ジョルノ・ジョバァーナ

     

「このジョルノ・ジョバァーナには夢がある!」
  • 年齢:15歳
  • 生年月日:1985年4月16日
  • 血液型:AB
  • 身長:172cm(原作漫画版)、175cm(TVアニメ版)
  • 好きな音楽:ジェフ・ベック
  • 好きな物語:「レ・ミゼラブル」
  • 好きな食べ物:チョコレートプリンタコのサラダ
  • 嫌いな食べ物: とくにカモの肉
  • ヒーロー:幼い頃出会った名も知らぬヤクザ
  • 性格:ジョルノが一番欲しているものは「希望」である。
               希望さえあればどんな所にでもたどりつけると決心している。
               ジョルノは幼少の頃、母親の愛をほとんど受けることなく、
               むしろ義父から虐待されていた。
               くじけそうになっていた一歩手前で出会った見知らぬギャングの「仁」の姿が、
               ジョルノにとって「正義」であり、「希望」となった。

+ 担当声優
朴璐美
『黄金の旋風』
浪川大輔
『オールスターバトル』『アイズオブヘブン』
小野賢章
2018年アニメ版以降

中でも『黄金の旋風』で女性声優が演じたのが目を引く。チームの最年少であることを踏まえたのだろう。
また、朴女史は後に『ASB』『EoH』で広瀬康一を、浪川氏は第6部アニメ版でナルシソ・アナスイを演じている。

TVアニメでは主人の声優が3回連続小野姓続きになったため、「小野の奇妙な冒険」などとネタにされた。
このまま以降の部の主人公小野姓になるのではとか言われたが、流石にそんなことはなかったぜ

ジョジョの奇妙な冒険』第5部『黄金の風』の主人公。

イギリス人のDIO(体はジョナサン・ジョースター)と日本人女性との間に生まれる*1
DIOが乗っ取っていたジョナサンの肉体の影響で、ジョースターの血統の人間に見られる星型の痣が首筋にある。
吸血鬼であったDIOの驚異的な身体能力や太陽に弱いなどの体質は受け継がれていないが、
ややひねくれた性格や口癖にしている「無駄」、ヒートアップ時には「WRYYYYYY」という(吸血鬼が発していた)咆哮をあげる
(ただしルビは「ウリャ―――――」)、
そして何より、自らの目指す道を阻む者は徹底的に容赦しない(目指す道が闇か光かという違いはあるが)点など、
DIOの実の息子であることを感じさせる点が幾つか見られる。

母親がDIOの下から逃れた後に再婚したイタリア人の養父がおり、ジョルノも国籍上はイタリア人。
本名は汐華初流乃(しおばな はるの)だが、イタリアで生活する関係上「ジョルノ・ジョバァーナ」を名乗っている。
しおばな→シォバァナ→ジョバァーナ、初流乃→「しょ」るの→ジョルノとイタリア訛りでそうなるらしい。強引すぎる

幼少の頃は母親の愛を受けず、イタリア人の義父からは母親の見てない場所で虐待を受け、
さらに近所の子供達からもイジメられるなど陰鬱な生活を送っていた為、心の捻じ曲がった人間になりかけていた。
しかし、ある日成り行きでとあるギャングの男を匿い、命を救ったことが彼の人生にとって大きな転機となる。
その後、恩人であるジョルノに一人の人間として対等に、敬意を持って接してくれるようになった彼の姿から、
「人を信じる」ことを初めて学び、彼が見せた「仁」の姿に生きる意味と正義を見出して、「ギャングスター」に憧れるようになった*2
この正義の心は「希望」となり、希望さえあればどんな所にも辿り着けるというのが彼の信条となっている。

