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それが恋と呼べるかどうかはまあ横に置いておくとして、お近付きになりたい相手、というのは誰にでもいるものなのかもしれない。
時に理想と言う名の憧れであったり、親しみを込めた友愛であったり――

なんにせよ、その日はバレンタインデー。
恋する乙女が輝く、年に一度の一大イベントの日である。




始まりは、別の町に出かけた時の事だった。
街道を走る馬車が襲われる、というのは実のところ意外と珍しい事で、護衛なしでも町を移動した場合でも、無事に目的地までたどり着けるのはそこそこ多い。
その理由は、一般的に町を移動する馬車には支援士が多数乗っているのが普通であり、野党もそこまで積極的に攻めることが出来ないというのが有力である。
なので、危険なのはむしろ個人が所有している馬車での移動であり、特に貴族ともなれば見るからに豪華な彫り物等が入った外見で、より狙われやすくなっていたりするという事実がある。

――閑話休題。
それは、彼女が家の関係で護衛とミナルへ向かっていた時の事……
突如として現れた野党に襲われていた。
町から出る際には、それなりに有能な護衛を数人つけるのは貴族の常ではあったのだが……
時には、野党の荒くれたちの中にも有能な者が紛れ込んでいることも否定はできない。
その時に現れた者達は、複数方向の長距離から弓と魔法を放ち、それに護衛が気をとられた一瞬に近接系が切りかかる。
荒くれにしては見事としか言いようのない連携で、”たかが街道護衛”とでもたかをくくっていた護衛の者達はほぼ一瞬でその場を占拠されていた。

馬車に乗り込み、迫り来る小汚い衣服の男達。
死か、生かされても地獄かの想像が脳裏をよぎったその時――
馬車の外で、青白い火柱が立ち上っていた。





「失礼致します、ソニアお嬢様」
南部首都、リエステールでも豪勢なお屋敷が並ぶ貴族街。
その中の一つ、ラズライト家本宅の一室
「なんですの?」
ラズライト家の次女、ソニア・F(フローラ)・ラズライト。
雪も降りかねないこの冬場に、室内とはいえタンクトップにショートパンツといういでたちで彼女はそこにいた。
室内に入ってきたメイドの呼びかけに応えつつ、近くにおいてあった水を口につけるソニア。
それまで激しく運動でもしていたかのように、その全身から吹き出るように汗が滴り落ちている。
「今日もトレーニングですか。 長く続いておりますね」
「その皮肉は聞き飽きましたの」
静かに笑うメイドと、少しバツが悪そうに口を尖らせるお嬢様。
まあ、そのお嬢様の方は、おおよそ良家のご令嬢とは思えない格好をしてはいるのだが。
とりあえず、彼女は本来ひとつのことが長続きするタイプではないようだ。
「しかしソニアお嬢様、あまり鍛えすぎても―――」
「まー確かに筋肉張り詰めたご令嬢なんて絵になりませんのよねー」
至極どうでもよさそうに、てきとうな口調で切り返すソニア。
……一応、本人も身体的な女性的ラインは保つような鍛え方を調べて進めているようではあるのだが、いちいち他人につっこまれたくはないというのが本心なのだろう。
「でも、今の時代女性も強くなくてはいけないと思いますの。
……あの方の姿を見て、そう思いましたの」
あなたにはもう何度も言ったコトですけど、と最後に付け加える。

それは半年前、馬車での移動中に野党に襲われた時の事だった。
敵の個々の実力自体はそれほど騒ぐようなものではなかったのだが、その集団にはブレインとなる智将がいたのだろう。
それなりの支援士を護衛としてそろえていたのだが、たかが盗賊とはいえ見事な奇襲に制圧を許してしまった。
――色々と覚悟しなければならないと思わされたその時、蒼炎を全身に纏い現れた一人の少女支援士。
通りすがりに見かけたからと、奇襲に成功して浮かれていたであろう野党を、彼女はほぼ一瞬で一掃してしまう。
さらに、死にはしなかったものの気を失っていた護衛に代わり、ミナルまで同行を買って出てくれた。
『依頼受けたわけでもないし、報酬なんていらないよ。
まあミナルまで馬車に乗せてもらったし、それでいいからさ』
別れ際には、そう言って笑って立ち去って行ってしまったのだが、半ば呆然としていて名前も聞きそびれていたのを、ソニアはつい最近まで悔やんでいた。

