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「ねっむい。」

どういうわけだか、夢の中でも100枚の反省文を書いていた。
妙にリアルすぎて、夢なのか現実なのかわからなくなったくらいだ。
ちくしょー、寝た気がしねぇ。

冷水で顔を洗い、無理やり意識を覚醒させる。
これ以上寝たとしても、気分よく寝ていられる保障は何一つ無い。
さぁ、今日も一日ぶいっといこー。
大きく伸びをして、冷蔵庫からベーコンと卵を取り出す。
フライパンでベーコンを焼いて、卵を―
ん?

卵を割る前に、扉をノックされたことに気付き
フライパンを火にかけたまま、応対にでる。
客だろうか?
まだ何も仕事っぽいことしてないんだけどな。

「は―。」

開けた扉を閉める。
落ち着け、落ち着くんだ自分。
さっきのは、気のせいだ。
疲れてるんだ、きっと。
どこかのへんな道具が置かれているなんてことない。

さぁ、気を取り直して。

「…………。」

気を取り直して、扉を開けても目の前に映る物は変わりませんでした。
きっと、俺の目がおかしくなったのだろう、そうに違いない。
アイアンメイデン?(確かそんな名前だった気がする。)が目の前にそびえたっている。
幻覚だ、幻覚。
目が疲れてるだけなんだ。

「…夢だ。」

そう決め付け、そびえたつ物体を家の前に放置したまま再び扉を閉めた。
ベーコンが焦げかけた。
卵をわって、目玉焼きにしようか。

ドンドンガタガタドンドンガタガタ。
ドンドンドンドンドンドン

そんな音をBGMに、料理する俺。

ドンドンドンドンドン

まさかアイアンメイデン?が扉を開けようとしているなんてことは無いだろう。
ていうか、あれ地味に怖いから。顔が。
顔が、見えるんだよ。
扉の、窓から、顔が。

「しつこいなっ。」

身近にあった、包丁を投げつける。

危ないので真似はしないようにしよう。

物に八つ当たりするのもよくないぞ。

包丁を拾い上げ再び、扉を開けるとそこには工具バックを下げた―

「久しいな。3年ぶりか?」

同い年のマシンナリーが居た。

「バルツァー・エールリヒ…。念のために聞くが後ろのはお前のか?」
「まぁ、ね。」

こうして離している間にも、奇異の視線が降り注いでいる。
視線が痛いので、そびえたつ物体と一緒にバルツァーを中に入れた。

「それにしても・・・焦げ臭いな?」
「こげ…。」

その一言で思い出した。
朝食を火にかけっぱなしであることを!
なんてこった。
もう、黒い煙がモクモクと上がっているではないか。
俺は急いで火を止め、消し炭になってしまった元朝食。
名残惜しいが、さらばだ。


「…で、エールリヒ。その後ろのは何だ。」

物体の内部からもの凄い音が聞こえてくる。

「あ、あぁ。アイアンメイデン模造品。中は箱になってます。」

がたがたがたがたがたがたがたがたがた

「…何が入ってるんだ?」

がたがたがたがたがたがたがたがた…がた。

バルツァーは、黙ったまま蝶番を外した。瞬間

ガダンッ

勢いよく、アイアンメイデン模造品の扉が開かれた。

「バルツァー……エールリヒ…。今の今まで忘れてたな…。」
「悪い。忘れてた。」

中から、息苦しそうに出てきたのは

「レウィス…?」

これまた久しく会う妹。
今の今まで忘れていた、ということは…

「ずっと中に入ってたのか?」
「いやね、二人より一人と荷物にしたほうが旅費が浮いていいんだよな。」

なんて奴だ。
人の妹を荷物扱いしやがって。

「それよりも、いきなり帰ってきてどうしたんだ?」
「そろそろ兄さんが飢え死にする頃だと思って。」
「酷い理由だ。」

なんて奴だ。
実の兄がそうなるだろうと予想していたなんて。

今日から自分一人で静かだった家も、少しは賑やかになりそうだ。