その後、学生として寮生活を送りながら旅行者を相手にチンピラ紛いの路上詐欺をやっていたようだが、
空条承太郎の依頼で「DIOとジョースターの血を引くジョルノがどのような人物であるか」を調査するためにイタリアに訪れた広瀬康一、
さらに当初はジョルノが起こしたいざこざの後始末のために(ジョルノを殺しに)やってきた、
ブローノ・ブチャラティと立て続けに出会ったことで、彼の運命の歯車が動き始める。
ジョルノが住むネアポリス市周辺(ナポリがモデル)を纏めていたギャング組織「パッショーネ」の下級幹部であるブチャラティに認められた彼は、
パッショーネの入団試験を突破し、念願のギャング入りを果たす。
しかしジョルノもブチャラティも内心では、麻薬売買によって利益を上げている現在のパッショーネに不信感を抱いており、
ブチャラティチームはジョルノの加入から間もなく、組織の任務を通して出会ったボスの娘・トリッシュを巡る
内部抗争に身を投じていく。

+ 性格
ジョースター家の血を引く歴代主人公と同じく、
内面に「黄金の精神」を秘めているという点ではジョナサンの血をしっかり受け継いでいるのだが、
極めて冷静で理知的、かつ無表情で何を考えているのかよく分からない所があり、歴代ジョジョの中では変わり種な存在。
しかし勇敢で正義感が強く、咄嗟の機転と行動力を持ち合わせる。え?置き引き?袖の下?何のことかな

また、スタンド使い同士の戦いにおいてとても大切な「敵の能力を把握し、対応する」ことに非常に長けており、
ジョルノ自身が直接的に交戦しない他の仲間の戦いであっても、ジョルノの洞察や援護が勝利の鍵になったことは多い。
そのため他のシリーズの主人公達と比べて、戦闘自体には全く参加せず支援に徹する場面が多い。弱くて解説役とかじゃねーから!
もう少し具体的に言えば、立ち振る舞いは常に冷静沈着で、
仲間であっても丁寧語で接し(ただしイタリア語に丁寧語は無いが)、物静かで感情的になることは殆ど無い。

その分、怒った時や身の危険を感じた時は顔色一つ変えず、冷徹に行動を起こす決断力を持ち合わせている。
頭の切り替えが早く、ギャング入団試験中で切羽詰まった時にスクール仲間に話しかけられてもそっけなく応対していた。
要は状況に応じて客観的にベストな思考ができるタイプで、しがらみや義理といった目先の感情はあまり優先しない。
例えば怒りを買ったゲスのチンピラやマフィア、仲間になる前のブチャラティをも本当に返り討ちにして始末しようとしていた。
その上ブチャラティの所属する組織こそが悪と理解すれば、ブチャラティを利用してボスを討つと宣言。
作戦が上手く行くならば、自分の命も迷わず危険に晒す大胆さを持っている
(ギリギリの博打を何度も打っているが、本人曰く「計算通りの時もある」)。
彼と行動するチームメンバーが、その覚悟と思考のスケールの大きさと強運に舌を巻くシーンがしばしば挿入されている。
ヤるといったらヤるというスゴ味がある」「クレイジーな奴だな」「ラッキーボーイかコイツ」
「一緒にいるとなんとかなる気がする」など。
なお、敵に対して敬意を払うことはあっても敬語で話すことはほぼ無い。

……と、基本的には計算高く、少々近寄り難い雰囲気を持つ男だが、
時折見せるイタリア育ちらしいお茶目な面もあり、どこか憎めない印象を与えている。
一般人には手を出さないと誓った直後に「スマンありゃウソだった」と撤回するなど、
ジョセフとは違う意味で嘘ばかりつくことや(尤もその一般人にも手を出される理由はあったが)、
アバ茶を始めとするネタの多さから、色んな意味で読者に愛されている男である。

ちなみに原作47巻の2人の最初の会話では、
ブチャラティ「もしさあ…ここにカバンが落ちてて 中に1千万円入ってたとしたら 君…とどける?」
ジョルノ「フフフ まさかあ~~、もらっちゃいますね!」
…きっと嘘の味はしないことだろう。
アニメ版では10億リラ(リラは2001年当時のイタリアの通貨)に変更されており、
ゲーム『黄金の風』ではこの会話がカットされていきなり尋問が始まる。


