が見つからない。
ほんの少しだが考えて部屋に入った自分が恥ずかしく思えた。
ホント・・・・一体どこに・・・・・ん?
部屋のど真ん中に無造作に落ちてるものを発見する。
「何コレ?」
この場で手に取るという選択肢は危なかったかもしれない。だがたまたまそのときは警戒が薄かった。
十中八九(いや、どう考えても)これはララさんの発明品だろう。
ララさんの発明品は何個か見てきた。どれもこれも成功といえないものばかり。
リトの被害も多かった・・・・・あぁ・・・何で気づかなかったかなぁ私。
手に持ったコレがピカッと光ったと思ったらその場で意識が遠のいていく感じがした・・・・



「ふぅ・・・朝からシャワー浴びる破目になるとは・・・」
リトは風呂場でシャワーを浴びて制服を着ていた。
ったく・・・・朝から汗びっしょりかよ・・・・ララがいつの間にか俺の隣で寝てやがるから・・・
そういや今何時だ?そろそろ時間気にした方が・・・・
ブツブツと言いながら居間へと向かう。
「お~い美柑?あれ?」
あいつ食事の用意してどこにいったんだ?
右確認。左確認。前は普通に視覚にはいるから必要ない。と後ろは・・・・無論さっきまでいた方向。つまり見当たらない。
あいつ俺やララを起こしに行ったかな?
となれば俺の部屋か?待たせちまったみたいだし・・・どちらにしても急ぐか。


「ん・・・・?あれ・・・・・ここどこだっけ?・・・え~と、リトを・・・・」
と、部屋の戸が開く音がする。
「美柑いるか?悪ぃ、ちょっとシャワーを・・・・・・・?」
あぁそうだっけ。そう思いながら体を起こす。
「あぁ・・・そう。まぁいいケド?急がないと遅刻するよ、ほら行こ・・・・ってなに固まってんの?」
目の前にいるリトは目を丸くしてアングリと口をあけて見ている。
私は複雑な顔で真っ直ぐにリトを見て「何変な顔してんの」と言おうとした瞬間。
「美柑だよな・・・・・・・?」
「なに言ってんの?当たり前のこと言って・・・・ボケるには早いでしょが」
リトの変な発言を聞いて自分でも違和感に気づく。
「・・・・・・・・・?」
もう一度私は真っ直ぐにリトを見直す。
・・・・・・・・・・・・・・・真っ直ぐに・・・・・『真っ直ぐ』?
リトは比較的背は低い(と思う)が・・・・・年の離れた妹の目線が真っ直ぐの位置にあるほど低かっただろうか?
・・・・・・・・・・・リト縮んだ?というお約束はカットしよう・・・・・・・やっぱ・・・だろうか。
自然とため息が出そうなシーンだけど今回は出ない。
こんな目にあうのはリトの役だ・・・・・・・でも違う。

「なんで私大きくなってんの・・・・?」



・・・・・・・・
とりあえずそのままリトの部屋のベッドに二人で座って状況を確認する事になった。
今は9時過ぎ。かるーく遅刻だ・・・・もちろんリトにも言ったけど
「こんな非常事態にお前をほったらかしで学校行けるかよ」と、言ってくれた。
ったく成績よくないくせにサボるなんて・・・・まぁ私のためにってコトで怒るに怒れない。
それにちょっと不本意だけど・・・・・・・・嬉しくない事もなかった。
むしろ自分の為に真剣に考えてくれている事に対して感動に近いものを感じてしまう。
「まぁ・・・・こういうマジメなのがいいトコなんだよね・・・・」
「・・・・・・どうかしたか?」
「な、なんでもない!」
なんとなくだが顔が紅潮していく気がしたのでリトとの視線をそらす。
「??」
「ッ~~~~~」
なんでリトなんかにこんなドキドキしてんのよ私は・・・・
それでも居心地悪くないと感じてしまうのだが・・・・


