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ショーウインドウが並ぶ街の繁華街を黒い服に長い金髪の少女、金色の闇は歩いていた。

ふと店のショーウインドウに映る自分の姿をじっと見つめる。
そこに映る自分の姿は服装、髪型、体格は殺し屋として名を馳せたころからほとんど変わっていない。
でも…
「私…変わったかな…」
ヤミはぽつりとつぶやいた。
ショーウインドウに映る自分の目は昔の自分のそれとは明らかに異なっていた。
原因はわかっている。
ラコスポの依頼で結城リトの抹殺のため地球にやって来たものの、そこで自分に温もりをくれる人に出会ってしまったからだ。
ララ・サタリン・デビルーク、結城美柑、そしてターゲットで合ったはずの結城リト。
この3人の他にも彼らの友人たちも、殺し屋の自分にとてもよくしてくれた。
どうしてだろう。私が怖くないのだろうか。
ヤミはそのまま公園に向かい、ベンチに腰掛けてゲームのパスカードを取り出した。
くだらないゲームだと思いながらも、なぜかそのカードを捨てることもモモに返すこともできずにいる自分がいた。
私は何かを期待しているのだろうか?
居心地が良すぎるくらいの温もりの中に自分も浸かっていられるかもしれないだなんて…
 
だがヤミはリトがゲームの中で何をしていたか思い出していた。
リトが見境なく複数の女性たちとセックスの快楽に浸っていたことを。
地球では基本的に一人の男性に一人の女性が伴侶となる。
それはヤミが地球に来てから読み漁っていた書物から得た知識である。
ヤミが読んだ恋愛小説でもそんな風に主人公とヒロインが結ばれるものが多かったような気がする。
しかしヤミは自分でもわかっていた。
自分が結城リトに惹かれていること、そして、強がりで未だに彼を生かしているなどと言ってはいるが、それも周囲にはバレバレの嘘だと見抜かれているであろうことも。
 
もし彼に惹かれていなくてもどうせ自分は彼を殺すことはできない。
彼がいなくなったらララは、美柑はどんな顔をするだろうか。
 
自分がどうするべきなのかわからない。
殺し屋の自分が温もりを求めるなんて間違っている。それでもこの居心地の良さを手放したくなくて、そしてそんなことを思う度なぜか結城家のほうに足が向いていた。
今もそうだ。
自分は日陰になっている公園のベンチで長い時間ぼーっとしていたはずだ。
なのに気がつけば立ちあがって彼女に、美柑に会いたくなる。
しかもこれが初めてではない。
結城家の人間に見つかっていないだけであって、何か悩みがあると決まってヤミは結城家の周辺をうろうろしていた。
殺し屋として宇宙を独りで放浪していたころはこんなことは考えられなかった。
自分を狙う賞金稼ぎや敵対勢力、そして殺された者の復讐のために自分を追う者、敵は数え切れないほどいた。
宇宙船の中は比較的安全だったが、それでも恋しくなる場所ではなかった。
だが今はどうだろう。
辺境の惑星だからか自分の敵となる者はほとんど来ないし、自分を受け入れてくれる人がいて、恋しくなる場所もある。
その恋しい場所の前でヤミは大きくため息をついた。
「はあ…。私はどうしてこんなところに…」
「あれ?ヤミ?」
いきなり声をかけられ、ヤミは柄にもなくびくっとして後ろを振り向く。
そこにはリトとララがお互いに腕を組んで立っていた。
もう二人は恋人同士なのだな、と恋愛に疎いヤミでもさすがにわかる。
リトのもう片方の手には買い物袋がぶら下がっていた。
二人で買い物に行って、その帰りのようだ。
「買い物の帰りですか…」
「まあな」
リトが笑って答える。
そこである程度予想はしていたものの、ララが一緒に夕飯を食べないかと提案してきた。
「ヤミちゃんも一緒にご飯食べようよ♪」
「いえ…私は…」
「美柑も会いたがってると思うし…」
「…」
結局ヤミはその晩結城家で夕食を取ることにした。
美柑の名前を出されるとどうも自分は断れなくなっているらしい。
それほどまでに美柑は自分を変えてしまった人物なのだ。
 