 ファンからの愛称はコロネ
 何故かと言うと、頭にチョココロネパンを3つ並べたようにしか見えない奇抜な髪形をしているためである。
 回想シーンなどで出てくる過去のジョルノは普通の髪型なので、
 これはスタンド能力が発現したことによる副作用
 (以前は黒髪だったが、能力発現の影響で金髪に変色している)
 に伴うクセ毛だと思われる。すげえクセ毛を持ってやがる…。

 名前の綴りは「Giorno Giovanna」で、頭の部分を取っても「JoJo」にならないという例外的存在。
 これは、イタリアにも「Jo」で始まる人名はあるが、それらは発音やカナ表記が「ヨ」になってしまうので、
 カナ表記時に「ジョ○○・ジョ○○」になることの方を優先した結果という事が、
 コミックスカバーの作者コメントでイタリア取材旅行中のホテルの風呂?に入る写真と共に述べられている。
 この名前の綴りを反映し、第五部のローマ字表記は「JOJO」ではなく「GIOGIO」となっている。
 ちなみにGiornoは英語では「Morning」「Day」、日本語では「朝」「日」などに相当するイタリア語。
 たとえば「buon giorno」は英語では「good Morning」、
 「un giorno」なら英・日でそれぞれ「one day」「一日」である。
 また、ディオと同じホンダから発売されたスクーターにジョルノというものがある。
 そして、原作で「ジョジョ」と呼ばれることがとうとう一度も無かった点でも例外的な存在である。*3


「『覚悟』とは…犠牲の心ではないッ!」

上でも述べたが、ほぼシリーズ通してバトルしっぱなしだった歴代の主人公の中でも、戦闘回数はかなり少ない。
これは荒木氏曰く、「5部は(主役はジョルノチーム全員)だから」というコンセプトが由縁。

+ スタンド「ゴールド・エクスペリエンス(黄金体験)」

「産まれろ……生命よ…
     産まれろ 新しい命よ…」

破壊力 - C スピード - A 射程距離 - E(2m)※
持続力 - D 精密動作性 - C 成長性 - A
※:25周年画集「JOJOVELLER」やTVアニメ版ではCに変更。

第5部開始の数ヶ月前に目覚めた(幼少期からこのスタンド能力の片鱗は現れていたが)ジョルノのスタンド。通称「G.E.」。
テントウムシをモチーフにした人型の近距離パワー型のスタンドで、手で触れた物質に生命を与え、小動物や植物に変える能力を持つ。
この能力で産まれた命はジョルノの意思で自在に成長や死を操ることができ、命を失うか能力を解除すると再び元の物体に戻る。
元々生命を持っている者に対してこの能力を使い、
「生命エネルギーを過剰に与え続けることで老化を加速させ、一気にその命を終わらせる」という芸当も可能。
またウイルス性の猛毒下など、免疫の獲得など生物の進化による適応次第では生育可能な環境下ならそれに適応した生命を産むこともできるが、
逆に超低温などの極限状態の環境下では、高山植物など元々その環境に適応した特徴を持つ生物しか生み出せない。

本人の趣味なのか、何故かを産み出すことが多い。
荒木氏が少年時代に好きだった忍者漫画『カムイ外伝』のせい?
……いや、そもそもカエルはジョジョシリーズ登場率最多3大動物の一つです。あと2つはとネズミ。

中盤からはこの能力を応用し、無機物から人体のパーツを生成して負傷した箇所に移植して外傷の治療を行うことも可能になった
(つまり超高速でES細胞を作り出し、欠損部位をほぼ完全な形で復元することができる)。
さらに、同じく「治療」に使えるスタンドを持つ第4部主人公・東方仗助とは異なり、自分の治療もできるという利点がある。
また、消滅してしまった部位を作り出して治療することが可能なのも利点。
ただし本人に回復させるのではなく、あくまで部品を外部から補う形で治療させるため、
部品が傷口に触れた際の痛みや刺激は発生する。特に傷口に埋め込む時はすごく痛い。
単純な治療能力という点においては、爆発で粉々にされた瞬間でも元に戻せる仗助には流石に遠く及ばない。
「治す(直す)」スタンドと、生命を与える能力を治療に応用しているスタンドの差であるとも言える。