まだ実感がなくてボーっとしていた頭が(リトのせい・・・おかげで)だんだんよくなっていく気がした。
「とりあえずララさんどこ行ったのかな?」
「そうだな・・・あいつがいないとなんも解決しないしな」
リトの言うことだと寝るときはいたらしい。と言う事は夜中にどこかへ行ったのかな?
ところで「何で知ってるの?」と普段なら聞くだろうがい今は遠慮しとく。
またなにか個人的な用事・・・か、何かかな?
記憶にはリトとケンカしたってのはないし、書置き一つない。
なんにせよララさんの発明品だからララさんがいないとどうにもならない。
「・・・・にしてもお前、俺と同じくらいの身長だな」
「・・・・悔しいの?」
リトがムッとした顔になったからとりあえずごまかす。
今の私の背はリトと同じくらい・・・かな?(ホントは髪で少し私がおっきいかもしれない)
目線が近くなった分、年はリトと同じくらいか少し上だろうか?
急激すぎない成長だったが服の変えはないので今はリトの服(その場にあったシャツ)を着ている。
「背は同じくらいなのにコレおっきくない?」
「そりゃ肩幅とか違うからな・・・」
ふーん・・・なんだかんだ言ってもリトも男だったらしい(言ったら機嫌が悪くなるから言わないケド)。
だが結果から言うと不本意だが背とかの伸びはイマイチらしかった。

なによりも・・・・・・・自分の体(主に一点)を触る。
「はぁ・・・・・・・・それなりに悲しいなコレ・・・・」
「胸押さえてどうした・・・・もしかして痛いのか!?」
「え!?いや違うから!これは・・・・・」
「これは?」
痛い・・・・・親切が痛いとは言えない。
もしかして狙ってる?さっきの仕返しなの?(多分本気だろうケド・・・・)

なんとかその場はごまかせたがリトは妙にそわそわしている。
とりあえずなんか言わないと気まずいな・・・・・え~と・・・
「とりあえず私、学校休んで家にいようか」
「ん~・・・・でも服がなぁ・・・・いつまでもそれってわけにはいかないだろ?とはいえ俺が買ってくるのも問題だな・・・・」
「まぁね・・・・でも私が着るし別に私が買ってきてもいいけど?それでもならララさんのとか借りるよ」
いろんなトコ大きくてちょっと悲しいけど・・・・
「そうか?でもいつまでその姿ってのもわかんないけど勉強大丈夫か?」
「だね。そうなると勉強は家でかな」
「そうか」
「うん」
「・・・・・・・・・・・・」
リトはなにやら真剣な顔つきになって考え込んでいる。
「・・・・・・・・・・・・」
「何考えてんの?」
言い辛そうな顔をしたが真面目な顔つきでリトはとんでもない事をいった。
「・・・・・・なぁ。俺の学校来て見るか?」
「・・・・・・・・・・・は?」
今なんと言った?常識では考えられない発言?
一応バカにされないくらいの成績だがそれでもムリがあるだろう。
「な、何を言ってるのあんたは!だいたい勉強のレベルが一気に上がるしムリ満載でしょ!」
「いや、ずっとそのままでもないんだしさ。別にこっちの学校でも勉強できるんじゃないかと」
「一人だけ昔に習ったレベルの問題してたらおかしいでしょうが!」
「でも予習ってのもありかな・・・・なんて」
「何年後の話よ!?大体学校が・・・・!」
「あぁそれなら多分大丈夫。うちの校長・・・・お前ならOKって言うよきっと」
「はぁ?そんなわけ・・・・」
ないと言おうとしたがマジメな顔なのでその先の言葉は出てこなかった。
「とにかくお前ならしばらく学校休んでも別に問題ないだろ?」
「う・・・・まぁ・・・・・そう・・・だけど・・・・・」
嘘ではない。家で勉強とかいったが今のところ予習する必要はないから何もする事はない。
「・・・・ヤミとかいるぜ?」
「・・・・・だからって・・・・」
だんだんリト発言苦しくなってない?こんな事普通は・・・・
たしかにヤミさんとはもっと仲良くなりたいけどさすがに『この姿』ですることかと聞かれると疑問だ。
「あ~もう・・・・心配なんだよ!そばにいるほうが安心できるって言ってんだ!」
「へ?」
予想外の発言だった。
今のってつまり・・・・私の事を考えてる?
・・・・・・・・・やば・・・顔がちょっと熱い。どうしてこの人間は恥ずかしい事をマジメに言えるんだろう?
非常に悔しいが今のリトの顔はその・・・・・・かっこいい・・・・かも?
「・・・私を心配してんの?」
「う・・・・あ、あぁそうだ」
少し声が小さくなったのが非常にいつものリトらしい。
考え無しの言動が長所短所でもあるのだが・・・・・最後までしっかりすればもっとカッコイイのに。
あ~もう。変なこと言うからなんか調子狂っちゃったよ・・・
「はぁ・・・・わかったから!たく・・・・」
「え?・・・あ、あぁ・・・・分かった・・・・」
留守番くらいできるのになんであんな事を言ったのかとリトに聞いてきたら
「もしかしたらさっきみたいに苦しくなるかもしれないだろうが」と返された・・・・真顔で。
ウチの兄はもしかすると超のつく天然なのだろうか・・・・?素でそう思った今日だった。

