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「え?クリスマス?」
唯はきょとんとした顔のままリトを見つめる
「うん。クリスマス。よかったらオレとその…一緒にってダメ?も、もちろん唯になんか予定があるならそっちを優先でいいっていうか…」
どこか歯切れの悪いリトに内心溜め息を吐く唯
(予定なんてあるワケないじゃない!だいたいその日は私だってあなたと…)
「えっと…やっぱダメ……?」
ガックリと一人肩を落とすリトに唯は慌てて口を開く
「ちょ…ちょっと待ちなさい!誰もダメなんて一言も言ってないじゃない」
「え!?それじゃ…」
「べ、別にいい…わよ。予定もないし」
とたんにリトの顔に満面の笑みがこぼれる。リトはうれしさのあまり思わず唯に抱きついてしまった
「な!?ちょ、ちょっと結城くん?な、なにやって…」
「ありがとな唯!オレすげーうれしいよ!」
溢れんばかりに自分の気持ちを表すリトに、唯の心もくすぐられる
「わ、わかったから!いい加減に…離れ…ってもう…////」
顔を赤くして文句を言いながらも、リトが離れるまでその場から動こうとはしない唯だった

そしてクリスマス当日の朝
鏡の前で服のチェックをしていた唯は、自分の顔がいつもとは違ってニヤけていることに気付き
慌てて姿勢を正す
「な、なにニヤニヤしてるのよ私は!別に今日はクリスマスなだけでいつもとなにも変わらないじゃない!」
そうクリスマス
世界中の恋人や家族が夢にまで見る一夜限りの特別な日
街も人も誰もが、どこかそわそわしている
唯だって女の子だ。小さい時からクリスマスにはいろいろな思いを馳せてきた
が、現実は毎年いつも家族と過ごすなんでもない一日
だけど今日は今年からは違う。だって……
「結城くんと一緒にクリスマスを……」
トクンと心臓の音が高鳴るのを唯は感じた
クリスマスに好きな人と、世界で一番大切な人と過ごす
「結城くんと一緒に…」
二度三度とリトの名前を呟くにつれ、唯の頬に赤みが増していく
ドキン、ドキンと心臓は高鳴り、頭の中はいろんな想像が飛び交う

『唯』
『な、なによ?』
いつもとは違うリトの雰囲気に唯は、落ち着かなげに体をそわそわさせる
『あの時言っただろ?責任取ってって』
『え!?…え、ええ。言ったわ』
リトの腕がぐいっと唯の体を抱きしめる
『え?あ…ゆ、結城…くん?』
少し驚いたのか体に力が入る唯を、リトは離さない様に腕に力を込める
『動いたら責任取れなくなっちゃうだろ?だからじっとして唯』
近づいてくるリトの顔を唯は真っ赤になりながら見つめ続ける
『好きだよ唯』
間近で聞いたリトの甘い囁きに唯の顔は沸騰しそうなほどに赤く染まる
『え…あ、ちょ…ちょっと待っ』
『これは誓いのキスだよ。オレ達二人の結婚を誓う誓いのキス…』
『結婚…誓いの…キス…』
リトはニッコリ微笑むと唯の唇に自分のを重ねる
何度も重ねてきたキスの中で、今までと違う感覚に唯の体と心がとろけていく
『結城くん……私もあなたと…』
『唯…』
二人は手を握り、指を絡ませ合うと、互いを甘く激しく求め合った


唯はハッと我に返ると鏡の中で頬を赤くしてる自分に肩を震わす
「な、なに考えてるのよ!!これじゃあ結城くんと同じじゃない!ハレンチなッ!」
すっかり夢から覚めてしまった唯だったが、その顔はどこかまんざらでもない様なやわらかいものになっていた

そしてその頃リトは――――
「へ~あんたが唯さんを?意外だネ。がんばったじゃんリト」
「……」
リトは無言。下を向いたまま雑誌を読みふけっている
いつもなら軽く流す美柑の軽口にも微動だにしない
というか実のところ、そんな余裕は今のリトにはなかった
頭に浮かぶ今日のプランを何度も練り直す。なんと言っても今日はクリスマスだ
いつものデートとはワケが違う。やはり特別な日は特別なコトをしたいとリトは思っていた
手に持った雑誌の特集記事を頭に叩き込んだリトは一つ気合を入れると椅子から立ち上がる
「よし!じゃあ行くか」
そんな妙な力が入っているリトの背中を美柑は冷ややかな目で見つめる
「あれ?リト今日出かけちゃうの?」
奥からララが出てきて美柑のそばに駆け寄る
「ん~…あいつ大丈夫なのかな……」
「ん?」
なんだかんだと兄の心配をしている美柑の横顔をララはじっと見つめた

待ち合わせ場所の駅前広場
時間にきびしい唯は待ち合わせ時間のいつも10分前には着ていた
そして今日も
リトはまだ来ていない。おおかた寝過ごしたか、ギリギリに来るんだろう
(来たらまずはお説教ね)
心の中でそう呟いた声はどこか楽しそうだ。いつもとは違う街の雰囲気が、唯を少しだけ変えていた
街はクリスマス一色にそして、通りを歩く人波はカップルが目立つ
唯はその光景をじっと見つめていた
「私だって今年から、ずっと……」
胸がキュッと温かくなる感触に唯の顔もほころぶ
その時
「ゴメン、ちょっとギリギリ……遅れちまった……」
唯は慌てて表情を引き締めるとリトに向き直る
「もう!またあなたはッ。いい加減時間を守らないとダメだってあれほど――」
それから十数分。唯のガミガミ説教はやっと終わった
「ちゃんと反省して!結城くん」
「悪かったってホント!」
「ホントに反省してるのかしら……」
唯の疑うような視線にリトは愛想笑いを浮かべる
「と、とりあえず腹も空いたしどっか店入らないか?」
「……はぁ~。まあちょうどお昼だし、私もお腹空いてきたかな」
唯の反応にホッとしたのかリトは肩から力を抜くと、唯に歩こうと、うながす
「それで、どこに行くの?」
「ああ。この近くにうまいとこあるからそこ行こ」
唯はリトに任せると隣に並んで歩き出す


リトの隣を歩きながら唯は思う
デートの時、一緒に学校から帰る時とは、今日は違う
いつもとは少し違う気持ちが生まれていた
それがなんなのかわからない
わからないけれど、隣を歩くリトの横顔を見ているだけで心が躍るような
こそばゆいようなそんな気持ちになる
唯はすれ違って行くカップルに視線を送る
(私達もあんな感じに見られてるのかな……)
腕を組んだり、イチャイチャしながらなんてムリだけど、それでも――――
「どうしたんだよ?今日のお前なんかいつもと違うぞ?」
いつの間にか自分の方を見ていたリトに唯は、ハッと我に返る
「そ、そんなワケないでしょ!それよりまだ着かないの?」
慌てて話題を変えようとする唯にリトは内心くすっと笑いながらも、もうちょっとだよと目で合図する
唯は気のない返事を返すと、話はこれでお終いとばかりにリトから視線をそらした
(……ッたくこいつは)
リトは白い息を吐くと、黙って唯の手を握り締める
「え!?ちょ、ちょっと!なに…」
「オレと手繋ぐのいや?」
「そ、そんなワケ……」
口ごもる唯の手を少し引っ張る様にリトは歩き出す
「もう!」
リトの態度に少しムッとした唯は、歩くペースを上げるとリトの隣に並ぶ
抗議をしようとちらりとリトの横顔を見た唯は、その表情にそれっきりなにも言えなくなってしまった
唯と手を繋いでいるリトは少し自慢気で、いつもよりもなんだか男の子になっていた
そんなリトに少しぼーっと見とれてしまっていた自分に気付くと唯は、一人顔を赤くさせた
駅前広場からここまで10分ちょっと
早くも唯はドキドキが止まらなくなっていた
ここまでは――――

目的の店にやってきた二人は、店前でただ呆然としていた
「ちょっとどういうコトなの?」
「あれ…?ッかしいなー…」
改装中と書かれた看板の前で頭を掻いてるリトと、それを少し冷たい視線で見つめる唯
「もう…どうするつもり?」
「えっと……と、とりあえず他行こ!この近くにあるからさ」
「まぁいいけど…」
少し苦笑いを浮かべるリトに手を引かれ唯は歩き出した

「いらっしゃいませ~!本日はタイヘン込み合っておりまして!ただいま一時間半待ちとなっておりますが、よろしいですか?」
「え!え……と」
ウエイトレスのお姉さんに笑顔でそう言われたリトは、唯の返事を聞くために向き直る
「どーする唯?」
「……他、探したほうがいいんじゃない?」
「だよな……」
少しガックリと肩を落とすリトに唯の溜め息が聞こえた

そして次の店
「申し訳ありませんが、本日当店は、ご予約のお客様のみとなっております」
「そ、そうですか…」
怖くて唯の顔をまともに見れなくなったリトは黙って次の店へと向かった


「申し訳ありません本日は~」
「ただいまタイヘン込んでおりまして~」
「…またのお越しを心からお待ち申しております」

「ホン……トにゴメン!!」
テーブルに向かい合う形で、椅子に座ったリトは唯に頭を下げた
結局散々歩いた二人は、近くにあったファーストフード店を選んだ
ノドが乾いていたらしくアイスコーヒーを流し込むと唯は、リトの顔をちらりと見る
「別にいいわよ。それにクリスマスだもの、いつもとは勝手が違うコトぐらいわかるわ」
「う…うん。ま、まあな…」
それはすなわち「それぐらいわかってなさい!」というコトなのか?唯は、それっきり黙ってしまった
(はぁ~。オレなにやってんだよ……)
クリスマスの情報誌はたくさん読んだが、結局肝心のコトと応用が利かなかった自分
そして、すっかり機嫌をそこねた唯と、このなんとも言えない雰囲気にリトは溜め息を吐くしかなかった
それでもこの悪い流れをなんとかしよう
リトは必死に話題を探した
「あ、あのさ。これからどっか行きたいトコとかない?唯が行きたいトコあるならそこ行くけど?」
唯はポテトを咥えたまましばらく考え込むと、小さくうなずいた
「じゃ、じゃあコレ食べ終わったらそこ行こっか!」