総じて非常に応用力に優れたスタンド(ジョルノの性格や「無意識の才能」を反映していると思われる)だが、
生命が物理的に生育し得ない環境下(劇中では冷気を操るスタンド「ホワイト・アルバム」による極低温状態)では
生命エネルギーを与えても物体は生物へと変化しないという弱点も見られる。
加えて手で触れなければ能力を発動できないため、両手を失いかけて窮地に陥る場面もあった。

登場初期は「産み出した生物は受けた攻撃を相手に反射する(ジョルノや攻撃を受けた生物は無傷)」、
「元々生命を持っている者に過剰に生命を与え、相手の感覚だけを暴走させる」という設定があったが、
中盤以降は全く見られなくなった。

この点は「スタンドの成長に伴って能力が変化した(「エコーズ」ほど顕著ではないにせよ)」という説が有力だが、
まあ単純に荒木先生が忘れた(あるいは無かったことにした)可能性が高い
ジョジョではよくあることである(ただし反射能力に関しては、後に小説版において再び使用されている)。
ただ、単純にジョルノがスタンドで殴っている描写が止めを刺す時くらいなので
(それ以外は拳を当てても当てた部位が変身してガードされたり装甲の上から殴ったり即座にちぎれ飛んだりで直撃していない)、
この能力自体は使っているが描写はされていない、というだけなのかも知れない。
ちなみに設定上のパワーはC、つまり人並みであり、実際作中でもブチャラティが破壊力はそれほどではないと述べている。
が、その割に車を容易く破壊するシーンがあったりと結構謎。タイミング的にも車を壊したのはスタンドが成長する前だし……
(まぁ、次部の主人公のスタンドもA評価な割に鉄格子を破壊できなかったりと、スタンドのパワーの評価はまちまちなのだが)。

「生命を与える」「天道虫(≒太陽)を思わせるデザイン」といった波紋法と共通する特徴や、
イレギュラーな事態とは言え致命傷を負ったある人物を 「肉体そのものは死亡したが、魂だけで肉体を動かしている」状態にするという、
吸血鬼のエキスを思わせる能力から、父親の遺伝を指摘する声もあるとか。

なお、ジョルノが物語終盤に叩き出した7ページ連続無駄無駄ラッシュ(計100無駄オーバー)はジョジョの最長記録。
この時の敵が殴られた回数(56回)はシリーズ歴代2位という記録も持っている(ちなみに殴られ回数1位は60回でコイツ)。
にもかかわらず、ジョルノが作中で殴った合計回数は142発にとどまり、
歴代殴ったスタンドランキングでも「ギリギリすべりこみ3位」と書かれ意外と少なめ。
承太郎が(第3部だけでも)300発以上殴っていることを考えると、2人の戦闘スタイルや立ち回りの違いが分かるであろう。
さらに突っ込むと作中でオラオラが出た回数は442回、無駄無駄は229回(3部のDIOとジョルノを合わせて)である。

+ コレが………『レクイエム』……………ダ!!(終盤ネタバレ注意)

「実際ニ起コル『真実』ニ到達スルコトハ決シテナイ!」

破壊力 - なし スピード - なし 射程距離 - なし
持続力 - なし 精密動作性 - なし 成長性 - なし
終盤では「矢」に貫かれたことにより、「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」に進化。通称「G.E.R.」。
「レクイエム(鎮魂歌)」とは「生物の魂」を支配するエネルギーのことで、
適正者が自分のスタンドを「矢」で貫くことでスタンドエネルギーを進化させる。*4
G.E.の場合はスタンドが脱皮をするように変化し、頭部には取り込んだ矢尻がそのまま埋め込まれている。
作中では再登場したポルナレフの「シルバーチャリオッツ」もレクイエム化を試みた(レクイエム現象を発見・命名したのは彼)が、
既にスタンド能力者としては再起不能のダメージを負っていたため、ポルナレフ自身も制御できず暴走に近い不完全な形で終わっている。

