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「序章」(2008/07/14 (月) 20:53:38) の最新版変更点
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『沙亜羅…、沙亜羅ッ!! 沙亜羅ァァァッ!!』
『くそっ!! 殺してやる…。貴様等全員、影も残さず叩ッ斬ってやるっ!! ブチ殺してやるッ!!』
『すまない…。俺が…、俺が護れなかったばっかりに…。俺が弱かったばっかりに、お前を…、死なせてしまうなんて…。』
『畜生…、ちく…しょう…。』
またこの夢だ…。
俺は、時々この夢をよく見てしまう…。
あの時の夢を。あのおぞましい夢を…。俺の心に鋭利な刃物の様にグサリと突き刺さる夢を…。
悲しいなぁ。本当に悲しいなぁ…。
弱いなぁ。本当に弱いなぁ…。
強くなりたいなぁ。本当に強くなりたいなぁ…。
『強くなることは力のみではない。本当に強くなることは、己の心を鍛え上げ、更に慈しみと持ち悲しみを背負う事。』
今は亡き俺のお師さんが云った言葉だ。
俺は、力のみを求めて強くなろうとした。しかし、俺のしたことは間違っていた。
俺は、無能だった。無能ゆえにお師さんの云った事を間違って捉えた。
俺は、馬鹿だった。馬鹿ゆえに己の思い人を護れなかった。
俺は、一人当ても無く旅立った。己の力をもう一度見出すために、己の心を磨くために。
そして俺は、今の世界から姿を消した。
何がどう起こったのかも知らず、俺は気付いたら見知らぬ世界に迷い込んでいた。
何も知らない世界、全てが初めての世界。
その世界に己の数奇な運命が関わっているのも知らず、俺は、この世界に降り立った。
-そして、この俺・磐野 烈心はこの見知らぬ世界にて彷徨う事となる-
序章 -終劇-