「あの時気がつきましたの。 私は、ああいった女性に憧れていたのだと」
力は強くも多くを求めず、黙って目の前にいる誰かを救えるような――
籠の中の鳥のような生活の中では決して得ることも見ることも無かった、そんな生き様。
ヒロインというよりは、ヒーローの領域ではあるのだが……
憧れは、自由である。
「ああ、いつかは私もあの方と肩を並べられるくらいに強くなって、パートナーになりたいですの……!」
「……お嬢様、そのお召し物では冷えますので、トレーニングを終えられたのでしたらそろそろ……」
ははは……、と乾いた笑いが漏れそうになるのを堪えて、メイドは汗を拭き取るためのタオルを差し出した。
せっかくの想像というか妄想に浸っていたところに水を差されたソニアは、また口を尖らせつつも黙ってタオルを受け取る。
ひとまず汗を拭き取り、上着を着て、改めて汗を流すために浴室へ。
それが彼女がこの部屋を用意させ、また利用を始めてからのお決まり――と言うよりは、一人のご令嬢としては身だしなみとして当然の行動ではある。

「それにしてもこの斧槍(ハルバード)、やっぱり紋様がないのが残念ですの」
部屋を離れる直前、壁にかけてあった一本のハルバードを手に取るソニア。
翼を広げた翼竜(ワイバーン)を模ったような形状のソレは、シルエットだけであれば、どこぞのギルドのマスターである少女が持つものに酷似している。
ただ、彼女の言葉通り、その少女が持つ『本物』のような模様が刻まれてはおらず、ただ無骨な雰囲気の一振りとなっていた。







「さて! それでははじめますの!」
一転、厨房。
並ぶ材料を前に気合を入れるのは、エプロンを身につけたソニア自身。
近くでどうしたものかと微妙な表情を見せるシェフとその他がいたが、彼女の目にはほぼ入っていない様子だった。
トレーニング室から引き続き彼女についているメイドは、ごそごそと本を取り出して横に立ち、その内容を読み上げていく。
「基本的な材料は以上です。あとはお嬢様自身のアレンジで考えながらするのがよろしいかと」
「うーん、紅茶入りとかおいしいかしら」
「紅茶入りのチョコレートでしたら、ミルクティーに合う茶葉のほうがいい気がしますね」
「あ、確かにミルクチョコレートっておいしいですの。チョコレートにミルクが合うなら、それに合うお茶と言うと……」
どことなく、いつもよりは距離感が近いような雰囲気を放つお嬢様とメイド。
やはり一つのことを協力してやる瞬間と言うのは、仲間意識というものがあるのかもしれない……
と言っても、専属の使用人としては比較的一緒にいる時間が長いらしい彼女なので、ある程度距離が近いのはあるのだろう。
「あの、お嬢様……私がお手伝いいたしましょうか?」
「プロの手は借りないと言っておいたはずですの!」
キッ、とシェフを強く睨むソニア。
このチョコレートは特別なもの。だからこそ素人なりに考えながら作りたい。
それが彼女の正直な気持ちであるために、押し通してでも『プロの腕』を借りる気はなかった。
それならば、気の許せる友達と一緒に楽しくやりたい・・・・・・というのも、その正直な気持ちの中の一つである。
「・・・・・・それにしてもソニアお嬢様、変わりましたね」
「いきなり何ですの?」
ぐるぐると湯煎で溶けたチョコレートをかき混ぜながら、ぽつりと聞こえてきた一言。
目を向けると、どこか感慨深そうにソニアの顔を見つめる顔が見えた。
「いえいえ、飽きっぽくて何かとすぐに投げ出す姿が、遠い昔のように思えるなと言うだけです」
「くっ・・・・・・だから大きなお世話ですの!!」
「歳が近いという理由で専属にされて早二年・・・・・・使用人の立場である私などに、友人のように身近に接していただいていましたが、今は成長した娘か妹を見ている気分で・・・・・・」
「いちいちうるさいですのー!!」

正直に言えば、邪魔……
と、食事の仕込みをしていたシェフ達は思っていたりしたのだが、そのどことなく微笑ましいような光景と、お屋敷のお嬢様が相手とあってこれといって口に出すことが出来ないでいたのは、また別の話である。






