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絆ルール ver1.31(2018/01/27)


目的

 絆とはキャラクターと社会との関係を表す追加ルールです。
 絆ルールを導入すると、キャラクターがどうやって収入を得ているのか、日々何をして過ごしているのか、そういうキャラクターの日常を鮮やかに立ち上げることができます。

 絆ルールは ルール/キャラクター作成/キャラクター作成ルールver5を使用することを前提にしています。異なるルールで作成したキャラクターに対する適用は「5.さまざまな状況-既存キャラクターへの絆ルール適用」に従います。

  1. 絆の作成
  2. 名声値の価値と使用
  3. 社会生活を営む
  4. 富裕度
  5. さまざまな状況

1.絆の作成


 キャラクターは通常【クラス】【カルト】【家族】【憩い】の4つの絆を持ちます。
 絆はそれぞれ「貢献成功率」「名声値」「反感値」を持ちます。

 「貢献成功率」は各絆に「貢献技能セット」として割り当てた5つの技能から算出します。
 セットに含めた技能の成功率5%につき貢献成功率に1%を加えます(技能分野修正値を含みます)。
 5つの技能のうちひとつは能力値で代替することができます。その場合、能力値1点につき貢献成功率に1%を加えます。
 算出した貢献成功率に対してD100をロールすることを「貢献判定」と呼びます。

貢献判定と貢献ポイント

貢献判定表
成功度 名声値
決定的成功 +3
効果的成功 +2
成功 +1
失敗 0
ファンブル 反感値+1D6
 キャラクターは週に3回、絆を選んで貢献判定を行い、成功度分の「貢献ポイント」を獲得できます。
 ファンブルすると「反感値」が1D6ポイント上昇します。

 貢献ポイントは、その絆の「名声値」に加算するか、その絆から提供されるサービスに消費するかを選択できます。
 名声値が高まると、絆の示す集団内での評価や地位が上がります。
 長期間貢献しなければ名声値は失われ、名声値と反感値が同じ値になると集団から排斥されます。

反感反応

 社会集団において、一定の責務を果たさない場合、反感が増加することがあります。これを「反感反応」と呼びます。
 反感反応は絆の性質によって異なります。下記の3パターンが代表的なものです。
妬み(X) 週にXポイントを超えて名声値を上昇させた分、反感値が上昇。
【クラス】など。
例えば、【クラス】で週に4貢献ポイントを獲得し、1ポイントを生活費に支払い、3ポイントを名声値に加算すると、反感値が2ポイント上昇します。
貢献ノルマ(X) 貢献判定をX回しない週は反感値が1ポイント上昇。
【憩い】など。
名声ノルマ(X) 名声値がX週増加しないと反感値が1ポイント上昇。

基本的な活動パターン

 3回の行動のうち【クラス】で1回成功するまで、【憩い】を1回、余ったら他の絆、というのが標準的な生活パターンになります。
 【クラス】の貢献成功率が低いキャラクターは、【憩い】を犠牲にして【クラス】に3回割り当てる必要があるかもしれません。

絆の初期名声値と性質

クラス
 【クラス(名称)】は住居・仕事・親類・友人・市場など、「キャラクターの日常生活を取り囲む社会と人々」を表す特別な絆です。
 名称には「サーター自由人」「エスロリア貴族」「ソグシティ乞食」「アガー農民」など、地域と社会階層を含めます。

貢献技能 プレイヤーはキャラクターが生計に主として使用する技能5つを割り当て、マスターにキャラクターの日常を説明し、承認を受けます。
クラスの名声値はキャラクターの生活費として週に1ポイントづつ低下します。そのため、キャラクターは毎週クラスへの貢献判定を1~2回するのが一般的です。
初期名声値 経歴年数×貢献成功率の1/10(切り捨て)
反感反応 妬み(1)

カルト
 【カルト】は精霊・神聖・魔道を問わず、宗教・思想・魔術によって結びついた集団との絆です。

貢献技能 カルト技能から5つを選択します。
初期名声値 25+貢献成功率の1/10(切り捨て)
反感反応 妬み(1)
その他 入信者は30、司祭は50、ロードは70の名声値が必要です。不足する場合は地位を追われます。