「じゃあ次は…あっち」
「お…おう」
リトは唯の後ろを歩く形でその後をついていく
二人は今デパートに来ていた
なにか買ってほしい物でもあるのかと事前に財布のチェックを済ませていたリトは、ただ店を回って服や靴を見て回るだけの唯に首を傾げる
店員に気に入ったブーツやコートを見てもらったり、サイズを確かめたりと
そんなに欲しいのなら買えばいいじゃんとリトは心の中で何度も呟いていた
けれどそんな疑問も次第に薄れていった
普段はあまり見ることのない買い物をしてる唯の姿と、少し顔を綻ばせながら試着していく唯にリトもなんだか楽しくなってくる
壁にもたれながら少しニヤけているリトに気付くと唯は、小声で囁く
「ちょっと!なにニヤニヤしてるの?」
「いや、お前も買い物とかするんだなーって思ってさ」
「な…!わ、私だって買い物ぐらいするわよッ!!」
唯の声に周りの客の視線が二人の集まる
「……私が買い物してるのがそんなに珍しいんだ?結城くんは」
「え?そ、そんなつもりで言ったワケじゃ…」
ムッと睨んでくる唯にリトはそれ以上なにも言えずゴメンと謝った
そんなリトに唯はそっぽを向くと、そのまま持っていたカバンを返しに戻って行ってしまった

あれ以来、二人は、気まずさからか口を聞いていなかった
お互い黙ったまま歩き、どこかおかしな空気が二人包んでいる
そんな中、唯は一人何度も何度も聞こえないような小さな溜め息を漏らしていた
あの時、リトが言いたいコトはわかっていた
わかっていたはずなのに口からは違う言葉が出てしまった
どうして――――?
答えはわかっていた。思い描いていたモノとは違う現実がそうさせていた
リトは相変わらずそわそわしている
きっとどうしていいのかわからないのだろう
唯はまた溜め息を吐くと、小さな覚悟を決めた


エスカレーターに足を乗せるとくるりとリトの方を向く唯
「なんだよ?」
「……」
唯は無言。慣れないコトに言葉がうまく出てこない
「唯?」
リトの怪訝な顔がよりいっそう唯から言葉を無くしていく
それでも「今」をなんとかしたいという思いが、唯を動かした
「あ、あの結城くん私は別に…」
「お、おい唯…」
「いいから聞いて!私別に怒ってないし、それに…それに私は結城くんとこうしていられ…」
唯は最後まで言いたいコトを言えなかった
突然体がグラついたかと思うとそのままバランスを崩し、仰向けに倒れていく
「唯ッ!!」
エスカレーターが下まで来ているコトに気付かなかった唯は、足をもつれさせたのだ
視界がぶれる中、必死に自分の名を呼ぶリトに唯は手を伸ばす
「クソッ!」
リトはその手を掴むとぐいっと自分の胸に唯を抱き寄せた
エスカレーターの降り口で抱き合う二人
「大丈夫か?」
「う……うん」
唯はリトの腕の中でなんとか返事をする。まだ体が震えている
「ッたく!エスカレーターを後ろ向きで降りようとするからこうなるんだろ?」
「……だ、だってそれは……それは…」
言葉が続かなかった。言いたいコト、伝えたいコトがあったがそれ以上に
さっき必死な顔で手を伸ばしてくれたリトの姿に心臓がドキドキと高鳴ってしまう
「と、とにかくここじゃアレだからさ……場所変えない?」
「え…?」
唯はリトの胸から顔を出すと周囲を見る。周りにはいつの間にか人だかりができており
抱き合う二人をニヤニヤと見つめていた
「そ、そうね////」
唯はそれだけ言うと、リトに手を引っ張られ足早にそこから去った

「それで!さっきはなに言おうとしたんだよ?」
「もういいの!」
「え?」
「だからもういいのよ!」
一人で納得している唯にリトは眉根を寄せる
「意味がわかんねーよ…」
さっきの一件以来すっかり元に戻った二人の雰囲気に、唯は心の中で微笑んだ
「それより結城くん。私そろそろお腹……空いたんだけど」
「え!?ってもうこんな時間かよ!悪い!じゃあ食べに行こっか」
リトは唯の手を握り締めると目的の場所まで歩き出した

「……す…ごい…」
ぽつりとそうこぼした唯の顔には、驚きとうれしさが滲んでいる
正面には見上げるほどの大きな入口と、両開きのドア。そして、店内にはタキシードを着込んだ案内係
壁は石造りの重厚な造りで、窓ガラスから見える店中には、大きなシャンデリアが飾られている
唯の目はキラキラと輝き、口からはうっとりする様な溜め息がこぼれる
思わず顔をほころばせながら少し離れているリトを振り返った唯の目に、一人しょんぼりと小さくなっているリトの姿が映る


「どうしたの?結城…くん?」
リトはなにも言わず、すっと一軒の店を指差す
「え?」
「……こっちなんだ。その、予約してる店…」
唯はもう一度リトの指差す店を見つめる
そこは本当にこぢんまりとした店だった。カウンターとテーブルも二つほどしかない
家庭用のイタリアンレストラン
さっきまでときめいていた高級フランス料理店は天と地ほどの差がある
「……ゴメン」
しゅんと小さくなるリトに唯は慌てて駆け寄る
「わ、私こそヘンな勘違いして……。えっととにかく入ろ?結城くん」
唯に促され歩き出すリトは、もう一度高級フランス料理店の方を見つめそして、溜め息を吐いた

中は唯が思っていた以上にさらに狭く、高級感の欠片もないむしろ家庭的ともいえる調度品
カウンターの向こうには、夫婦なのか人の良さそうなおじさんとおばさん
クリスマスだというのにリト達の他は、客がなく完全貸切状態だった
メニューを見ながら唯は、ちらちらと何度もリトを見ていた
さっきからあからさまに元気がない
これでは、エスカレーターの一件以来、せっかくのいい雰囲気が台無しだ
唯はなんとかがんばって声を出そうと口を開きかけた、その時
「悪かったな。その…期待に応えられなくてさ」
「そ、そんなコト…そ、それに私は結城くんがいれば……」
いれば……その後の言葉が続かない。不甲斐ない自分に唯は下唇をキュッと噛み締めた
「……次からはお前の期待に応えれるようにがんばるよ」
「う、うん。期待してるわ…」
どこかおかしな雰囲気のまま、それっきりお互いほとんど口を聞かなかった
次々と料理が運ばれてきても、一言二言しか会話が続かない
そして食後のティータイム。二人は相変わらずお茶を口にしてもなにもしゃべらない
しばらくぼーっとした時間だけが流れる中、ふいにリトが椅子から立ち上がった
唯と一瞬目が合うも、すぐに目をそらし、短くトイレとだけ応え奥に消えていくリト
「……うん」
リトのいなくなった椅子を見つめながら唯は溜め息にも似た返事を返す
こんなはずじゃなかったのに……
さっき素直な気持ちをちゃんと伝えていれば……
唯は椅子の下でキュッと手を握り締める
その頃リトは、備え付けの水道の蛇口を捻り、バシャバシャと顔を洗っていた
「クソッ!なにやってんだよオレ……」
本当なら今日はこの店で唯に言いたい言葉があった
伝えたい気持ちがたくさんあった
なのに……
リトは鏡に映る濡れた自分の顔をじっと見つめると、溜め息を吐き一つ気合を入れた

トイレから戻ってきたリトを見るなり唯は、思わず椅子から立ち上がる
「あ、あの結城くん。私…」
「とりあえずココ出よっか。オレ金払ってるから先出てて」
「う、うん」
唯は短くそれだけ言うと、リトの横顔を見ながら店を出た

二人は薄暗い夜の道を歩いていた。心なしか二人の距離は離れている。
お互い言いたいことはあるのに中々言い出すタイミングをつかめないでいた
冷たい冬の風がよりいっそう冷たく感じる
少し後ろから歩いてくるリトを気にしながら、唯は手に持った紙袋を握り締めた
(ちゃんと言わないと……結城くんにちゃんと…)
唯は心の中でそう呟くとくるりとリトに体を向ける
「はいコレ!」
唯は少し顔を赤くしながらリトに持っていた袋を渡す
「……なんだよコレ?」
「いいから受け取って!」


半ば無理やり手渡された袋にリトは困惑する
「お前なあ……ってひょっとしてコレ…クリスマスプレゼントか?」
「うん…」
唯は極力リトの顔を見ないようにうなずく
「おぉ~なあ、コレ開けてもいいかな?」
「す、好きにしたら」
うれしそうなリトとは対照的に唯は少し不安そうな面持ちになっている
誰かにプレゼントを渡す――――唯にとってそれは初めてのコトだったから
「お!これマフラーじゃん!あったかそー」
リトは手にした黒色のマフラーをうれしそうに広げると、そのまま首に巻いた
「どうだ?似合ってる?」
「え、ええ…うん…」
「ん?」
唯は一人困惑していた。どう言ったらいいのかわからなかった

実はリトへのプレゼント選びはかなり迷った。ゲームにするのか服にするのか
遊に相談したりもしたが、まともな答えが返ってくるはずもなく
結局唯は一人悩みに悩んだ末。マフラーにすることにした
シンプルすぎると思った。ホントは手編みとかの方が喜ぶかと思ったが、そんなコトはできるはずもなく……

だから、目の前で一人うれしそうにしているリトの顔を見ても、本当にコレでよかったのか不安になっていた。
もっといいモノが、喜んでくれるモノが、あったかもしれない
「唯?どーしたんだよ?」
「な、なんでもないわよ!それよりホントにそれでよかったの?もっと……」
「へ?なんで?だってコレすげーあったかくて気持ちいいんだぜ!今までオレが持ってたどのマフラーよりも最高だと思うけど」
どこか得意げに話すリトに唯は目を丸くする
「そんな大げさよ」
「大げさじゃねーよ!だってお前がくれたモノなんだぞ?オレにとったらそれだけで特別になるよ」
唯の顔が暗い夜でもわかるほどに赤くなっていく
「と、特別…なんだ」
「当たり前だろ!ッてあのなー。オレにとったらお前と今こーしてる時もすげー特別で、
なんていうか…その……最高のプレゼントになってるってゆーか…」
どんどん声が小さくなっていくリトを唯はただじっと見つめる
リトはどこか言いにくそうに、照れくさそうに唯から視線をそらす
「と、とにかく!お前とこうやって一緒にいるだけで、オレにとったら最高のクリスマスだし、それがプレゼントになってんだよ!!」
「あ…」
短い吐息と共に、唯の気持ちが高鳴っていく
「わ…私といるだけで…ッてホントなの?それ……」
リトは自分が言ったコトが急に恥ずかしくなったのか、唯から顔を背けると早口でまくし立てる
「ああ。そーだよ!ッてこんなことウソなんかで言えるワケねーだろ」
「うん…」
唯はリトの言葉を噛み締めてるのか、黙ったままじっと下を見続けている
そんな唯をリトはチラチラ見ながら、ずっと心にあったコトを言おうか言うまいか
何度も頭の中で反芻させていた
本当ならさっき店で言おうと決めていた言葉
しばらくするとリトは手をギュッと握り締め、唯の顔を見ると真剣な表情になる


