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一方その頃場外編『東方ネタ再び』」(2007/04/10 (火) 08:52:23) の最新版変更点

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「だれだ! パロプンテなんて唱えたヤツはー!!」  『まじん』の重量にものを言わせた攻撃で重症を負ったセー。 人間ぐらいの大きさだったら、そこまでのダメージを受けることはなかっただろうが、 セーの大きさから考えると、圧迫重量系攻撃に弱いのは目に見えている。 「もっかい出て来なさーいっ!! 正々堂々と勝負しろーーーっ!!」  フラフラしながらも、なんとか飛び上がるセー。 その動きはどことなくぎこちない。 だが、それとは裏腹に、威勢だけはいつもにも増しているセー。 「セー、そんな事言って、本当に出てきたらどうするのよ!!」 「その時は、私があの『まじん』をぶっとばーーす!!!」  突然出てきた『まじん』に、先ほどまで桟橋の隅で震え上がっていたリリーがそう言うも、セーはやる気マンマンだ。 マグノリアとシルエラは、船を探しに言ったきり、まだ姿を見せない。 まあ、あの2人ならきっとどこかでやり過ごしているだろうから、大丈夫だとは思うけど。 「だいたいパリプンテなんて卑怯なのよっ!! 強制パニックの付加効果さえなければ、あんな『まじん』、3秒でお空の彼方よ!!!」 「セー、微妙に呂律回ってないって・・・。」  ハリセンを手に、ホームランを打つかのごとくポーズを決めるセーに、ツッコむリリー。 セーの言うには、怖いのは『まじん』そのものではなく、その登場時から一定の間、相手を強制的にパニック状態に陥れる付加効果の方らしい。 結果的に相手の防御力や能力を無視したダメージを与えることになるし。 「この私の、慣性の法則を無視したフルスイングをおみっ、うっ!!・・・」 「ちょ、ちょっと!? セー!!? 大丈夫!!?」  何度目かの素振りの動作の途中で、急に胸を押さえて地面にうずくまるセー。 「うぐぅ・・・、がはぁ!!」  吐血・・・。 とても大丈夫そうには見えない。 地面がみるみるうちに赤く染まっていく・・・。 「も、もう・・・、ダメ。」 「セーっ!! しっかりしてーっ!!!」  鮮血の中に崩れ落ちるセー。 どうすればいいのか分からず、ただ叫び続けるリリー。  その時、天から光をまとった3人の天使が舞い降りる・・・。 「ああ、ついにセーにもお迎えが・・・。」  いや、よく見れば、天使にしては小さい・・・妖精? 「自業自得、因果応報。あんな状態で動き回るから・・・。」 「あばら3本に、左足骨折、・・・、さっきのは折れた骨が肺に刺さったのが原因ね。ソール、早速治療を・・・。」 「うん、わかった。」  そう言うと、その太陽のような光をまとった妖精は、セーのもとへ近づき、なにやら唱え始める。 すると、セーの周りをやわらかな光が包み込み、見る見るうちに傷が回復していく。  一方、その光景から目をそむけるように背を向け、腕を組んで飛んでいる淡い光をまとった妖精。  そして・・・。 「大丈夫。あなたの大切な仲間は助かりますよ。」  キラキラと輝く光をまとった妖精が私に話しかけてくる。 「あなたたちは、一体・・・?」 「私はヒミン。 こちらがソール、それにマーニ。 ただの通りすがりの妖精ですよ。」  軽く自己紹介を済ませると、礼儀正しくお辞儀をするその妖精。 つられてこちらも頭を下げる。 「これはご丁寧にどうも・・・。 私はリリー。で、そっちで倒れてるのがセー。 セーを助けていただき、ありがとうございます。」 「いえいえ、同じ妖精のよしみですし、それに、元はといえば、こちらが撒いた種・・・」  ガバッ!! 「きゃっ!!」  その時、急に起き上がるセー。 反射的に一歩後ずさるソール。 みんなの視線がセーに集まる。 逆にセーは、睨むような目つきで、まず近くに居たソール、次にヒミン、最後に、マーニを、順に見定めると・・・。 