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「うわわぁ〜〜何でこうなるんだーー!」
廊下を走る少年は周りの目を気にせず、ただ後ろからの容赦無い攻撃を頑張って避けていた
一方、その攻撃を行っている少女、名を「九条凛」
竹刀を四方八方に振りかざし、これもまた周りが見えていない
「くっ!逃げ足の速い…。こうなったら、っはぁ!」
俊敏な動きから、地面を蹴り高く飛ぶ凛
まるで忍者のような速さと跳躍力で、あっという間にリトの近くまで距離を縮めた
「観念しろ!結城リトっ!!」
「もうヤダぁーーーーーーー!!!…ってうごぉぉぉぉぉぉ〜!?」
ドッス〜ン!バタンっ!!
見事リトを捕らえることに成功
凛はすぐさま竹刀をリトの顔に突きつける
「さぁ…もう終わりだな」
勝ち誇ったような笑みでリトに言い放つ凛だが…
「せ、先輩…。ぱ、パンツが///」
「…パンツ?…っは!ま、またしても、貴様〜」
リトに指摘されたところを手で覆う凛
「いいい今のは違うでしょ!!?」
「問答無用!遺言は聞かない!」
凛が竹刀を高く振り上げたその時

 ピーンポーンパーンポーン

  ガチャっ。ええ〜。直ちに「結城リト」「九条凛」は生活指導室にきなさい

そのインフォメーションを聴き、二人はふと見つめ合い、ふと周りを見る
そして現状を把握した後、顔からたくさんの湯気を出し、顔を赤く染めあげた——————


ー生活指導室ー

「いいか、もう今後このような事がないように。とくに九条!
お前はもう三年生なんだから、もっと行動を控えろ。進路に響くぞ」
約30分に及ぶ進路担当の先生の話が終わり、やっと開放されたリトと凛
リトはバツが悪そうな顔で凛を見た
凛はキリッとした目でリトをにらみ返し、即行主の元に戻っていった


「まったく…。結城リトには困ったものですわ〜。いつも私に恥を掻かせるだけでなく、
凛にまで…。いくらザスティン様のお膝元だからといって、許されるような事ではありませんわ!」
いつもの冷静な沙姫でも、今日の事にはご立腹な様子
それを聞いていた綾も首を縦に振り「許せません!」と同意した
「…大変ご迷惑をおかけしました。沙姫様、綾。もうこのような失態は」
「いいえ凛。貴方が謝る必要はありませんわ。
元はといえば、なぜいつも結城リトは私に突っ込んでくるんですの?
いくら私が美人だからといって、少しやり過ぎ。それにララという婚約者がいながら…」
三人は「ララ」という言葉を久しぶりに聞いたかのごとく、目を丸くさせた

「そういえば最近ララを見かけませんわね?
いつもは結城リトと一緒にいるのに…」
沙姫は腕を組み思慮深い顔立ちになり、綾もメガネの片方の淵をクイッと持ち上げた
「まさか…ザスティン様と不倫でも…」
綾が禁断のワードを口にした
「#&’”#%&!!!!!」
声にならない叫びとなって沙姫の声は響いた
「…そうだとしたら、私がララを滅多打ちにして差し上げますわ!
そうと決まれば早速準備を……。ふふっ…。さぁ帰りますよ?凛、綾」
綾は恐怖で震え上がった声で返答し,ガチガチな歩き方になって沙姫に続く
一方凛は今日のテストで凛らしからぬ点を取ってしまったので補習しに教室へ向かった



「最近私は疲れているのか…。よく分からない…。まぁ、原因があるとすれば…」
ギリッ!
教室の片隅にいるその対象目掛けて、凛は精一杯のガンを飛ばした
「(ななななんで先輩が此処にぃ〜!?三年と二年は別じゃねーのかよ!?)」
縮こまって、リトは精一杯目を背ける
そして我慢できなくなったのか、少しだけ凛の方をチラミし
ギリッ!  と睨まれた
リトは精一杯後悔をした——————