家族
 【家族】は直接の血族、育ての親など、キャラクターの「できること」ではなく「生きていること」に重きを置く人々との絆です。

貢献技能 〈自国語〉必須。他の4つは概ね自由。
初期名声値 50+20歳を下回る1年につき+5(最大50)
反感反応 なし

憩い
 【憩い】はキャラクター自身への満足感です。

貢献技能 憩いの技能セットに割り当てた技能は他の絆に割り当てることができません。憩いにAPPを割り当てると、10を超えた値を3倍にして計算することができます。APP16ならば、(16-10)*3=18%を貢献成功率に加えられます。APPが18ならば24%になります。APPが20で30%、20を超えた分は21なら30+1で31%、22なら30+2で32%と、1づつ加算します。
初期名声値 100
反感反応 ノルマ(1)
その他 【憩い】の反感値が名声値を超えるとキャラクターは心身に不調を起こします。「メンタルダメージ」の項で詳述します。
【憩い】の貢献ポイントは名声値を上げる代わりに反感値の引き下げにつかえます。また、活動ポイントを放棄すると憩い反感が1ポイント下がります。

2.名声値の価値と使用

名声値 評価
30 正規メンバー
50 一人前
70 優秀
90 リーダー格
 名声値はキャラクターが集団からどれだけ仲間であると思われているかを示します。
 一般的な集団であれば名声値30で仲間と認められ、50で一人前、70で優秀、90でリーダー格と評価されます。

なぜ通貨ではなく名声値を使うのか

 名声値はキャラクターに「信用」を与えます。
 集権的な権力や警察能力のない世界では、通貨は価値を担保できません。物資も生命も常に他者からの略奪の危険にさらされています。
 足元を見られれば価格は何倍にもなりますし、安全を維持するにはコストがかかります。
 名声値は適正な交換や安全のコストを織り込んだうえで、キャラクターが使える財産として働きます。

生活費

 クラスの名声値1ポイントはキャラクターの1週間の生活費に相当し、1週間に1ポイントづつ低下します。
 名声値30の人間が病気で倒れたとき、所属クラスは30週間はどうにか面倒を見てくれるということです。
 クラス集団内で生活する場合、衣食住や仕事の有無を考慮する必要はありません。

サービスポイント

 標準的な生活以上に何らかの物資やサービスを必要とする場合、名声値を「サービスポイント」に変換して入手する必要があります。
 名声値1点はサービスポイント1点と等価です。
 絆のサービスポイント1点は、その絆の標準的な構成員による一週間分の労働です。
 サービスに必要な名声値の目安は「サービス表」を参照します。

サービスの提供者

 サービスを提供するのは絆の構成員です。
 例えば、【カルト(チャラーナ・アローイ)】に剣の訓練を依頼することはできません。
 クラスのサービスポイントはその地域で一般的に売買されている物品やサービスであれば、通貨のように使用できます。
 絆ルールを用いる場合、キャラクターが入手した通貨はいったんサービスポイントに変換してから使用します。

サービスポイントを使用する

 その週に貢献判定で獲得した貢献ポイントはそのままサービスポイントとして消費できます。
 ひとつの絆につき、週に1名声値を1サービスポイントに変換して消費できます。
 ひとつの絆から週に2ポイント以上の名声値をサービスポイントに変換するには「名声判定」が必要です。
 入手の確率が限られる場合、1ポイントであっても名声判定を必要とすることがあります。

名声判定とサービス

成功度 評価
決定的成功 2段階向上
効果的成功 1段階向上
成功 サービス表通り
失敗 提供されない
ファンブル 反感値+1D6
 名声判定を行うには、まず判定で消費する名声値を宣言します。
 消費前の名声値から反感値を引いた値を成功率としてD100をロールします。

 成功すれば消費した名声値をサービスポイントとして使用できます。
 効果的成功はサービスの質・量・速度のいずれかを1段階向上させます。決定的成功は2段階向上させます。
 失敗すると名声値は消費されますが、サービスは行われません。
 ファンブルすると失敗の結果に加え、さらに反感値が1D6増加します。

 名声判定は絆にアクセスできる環境であれば、いつでも、何度でも行えます。ただし、サービスの提供には相応の時間がかかります。

【憩い】と名声値の消費限界

憩い 消費限界
0-9 0
10-29 1
30-49 2
50-69 3
70-89 4
90- 5
 名声値の低下は集団内でのキャラクターの扱いの変化として現れます。急速な名声値の低下はキャラクターの心情を不安定にします。
 【憩い】による1週間の消費限界を超えて名声値が低下すると、そのポイント分【憩い】の反感値が増加してしまいます。
 その週に獲得した貢献ポイントをそのまま消費する場合、名声値の低下とはみなしません。

サービスポイントの消失と積み立て

 貢献ポイントやサービスポイントは、名声値にしない限り週を越えると失われます。
 高価なサービスは、サービスを定めてポイントを「消費した」ものとして積み立てることで入手します。対象を定めずにサービスポイントを積み立てることはできません。

