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逃げ場は無し。
体力もそう残っていない。
「……」
左、右、後ろ。とりあえず見える範囲で海を見る。
目に入ったのは、こちら側にやってくる小船。
三人の支援者が乗っているようだ。
「…死ぬか生きるかは運次第。」
「え?」
甲板の板に突き刺さっていた剣を左手に取り、船長に斬りかかる。
それが合図のように周りを囲んでいた魔物たちが一斉に襲い掛かる
「おいおい、あの船凄いことになってるぞ…。」
結界船に向う小船に乗っている男。レオンは呟いた。
小船から結界船までの距離はまだ大分ある。
「急いだほうがよさそうだね。あそこにいる支援者のためにも。」
そういうのはクリス。
再び、戦闘中の甲板へ
「数が多すぎるよっ!」
「狗音の雷鳴、この手に集え、ヴォルテクス!」
強力な雷を剣に集中させ、相手に向けて斬り放った。
ほとんどの魔物は焦げたり毛皮に火がつき、数秒後に倒れて動かなくなった。
「きつい…。」
周りを囲む魔物たちの数はそれほど変わらず、ヴォルテクスを放った後のセオの体力はほとんど残っていなかった。
「どりゃぁぁぁ!」
威勢のいい声が突然聞こえた。
「悪いな、遅くなったぜ。」
「え…あぁ。ありがとう。助かった…。」
乗り込んできたのは、さきほど小船にのっていた三人。
レオン、クリス、アルト。
「さて、あとは俺達に任せて、休んでな!」
襲いくる魔物たちを軽々と倒していく三人。
「我が求むは仇なす者の破滅―」
その間にアルトは詠唱しながら移動を始め、一度に多くの敵を巻き込める位置を探し始める。
彼女のその詠唱を食い止めようと、一人の兵士が勢いよく跳びかかってきた。だが
「邪魔はさせません。」
フランベルジェを振るい、異人を弾き飛ばすクリス。
「―今ここに其の力を以って 粉砕せよ!! シャドウグローブ!!」
アルトの杖から発せられた、先ほどより数段大きな黒き破壊球が叩きこまれ、そこに放り込まれた者達は纏めて葬り去られる。
「……。」
その様子に唖然としながらセオは攻撃を避けている。
「グォォォォ!」
「ちっ!」
ディアブロが勢いよく突き出した拳。それをセオが黒い剣で防御する。そのとき、不吉な音が聞こえた。
<バギンッ…ガラッガラン>
「なっ」
支援者になってからずっと使い続けていた愛用の黒い剣が使い物にならなくなってしまったのだ。破片の一部分を拾いしまいこんだ。
「ごめんよ。」
それだけ呟くと、ディアブロの懐に回りこみ強烈な蹴りをくらわせた。
それから数分たって、やっとのことで船を制圧した。
「船長、船長。何か持ってないかな…?あぁあったあった。」
首に小さな鎖でかかっていた文字の書かれたプレートのペンダントを取った
「はぁ…。」
その場にへたり込んだイルとセオに三人が近づいてきた。
「そういえば、自己紹介がまだだったな。」
「あ。あぁ。俺はセオ、でこっちがイル。よろしく。えっと」
「俺はレオンだ。あっちの二人がクリスとアルト。よろしく。」
全員簡単な挨拶を交わし、結界宝珠の破壊に行動を移した。
「それにしても、小船の上で見たんだけどあの雷はどうやって?」
「…えーと。その…まぁ。ずっとまえに教えてもらった。」
「どうやって?ねぇ。」
船内の中ではさきほどのヴォルテクスに興味を持ったアルトがしつこく聞いてくるのだった。
「…アルト。あれだよね?」
「うん。そうそう、解除法を調べて破壊するだけ。」
そういい、アルトは装置に近づき、調べ始めた。
それから数分後、レオンが言った。
「で?わかったのか?アルト。」
「うん、わかったよ。この装置を解除するには。面倒なことに。
言の葉を使うみたいなの。あぁ、船長海に投げちゃったんだっけ?
さっき。」
「あ、あぁ。」
「というと、鍵と船長は一緒に海の中に…。」
「これのこと?さっきとっておいたんだけど。」
落ち込む二人を見て、セオがアルトに差し出した。
「おー。ナイスセオ、これだよこれ。」
装置の解除キー、くぼんだ場所にそれをはめ込む。
「おー開いた開いた。あとは壊すだけ。レオンお願い。」
「任せとけ。」
レオンの武器、双竜牙が結界宝珠を砕いた。
一瞬にして輝きは失せ、燃え尽きた灰の様なものが台座には残った
「さて、あとは小船に乗って船を沈めるだけ。」
そのまま五人は船内から出て、お手製爆弾をそこらじゅうにセットした。材料は魔物の油と若干の火薬。
火薬は護衛艦からセオが失敬して来た物だった。
「そろそろ…かな。」
小船の上でセオが呟いた。
結界船はすぐさま炎上し、ゆっくりと確実に沈没していくのだった。