ガドーの日記
俺はガドー、だと思う。ダークトロウルで、我らがカイガー・リートールのルーン王、カーグの息子だったものだ。
ものだ、とう言うのは記憶を失っているせいだ。俺には嫁も、仕える女祭もいたはずなのだが、何も思い出せない。
今仕えている、というか養われている人間の集団の女祭が言うには、俺は道端でゴープに包まれていたところを助けられたらしい。
思い出せないが、昔あったカーグ様との繋がりが感じられない。もはや俺はカーグの息子ではないのだろう。
まあそれでもいい。
俺は年老いた。新しい若いウズコに地位を譲るべきだろう。
もはやいつ死んでもいいわけだが若い人間に助けられた。
人間とはいえ、老いたものは若いものを助けるべきだろう。ウズに仕えるものが出るかもしれぬ。
そうして一年が過ぎたある日のこと。
わしは人間たちとぬかるんだ土地を歩いていたところ、スコーピオンマン共に襲われた。
わしらのでは周りは大概潰したつもりだったが、まだいたのか。それともまた違う者共が来たのか?
4人ほどだったが、二人潰したところで相手が逃げ出した。
人間の死の王と追いかけて潰したが、女祭が怒った。なぜだ??