「あ、あのさ唯」
「え」
唯は顔を上げるとリトを見つめる。その顔はいつも以上に真剣でそしてどこか決意に満ちていた
「どうしたのよ?そんな真剣な顔して」
「……さっきオレお前に言ったよな?唯がいるだけでって。オレ今まで家族としかクリスマス過ごしたコトなくてさ、
クリスマスはいつも美柑の作ったケーキ食ってるだけって感じで…」
(私と同じ…)
唯は声に出さず、心に押し込めるとじっとリトの声に耳を傾ける
「だからクリスマスがこんなすげータイヘンで、でもうれしくて、幸せで…こんな風になるなんて思ってなかったから今日、正直びっくりしてる」
「失敗ばっかりだったけどね!」
「うぅ…ゴメン」
別にいいわよ。私もあなたと同じ気持ちだから――――
唯はあえて声に出さずリトの言葉を待つ
「だ、だからさもし唯がよかったらその……これからもじゃなくて…この先もずっとオレとクリスマス一緒にいてほしい……って思ってる」
「え……あ!」
短い呟きの後、ゆっくりと唯の胸にリトの言葉が染み込んでいく
(それってもしかして…プロ…)
唯は言葉もなくただ呆然とリトを見つめていた
「え、あっと…と、とりあえずオレからも唯にプレゼント!」
リトはそう言うと、さっきの唯の様に持っていた袋を無理やり手渡す
「あ…開けても…」
「え!?あ、ああ」
唯は半ば呆然とした面持ちで、手に持った袋を開けていく
「ん?……コップ?」
きょとんとなる唯
「ゴメン。いろいろ迷ったんだけどさ、なんつーかずっと置いといてほしいモノより、ずっと使ってほしいモノをって考えてたらコップになった…」
「……」
「やっぱブランド物とかそーいうのが…」
唯は手に持った袋からもう一つのコップを取り出した
「これ二個……セットなの?」
「二個で一つの絵になるペアのコップなんだけど……ハハ、やっぱ…」
「……普通こういう時って指輪とかを渡すんじゃないの?」
一人ドキリと慌てるリトの前で唯は二つのコップを重ね合わせる
「私も…初めてのクリスマスなのに……」
「え…」
「カッコわる。結城くん」
ゴメンを言おうとしたリトの口が固まった
目の前で微笑む唯の笑顔
今まで何度も見てきたリトだったが、今回はいつもとは違う、どこか特別な感じがした
二個のコップが合わさってできる、二匹の子犬がじゃれあう姿を唯はじっと見つめていた
可笑しそうに、照れくさそうに、そしてうれしそうに
ぼーっと自分の顔を見つめるリトに気付くと唯は慌てて顔を背ける
「なによ?ぼーっとしたりして」
「へ?いや…お前ってそんな風にも笑うんだなって思ってさ」
「な、なによそれ!?別におかしくないわッ!普通に笑っただけじゃない!!」
すごい剣幕で怒り出す唯をリトは一生懸命なだめようとする


「悪い!悪かったって!だからそんな怒んなって!……で、結局ソレはもらってくれるのか?」
唯はリトをじと目で睨みつつ、視線をコップに移す。クリスマスをモチーフにした赤と白
雪の中でじゃれあう二匹の子犬の絵
さっきリトの言った言葉が頭に浮かぶ
(ずっと置いててほしいモノより、ずっと使ってくれるモノを……か)
唯はリトに見えないように小さく笑った
ソレは自分がマフラーを選んだ時と同じ理由だったから
しばらくコップを見つめていた唯は、片方のコップをリトにそっと差し出した
「あ……やっぱいらない…よなァ…」
「そうじゃなくて!あなたも使って!」
「え?」
リトが俯く顔を上げると、唯は真っ赤になっていた
「せ、せっかく二個あるんだし、その…私一人で使うより結城くんも使ってほしいというか……。お、お揃いのコップなんだしもったいないじゃない////」
「唯…」
リトはギュッと胸を締め付けられるような、そんな感覚に目が熱くなってくるのがわかった
「と、とにかく私はこっちを使うから、結城くんはそっちを使って!」
リトはコップを受け取ると、本当に大事そうに自分のコップをカバンにしまう唯の姿に、うれしさのあまりなんて声をかけていいのかわからなくなっていた
ただ唯のコトを本当に好きになってよかったと心の中で何度も呟いた
そんな自分の姿を不思議そうに見つめる唯にリトは慌てて口を開く
「あ、あのさ唯。さっきの続きなんだけど。今日オレ…全然ダメで、お前にカッコ悪いとこばっか見せてさ……。
ホントにダメなクリスマスになっちまったけど……それでもオレ来年もこの先もずっとお前といれたらなって!!」
リトのいつもとは違う熱い視線
「もちろん来年は今日みたいじゃなくて、もっといい処に食いに連れて行くし、プレゼントだっておまえの欲しいもの買ってやる!
店だって間違いようにする!お前にもっと気の利いた言葉もかけれるようにがんばる!!だから…」
唯はなにも応えずただ黙ってリトを見つめている
「唯?ってやっぱダメだよなァ…都合よすぎるっていうか。オレ今日失敗ばっかだったし」
一人うな垂れるリトの耳に小さな笑い声が聞こえてきた
「唯?」
「…ぷ…あはは」
「な!?なんで笑うんだよ?オレマジで言って…」
「だって結城くんすごく必死なんだもの。……まあ確かに今日は失敗ばかりだったけど私、楽しかったわよ!」
唯の言葉にきょとんとなるリト
「で、でもおまえ怒ってたんじゃ…」
「確かに家族とか他の誰かだったら怒って帰ってたかも…」
「じゃあなんで?」
唯は溜め息を吐くとぷいっと顔をリトから背けた
「……結城くんといるからでしょ!////」
「え……あっ!」


唯はリトから逃げるように顔を俯かせる

「ほ、ホントにオレがいるだけでよかったのか?」
当たり前でしょ
「だってクリスマスなんだし、高いとこで食事とか、ホントはプレゼントも良いやつが欲しかったりとか…」
豪華なお食事も、高いプレゼントもいらないわよ
「えっと…ゆ、唯?」
だって、だってあなたは私の一番欲しかったモノをくれたじゃない

俯いていた顔を上げた唯の顔は、相変わらず真っ赤に染まっている
唯はキュッと手を握り締めるとリトの目を見つめた

「結城くん私はね……」
ホントは一緒にいるだけで幸せなんだから
「私は……」
だけど…世界で一番とか、好きとかそんなこととても言えない
「私、は…」
言えないけど、それでも結城くんのことが好きだから、だから
「私…私もこれから先もずっと結城くんと一緒に…」
「唯…?」

その時、空から降ってきた白いふわふわしたモノが唯の頬に触れた
「え?」
「あ!雪だ…」
二人が見上げると、空から雪が一つ二つと舞い降りてきた
「ホワイトクリスマスじゃん」
空を見上げたまま、一人喜ぶリトの横顔を唯はじっと見つめる
本当に、本当に私は結城くんと――――
フッと気付くといつの間にか目の前にリトの顔があった
しばらくボーっとしてしまってたらしい
唯は顔を赤くさせるとふいっと顔を背ける
「なによ?////」
「いやボーっとしてたからさ、なんか考え事か?」
「なんでもないわよ…」
そう言いながらも、一瞬ちらりとリトの方を見た唯の目に、一人怪訝な表情をしてるリトが映る
「……あ…あのね」
「ん?」
「さっきの話なんだけど……アレホントなの?その……私と一緒にって…////」
リトはきょとんとなったがすぐに、ムッとした顔になる
「あのなァ!さっきも言っただろ?こんなことウソなんかじゃ――」
「もう一度言って…」
「え?」
唯の顔は真っ赤に染まり、声もいつもより小さい
「も、もう一度言って!聞きたい…から……////」
「……お、おう!……じゃ、じゃあもう一回だけな!」
「…うん」
そうは言ってみたものの、改めて自分の言った言葉を思い返すと、とんでもないコトを言ったのだとようやくわかってきた
どう考えてもプロポーズ以外のなにものでない
そしてこれからもう一度言うことになる
緊張と恥ずかしさでベタつく汗をズボンで拭きながら、リトは唯をちらりと見る
唯は待っていた。白い雪が黒い髪を染めていく中、ただリトのコトをじっと
リトはそんな唯の頭に付いた雪を手でやさしく払う
そして、緊張と照れくささを隠すように深呼吸をした後、すっと唯を見つめた


「唯…」
「…ん?」
黒い瞳を濡らしながら、少し上目遣いな唯の視線にリトの鼓動はどんどん高くなっていく
「えーっと……よし!」
リトは一人うなずくと、黙って唯の手を握る
「オレ来年のクリスマスもお前といたいって気持ちはあるんだ。けど、その時は、今みたいな感じじゃなくてもっとお前と近づけたらなって思ってる」
リトの言ってる意味がわからなくて唯は困惑してしまう
「えっと、だからその…来年のクリスマスは、今よりもっとお前のこと好きになってる」
「え…」
「好きって気持ちはかわらない!けど、気持ちはどんどん大きくなっていく
オレお前のコトがマジで好きだからな!!きっとこれからも大きくなってく」
リトの握り締める力が強くなる
自分の思いの強さを伝えるように
自分の気持ちの大きさを表すように
「オレお前のことが好きだ!すっげー好き!大好きだ!唯を放したくないし、離れたくない!!
ッてそれだけでお前とこれからもってワケじゃないんだけど……ないんだけど…」
肝心のところで言葉に詰まり出すリト
「えっとなんつーか……うまく言えねー……。で、でも唯と一緒にいたいって気持ちは本物なんだ!お前とその…またクリスマス一緒にできたらなって……思ってる」
最後は声も小さく、尻すぼみするような弱気なモノになっていたが唯にとっては十分だった。というより十分過ぎた
こんなにも誰かから、それもリトから「好き」を連呼されたことのなかった唯の体と心は、
完全にとろけきっていた
頭が真っ白になり、好きという言葉がぐるぐると回る
ぼーっとなっている視界にはすでに、リトの姿しか入っていない
そしてその姿が次第に霞んでいく
「唯?……唯?」
リトの声も遠くから聞こえる様な感覚
どんどん霞んでいく景色。その時、ふっと自分の目のあたりを触れる感触に唯はハッとなる
「お前……なに泣いてんだよ?」
「え……?」
唯は慌てて手で目元を擦ると、手の平の濡れた感触に驚く
(私…泣いて……)
唯はリトから顔を背けると、手でゴシゴシと涙を拭く
けれど、後から後から溢れる涙
(どうして?どうして私……こんな…)
リトにいっぱい好きだと言われ、うれしくて、うれし過ぎて
色んなモノが唯の中で大きくなり、そして涙となって溢れ出していた
リトは一人泣いている唯の腕を取ると、そのまま抱き寄せた
「な!?ちょ、ちょっと!外なのになに考えて…」
「ゴメン…なんかこーした方がいいって思ってさ」
リトは腕に少し力を込めると、ギュッと唯の体を抱きしめた
ドキンと心臓の高鳴り、抗議の声を出そうとした唯の声が、喉の奥で止まる
変わりに唯はリトの両肩を掴むと、そのままリトの肩におでこを乗せた
目を閉じじっとリトに身を任せる。その時
トクン、トクンと聞こえるリトの心臓の音に唯はくすっと笑った
(結城くんも私と同じなんだ…)
同じように緊張して、そして、勇気を振り絞ってくれた