長い沈黙ゆえの最悪の空気を10分体験した後に、補習担任が入ってきた
「ええ〜。では補習を〜始めます。…と言っても、二人だけだがな」
「(げっ!さっき俺等が怒られた先生じゃん)」
リトが溜息を吐いていると
「質問です。なぜ三年と二年が共に補習を受けるんですか?
それになぜ貴方?…完全に何か仕組んでますよね?…な・ん・の補習ですか?」
少し憎まれ口で先生に言い放った凛
リトは「何か、カッコいいな…」と心の中で思った
「…。まぁ、私が何を言ってもお前らは仲良くならんと思ってな…。
また問題を起こすだろ?だから同じ教室で補習をやりつつ説教をしようと…」
「なりません。とくに…絶対に!」
ギリッ!
三度目のガンつけ
リトは金縛りにあったがごとく、体を動かすことができなかった
蛇に睨まれた蛙とは正にこの事…そしてリトは思う
(何で…俺ばっか…(泣))


補習は数学
お互いそれぞれのプリントが配布され、全問正解するまで帰れない式の補習を実施した
凛は序盤スラスラ解いていたが、難しい問題に当たりストップ
リトは全10問ある内の三問目で死んだ魚のような顔になっていた


       時は刻まれ—夕刻の六時—



「…結城。お前はまだ五問目解けてないのか〜」
補習担任が呆れながらリトに言う
本人はというと、もう魂が抜けて死にそうだった
一方凛は最後の問題に取り掛かり、すでに解けるといった余裕な表情に変わっていた
「…ぶつぶつ…であるから……っ。よし!終わった」
凛はペンを置き、字でビッシリになったプリントを先生の所に持っていく
リトはその間に凛の姿を流し目で見て思った
「…(先輩って頭良いのかな?…でも補習って
             …やっぱり…俺の所為なの…かな…)…」
リトがそんな事を思っている内に、凛の解答付きプリントに赤で丸が付いていく
半ば適当な赤丸だが、全部合っていたらしく凛の補習は終了した
凛に安堵の表情が表れる
「よ〜し。九条、お前の補習は終了だ。お疲れさん」
「有難う御座いました。…さて、帰るとしよう」
凛が自分の荷物がある方向に振り向きざまに言うと
「ちょっと待て九条。まだ帰っても良いとは言ってないぞ?」
と先生が凛が思ってもみないことを言い始めた
「はぁ?それはどういう…」
「まだ結城の補習が終わってないだろう?」
リトが自分の第五感で危機感を覚え始める
「だからどうして…」
凛のイライラが募る=リトの危機感上昇
「私はこれから生徒の提出物を見なければならないんでな。
……代わりに九条が私の臨時補習担任をやってほしいんだが」
補習担任は立ち上がり、少しだけ立ち眩み、固まっている凛の肩をぽんっと叩いた
凛は一瞬の膠着状態を乗り越え、いつもの冷静な我に返った
「待って下さい。若い男女が二人…それも夜の教室。これは何かと問題になるのでは?」
凛の冷静沈着なごもっともな反論を聞き、リトは安心した
…かのように思われたが、次に発せられる補習担任の反論に対する反論に絶望を感じた
「九条。お前は何年生だ?三年生だろ?問題は起こせないだろ。
…それにお前は補習をやっている時点で天条院に恥をかかせていると思っているんじゃないのか?」
「うっ…。それは…その通りだが…」
「ならここで問題を起こしたら…まずいだろ?それにお前はもっと他人に
優しくするべきだな。天条院と藤崎以外で。これは自分の為になると思って…やってくれないか?」
「…………」
火が消えたかのように黙り込む凛
それを見てリトはまず、
         自分は情けない
と本気で思い机にうつ伏せた————————————



元補習担任の足音が遠くなる
凛はその場に立ちすくし、リトは強制的、臨時補習担任になった凛を重い目で見つめた

         何でこんな事になってしまったのだろう

自分はなぜここまでトラブル体質なのか
自分はなぜここまで他人に迷惑をかけるのか
自分はなぜここまで…九条凛を悩ませてしまうのか…
元はといえば、原点はララにある
変な発明品を試されそう(試された)になって、周りの人に度々羞恥な事をさせてしまった
特に天条院先輩の時は、なぜだか知らないが胸を触ってしまう
今日もその事で凛先輩に……迷惑を……