そういう成り行きでとりあえずララさんの服を借りる事にする。
時間的には1時限目が終わった頃だが本当に大丈夫なのだろうか?
「ほらリト急いで!」
「ちょっと待てって!ったく、急に行くとか言うなよ!」
「リトが言ったんでしょうが!」
まったく・・・・まさかこんな事になるなんて思っていなかったな。
だいたいリトがあんなコト言わなければ家にいたのに・・・・

いつもは兄と妹の二人に見えるんだろうけど今はどういう風に映ってるんだろう?
もちろん今でも兄と妹だけど・・・・・・ひょっとしたら姉に見えたりしてないかな?

実は少なからずカップルに見られていることは今の二人は知る必要のない事・・・・なのだろうか?



「え~・・・・・突然ですが今日からしばらくの間クラスに転入してくる生徒を・・・」
「マジですか!?」
「女子?女子なのか!?」
「え、え~と生徒を・・・・」
「先生!さっさと紹介してください!」
「うぅ・・・」
「ちょっと、話が進まないでしょ!先生。気にせず続けてください」
「え~・・・・どうぞ・・・・」
先生なんか扱いが雑になってきたな・・・そう思ったリトの心中ではすでに入ってくる生徒に意識が集まっていた。
美柑のヤツ大丈夫かな・・・?
そう思いながらいろいろ考えていた。
「そういえばアイツなんて自己紹介する気だ・・・?」
ガラ・・・・
控えめな音がして生徒が入ってくる。
スタスタスタと教室に入ってくる女生徒を目で追う。
「おぉ!けっこう可愛い!」
けっこうは余計だろう・・・・(リト)
「なんか表情少なそうだけどそこがまた・・・・!」
また・・・なんだよ!(リト)
「結婚したい!」
アイツいっぺん殴ってやろうか?(略)
「え~と・・・今日からクラスメイトになる結城・・・」
「深柑-みかん-です。よろしくお願いします」
サッと黒板に名前を書く。一文字だけ漢字を変えてるところは考慮したのだろうか?
「・・・・・・」
「結城?」
「予想しない事はなかったけど・・・・」
「おい!あの子お前の親戚か!?」
めんどくせぇ・・・・・・
・・・・・・・・・・


そんなお約束を一通りやって昼休み・・・・
「へ~ミカりんは結城のきょーだいなんだ!」
「み、みかり・・・・?ま・・・まぁそうですけど」
さっそくお約束その2の質問攻めにあってる美柑(今は深柑)を眺めていた。
「かたいよミカりん~まるでヤミヤミみたい!」
「ヤミさん?」
「れ?知ってるの?」
「あ!いえ・・・何度か家に来てくれたんで・・・・」
「ヤミヤミが!?」
「え?え、えぇ・・・」
なんか盛り上がってるっぽいな。アイツも煙たがってるわけじゃないみたいだしとりあえずはよしとしよう。