 
「わー、ヤミさん!どうしたの?」
美柑は笑顔でヤミを迎えた。
「いえ、その…。たまたま近くを通りかかったので…」
「上がって上がって!晩御飯すぐ用意するからさ!」
美柑はリトから買い物袋を受け取ると、スリッパをパタパタと言わせながらキッチンに走っていった。
「…お邪魔します…」
「俺たちは宿題を少しでも進めとくか、ララ」
「そうだね」
リトとララはリトの部屋に一緒に入っていった。
 
リビングで雑誌を読んでいたヤミだが、美柑の料理の匂いが鼻をくすぐると静かに立ち上がった。
「食器を並べるの、手伝いますよ」
「ありがとう、ヤミさん」
だが、食器棚から食器を取り出していたヤミの様子がいつもとどこか違うことに美柑は気づく。
「ねえヤミさん。今日はなんか元気ないね」
「…そう…ですか…?」
美柑はやはり鋭い。
作り笑いさえもできない自分がヤミは恨めしかった。
それと同時に、それまで結城家に来ていた時の、美柑に会えた時の自分がどういう風に見られていたのか、そして結城家に来た時の嬉しい気持ちを自分が隠し切れていなかったことをつくづく思い知らされた。
「少し…悩みがあるんです…」
どうしていつもの強がりが出てこないのだろう。
どうして「なんでもありません」の一言が出てこないのだろう。
ヤミは自分でも不思議だった。
食器棚に向かったまま動かないヤミを美柑はじっと見つめた。
「悩み…?私でよければ聞くよ…」
「美柑は…その…誰かを好きになったことはありますか?」
唐突な質問に美柑は声が裏返ってしまう。
「えっ?それってどういう…」
「しかも、相手が既にいる人を…です」
続けられたヤミの言葉に美柑はさらにびっくりする。
「さ…さすがにそれはないなあ…」
美柑は頬を掻きながら答えた。
「地球では男女の付き合いは一対一が基本ですよね?その…いきなりのことで困るとは思いますが、美柑ならどうしますか?」
ヤミの真剣な目、その裏にはすがるような気持ちさえ透けて見えた。
 
ヤミさん…。真剣なんだ…。
美柑にはヤミの言う相手は誰だかわからなかった、というよりこのときの美柑はいきなりのヤミの恋愛相談に相手が誰なのか考える余裕も失っていた。
「うーん…。既に相手がいる人…かあ…。まさかとは思うけど、その人結婚してたリする?」
しっかり者とはいえ美柑はまだ小学生、この手の話はなかなかにきつい。
それでも美柑はヤミの力になりたかった。
「いえ…それはまだ…」
「そっかあ。結婚してたら相手の人も迷惑に思うかもしれないけど、とりあえず伝えるだけ伝えてみたらどうかなあ?」
「そう…ですか?」
美柑はどうやら自分の告白を後押ししてくれるらしい。
不思議だ。
本心では殺し屋の自分が誰かに愛されるなどあるわけないと諦めているのに。
でも美柑の笑顔にそんな気持ちがかき消されそうになる。
自分の唇の端が上がりそうになったのがヤミにははっきりとわかった。
美柑もそれに気づいていたが、敢えてそこには突っ込まないでおく。
「自分の気持ちを伝えるのって大変かもしれないけど、きっとそのままだと後悔すると思うよ」
「…はい…」
 
夕食を終え、ヤミが結城家を出て行こうとすると、今度は美柑が泊まっていけと言いだした。
ヤミはその申し出を快諾した。
「じゃあおやすみー」
結城家の面々がそれぞれの寝室に入っていく。
リトはリトの自室へ、ララ、ナナ、モモは天井裏の自宅へ、美柑、セリーヌ、ヤミは美柑の部屋に入っていく。
ヤミは美柑の部屋の床に敷かれた布団に入る。
最近は立ったまま寝ることもすっかり無くなった。
目を閉じると優しい睡魔が襲ってくる。
「おやすみ、ヤミさん」
「はい…おやすみなさい、美柑…」
 