リトは色々な自虐的、自分で自分を責めるような事を考えていた
が、気配を感じて現実に戻り、自分の近くに座っている人物がいるのに気づいた

「…凛…先輩…」

リトは不思議な感じになっていた

「お前はどこまで馬鹿なんだ?このぐらいの問題も解けないでよく彩南高に入れたな」

気持ちがフワフワするような感覚

「ここは公式を使って、それから当てはめて——…で————して…」

前にも同じような事があった気がする

「……分かった?…おい、聞いているのか?」

あーっ…なんだが頭がぼーっと

「…ぅき…結城!!!!」
「っうわい!!!!!!!」
咄嗟に変な声を出してしまった
リトは耳元でしかも大きな声で呼ばれたので、少々ほろ酔い状態
だが凛は容赦なく手元にあった竹刀を手で叩きながら
「ちゃんと聞いていたならできるはず…。間違えたら…分かっているな?」
リトは自分の第五感が当たり、心の底から声にならない溜息を吐いた


—30分後—

「…うん。よくできた」
凛の分かり易い解説で、難なく難関九問目を突破
リトにもようやく危機感とは裏腹に、達成感が滲み出てきた
「いや〜、先輩の教え方は本当に上手いですよね。
    こんな先生がいたら俺も苦労しないのにな〜」
「…こ、こんなの誰にだってできる。単に結城が飲み込みが早いだけじゃないのか?」
「…ぇ」「…ぁ」
目と目が合う
お互いに褒め合い、自分の言った事に対して照れて顔を背けた
「それに…別にタメ口でも構わないぞ?そういうのは気にしない方だから」
「じゃあ先輩も、そんな堅い口調じゃなくて、もっと柔らかな感じで話して下さいよ」
とは言いつつも、いきなり口調を変えるとなると以外と恥ずかしい

「せ、先輩は付けた方が良い…よな///」
「それは…そう…ね///。変なふうに沙姫様達に誤解されてしまうから」
二人共顔を赤く染め、下を向き俯く
リトは先程とは違った危機感を感じ、どうしようかと戸惑う
何としてでも微妙な空気は避けたいと思い、手にある資料をみた

    第 10 問 目

「こ、これが終われば俺達は解放されるんだよな。…よしっ!」
「なるべく自分の力で解いて、解らなくなったら私が助ける。これで良い?」
リトは頷き、自由の為、期待に応える為に全身全霊をかけ最後の力を振り絞った
序盤は公式が当てはまり順調だったが、つまづいた
目を細め、様々な知識を使い解こうとするが…解けなかった…
「ごめん。どうしても…とけねー…」
「よく頑張ったと思うけど、まだまだね。じゃあ、私が続きを」

1分 ん〜 2分 … 3分 …? 4分 これ使えないの?
5分 …これじゃあおかしい… 6分 はぁ!?なぜ!? 

「…何だこの問題は!高校生ができる問題じゃない!」
椅子からスクッと立ち上がって激怒する凛
だが、長く椅子に座っていた為、立ち眩みにあいバランスを崩した
「ぅ…頭が…」
「危ない!凛!」
(間に合え!)






————夜の誰もいない教室
若い男女が二人————
        それも……

「……………結城…」
「…………………先輩…」

響くのは時折聞こえる、二人の呼吸

リトは凛を助けようとしたが一歩届かず
凛は仰向けになり、その上をリトが馬乗りしている

「…ハァ……何を…早く…」
「…え?…ぁあ〜ごめん!…よっと…って!?」
ふにっ
リトは手を使って起き上がろうとしたが、片方の手が凛の胸を触っていた
その柔らかい感触で力が入らなくなってしまったリト
「(先輩の胸…柔らかい…。それに大きすぎず小さすぎずで…、って何考えてんだ俺!)」
リトは怒っているだろう凛を震える目で見た
すると案の定、凛は顔を紅潮させ、目線は下だが顔は横に向けていた