「・・・・・・」
「・・・・?」
「リ~ト~・・・・」
「何だ猿山?」
「お前あんなカワイイ双子いるのどうして教えなかった!」
「双子・・・?」
「同い年だから双子だろうが!」
「あ、あぁ~。いや、教えなかったのはいくつか理由があるんだって」
「どんなだよ!?」
「まずお前だから」
「ウォーい(泣)!!」
「それだけ」
「それだけ!?俺ってそんなに信用無いの!?」
「信用と言うか信じられないと言うか・・・・」
「黒い!今日のお前なんか黒いよ!?性格違うし!俺?俺のせい?!」
「別にいつもと変わんねぇだろ?」
「ちげぇ!クールというより直訳!冷たい!お前絶対キゲン悪い!」
そんなにキゲン悪く見えるか?
自分では気づいてないうちに腹が立っているらしい。確かにさっきからモヤモヤというかイライラというか・・・
自己紹介あたりからなんか妙な気分だった。
どうかしちまったのか俺・・・・?


「ふう・・・・疲れた・・・」
「後悔してるか?」
「いや、別にそういうわけじゃないケド・・・」
「少しは楽しかった?」
「まぁ・・・ね。でもまさかホントに入れるなんて・・・」

・・・・数時間前
「ねぇリト。ホントにOKもらえるの?コレだけ未だに信じられないんだけど・・・」
「いいから。ほら、入るぞ」
・・・・・・
「カワイ(以下略!)」

「・・・・だもん」
あぁ・・・・校長も雑な扱いになってきたなぁ・・・・・本当にどうでもいいけど(笑)
「アレって大丈夫なの?なんか犯ざ・・・・」
「ストップ!それ以上言ったらなんか駄目だ!」
「・・・・ま、まぁいいケドさ・・・」
「そ、そうだ。ヤミにでも会いに行ったらどうだ?多分図書館だぞ?」
「え?ん~・・・・そうだね。行ってみる」
少し急ぎ足で美柑は走っていく。
「オイ!場所わかんのか!?」
「大丈夫!聞きながら行くよ!それにリトなんか疲れてるでしょ?」
「・・・・俺が?」
「なんか気が抜けたって雰囲気だった・・・かな?そんなカンジ」
気が抜けた・・・・ね。
「心配してくれてんのか?」
「バ・・!べ、別にそんなんじゃ・・・!」
「・・・・ありがとな」
「・・・・・・~~」
美柑はそのまま振り向かず出て行ってしまった。
変なヤツ・・・・変なのは俺もか・・・・別に怒ってるわけじゃねぇし・・・
「おいリト」
「うぉ!猿山!?お前いつの間に・・・・」
「深柑ちゃんと入れ違いにな・・・」
「で?深柑ならいねぇぞ・・・?」
「だからソレ怖いって!」
「は?」
「まぁそれはいいとして!ララちゃんどうしたの?」
「ララ?・・・・・今日は体調悪いって」
「マジ!?じゃ見舞いにいっていいか!?」
「ん~・・・・(居るならいいけど・・・)とりあえず今日はやめとけ。明日になって様子を見たら別にいいぞ?」
「よっしゃぁ!ついでに深柑ちゃんにも会えるしラッキーだぜ!」
「やっぱ来るな」
「イェ・・ぃぃいいい?!?!?!なんで!?どうして?!!」
「気が変わった。二度と来んな」
「ひどい!どうしてだよぉ!」
・・・・・さすがにかわいそうか・・・?
「んじゃ一つ条件だそう」
「・・・・条件?」
「簡単だから安心しろ」
『・・・・・・・・・』
「へ?」

どうしてこんな事いったんだろうな?
そうリトは思ったが心のどこかに余裕と別の気持ちが芽生えた気がするので、とりあえずは良いかと思っていた・・・