ジョルノはパッショーネのボスであり、第五部のラスボスであるディアボロとの激しい「矢」争奪戦を制し、
レクイエムの能力を完全に目覚めさせることに成功。
従来の「物質に生命を与える能力」に加え、スタンドパワーの大幅な上昇、
そして「相手の行動・意志の力を全てゼロに戻す」という究極の能力を得る。

かなり難解、かつ概念的な面が強い能力なので不明な点も多いが、作中から確認できるG.E.R.の能力を簡単に説明すると、
防御面では、「どんな能力で・どんな力で・どんな方法を用いて」攻撃しても、
「G.E.R.(と「主」であるジョルノ)へ攻撃する」という『真実』に辿り着くことは「決して無い」。
「攻撃」という「結果」へと絶対に辿り着けない相手は「過程」の中に存在することを許されず、
「ゼロ」=「初めから何もしていない」状態へと戻らざるを得ない
…つまり、無敵

具体的には、ディアボロのスタンド「キング・クリムゾン」の「時間を吹っ飛ばす能力」と「エピタフ」の「未来予知」によって、
100%確定したはずのジョルノへの攻撃がビデオの逆再生のように巻き戻され、
結果「最初から何もしていない状態」のままになっていたという現象を引き起こしている。

攻撃面ではその「ゼロ」に戻す力を敢えて相手に与える。
G.E.R.のこの力によって殺された相手は「死ぬ」という「結果」に辿り着くことを許さず、
「ゼロ」=死ぬ前の状態へと「戻される」。
ところが、「結果」に辿り着けなくても「死ぬ」という運命を変えることはその時点で不可能になっているため、
「『死ぬ』という結果に向かっては戻される」ことを永久に繰り返してしまう。
要するに、こいつに殺されると永遠に「死に続ける」ことになる。決して終わりはない。

「オマエは………ドコへも……向カウコトハナイ(・・・・・・・・)………」

ただしこの能力は自我を持ったG.E.R.の意志が起こしているため、本体のジョルノはこの「真の能力」を知ることはない
(「何が起きたか」は漠然ながら理解できたようであるが)。
上記のディアボロの攻撃を無効化した際も、時間が巻き戻る様子を知覚できたのはディアボロ本人とG.E.R.のみである。
数あるスタンドの中でも特に異質な存在で、能力の性質上パワーやスピードというパラメータが意味を成さなくなるためか,
それらの評価は全て「なし」という表記になっている。
断片的に見せた力では、GEの頃より基礎的なパワー全てが大きく上がっていることが分かるのみである。

ジョルノの意思で完全に制御できないなどの不安定な点を考慮するにしても、
あまりにもチートすぎる能力であるため、「最強のスタンドは?」といった話題には必ず名前が挙がるスタンドである
(第7部の牙(タスク)ACT4などと並び通常のスタンドとは別枠として外されることも多いが)。


「終わりがないのが『終わり』
                    それが『ゴールド・ E ・(エクスペリエンス)レクイエム』」

+ 「ジョージ・ジョースター。仲間が失礼しました」
舞城王太郎氏による小説『JORGE JOESTAR -ジョージ・ジョースター-』には36巡後の世界のジョルノ・ジョヴァーナ(汐華初乃)が登場する。
他の「36巡後の世界の住人」は1巡目とは生い立ちや立場、口調(作者の違いもあるが)、スタンドなどが異なっているが、
彼は1巡目のジョルノとは名前が多少違う以外の差異があまり無く、スタンドも同様にゴールド・エクスペリエンス。
しかもレクイエムを意図的に使いこなしている。
その容姿を主人公は「九十九十九と並ぶくらい美しい男」「全身から何だか眩い風が吹き出しているよう」と内心で評価している。

