ガドーの日記
ある日のこと
日が出ると目覚める。昼夜逆転だが、子どもたちがそう動くので仕方がない。軽くモールをふるい、散歩に出る。ん?道標に礼拝所はこちら、という記載がある。暗黒語でかすかに刻んであるので、ウズ(注1)にしかわからぬな。礼拝ができるのならやるべきだろう。
岩肌に刻まれた道の途中に、窪んだ場所があった。ムンロ(注2)が寝ている。小突いて起こして、お祈りをさせてもらう。
「 戦士よ、起きなさい。」
寝ていたらしい。振り返るとこの礼拝所を管理しているらしい女祭がいた。
しばし話す。いきなり現れたわしが気になるらしい。どこのものか?送ってくれるものはいるのか?記憶が曖昧なので適当に答える。子どもたちの集団に世話になっているので、その子達が送ってくれるだろう、と。
そしてそのまま礼拝に参加した。
あくる日のこと
子どもたちが女祭に会いたいというので、案内したところ、不在だった。あの礼拝所は聖日付近にしか開かないのだろう。帰りにごろつきに襲われたが、あっさり子どもたちに降伏していた。角は連れて行くつもりのようだ。面倒事にならねばよいが。
別の村にて
子どもたちと移動中に立ち寄った村で、ぶらついていたら、あのごろつきたちがメスを脅していた。仕方がないので首を掴んで連れて行こうとしたところ、更にメスたちが騒ぎ出した。はて?ルナー駐屯地にて
騒ぎになったせいで、ルナー駐屯地に連れてこられた。角と人間が話していると、恐ろしい気配がした。情けないことに震えが止まらない。恐ろしい気配はルナーの鎧姿の戦士であった。この辺では全く見ない、全身が金属に覆われたスタイルだ。もっと北のグラマーあたりで見るだろうか。
鎧戦士と角が戦うことになった。角が心配だ。鎧戦士に一撃入れたものの、その後はいいところがなく、逆に頭に一撃を食らって角は倒れた。いかん。
急いで駆け寄り、《傷の治癒》をかけた。まだ意識は戻らないが、ひとまず死ぬことはない。
その時、何かが飛んできて、体に少し傷が入る。ちらっと飛んできた方を見るとストゥアワームがいた。なぜだ?
考えてる暇はない。角を担ぎ、壁へ走る。角をおろし、ちびちゃんに任せる。振り向いてストゥアワームに立向かう。モールの一撃がとてもいいところに入り、ストゥアワームを仕留めた。
ストゥアワームを腹に入れる。混沌は倒したら食うものだ。子どもたちにも勧めたが、要らぬと言う。食べねば強くなれぬと言うのに。
注1 トロウル種族のこと。
注2 トロウルキンのこと。