「リトルレジェンド……」
聖女の英知を受け継ぐシスター。
その守り手であり、十六夜の伝説『沙雪』の刃を振るう剣士。
氷雪の頂点とされる、氷昌宮の加護を持つ魔術師。
同じく、火炎の頂点である業火宮の加護を持つ聖騎士
……そして、幻とも謳われる竜神種の血を持つ、異世界の槍使い。
一般的に知られているだけでも、十分すぎるほどのインパクトを与えるメンバーが揃っている。
――小さな伝説
名は体をあらわすと言うか、体を見て名をつけたと言うか……
そのギルドは、南部の支援士の間ではそれなりに有名ギルドと呼べる段階にきていた。
「ソニアお嬢様? ガラにも無く緊張してるんですか?」
「あなたはいつも一言多いですの!! ガラにもなくて悪いんですの!!?」
「いえいえべつにそんなことはありませんですよあはははは」
「セリフが棒ですの!?」
歳が近いとはいえ一応年上であり、比較的親密な関係でもある余裕のあらわれだろうか。
メイドでありながら、ソニアに対しての彼女の態度は、時に雇い主に対する使用人の姿を逸脱していることがある。
が、それはそれで関係が成り立っているのだから、この二人の間では間違った事ではないのだろう。
「でも憧れの”あの方”が有名な人でよかったですね。 おかげでどこの誰か特定するのも楽でしたし」
「…………」
黒い衣服を纏い、蒼白い炎で全身を包む小柄な銀髪の槍使い。
と言うとまあ、リエステールで該当する者はほぼ一人しかいない。
故に、野党に襲われた事件から助けてくれたその相手を特定するまで、殆ど日は経っていなかったのだが……
なんとなく、突然出来た”憧れ”に対して近づくのに、気がひけていたりした。
お礼もまともに言えないままに、半年……
この日はバレンタインデー。
愛に限らず、何か想いを伝えるのには絶好のチャンスなのだ。
目を閉じて、言い聞かせるように心の中でそんな言葉を反芻するソニア。
そして、意を決したように玄関の扉へと手をかける。


「失礼しますの! ティールさんはいらっしゃいますの!?」













ソニア・F(フローラ)・ラズライト

性別:女
年齢:14歳
ジョブ:ブレイブソード(ドミニオンタイプ)
能力:火・地・紫
武器:ハルバード
形見:-

支援士ランク:-

•所持能力
エレメンタルウェポン(火・地・紫) :所有属性を武器に付与する

•所持技


キャラ解説
ある日ティールに野党から絡まれていたところを助けられ、それ以来彼女に憧れ続けているラズライト家のお嬢様。
ちなみに次女であり、跡継ぎなどは姉がどうにかすることになってるので比較的気楽な立場なのかもしれない。
本来は飽きっぽく趣味も長く続かないタイプではあるのだが……
”カッコイイ女性支援士”というイメージを当てはめる相手(ティール)ができてからは、それに向かって一直線という、本気になればどこまでも打ち込むタイプでもある。

とはいえトレーニングを始めてまだ半年程度で、体力的には向上しているが技などの技術面はまだまださっぱりな状態。
憧れの人と肩を並べるのは、まだまだ遠い話である

語尾に~ですの、とつくのが口癖。





コリー・アンクティル

性別:女
年齢:16歳
ジョブ:アビリティスキル?
能力:水・地
武器:シルバートレイ
形見:-

支援士ランク:-

•所持能力
エレメンタルウェポン(水・地) :所有属性を武器に付与する

•所持技
おぼん格闘術・飛燕:どうやっているのか投げたトレーがブーメランのごとく戻ってくる

他、色々(何


  • キャラ解説
ソニア専属のメイドさん。
ある貧乏商人の家に生まれ、家にお金を入れるために12歳でメイド見習いとしてラズライト家に雇ってもらう。
14歳で正式に雇用され、雇われた当時から仲がよく、歳も近いために話し相手としても気を使わなくていいだろうという理由でソニアの専属となる。

どこから仕入れてきたのか『おぼん格闘術』というよくわからない格闘技?を習得しており、トレー両手にソニアのトレーニングに付き合うこともある様子。

性格は一見真面目なおちゃめさん。
ソニアの事はご主人であると同時に友人として見ており、プライベート、もしくは二人だけの間ではかなり崩れた態度を取ることもある。