+ その正体…?
G.E.R.で自分の死を無効化し、生でも死でもない時空を生き延びて36巡後の宇宙に辿り着いた「1巡目のジョルノ」本人
その動機は父さんの役に立ちたい、父さんになりたいがため。
最終的には紆余曲折の末タイムトラベル(宇宙の一巡ではなく純粋な時間遡行)を果たし、
ディオの魂を半分譲渡されDIOと化して承太郎達に倒される身代わりになるという形で望みを叶えた。

原作の後日談とするにはあまりにもあんまりな末路である。
しかし動機に関しては、その行動とDIO化直前に遺したダイイング・メッセージが結果的に主人公を救ったことから、
主人公は自分を助けるために身を投じた勇気から来た行動と受け取っている。
そもそも「1巡目の宇宙」からして死ぬはずだった人物が生存したりと原作から乖離しているため、
原作とは無関係な並行世界の出来事と考えるべきなのかもしれない。

+ ジョジョファンあるある話題について
さて、ジョジョ読者諸兄ならば一度は考えたことがあるであろう話題について少し語ろう。
「承太郎の『スタープラチナ』とジョルノの『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』、そしてジョニィの『タスクACT4』はどれが一番強いのか?」
という問題である。

歴代ジョジョのチート能力を代表する上記3種について簡潔に纏めると、
  • スタープラチナ
基礎スペック(ステータス)が最強レベル。加えて5秒ほど時を止められる。
近接格闘最強だが逆に言えば格闘以外のことはできない(MUGENで言う所の即死攻撃や無敵などは持たない)。
  • G.E.R.
基礎スペックが非常に高い。生物を生み出せる。加えてジョルノに対するあらゆる攻撃を無効化する。
防御に回れば無敵の能力だが、この状態になるためには矢でスタンドを貫くというハイリスクな行為を必要とし、加えて時間制限がある。
  • タスクACT4
基礎スペックはまあまあ高い。射撃・飛び道具に特化。加えて撃ったら自動で相手を追尾する即死効果付き。
撃った弾は凶悪性能であるが、本体は無防備なので防御は自前でやる必要があり、しかも弾には自爆の危険性もある
というようになり、いずれも一長一短でそれぞれ弱点を抱えている。

承太郎vsジョルノの場合は、ジョルノが矢を刺すより前に承太郎が時を止めてブン殴ってしまえばレクイエム化を阻害できる
(MUGENならストライダー飛竜のウロボロスを発動前に殴って止めるような感じ)が、
事前に矢を刺して来た場合は承太郎側の対処手段は逃げの一手となり、
レクイエムの制限時間が来て矢が自然に抜けるまで逃げながら待つしか無くなる。
ジョルノvsジョニィの場合は、タスクACT4の爪弾(黄金の無限回転エネルギー)をG.E.R.が無効化できるかどうかが焦点であるが、
これに関しては半公式作品である『ジョジョASB』や『ジョジョEOH』で既に答えが示されており、
結論から言えば「無効化できる」。爪弾は発射前の状態まで巻き戻され無効化されるのだ。
無限のエネルギーと言えど「無限-無限=0」だから。
ジョニィ側の勝機はレクイエム化が途切れた瞬間を狙えるかどうかにあるだろう。
承太郎vsジョニィの場合は、恐らく7部におけるジョニィvsDioと同じような感じになるであろう。
ACT4の爪弾は止まった時間の中でも回転を止めないが、前進自体は止まるので触らなければ無効かつジョニィ本体は無防備。
ただしジョニィを倒しても残った爪弾が絶対殺すマンとして承太郎を追い続ける上に、
爪弾を相殺する手段はジョニィ本人が逆回転の爪弾を撃ち込むという方法だけなので、
Dioがやったように爪弾をジョニィ自身に当てて強制的に打ち消させるか自分の体の一部を犠牲にする必要がある。