地面が白く染まっていく中、二つの気持ちが一つに重なる
やがてリトは腕の力を緩めると、唯の体を少し離した
「大丈夫か?」
「べ、別に私は最初から…」
唯の声を遮る様にリトの手が頬を撫でていく
「涙とまったじゃん」
リトのくったくない笑みに唯の顔が赤くなる
「……あ、ありがと////」
リトはなにも言わずに唯の顔に自分の顔を寄せる
「な、なんなの?」
「キスしたい」
「な!?だ、ダメよ!ダメっ!!こんなところで…」
「後でいっぱいお説教もハレンチなってしてもいいよ!だから…」
唯の開きかけた口はリトに塞がれた
「んッ…う、ン…」
襟をギュッと握り締める唯の強張る体にリトは反射的に顔を離す
「ご、ゴメン!急すぎだよな…」
「あ、当たり前でしょ!!こんなコトッ////」
赤くなりながらも本気で怒る唯にリトはしゅんと小さくなってしまう
「まったく!さっきまであんなにカッコよかったのに、どーしてあなたはいつもいつも…」
「ん?カッコよかったのか……さっきの?」
「え?あ!……ま、まあちょっとは…ね」
ふいっと顔を背ける唯の腰にリトは腕を回すと、ぐいっと再び引き寄せる
「え?ちょ…ちょっとなにを…」
「今日はありがとな!クリスマスお前と過ごせてオレすげー幸せ!!唯がこーしてここにいる、それだけでオレはいいんだ」
唯の顔が一瞬で真っ赤に染まる。心臓がドキドキしすぎてどうにかなっちゃいそうだ
リトの顔を見つめるのがやっとで言葉も出てこない
「唯……好きだよ」
「も……も~ホントにあなたって……////」
リトは唯に笑いかけると、やさしく触れるように唇を合わせる
今度は唯は抵抗しなかった
リトの腕の中で、目を閉じそのぬくもりを気持ちを重ね合わせる
長い長い触れ合うだけのキス
どちらかともなく唇を離すと、恥ずかしさでお互い赤くなったまま俯く
「唯の口すげー冷たくなってたな」
「結城くんもでしょ」
リトは少し間を置くと、言いにくそうにけれど、精一杯の勇気を出して言った
「あ、あのさだからってワケじゃないんだけど、こ、今夜うちに来ない?
ほ、ほら唯の体冷たいし、手だってすげー冷たくなってて……ってダメ?」
唯はじーっとリトを見つめていた
どう考えてもハレンチなコトしようって言ってるようにしか聞こえなかったから
けれど今日はクリスマスだ
いつもなら真っ先にハレンチな!と殴る唯も今夜だけは少し違っていた
「ホントにあたために行くだけなの?」
「ほ、ホントだって!だってこんな冷たくなってる唯をこのまま帰せるかよ!
風邪引いちまうだろ」
リトの目は真剣だ。ウソを言ってる様には見えなった
唯は小さく溜め息を吐く
「わかったわ!じゃあ結城くんの言葉に甘えさせてもらうわ。
だけど……勘違いしないで!今日は「その日」じゃないんだからね!!」
「わかってるって!お前ホント…」
「なによ!?結城くんがいつもいつも私との約束を…」
「わかった!わかったから」


なんて言いながらもリトは一人ガッカリしていた
二人で決めた一週間に一度のえっちをしてもいい日
見事にクリスマスの今日と合わなかったのだ
リトは溜め息を吐きつつ、ちらりと唯を見る
唯はまだぷんぷんと怒っていた。よっぽど自分のコトが信用できないらしい
リトはまた深い深い溜め息を吐いた

「……とりあえず今から帰るからなんかあったかいモノでも作ってくれねーかな?
うん、そう、うん、……ありがとな美柑!」
リトはケータイを切ると唯に向き直る
「じゃあ行こっか?」
なにも言わずに隣を歩く唯をちらりと見るとリトは唯の手を握り締める
「あ!ちょっと…」
「手…握りたい。今日全然握ってなかったからさ」
唯は言葉に詰まった。確かに今日は色々ありすぎてあまり手を握っていなかった
それに、この寒い中リトの手がすごくあったかく感じた
いつものやさしいぬくもりに、今日はほんの少しの強さが加わっているような気がする
「……誰かが来たらどうするのよ?////」
「じゃあこーしたらいいよ」
リトは唯の手を引っ張ると、そのまま自分のコートのポケットに手を繋いだまま入れた
「え!?////」
「こーしたらバレないだろ?」
リトはそう言うが、一緒にポケットに手を入れてるため、それだけ体は密着もするし
なにより隠れて手を繋ぐという行為が唯には刺激が強すぎた
唯はとっさにリトに抗議しようと振り向くが、そのままじっとリトの顔を見つめてしまった
リトがとてもうれしそうだったから
(もう…)
唯は心の中で溜め息を吐くと、リトの手をキュッと握り返した
いろいろ思い通りのクリスマスにはならなかったけどそれでもいい
ケーキも七面鳥もないけれどそれでもいい
だってだって……
なによりも大切なモノをプレゼントされたから
唯はもう一度リトのことを見つめる
「……うん。私も、私も結城くんとずっと一緒にいたい…」
小さな呟きはリトに聞こえたのかどうかわからない
それでもポケットの中の手はその言葉に応えるように強く握り締められた


「悪かったな美柑。いきなりこんなコト頼んで」
キッチンにやって来たリトは、お皿を洗ってる妹に申し訳なさそうに謝る
「私は別にいいよ!それより……」
振り返った美柑はどこか怒ってるようで、リトをムッと睨んだ
「な、なんだよ?」
「なんだよ?じゃないよ!話は聞いた。リトあんたこんな寒い中、散々唯さんを歩かせたあげくろくな物食べさせてないって言うじゃない!!
いったいなに考えてんのよ!!?」
リトは言葉に詰まってしまう
帰ってくるなり説明を求められたリトは、美柑とララに全て話した
それ以来、美柑はたいへんご立腹になっていたのだ
「信じらんない!!クリスマスなのに!男のするコトじゃないよッ!」
「唯はもう許してくれてる……みたいだけど?」
「そーいう問題じゃない!妹して恥ずかしいよ!まったく」
外では唯に、うちでは美柑にとリトの神経はどんどん磨り減っていく
全部自分が悪いのだが
「リト~唯は?」
「……唯なら今風呂入ってるよ」
少し元気のないリトと怒ってる美柑を交互に見ると、ララは不思議そうな顔をする
「どーしたの?二人とも…」
「どーしたもこーしたもリトったらひどいんだよ!唯さんに…」
「んー唯ってまだ怒ってるのリト?」
「え?たぶん怒ってないとは思うんだけどなァ」
どこか自信のないリトの横顔をララは見つめた

その頃唯はというと
湯船に浸かりながら、体を伸ばしてお風呂を満喫していた
冷たくなっている体に熱いお湯は堪えるが、今はそれより先ほどのコトで唯の頭はいっぱいになっていた
リトにいっぱい好きだと言われ、何度も一緒にいたいと言われた
「結城くん…////」
その時のコトを思い出すだけで、唯の頬に湯気の火照りとは違う赤みが現れる

「じゃあさ!これから唯に謝ってくればいいんじゃない?」
「は?」
突然のララの提案にリトはきょとんとなる
「謝るって……だいたいお前なー今唯は、風呂入ってるんだぞ!謝るにしたってその後だろ?」
「そんなコトないよ!これからリトも一緒にお風呂入ればいいんじゃない?」
「おまえな……」
「ら、ララさんそれはちょっと…」
二人の言葉を聞いていないのかララは道具を取り出すとリトの前にソレを見せる
「じゃーん!コレで恥ずかしがらずに唯のところに行けるよ♪」
「ちょ…おまえソレはっ!!」
リトの手が道具に触れるよりも早く、ララの指がぴょんぴょんワープくんのボタンを押した
服だけ残して消えるリト
「服も脱げたし、これでお風呂も大丈夫だね!」
「リト……これはもうダメかもネ。私し~らない」
一人ご機嫌なララの横で美柑は、努めて冷静にこの後起こるであろう出来事を思い浮かべてた

「ぅぅうわわあああああ!!」
情けない叫び声を上げながらリトは湯船の中に真っ逆さまに落ちていった
「ッてえ!ララのヤツなに考えてんだよ!!」
浴槽の底で頭をぶつけたリトは、少しコブになっている頭を押さえながら立ち上がる
少し回りを見ると、自分の家の風呂場だとわかりとりあえず安心した
「はぁ~よかったァ!オレんちの風呂だ……これで他のトコにでもワープしてたら……」
と、安堵の溜め息を吐くリトの表情が固まった
俯いていた顔を上げると、自分を見つめる視線とぶつかる


「ゆ、唯……!?」
唯は体を洗っていた最中だったのか、泡の付いた体をタオルで隠したまま
口をぱくぱくさせていた
「あ……いや、違ッ…これにはすごい深いワケがあって……」
なんてコトをリトがいくら言っても裸の姿に唯の顔はみるみる真っ赤に染まる
「え、えーと……唯?」
ぷるぷると肩を震わす唯に恐る恐る声をかけるリト。だが、それがきっかけとなってしまった
「は、ハレンチなーーーーッ!!////」
お風呂場に唯の声が響き渡った