 
深夜、ヤミは廊下に人の気配を感じて目を覚ました。
『まさか泥棒…?』
忍び足で動くそれは美柑の部屋の前を通り過ぎ、リトの部屋の方へ向っていく。
ここでヤミはふと結城家の間取りを思い出してみる。
階段はリトの部屋と美柑の部屋の間にある。
もし泥棒が入って来たなら階段を上ってきて、自分に気付かれることなく美柑の部屋の前を通り過ぎることなどあり得ない。
「…」
忍び足で動くそれの来た方向にあるのはデビルーク姉妹の部屋に行くためのトランスポーターだけ。となると…。
忍び足で動いていたそれはリトの部屋の前で一旦止まり、そのままリトの部屋に入っていったようだ。
ヤミは気になってそっと美柑の部屋を抜け出す。
「リト…」
「ララか…。したくなったのか?」
「うん…。リト…して…」
部屋の扉に耳を当ててみると、ぼそぼそとだが話声が聞こえた。
どうやらさっきの人物の正体はララだったようだ。
ヤミはホッと安心するとともに、これからリトとララが交わることを直感し、心臓の音がどんどん大きく、そして速くなっていくのを感じた。
ベッドが軋む音、ララがベッドの上に上がったのだろう。
そのまま小刻みにベッドの軋む音が聞こえる。
二人でキスをしながら抱き合い、愛撫し合っているのだろうか。
映像が見えているわけではないが、ヤミの頭の中にはリトとララが裸で抱き合っている様子が鮮明に浮かんだ。
 
 
153 名前:ファミリーシミュレーション EP13 相談[] 投稿日:2011/02/08(火) 05:29:48 ID:CatZr8WT [7/11]
「あん…。もー…リトったらえっちぃ…」
「それが夜這いをかけてきた女の台詞?」
「むー…だって好きなんだから仕方ないんだもん…」
お互いにくすくすと笑ってから、またベッドの軋む音がした。
「あんまり声は出すなよ?」
リトがララに釘を刺す。
「リトがあんまり激しくしなかったら…ね?」
「じゃあこうしようか…」
「んっ…」
二人はキスをしているのだろう。
そのままベッドの軋む音が規則的なものに変わる。
ララがリトにペニスを挿入されたのだろうとヤミは想像する。
想像はどうやら当たっていたらしく、二人の吐息は荒く混じり合い、ベッドの軋みが激しくなっていくのがわかる。
ヤミのショーツには愛液が滴り、無意識に指が自分の生殖器に伸びる。
二人の吐息が間近に感じられるほどにヤミは自慰行為に没頭していった。
必死に声を押し殺し、自分のクリトリスの皮を剥いて指を這わせる。
快楽と共に別の何かが体に流れ込む。
それは寂しさなのだとヤミは気づいていただろうか。
高まる興奮を抑えられず、ヤミはリトのベッドが軋む音を聞きながら昇り詰めていく。
ヤミの秘部は白く濁った愛液で醜く汚れ、リトとララはヤミが自分たちの性行為に聞き耳を立てているとも知らずに絶頂を迎える。
ベッドの軋む音が止み、ヤミははっとして自分が何をしていたのかを自覚する。
「もう…リトったらこんなに中に出しちゃって…」
「ララの中気持ちいいから仕方ないだろ?」
「ねえリト…。私部屋に帰りたくない…」
ここでベッドが軋む音が一回した。
ララがリトに抱きついたのだろうか。
「やれやれ…。ちゃんと早起きしろよ?」
「むー、いつもナナやモモに起こしてもらってるリトに言われたくないもん」
「それもそうか…」
二人はこのまま眠るつもりらしい。
ヤミは指に冷たくまとわりつく愛液を舌で舐めとってみる。
少ししょっぱい味がした。
 
 
次の日の朝、この家で一番早起きの美柑が起きるとともにヤミも目を覚ました。
「おはよう、ヤミさん」
美柑がヤミに笑いかける。
「おはようございます、美柑…」
「まうっ」
セリーヌも元気よく飛び起き、美柑に抱きつく。
「おはよう、セリーヌ」
美柑はセリーヌをあやしながらヤミに言った。
「これから朝ごはん用意するからね」
「あ、私も手伝います」
「うん。じゃあ下りよっか」
美柑の部屋を出る。
ヤミはついリトの部屋のドアを立ち止まって見つめてしまう。
それに気づいた美柑がヤミに声をかける。
「ん?リトなら多分もう少ししないと起きてこないんじゃないかな」
「そう…ですか…」
「まあ最近はナナさんやモモさんが起こしてくれるから、ほっといてもいいよ」
「…はい…」
美柑は知っているのだろうか。
リトが昨晩ララを抱き、恐らくもう何人もの女性と肉体関係を持っていることを。
もし知らなかったとしたら、美柑はそれを知ったときどう思うのだろうか。
ヤミはそのことに少し不安を覚えながら美柑の後についていった。