以上のことからこれら3種のスタンドは「どれが最強」と結論付けることはできず、「弱点を突けばどれも倒し得る」ということが分かる。
一見すると太刀打ちしようのない能力にもちゃんと穴や隙を用意して攻略の糸口を見つける、荒木氏の卓越した発想力が窺えよう。


MUGENにおけるジョルノ・ジョバァーナ

あまりもの氏が製作した2種類のジョルノとMr. Giang氏による改変版の3体が存在する。
作られる以前もDIOがメインのストーリーに非戦闘員として登場している。

+ あまりもの氏製作
  • あまりもの氏製
DIOなどをベースに手描きで製作され、他のジョジョキャラのように本体モードとスタンドモードを搭載。
ボイス、システムや演出はPS2用ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風』のものを基本にしている。
ゴールド・エクスペリエンスで植物の根っこを産み出して攻撃したり、トビウオを産み出して攻撃したりする設置系キャラ。
必殺技では「無駄無駄無駄無駄」と相手を殴りまくり、接近戦もこなせる。
カットインなどの演出も一通り作り込まれており、ゲージ技を連続使用することで7ページ無駄無駄ラッシュも再現可能。
改変やAI作成は自由とのことで、デフォルトのAIは無かったが氏自身によるAIが公開された。
森ノ中氏製作の外部AIも公開されている(最新版未対応)。
森ノ中氏AI

2012年10月の更新により全体的に仕様が変更された。
具体的には本体の一部とゴールド・エクスペリエンス全体の画像が描き直され、ボイスも追加された(SNDファイルの容量は8MBから4MBに削減)。
また『黄金の旋風』で使っていたてんとう虫やカエルを生み出す技が追加された他、一時期削除されていたストライカーのミスタが復活。
さらに一部キャラに対する特殊イントロが搭載された。
その後の更新で氏自身によるAIも搭載された。

+ あまりもの氏製作 レクイエム版
  • あまりもの氏製作 レクイエム版
また、同じくあまりもの氏によりレクイエム版も公開された。
原作のチート能力は一部技で使用するだけで、基本的には通常版の性能を強化したものとなっている。
+ 主な変更点(readmeから抜粋)
  • 体力がかなり低い(通常版のおよそ80パーセントほど)
  • タンデムの性能が変更されている
  • 一部コンボが繋がらなくなった(無駄無駄から木の根など)
  • 新しく使えるようになった技、逆に使えなくなった技がある。
  • スタンドモード時の攻撃力が全体的に上昇している
  • スタンドモード時の技の発生が全体的に速くなっている
  • スタンドモード時の技の判定が全体的に強くなっている
  • スタンドモード時の機動力が上昇している
  • スタンドクラッシュしにくい
  • ダウンの取れる技が増えている。
  • フーゴからの激励が無い

11Pは強化モードであり、スタンドモード時攻撃力が1.5倍、かつ常時周囲に攻撃の意志をゼロにする当身を展開する原作風性能。
ただしスタンドモードにしているだけでタンデムコマンド待機時並の勢いでスタンドゲージが減っていく。AIは未対応。
12Pは超強化モードで、常時スタンドモードの上周囲に展開される当身が成立した瞬間に自動で一撃版無駄無駄ラッシュを叩き込む。
また実質ゲジマユ級の超高速ゲジマシと攻撃力3倍(ついでにサソリガー不化)が付き、誰でもボスの気持ちになれること請け合い。
ただしこの当身は極めて強力だがアノマロカリスキラーではないため、
元々紙な上当身しか防御面の強化がない分当身されにくいHitdef持ち相手には極端に弱い。ランク的には狂中位~上位か。