「――まったくあなたって人は!いったいどういうつもりよ!!?」
「ゴメン…」
湯船の中で正座しながら、リトはどうして自分が怒られなきゃと考えていたが
これ以上唯を怒らせるなんてできるはずもなく、素直にお説教を受けていた
「もう。結城くんちゃんとして!あなたはホントは……」
珍しくお説教の途中で言いよどむ唯にリトは不思議そうな顔をする
「ほ、ホントは…ホントは……」
「唯?」
唯の頭の中では、今日のカッコよかったリトや、抱きしめられキスされた時の状況が甦っていた
一人顔を赤くさせる唯をリトは、ただ呆然と見つめる
「と、とにかく今度からはちゃんとして!わかった結城くん?」
「……はい」
ようやく長かったお説教からの解放にリトは安堵の溜め息を吐く
けれど、唯はまだリトをじっと見つめたままだ
「えっと…まだなにかあったり…」
「……いつまでそこにいるつもりよ?」
「え…?」
思ってもいなかったことにリトはきょとんとなる
「え?じゃないわよ!早くお風呂場から出なさいッ」
「ちょ…せっかく入ったのにもう!?い、一緒に入るとかダメ?」
「な、なに言ってるのよ!そんなことハレンチだわッ!!////」
顔を真っ赤にして怒る唯に、リトはあきらめたのか湯船から上がる
まだ怒ってる唯の後ろをそそくさと通る時、リトの口から「くしゅんッ」とくしゃみが出た
「あ~ヤベ!風邪引いたかな」
なんてことを言いながら出ようとするリトに唯は、複雑な顔をする
今日は寒い中、ずっと歩き回ってタイヘンだったこと
手を繋いだ時に感じたリトの冷たい手の感触
唯は悩みに悩んだ末、リトを呼び止めた
「ちょ、ちょっと待って!」
「へ?」
「か、風邪なんて引いたらダメだからお、お風呂ちゃんと入って////」
「え……いいの?」
唯は赤い顔を隠すようにリトから顔をそむける
「きょ、今日だけよ!今日だけ」
リトはうれしそうにうなずくと湯船に戻っていった

「わかってると思うけどヘンなコトとか、その…じろじろ見たりなんてこと…」
「わかってるって!大人しく風呂に入ってるから唯は、ゆっくり体洗ってくれ」
それでもじっとリトの顔を見つめてくる唯
(オレって信用ないんだなァ)
なんて一人しょげ返るリトを一瞥すると唯は、スポンジに泡を付けて体を洗っていく
リトはなんとかがんばって唯の方を見ないように視線をそらすと湯船の中で体を伸ばした
(はぁ~…にしても、今日は全然ダメだったなァオレ…)
思い出すだけでも恥ずかしい
さっき美柑達としたやり取りが頭に浮かぶ
(ホント美柑の言うとおりだよなァ…。せっかくのクリスマスを台無しにしたんだよなオレ)


リトはもう唯が許してくれていると思っていたが、本当にそうなのか?だんだんと不安になってきた
(あいつ最後は笑ったりして大丈夫だと…)
笑ったり……
リトは唯の笑顔を思い返す。とたんに顔がニヤけ赤くなっていく
(あいつあんな風にも笑うんだなァ)
リトは何気なく唯の方をちらりと見る
唯はリトの視線に気付かず、腕をゴシゴシ洗っていた
少し内股ぎみの脚に、泡で隠れた胸、濡れない様に後ろをアップにした髪形
泡で隠れた見えそうで見えない大事なところや胸が、リトの鼓動を高める
(ッてあんまりじろじろ見たら唯のヤツに怒られちまう)
とっさに視線をそらそうとするが、男の本能がそれを許さない
何度も見たはずの唯の体を、いつもとは違うシチュエーションで見る
それだけでリトの思考は牡へと変わっていく
リトはゴクリと唾を呑み込んだ
唯は体を洗い終えると、シャワーで体に付いた泡を落としていく
いつもとは違う全身を濡らした唯は、艶美でいて純粋な美しさがあった
唯は前をタオルで隠すと、くるりとリトの方を向く
とっさに視線をそらすリトに唯はムッとした目を向ける
「……今、私のコト見てたでしょ?」
「み、見てねーよ」
「ホントに?」
じっと見つめてくる唯に、リトの額から暑さとは違う汗が流れ出す
「どうなの結城くん?」
「み…見てたっていうか見てないっていうか。えっとその……か、体は見てねーよ!
そ、そのお前が洗ってるトコなんて初めてだからつい……ゴメン、唯」
唯は長い長い溜め息を吐くとすっとリトを見つめる
「……もういいわ!それより結城くん、ソコどいてくれないと私入れないんだけど?」
「え!ああ、悪い」
一人ではゆったり入れるサイズでも、二人だとちょっと狭いサイズ
ちょっとくっ付いて入れば全然ヘーキなんだけどなー
なんてコトを思いながら浴槽から出ようとしたリトの体が固まった
「ん?どーしたの?」
「へ?いや…ちょっと今はマズいコトに……」
「なに言ってるのよ!結城くんが上がってくれないと私入れないじゃない!」
わかってる。わかってる。心の中で何度もそう呟くもリトは出ようとはしなかった
出れないワケがあった
唯の色気を堪能してしまった、下半身はすっかり反応してしまっていたのだ
「結城くん!!?」
「あ、あのさ。この際一緒に入るってのは…」
「なにバカなコト言ってるの!?」
唯はリトの前まで来ると、その場で屈んだ
「もう、なにしてるのよ!」
そう言った唯の体には湯気ですっかり濡れたタオルがベッタリ張り付き
唯の胸のラインや乳首の位置、屈んだコトでちらりと見える唯の大事な部分が、リトの目に飛び込んでくる
(こ、これはヤバ過ぎる……!!)
いくら奥手なリトと言え、健全な高校生にそんな光景が耐えられるはずもなく
リトの下腹部はさらに大きさを増す
「結城くん?……ちょっとなんとか言い…」
そう言ってリトに詰め寄ろうとした唯は、一箇所を見つめたまま固まってしまう
湯船の中で大きくなっているリトのモノにみるみる顔が赤く染まっていく
「こ、これはその……ハハハ…」
「は、ハレンチだわッ!////」
唯の当然とも言える反応にリトは苦笑いを浮かべるしかない


唯の当然とも言える反応にリトは苦笑いを浮かべるしかない
「な、なんとかしなさい結城くん!!」
「なんとかってどうすりゃ…」
「あなた男でしょ!?男ならなんとかしなさい!////」
そんな無茶な!心の中でそう呟くも事態はなにも変わらず
唯の無茶な要求に次第にリトも自棄になってくる
「じゃあお前がなんとかしてくれよ!お前が手伝ってくれたら大丈夫になる、かも…」
「え?わ、私が?」
一瞬顔を真っ赤にさせる唯だったが、すぐにいつものキリっとした顔に戻る
「い、いやよ!そんなコト!だいたい結城くん自分のコトなんだから自分で…」
なんてコトを言いながらも、リトの顔とリトのモノをちらちら見てしまう唯
(ん~…なんてコト言ったけど結城くんアレ辛いのかしら?)
などと一度考えてしまうと、リトのコトがどんどん心配になってきてしまう
ちらちらとリトの顔を見ては、複雑な表情を浮かべる唯
唯は決心したのか溜め息を吐くと、リトを見つめた
「わ、わかったわ!それでどーすればいいの?////」
結局リトの身が最優先になってしまう唯だった

リトは湯船から上がると浴槽の淵に座る。唯はリトの前で膝立ちになっていた
「え、えっとじゃあ……手でオレの持ってくれない」
「な!?なにヘンなコト言ってるの!////」
唯の当然の抗議にリトはうろたえるが、それでもがんばって気持ちを前に出す
「だ、だってお前がさっき手伝うってゆーからさ」
「うぅ~~……////」
唯も自分で言ってしまった手前後戻りできない
唯は恐る恐る手を伸ばすと、指で亀頭をちょんちょんと突く
「う…」
「え?」
リトの小さな呻きに唯はとっさに手を離す
「な、なんでもないから続けて」
リトのギコチない笑みに首を捻りながらも唯は、再び指で亀頭を触っていく
リトにしてみればあの唯と一緒にお風呂に入れるだけでもどうにかなりそうなのに
そればかりか、唯に手淫をしてもらえるなんてまさに夢の様だった
自然と顔もニヤけてくる
唯はそんなリトの気持ちに気付くことなく、相変わらずギコチない指先を動かしていた
指は震えているし、顔は緊張と羞恥とで真っ赤になっている
けれど、だんだん慣れてきたのか指を使って色々とし始める
亀頭に指を押し付けてその弾力を確かめたり、尿道口を爪で弄ったりと、序々に気持ちも解れてきていた
リトにしたら堪ったものじゃなく、じっと自分のモノを見ている唯に興奮を覚える
竿は大きさを増し、血管が浮き出てビクンと動く
「えっと…そろそろ手でやってくれるとうれしいんだけど」
唯はリトの声が耳に届いていないのかじっとリトのモノを見ている
「えっと唯?……唯?!」
「え!?あ…な、なに?」
きょとんとする唯にリトの口から笑みがこぼれる
「指はもういいからさ今度は、手でやってほしいんだ」
「手で…?」
唯は顔を赤くしながらもリトのモノをちらちらと見る
「手で…ってどうするの?////」
「まずオレのお前の手で握って」
唯はまだ少し躊躇いがちにそれでもリトの肉棒に指を這わせていく
「ん…」
白くてすべすべのやわらかい手の感触にリトも興奮を隠せない
少し不安そうに上目遣いで見つめてくる唯にリトのノドがゴクリと音を立てる