「ぅぁ〜、可愛いなぁ〜」
「…は、はぁ?か、可愛い!?な、何を言い出すんだおおお前は///」
無意識に声に出して本音を言ってしまったリト
それに対してかつてない情けない自分を出してしまった凛
「(思わず声に…。で、でも本当に…可愛いしなぁ。それに…手が…居所が///)」
「(な、何を私は恥ずかしがっているんだ!。相手は、結城リト。
…だから…だから?……だから…恥ずかしいのかもしれないな…)」

二人は見つめ合った
今度はお互い瞳に相手を映し、静止した

汗ばむ凛の首筋、流れる汗
リトは思わず溜まっていた唾液を飲んだ

自然に近づく
距離は、凛の髪の匂いが届く距離
ララや美柑とは違った匂い
こういうのを大人の誘うような香りというのだろうか…
どちらにせよ…とても、甘い匂い…

「…凛…」
リトは彼女を優しく呼んだ

「…リト…」
凛は彼を呟くように言った

更に距離は縮まり、リトも凛もギュッと目を瞑る
そしてお互いの心臓の動きが分かるくらいまで…近づいた

高鳴る心拍 甘い匂い 荒い呼吸

リトの汗が凛の頬に付き、これを機にリトは覚悟を決め口付けを———
          ガラガラ〜〜  ピシャッ!

ドアの開ける音締まる音
静かだった教室に響いた
「「……え?」」
—時が止まった—

「…いやね。私は10問目が間違っているのをお前らが残っているなら訂正しようと
思ってきたのだが…。大丈夫!私は誰にも言わない!私はお前達の味方だ。信じてくれ!」
と言い、そそくさにこの部屋に最悪の空気を流したまま出て行った元補習担任

残された二人
一人は血の気が引いた顔色で乱暴にされたドアを見つめ
一人は眉間にシワを寄せ、握りこぶしを作る

「や、やばいな。どうしよう?りn」
「いつまで胸を触ってる!このケダモノがぁーーーーー!」

宙に舞うトラブル少年  結城 リト

(また、逆戻りかよ〜〜〜〜〜〜、ってか何でこんな扱い!?)

           〜続く?〜



            おまけ
          —その間のララ—

ビーンビュシュージーーーー
「…ん〜〜!できたぁ〜〜〜〜〜〜〜!」
飛び跳ね喜びを露にするララ
「やりましたねララ様!」
それに相槌をいれるペケ
「お待ちなさい!」
ここで天条院沙姫がお供を連れて重装備でララの研究室に乗り込んできた
「あ!沙姫だぁ〜〜!」
「ララ。今日という今日は貴方を許しませんわ!覚悟なさい!」
「ええ〜。じゃあ、この発明品最初に使わせてあげるから許して〜」
ララは手元にあった小さなロボットを手に取った
「何ですの?その不細工なロボットは!」
「これはね〜どんどんオモイテレパシー君だよ」
何でも、このロボットを手に取り好きな人の事を思えば気持ちが伝わる…という
「え?これを私に…。ララ、私は貴方の事を誤解していたようね。
不倫しているだなんて思った私を許してくださる?…では早速♪」
沙姫はロボットを手に取り
(ザスティン様。私はあの時、勇敢な貴方に一目惚れしてしまいました。
どうか私の気持ちを、お受け留めになって…)
ウィーン……ピカー……ジジジジーーーーー
ロボットは目から光を出し、やがて動かなくなった
「ありゃぁ〜。やっぱ一回だけしか使えなかったかぁー、残念失敗」
「ごめんなさいね。でもララ、貴方には日を改めてお礼を言いに来ますわ。
そして、ザスティン様と———キャー、これ以上は恥ずかしくて言えませんわ。帰りますわよ、綾♪」
こうして沙姫はご機嫌で帰っていった


「ん?」
「どうされました?ザスティン隊長」
「うむ。誰だが知らないが、告白された」
「「はぁ?」」

—結城家—
「ねー美柑ー、ふりんってなーにー?」
「…リトが帰ってきたら教えてくれるよ……」

—END—