+ Mr. Giang氏製作
  • Mr. Giang氏製作
上記のジョルノを改変したもので、新MUGEN専用。
現在は氏のMUGEN活動引退に伴い公開先のファイルは削除されているが、
氏の許可を得た有志の手によってMediaFireに転載されており、ギルドなどからジャンプが可能。
MUGEN1.0版と1.1版がそれぞれ存在。UnoShe氏の「Uno Tag System」にも対応済み。
特殊仕様として相方がブローノ・ブチャラティだった場合、HPを500与えて生き返らせることができる。
大きな相違点としてはボイスはアニメ版のものを使用している(一部ASB・EoHの浪川氏のボイスあり)こと、
ゲージ消費のコマンド技で通常版からレクイエム版に変身できることが挙げられる。
並キャラ相手ならいい勝負を演じるAIがデフォルトで搭載されている。
その他詳細な説明は下記の動画の紹介文にあるため確認されたし。
紹介動画


「覚悟とは!!暗闇の荒野に!!
                    進むべき道を切り開くことだッ!」

出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
更新停止中
凍結
削除済み
非表示

出演ストーリー



*1
ジョルノの母親がDIOの「食料」にされずに生き延びた理由として、作者の荒木氏は
「承太郎がDIOを倒したから生き残ったんでしょう」と、ゲーム版の攻略本インタビューで語っている。
そういう意味では、間接的とはいえ承太郎達はジョルノの命を救ったとも言える。
しかし、承太郎がDIOを倒した時ジョルノは2歳あたりなので、なんでそんなに放置してたんだという謎は残るが
小説『OVER HEAVEN』では、DIO自身の幼少期の環境が故に実験的な意味も兼ね、
意図的に「悪女」的な女性を選んで子供を身籠らせて解放した、と解釈されている。

*2
ジョルノが目指しているのは、ギャングはギャングでも立場の弱い者を傷めつけて奪い取るようなゴロツキの類ではなく、
警察が腐敗で役に立たない社会においてアウトローの立場から社会の秩序を守り
警察が対応しない、あるいは対応できないようなトラブルを独自に解決するという、
日本で言うところの「任侠の徒」のようなタイプの存在な訳だが、
「ギャングスター」(gangster。「~star」ではない)という言葉自体には別に全然そういうニュアンスは含まれない。
単に「不良集団や犯罪組織の一員」というだけの意味であり、
ゴロツキの類のようなタイプのギャングを指しても使われる(と言うか普通はそっちを指す)言葉なので、
もし使用する機会があれば用法に注意。
なお、原作で使われたのは「ジョルノはセリエAのスター選手よりギャングスターに憧れるようになった」という部分だけであり、
即ち「サッカーのスター選手よりもギャングの一員に憧れるようになった」……
別にどこもおかしくない。荒木先生が間違えたわけでも多分ない。
そもそも単に「スター」で韻を踏んだだけなのかもしれない。だから何、気にすることはない

*3
後日談となる小説『恥知らずのパープルヘイズ』では、
パッショーネの首領となったジョルノは「ボス」と呼ばれるとディアボロと被るからという理由で
部下たちに自分を「ジョジョ」という愛称で呼ばせている。
+ 何故一番の新入りが首領に?
何故一番の新入りが首領になれたのか、ということだが、これはディアボロが身の安全のため正体を隠していたのを逆に利用し、
「初めから組織のボスはジョルノであったが、あまりに若く、それ故にいらぬ反感を買うのがいやさに正体を隠していた」ということにして、
「裏切り者が出て無関係の娘(トリッシュのこと。勿論実際のボスであったディアボロには関係があったのだが)まで
 巻き込まれる抗争に発展しかけたので、もはや隠している理由がなくなり正体を明かした」という体裁をとったものである。

*4
ただしジョルノはこれ以前、パッショーネの入団テストを受けていた時、
幹部のポルポの自動遠隔操作スタンド「ブラック・サバス」が放った「矢」から成り行きで現場に居合わせた広瀬康一を庇った際に、
(スタンドをではなく肉体をではあるが)「矢」で傷つけた経験がある。
レクイエム発現の「スタンドを貫く」という条件は満たしていないものの、これが引き金になってG.E.の能力が変化し始めた
(前述の「攻撃反射能力」と 「感覚だけを暴走させる能力」の喪失、「治癒能力」の獲得)という考察をする読者もいる。


最終更新:2024年01月02日 21:46