「じゃ、じゃあそのまま握ったままで、しごいていって!」
唯は言われたとおりに手を動かしていく
そそり立つ竿の卑猥な感触と、熱い肉感に唯の顔が少し曇る
「オレの触るの嫌?」
リトの言葉に唯の体が小さくピクンと反応する
「べ、別に嫌ってワケじゃ…」
「嫌ならやめてもいいんだぜ」
唯は心外な!と言わんばかりに表情を引き締めると、リトのモノをしごいていく
その様子をおもしろそうに見つめるリト
しばらくするとお風呂場にだんだんぬちゃぬちゃと卑猥な音が響きだす
「ね、ねえ。先っぽからなにか出てきたんだけど?」
どう応えていいのかリトは返答に困ってしまった。
その間にも唯の指にリトの先走り汁が、絡みついていく
「ぬちゃぬちゃしててそれになんだか……とても…」
間近で臭う牡の臭いに唯は顔をしかめる
リトはそんな唯の頬に指を這わせると、そのまま首筋へと指を滑らせていき
胸のラインへそして、おヘソの周りを何度も往復させる
「ん!ちょ…と結城、くん…くすぐッ…たい」
体をくねらせながらそれでも、リトのモノから手を離そうとはしない唯
溢れた先走り汁で唯の手はもうベトベトだった
手が上下に動くたびにヌチャヌチャといういやらしい音に唯は、顔を赤くさせる
口からは熱い吐息がこぼれ、目が少しとろけてきている
いつもより間近で見るリトの肉棒に唯も女の部分を見せ始めていた
そんな唯の腰に手を回すとリトは、唯を近くに寄せる
「キャッ」
リトは唯の下腹部に手を添えると、そのまま割れ目へと指を這わせた
「やッ、ん…ちょ、ちょっと結…んッ」
クチュっという音と共にリトの指が入り口近くを刺激する
「あ…ン、んッ…」
ピクン、ピクンと小さく反応する唯の割れ目からは愛液が溢れ、リトの指に絡みつく
リトはさらに奥へ、唯の敏感な部分へと中指と薬指を入れていく
「あ…ンン、ゆ、結城…くんちょっと待ち……待って」
「待たない」
リトはそう言うと、二本の指で膣内を掻き混ぜていく
「オレだけ気持ちいいのは不公平だろ?」
「だ、誰もそんな…コトんッ、頼んでなんか…ァん」
リトは意地悪く笑うと指の動きを激しくさせる
「ふ~んけどお前のココは、そうでもないみたいだけど?」
お風呂場に響く互いの性器をいじる音に、唯の体がどんどん熱くなっていく
唯は目の前にあるリトの太ももに頬を寄せると、そのまま頭を預けた
(唯のココもうぐちょぐちょになってる……ココにオレの入れたいんだけどな)
なんてコトを頭の中で考えた矢先、すぐに射精感が込み上げてきた
口から漏れるリトの少し苦しそうな息遣いに唯が、眉を寄せる
「結城…くん?」
唯の手の動きが遅くなっていく
「いいからそのまま続けて!それよりさ唯…」
「え?」
リトは唯の体を起こすと、その唇に吸い付く
「ンッ、ん…ん…」
リトは一旦唇を離すと至近距離で唯を見つめた


「唯とキスしたい!もっと、もっと…」
「ええ!?////」
リトの唇が唯の頬やおでこに這わされていく
「ちょ…ちょっと結城くん、待って!わか…わかったから!!」
リトはキスをやめると再び唯と見つめ合う
「もう…。ホントにハレンチなんだから////」
「ハハ…ゴメンな唯」
リトは苦笑いを浮かべると、唯にキスをする
今度は舌を絡め合いながら、唾液を交換しながら
「ん…ちゅッ、ンン…アァ、ちゅぱッう…ン…」
互いの息が熱くなってくるにつれ、性器を動かす手が、舌が激しさを増していく
貪るように互いを求め合う唯とリト
自然と唯の腰もピクンと浮き上がり、だんだんリトの指の動きに合わせる様に動き出す
「んっ…は、ア…ァ」
少し息の苦しくなったリトは、いったん唯の唇から離れる
名残惜しげにリトの唇を見つめる唯の口には、まだリトと繋がったままの唾液の糸がある
唯はその糸をその小さな舌を使って、口に含む
ぞくりとリトの背筋に何かが走る。そして頭には強烈な思いが浮かんだ
あの舌で、あの口でオレのモノを――――
唯はそんなリトの思いに気付くコトもなく、熱心にリトのモノをしごいている
まだ、リトが最初にしたお願いを果たそうとしているようだ
相変わらずガンコというか、自分を曲げないなあという思いとは他所に
ただただ、そんな唯をカワイイと思ってしまうリト
リトは秘所をいじる反対の手で唯の頭をなでた
秘所を覆う快感とは別のくすぐったさに顔を赤くする唯
その表情にリトの興奮は沸き上がるどころか沸き返ってしまった
すぐに唯に声をかけようとするが、絶妙のタイミングで微妙に角度を変えた唯の手の動きに
リトはあえなく欲望をぶちまけてしまう
止めるコトのできない快感と、開放感
荒い息を吐いて余韻に浸るリトを待っていたのは、白濁液で汚された唯の顔と髪だった
(こ、こ、こ、これはシャレになんねーーッ!!)
リトは大慌てでお湯で唯の顔の汚れを洗い落としていく
唯は無言。リトの額から流れ落ちた冷や汗が、背中へと何度も伝い落ちていく
それでもなんとか顔をキレイにし終えたリトは、髪を洗おうとするが、中々思う様に落ちないコトに焦りだす
「アレ?これなんで…もう一回シャンプーで」
「もういいわよ…」
え?っとリトが言う前に唯が自分で髪を洗い始める
「……えっと唯……その、いろいろ…ゴメン」
「……」
唯はまた無言。手に付けたシャンプーを髪に馴染ませていく
「……うぅ。えっと唯。ゴメンないきなりこんなコトしてさ…」
唯は黙って髪をゆすいでいく
「オレ今日全然ダメだな……。お前にいいとこ全然見せれないし、お前の言うとおりホントにカッコわるすぎる……」
鏡で自分の髪のチェックをしていた唯は、ふいにリトに向き直る
「……私、別に怒ってないわよ」
「え?」
少しびっくりしているリトに、言いにくそうな唯
「ま、まあ。びっくり…はしたけどね。だ、だっていきなりあんなコト…////」
「怒ってないってそれホントか?」
「だから怒ってないって言ってるじゃない!ホントにヘンなところで心配性なんだから」
ぷいっとそっぽを向く唯にリトは心から安堵の溜め息を吐いた


そんなリトの様子を横目で見ながら唯は、言いにくそうに体をもじもじとさせた
太ももを擦り合わせる唯の仕草にリトはピンと来る
「続き…しっよか?」
恥ずかしそうに首をコクンと振る唯を抱き寄せると、リトは唯を四つん這いにさせる
唯の端整な顔と、キレイな黒い髪を汚したコトへの興奮が、リトを早くも元気にさせていた
唯の中はすでに溢れた愛液でしっかりと準備ができている
リトは割れ目に自分のモノを当てると、ガマンできなかったのか一気に貫いた
「あッ…く、ゥう…」
一瞬の痛みの後に少しずつ広がる気持ちよさに唯の下半身は震える
「もぅ。もっとゆっくりして!」
「ゴメン…」
今日これで何度謝ったのか?リトはそんな自分に情けなさを感じてしまう
それでも肉棒を覆う唯の感触に、そんな気弱な感情は忘却の彼方に吹っ飛んでしまう
リトは唯の感度を確かめるように、ゆっくりとペースを上げながら腰を打ち付けていく
ぱん、ぱんと肉と肉がぶつかる音の中に唯の甘い声が混じってくる
「ん…あぁ…んッ」
唯の甘い欲望にまみれた喘ぎ
無防備で甘く響くその声は、自分だけが聞くことを許された、唯の女のコの声だ
(すっげーカワイイ…)
声も仕草も顔も
唯の全てにリトは虜になってく
そして、それは唯も同じだった
自分の体に触れるコトを許したただ一人の存在
初めて心を通い合わせた世界で一番大切な人
下腹部に伝わるリトの感触に唯は、素直な悦びの声をあげる
恥ずかしさや、いつもの性格が邪魔をしようとするが
自分では抑えきれない思いが、唯の中で溢れ出していた
唯はギコチない腰使いで、それでもリトの動きに合わせる様に動かしていく
次第に合わさっていく音と思い
絡みついてくる唯の膣肉の感触。太く荒々しいリトの動き
二人の感度はどんどん上がっていく

リトは肉棒を突き入れながら、唯の背中に口を近づけると、汗に濡れた背中を背骨に沿って舌を這わせていく
「アァ…んッン…」
ビクンと震える唯の体。リトは丁寧に唯の背中を舐め取っていく
「結城…くん、くす、ぐったい…んッ、ァ」
「唯の味がするから、お前の体舐めるの好きなんだオレ」
「もぅ。ホントに…バカなんだか、らァ…」
少しトゲのある言葉でも、どこかうれしそうな唯の声に、リトの口にも笑みがこぼれる
「好きだよ…唯」
「な!////」
リトは耳元でそう囁くと、唯のうなじにキスをし、そのまま首の裏筋を舌で舐めていく
耳元でそんなコトを言われた唯の顔は真っ赤だ。恥ずかしさを隠そうにも今の状況ではどうすることもできない
うれしさと恥ずかしさとで唯の下腹部はキュッとリトを強く締め付けた
その反応にますます激しくなるリトの動き
リトは手を伸ばすと、タプタプと揺れる唯のムネに指を絡ませていく
吸い付くような肌触りと、やわらかい肉感
リトは欲望にまかせて唯のムネを揉みしだいていく


とたんに唯の口から今までとは違う、嬌声が出る
「ふぁ…あ…ァ…結、城くんムネはダメェ!そんな強く…ンッ」
「お前はムネ弱いもんなァ!乳首とかさ」
キュッと指で挟まれる乳首の感触に唯の体が仰け反る
「は…ァ…ァア…ダメ結城くん…ホントに」
「嫌」
リトは一言耳元でそう囁くと、ますます指をムネに絡ませていく
下腹部と胸の二箇所同時の責めに唯の体がガクガクと震える
「イきそうなんだ?」
唯は首をコクコクと振って応える。ちゃんと応えるコトもタイヘンらしい
リトは背中にキスをすると、唯の腰を掴んで腰を打ち付けていく
「オレももうちょっとでイきそう」
「一緒がいい…。結城くん一緒に、お願い」
唯の懇願にリトは応えるように動きを早めていく
膣内がざわめき、リトを離さないように締め付けていった
「く…ぁあ、ンッ」
前後に揺らされる唯の小柄な体
リトは唯の頭に手を伸ばすと、髪を留めている髪留めを外した
ぱさっと広がる長いキレイな黒髪
リトの鼻腔をほのかなシャンプーの匂いがくすぐる
リトは左手で唯の髪を梳くように指に絡ませると、そのまま唯の背中に上体を預け唯を両手で抱きしめた
「好きだ…お前のコトがすげー好き!唯…大好き…」
「も、もぅ…あッ、ンン////」
リトの一言一言にキュンキュンと反応する唯の大事なところ
顔どころか体まで真っ赤になってしまう唯を、リトはますます愛しげに抱きしめる
リトのうれしい言葉責めに唯の下腹部は痙攣を繰り返し、限界をリトに教えた
正直な唯の体に苦笑しつつもリトは唯に合わせるように、自分も動きを早める
「ゆ、結城…くん。…私もうッ」
唯の膣内が大きくざわつき肉棒を締め付ける
リトは子宮口まで突き入れるとその奥に欲望を吐き出した
「ア…ふぁ…あ…ァ」
二度三度とガクンガクンと痙攣する腰から肉棒を引き抜くと唯は、その場でくずれ落ちた
ぐったりと上体を床に寝かせた唯の下半身はリトに突き出したまま
ドロリとした精液が割れ目から伝う様にリトのノドが鳴る
中に出されて連続でイかされた唯の息は荒い
肩で息をしながらなんとか起き上がると、そのままリトの胸の中に体を預けた
「大丈夫か?」
「はぁ…はぁ、うん…平気よ」
ムネの中でくすっと笑う唯のおでこにリトはキスをする
「なに?」
「なんでもない」
リトは見えないように笑うとそのまま唯を抱きしめた