「あーもうっ!! あと少しで、生と死の狭間で新たな力を手にして、華麗に大復活を遂げるところだったのにーーっ!!」 「セー・・・?」  復活と同時に突拍子もない事を口にするセーに、苦笑するリリー。 それを受けて、こちらもぎこちなく笑うヒミン。 頭を抱えて暴言を吐き続けるセーに、キョトンとした目でそれを見つめるソール。 「まったく、誰よっ!! 勝手に回復させたりしたのはーーっ!!」  パーンッ!! 「・・・・・・。」 「あなた、いい加減にしなさい!!」  セーの頬を打つビンタ。 それはいつの間にかセーの前まで飛んで来ていたマーニのものだった。 「せっかくソールが治療してあげたのに、何? その態度!? 傍若無人にも程があるっ!!」 「・・・・・・。」  しばらく打たれた頬を押さえて沈黙していたセーだったが、やがて表情を崩し、 「フフッ、ありがとう・・・。」 「な、何?」 「どうやら私はまだ、あの『まじん』付属の強制パニック効果で混乱していたみたいね・・・。」  それだけ言うと、セーは、みんなの丁度真ん中に位置するように再び元気よく羽ばたき、宣言する・・・!! 「そう、これは何者かの陰謀よっ!!」 「「「「はいっ!!?」」」」  『混乱は解けた』と先ほど発言したばかりのセーが、突然宣言したその言葉に、困惑の色を隠せない一同。 しかし、そんな周りのことを知ってか知らずか、かまわず続けるセー。 「あの『まじん』が現れたのは何故かっ!!!」  問いただすように叫ぶセー。 順々にみんなを指差して回る。 「・・・それは?」  原因を知っている故に受ける精神的疲労で胃が痛くなる者。 原因であるが故に緊迫した空気に冷や汗をかく者。 原因の一旦を担いながら、緊張のせいでそれを忘れて、続く言葉を今か今かと待つ者。  そして、その答えが今、明かされる!! 「それは私が『東方ネタ』を使ったからよっ!!!」 「「「はぁ!!?」」」 「・・・・・・。」  セーの意味不明暴走発言に、呆れる一同。 その混沌っぷりに、ヒミンの胃の痛みもさらに悪化する。 「セー、大丈夫?」  リリーのその言葉も耳に届かないのか、セーの暴走は続く。 「そう、確かに私はあの時『東方ネタ』を使ったわ・・・。まあ、半分は『ワンピースネタ』でもあるけど・・・。」 「(・・・こいつ、大丈夫?)」 「(・・・これは流石にソールにも治せないな~。)」  ソールとマーニのひそひそ話にも意を介さない。 半ばバレているのかと心配していたマーニにとっては、ありがたい話ではあるが。 「しかし、私に『東方ネタ』を使われるとまずい者がいたのっ!! そう、この近く、私たちから見えない所・・・、あるいは・・・」 「・・・あるいは?」  セーの演説の助手に成り下がっているリリー。 内容がぶっ飛んでいるので、ほとんどついていけてないのだが。 「あの『ブラックシップ』の中よっ!!!」  『ビシッ!!』と海に浮かぶ黒くて巨大な船を指差して、高らかに宣言するセー!!! (いや、居ないから、そんなの・・・。)  一同の心の声がシンクロする。 最早、呆れて声に出す気力もない。 「・・・ところで、あなたたち、誰?」 「・・・あっ、え?」 「えっと、ソールたちは、ソールたちは~・・・」  急に話を振られて取り乱すソールとマーニ。 一瞬、不意を突いて情報を聞き出す為の策略かと思ったマーニだが、セー的には、これも立派な『東方ネタ』だったりする。 「私はヒミン。 それからソールにマーニ。 ただの通りすがりの妖精です。」 「ああ、これはどうも。私はセー。ギルド『セレスティアガーデン』で子守役をしてます。」  挨拶を交わすヒミンとセー。 ひとまずはこれで和解といきたい。 というか、これ以上、事を大きくしないでくれと願うヒミンであったが、 最凶のネタ師、セーと関わったことで、事態(ヒミンの胃の状態)はさらに悪い方向へと進んでいくのであった。

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