体が冷たくなってきた二人は、今湯船に浸かっている
リトの体に背中をもたれさせ、リトに後ろからギュッと抱きしめられている唯
頬をリトの胸板に乗せて、先ほどの余韻に浸る唯の頭をリトの手がやさしく撫でていく
時折、くすぐったさで身を捩る唯が、リトはたまらなくカワイイと感じていた
しばらくそうしていると唯がぽつりと口を開く
「ねェ。どうして、髪外したの?」
「え?んー。オレ髪を上げてるお前も好きだけど、やっぱいつものお前の方がいいかなって」
唯は少し目を大きくさせた。自分の髪型を褒められたのはこれが初めてだったから
「そ、それならそれで言ってくれればいいのに!そしたら私いつでも…////」
「え?」
ぶつぶつと小さな声で呟く唯にリトは聞き返す
「な、なんでも……ないわよ////」
唯の素直な気持ちは小さな呟きと共に消えていく
それでも、これからはなるべく髪はストレートのままにしようと思う唯だった
「あのさ唯」
「ん?」
少し真剣なリトの声に唯はリトを見つめる
「オレ来年のクリスマスはもっとがんばるよ!今日みたいにならないようにもっといっぱい勉強してさ。
女のコの気持ちとか、好きなトコロとかももっと知らなくちゃダメだし」
唯はその言葉に思わず起き上がって、リトを見つめる
「ま、まあそのためにはもっと籾岡や沢田とかと話したりしなきゃダメなんだけどさ……。オレにできんのかどうか……ハハハ」
「ダメッ!!」
困ったように苦笑いを浮かべるリトへ唯は、大きな声を上げる
「ゆ、唯?」
「あ……べ、別にそんなコトしなくてもいいわよ」
唯は小さな声でそう呟くと、浴槽の反対側へ行ってしまう
「唯?」
リトの怪訝な表情に唯は顔をそむけた
「オレなんかヘンなコト言ったか?今日のコトもちゃんと反省して来年こそは!ってちゃんと考えてるんだぞ?」
「わかってるわよ」
「じゃあなにが不満なんだよ?」
リトの質問に唯は応えられないでいた
自分の本当の気持ちを言えずにいた
リトが来年のコトを考えてくれているコトは、唯もすごくうれしかった
うれしいのだが、そのために他の女のコと話したり仲良くしてるリトが、たまらなく嫌だった
もちろんそんなコトはただのわがままなんだと唯もわかっている
わかってはいるのだが、そんな簡単に気持ちを整理できない
一人ムスっと機嫌をそこねた唯にリトは、溜め息を吐くと唯のいる方へ移動する
「お前なァ。なに拗ねてんだよ?」
「別に拗ねたりなんか…」
「……オレが籾岡とか沢田とかと話したりするのが、嫌なんだろ?」
「ち、違うわ!!私は別に……ゆ、結城くんがそーしたいならすればいいじゃない!」
どーして私がそこまでとかぶつぶつと呟く唯をリトはじっと見つめた
リトはその手を唯の頬に這わせると、唯を正面に向かせる
「な、なに?結城くんまだ私に…んッ!」
リトは唯の口を塞ぐようにキスをすると、そのまま中まで舌で蹂躙する
いきなりのコトで唯はリトの肩をギュッと握り締める
「んん…ちゅる、ン…ちゅぱ…ん、うッ、ぷはァ」
やっと解放された唯はじっとリトを睨み付けた
「結城くん!いつも言ってるけど、どーしてあなたはいつもいつもいきなり…」
「お前さ。オレがお前以外のヤツのコト好きになるって考えてる?」
ドキンと唯の心臓が音を立てる。唯はそのまま固まってしまった


結城くんが誰か別の人を好きになる――――
それは、自分が一人になってしまうのと同じ意味
小学校、中学、そして高校一年まで唯は、ずっと一人だった
もちろんクラスで話す人達も何人かいた。いたのだが、友達と呼べるほどでもなく、唯はいつも一人クラスで浮いていた
高二になって初めてできた友達。ララや春菜達
みんな唯にとってはなにかと問題ばかり起こす連中だったが、それでも大切な友達
そしてリト
心の底から大切に思える人、心から好きだと思えるただ一人の人
もう一人になるのは嫌だった
もう一人にしてほしくなかった
なによりリトに嫌われたくはなかった
唯の目に自然と涙が溢れ出る
「はぁ~。お前なァ。オレがお前以外のヤツを好きになると思うか?」
唯は黙っている。
「心配しなくてもオレには唯しかいないから!な?」
しばらくすると唯は涙を浮かべながらじっとリトの顔を見つめた
「ホント…?」
それは、小さな子供が、必死な思いですがっている様な顔だった
リトは唯の手を取るとその体をギュッと抱きしめた
耳元に聞こえる小さな唯の泣き声
リトはあやす様に唯の頭をやさしく撫でると、力強く言い放つ
「当たり前だろ!お前以外誰がいるんだよ!?」
唯はリトにしがみ付きながら小さく体を震えさせている
不安で心配でそして、寂しくて
リトは体を少し離すと、唯の両頬に手を添え、おでことおでこをくっつけた
きっと唯は、これから先も何度同じコトを言っても不安になったりするんだろうな
だから――――
「オレ、ホントにお前のコト好きだよ!お前がどーなってもこの先もずっとずっと好きだ!だから安心しろって、な!」
リトは目を閉じると、一言一言に噛み締めるように気持ちを乗せて言う
「お前がちょっとでも不安になったり、寂しくなったりしたら、いつでもオレがこーしてやるから!
ちょっとでもお前の気持ちが楽になるんなら、大丈夫になるまでオレはいつだって一緒にいてやる!!」
唯の目から大粒の涙がぽろりと落ちた
「…ほ、ホン…トに……?」
震える口で話す唯をリトは胸に抱き寄せる
「約束する!」
力強くそう言い放つリトに、唯は少しだけ微笑むとコクンと首を振った

「もう、大丈夫だよな?」
リトに指で涙を拭ってもらいながら唯は恥ずかしそうにうなずく
「ッたく唯もまだまだ子供だなー」
唯は俯いていた顔を上げると、ニヤニヤとリトが笑っていた
とたんに顔を赤くさせる唯
「ど、どーいう意味よ!?」
「どうってさっき見たまんまじゃん!ホント体ばっか大きくなってるからこんなコトになるんだよ」
唯はもはや言葉すら出てこないのか口をパクパクさせている
「ムネだって最初の頃にくらべると大きくなってるしさ。ッてコレはオレがいっぱい揉んだせいだけど」
「そ、そんなワケないでしょ!!成長してるだけよ!////」
そう言って胸を手で隠しながらそっぽを向ける唯


リトは苦笑した
(コレでちょっとは元気になったかな)
しばらくムスっとしていた唯は、やがてリトの方に向き直ると少し言いにくそうに、不安そうに呟く
「ね、ねェ。結城くんってひょっとして……ムネの大きい人ってタイプじゃ…ないとか?」
「へ?」
思ってもいなかった唯の言葉にリトは顔をぽかんとさせる
「そ、そんな顔しないでよ!私は真面目に…」
「オレお前の胸好きだよ。だってすげえやわらかいし、キレイだしさ!それにおいしいし!唯の味がする」
「あ…ありがと…って最後のおいしいとか味とかっていったいどういう意味なのよッ!////」
とたんに怒り出す唯にリトは慌てて弁解を始める
「オレ別にそんなつもりで……褒めたつもりなんだけなー」
「どこが褒めてるのよッ!!!」
顔を赤くさせながら胸の前で腕を組んだ唯は、そのままリトから体をそむける
「まったくせっかくさっきは…」
ムッとした表情の唯にリトは怪訝な顔をする
「さっきはなんだよ?」
「……////」
さっきのコトを思い出し、一人顔を赤くさせる唯
リトはますます眉根を寄せて考え込む
「と、とにかくそんなヘンなコトはもう言わないで!」
「……お前が不安がってるから言っただけなんだけど…」
まだ納得できないのか、一人難しい顔をしてるリトを唯はちらりと横目で見つめる
「……わ、私が不安な時は……結城くんは、どーするんだったの…?////」
「へ?」
一瞬きょとんとなったリトだったが、一人真っ赤になっている唯の表情に口元を緩めた
「そーだったな!おいで唯」
唯は少し躊躇いがちにリトのいる方へと移動し、リトの胸にぴたりと頬を寄せた
リトはびっくりした。まさか本当に唯の方から来るとは思っていなかったからだ
「きょ、今日はやけに素直なんだな?」
「わ、私だってそんな日ぐらいは…そ、それに……」
「それに?」
唯は真っ赤になっている顔を伏せると、言いにくそうに呟く
「そ、それに…今はこれだけじゃ…足りない……から////」
もじもじしながらそう呟く唯に、リトの心臓は跳ね上がる
少し冷たくなっている唯の肩に手を置くと、唯は体をピクンとさせた
「も、もしかしてスイッチ入っちゃってるとか?」
ずっとドキドキしっぱなしだった唯の体は、ハレンチだと思いながらもリトを求めてうずいてしょうがなかった
「……う、うん。……だ、だから…せ、責任取って結城くん…////」
「じゃ、じゃああオレの部屋行く?これ以上ここにいたら風邪引くかもしんねーし」
唯は少し間を置くと、リトの胸におでこを当てたまま首を横に振った
「……ここで…いいの////」
「あ…ああ。じゃ、じゃあ…お前がそー言うなら…オレは別に…」
いつもと様子が違う唯にリトは戸惑った
そして、それは唯も同じだった
今は不思議と素直な気持ちを口に出せる。いつもは決して口にできないコトでも
リトに甘えて、体を寄せる
付き合っているならそんなコトは、当たり前のコトかもしれない
それでも、それは唯にとったらとても勇気がいったコトで
唯はリトの胸に顔をうずめながら、そんな自分の変化に頬を赤くさせていた


リトは唯の頭に軽くキスをすると、ゆっくりと割れ目へと手を這わしていく
リトの指をキュッと締め付ける膣壁や、お湯の中でもわかるトロリとした愛液はさっきよりも量が多く
すでに準備できているコトをリトに教える
リトは浴槽に腰を沈めると、唯の手を取って自分の腰の上に来るようにうながす
少し躊躇う唯にリトは悪戯っぽく笑う
「お前この体位好きじゃなかったっけ?」
とたんに唯の顔は赤に染まる
対面座位。リトの顔を見れて、抱き合えて、おまけにキスもできるこの体位が唯は好きだった。もちろん気持ちよさもあるのだが
恥ずかしそうに自分の腰を跨ぐ唯をリトは、ずっと見ていた
さっきから唯は本当に素直でそして――――
「カワイイな唯は」
「!!?ば、バカなコト言わないのッ////」
カワイイとかキレイという言葉に唯は弱いコトをリトは知っていた
けれど、そんなコトは関係なくリトは唯を本当にカワイイと感じていた
唯の背中に回した手が愛おしそうに這わされていく
「んッ」
「自分で入れられる?」
唯の顔がピクンと反応する。割れ目に少しだけ当たっているリトの肉棒
どこになにを入れるのか?唯はわかっていたが、ソレを自分からしたコトなどなかった
恥ずかしさで固まる唯を、可笑しそうに見つめるリト
「ん~。やっぱムリ…」
「で、できるわよ!これぐらい」
目一杯の強がりを見せると唯は、リトと位置を合わせようと動く。が、中々思う様にいかない
リトは一人焦る唯の手を掴むと、それぞれどうすればいいのか教える
けれど、やり方はわかった唯だが、今度は躊躇いが生まれる
自分で自分の割れ目を広げる。それもリトの見てる前で
強がったコトを一瞬後悔もしたが、今はもう体も心もリトが欲しくてたまらなくなっている
唯は震える指先でゆっくりと割れ目を広げ、リトの先っぽと膣穴を合わせていく
(結城くんが見てる…。こんなハレンチなコトをしてる私を)
気持ちに戸惑いが生まれるが、体はもう止まらない
唯の体がゆっくりとリトの腰に沈んでいく
「ン…あ…ぁ」

リトのモノが入ってくるにつれ、膣壁がざわつき、リトを締め上げていく
「だ…ダメ!奥に…あた…って、んん!」
子宮口に当たる熱い肉感に唯の体が二度三度と大きく震えた
「ん…、く…ッあぁ…」
「ん?もしかしてイっちゃったの?」
恥ずかしそうにうなずく唯の頬をリトはやさしく撫でる
「じゃあ…もっとカワイイ唯を見せて」
リトは唯の腰を掴む
「あ…ま、待って!今ダメッ!今はダメッ敏感なの////」
「じゃあ唯が動く?だって今度はオレが気持ちよくなる番だろ?」
「わ、わかってるわよ」
少しぐったりした体に力を入れると、唯はゆっくりとグライドを始める
唯の腰の動きに合わせてお湯がチャプチャプと揺れる
「ンッ、あッ、ァ」
短い吐息を漏らしながら腰を振る唯
ギコチない腰使いは快感とはいかないが、それが返ってリトの興奮を呷る
リトはタプタプ揺れる胸を両手で鷲摑むと、欲望にまかせて揉みしだいていく
胸がとても感じやすい唯は、すぐに反応させる
「やッ…ァ…ン」
膣内がざわめき肉棒を締め付ける


「ゆ、結城…くん。む、ムネは…ン」
「さっき言ったろ?お前のムネ好きだよって!」
リトはお湯をバシャバシャさせながら胸を少し乱暴に揉んだ
「ン、ン…やッ…それキツ…イ」
「じゃあ今度は味を確かめるな?」
近づいてくる吐息と舌の熱い肌触り
「結城…くん…」
すでに充血している乳首にリトの舌が這わされる
ねっとりと唾液を絡ませながらしゃぶり付くリトに、唯は背中を仰け反らす
「ンン!あぁ、ん、くぅ…だ、ダメぇ…」
「なにがダメ?」
リトの意地悪な質問にも唯は応えられない
さっきから膣肉が蠢きっぱなしで、リトを欲している
唯もガマンできないのか腰の動きを激しくさせるが、自分だけではどうしようもない
額から汗が流れ出し、湯船にポタポタ落ちていく
イきたくてもイけない、苦しみにも似た快感に唯の顔は歪む
リトはそんな唯を見て、ちょっとやりすぎたかな?と後悔した。その時
「……して」
「え?」
か細い消えてしまいそうな唯の小さな声
「欲しいの結城くんのが!ガマンできないの……結城くんお願い////」
目をうるうるさせながら見つめてくる唯
その声は、今まで聞いたコトのないほどに甘く切ない声だった。リトの理性は崩壊する
リトは唯の腰を掴むと、下から打ち付ける
「ん!あッ…ん、イっちゃ…んん…」
唯はリトにギュッと抱きつくと、荒い息を吐きながら体を大きく震えさす
キュンキュンと締まる膣内
体に抱きつきながらぐったりする唯に構わず、リトの責めは続く
唯を逃がさない様強く抱きしめて、弱いところに突き入れていく
子宮口を責められ、戻る時のカリに膣壁を押し広げられ、唯の膣はリトに掻き回される
耳元で聞こえる、唯の熱い声
連続で何度もイかされる唯の体はさっきから震えっぱなしだった
リトは一度責めるのを緩めると、唯の体を少し離した
荒い息を吐きながらリトを見つめる唯
至近距離で見つめ合う二人。やがてどちらともなくキスをすると、舌を絡ませ合う
唾液の交換をし、体を抱き寄せる
下からの突き上げで少し苦しそうな唯から口を離すと、二人の間に唾液の糸ができていた
「また舌で糸すくい取って」
リトのお願いに、小さな舌を出して応える唯
リトはその舌に再び自分の舌を絡ませていく
チュパチュパと吸い合ってる内に、リトは唯の体を抱きしめた
「んッ…」
少しびっくりしたのか、体を硬くさせる唯に構わず、その体に腰を打ち付けていくリト
「や…ぁ、んっ…結…城くん」
「唯…。オレもうイきそう!」
唯はリトの腰に足を絡ませると、その体をギュッと抱きしめた
「もう一度キスして…。」
リトは言われたとおりにキスをする。今度は舌を絡ませない触れ合うだけのキス
そして、何度も何度もキスを交わしていく
唯はリトを見つめると、少し震える声で呟く
「私…私も結城くんが好き。大好き!だから、だから私から離れないで……。私のそばにずっといて!!お願い結城くん」
リトは目を丸くさせた。まさか唯から好きとか一緒にいたいとか言われるとは思ってもいなかったからだ


「え…えっと…」
すぐに返答しないリトを今にも泣きそうな唯が見つめる
「……ダメ……なの?」
「だ、ダメなワケねーだろ!ただちょっとびっくりして……。ッて心配すんな!おまえの気持ちすげーうれしいからさ!!」
そう言うとリトは強く強く抱きしめる。唯もそれに応えるようにリトの背中に腕を回した
激しくなっていく腰使い。膣内で大きくなっている肉棒はリトの限界を唯に教える
「結城、くん。ガマンしないで出して…私も、もう…」
キュッと締まる膣内の奥にリトは自分の欲望を流し込む
ガクガクと震える唯の体。射精されながら連続でイかされた唯は、そのままリトの胸の中でぐったりとさせた

唯の体が収まるのを待つと、リトは唯の前髪をかきあげておでこにキスをした
「んッ」
くすぐったそうに身を捩る唯をリトはただ笑いながら見つめる
「どうしたの?」
「さっきのお前の言葉。オレのコト好きだって初めて聞いた」
とたんに顔を真っ赤にさせる唯
「そ、そんなワケないじゃない!今までだって何度も言ってるわよ!あなたの勘違いでしょ////」
「そうかー?けどいいや!また聞かせてくれよな!唯の好きって言葉」
唯は恥ずかしさのあまりリトから顔を背ける
「べ、別に言わなくたって私の気持ち知ってるならいいじゃない?」
「お前の気持ちは知ってるけどさ、オレばっか好き好き言うのは不公平だろ?」
唯は返答に困ってしまった。たしかにリトの言う通りかもしれない
顔を背けたままじっと考え込む唯をリトは不思議そうに眺めた

「リト達遅いね~。なにしてるのかな?お腹すいたな~」
その頃リビングにいたララは一人不満を口にしていた
テーブルの上には、美柑お手製のケーキやお菓子がずらりと並んでいる
そして、ララの隣にはす~す~と寝息を立てて美柑が眠っている
なんだかんだとケーキすら食べていない二人のために、急遽がんばった美柑はすっかり疲れ果ててしまっていた
兄想いの妹の頭をなでなでしながらララはいつまで経っても上がってこない二人を待ち続けていた

「……時々なら言ってあげてもいいわよ////」
そう呟いた唯の顔は耳まで赤くなっている。きっと最大限の勇気をふりしぼって言ったのだろう
「ホント?」
顔を輝かせるリトに唯は困ったように条件を付ける
「と、時々よ!ホントに時々だからね!!////」
「わかってるって!ありがとな唯」
うれしさで自分に抱きつくリトに唯はびっくりして言葉に詰まってしまう
今日、結城くんとクリスマスを一緒に過ごせたコト。また来年もその先もずっと一緒にいると約束してくれたコト。
初めてあんなにも素直になれたコト。そして最高のクリスマスをプレゼントされたコト
リトのぬくもりを感じながら唯は今日の出来事を思い返していた
そして、ありがとうと世界中の誰にも負けない「大好き」の気持ちをこめてリトをそっと抱きしめた

時刻は夜の12時を廻ったところ
お風呂からあがった二人を待っていたのは、すっかり待ちくたびれたララと、眠い目をゴシゴシしながら欠伸をしてる美柑だった
なにか言いたげな美柑の視線に愛想笑いを浮かべるリトと、ただただ顔を赤くさせる唯
美柑の溜め息とララの掛け声を合図に4人は準備に入る
ケーキの上のロウソクに火を付けるララ
オーブンから取り出したばかりの熱々の七面鳥を、ちょっと得意そうな顔で持ってくる美柑
それぞれのコップにジュースを注ぐ唯
リトが灯りを消すと、部屋にはロウソクの火だけが揺らめく
ロウソクの火に照らされながら唯とリトは互いの顔を見つめ、そっと微笑む
そして4人はクラッカーを鳴らすと、声を揃えて言った
『メリークリスマス!!!』