サービス表

判定 消費 サービス
- 1 一般的な技能30%までの8週間の訓練(40trp)
- 1 一般的な技能50%までの4週間の訓練(20trp)
- 1 専門家(技能30%)一人の1週間の協力(3行動)
- 1 中級専門家(技能50%)一人の1回の面談(1行動)
- 1 自分のカルトの神性呪文1個を回復
- 3 3週間かけて3ポイントの物品を買う
- 1 自分のカルトの精霊呪文強度1を取得
- 3 自分の氏族の祈禱師から3週間かけて精霊呪文強度1を取得
- 6 6週間かけて自カルトの精霊呪文強度6を取得
1 一般的な技能70%までの2週間の訓練(10trp)
※70%まで教えられる教官は珍しい。
1 一般的な技能90%までの1週間の訓練(5trp)
1 珍しい技能30%までの4週間の訓練(20trp)
※極端に珍しいものは個別に判断。
1 専門家(技能30%)から8週間の訓練(40trp)
2 中級専門家(技能50%)一人の1週間の協力(3行動)
2 上級専門家(技能70%)一人の1回の面談(1行動)
3 最上級専門家(技能90%)一人の1回の面談(1行動)
2 1週間で2ポイントの物品を買う
2 1週間で2ポイントの神性呪文を回復
3 上級専門家(技能70%)一人の1週間の協力(3行動)
4 最上級専門家(技能90%)一人の1週間の協力(3行動)
- 3 3週間かけて3ポイントの物品を買う

絆の関連係数とサービス

 氏族と主神のカルト、パンテオン内の友好神殿、警察と裁判所のように、集団が密接に関わっていることがあります。集団が関連する度合を絆Aと絆Bの「関連係数」と呼びます。
 絆と絆の関連係数は必要になった時点で「関係性の例」に準じてマスターが決定します。

 キャラクターはサービスを受けたい集団に対する直接の絆を持っていなくても、自分の持つ関連する絆を使用してサービスを要求できます。
 キャラクターはまず使用する絆を選び、サービスポイントを獲得します。
 その後に、関連係数を成功率とみなしてD100をロールし、成功すれば相応のサービスが提供されます。
 失敗するとサービスの提供は1週間保留され、サービスポイントは1点低下します。
 翌週以降、再度関連係数を判定し、サービスポイントが残っていれば、相応のサービスが提供されます。
絆の関連係数の指針
係数 仲裁 絆の関係性の例
80% 4 互いの帰趨が存続に直結する。氏族とその主神カルト。
60% 3 利害がほぼ一致する。友好カルト、君主国家とその役所等。
40% 2 利害が相反することも多いが、一致しうる。隣国の貴族クラス等。
【憩い】は全ての絆にこの係数を持つ
20% 1 関連がないわけではないが、形式程度。
0% 0 無関係か敵対関係

仲裁で反感を引き下げる
 絆Aに対してとりなしを依頼して、関連を持つ絆Bの反感値の引き下げることができます。
 絆Aの名声値を5点消費すると、絆Bの反感値は「仲裁」分低下します。関連係数の判定は不要です。
 ただし、絆Aと絆Bの貢献技能セットに同じ技能が含まれる場合、同じ技能ひとつにつき消費しなくてはならない名声値が1ポイント増加します。

メンタルダメージ

 【憩い】の反感値が名声値を超えた値を「メンタルダメージ」と呼びます。

  1. キャラクターの疲労の上限値はメンタルダメージ分低下します。
  2. 【憩い】以外への貢献成功率はメンタルダメージと同じ値のペナルティーを受けます。
  3. メンタルダメージを負った状態では、週に1点、必ず憩いの反感値を引き下げなくてはなりません。
    貢献判定で反感を引き下げられない場合、他の絆による仲裁が強制的に発生します。複数ある絆からどれを選ぶかは自由です。

絆と疎遠になる

疎遠表
名声値・反感値 減少量
9以下 1
10~29 2
30~49 3
50~69 5
70~89 8
90~109 13
 貢献を行わなければ、キャラクターと集団との関係性は自然に薄れていきます。
 憩いも例外ではありません。人間は常に自分に対するケアを必要としています。

 すべての絆の名声値と反感値は年に1回、聖祝季に疎遠表に従って低下します。
 名声値が110以上の場合、20%(切り上げ)低下します。

絆からの借り入れ

 絆に対して要求することで、物品等の借入を受けられることがあります。
 貸し出された物品等は、貸出ポイントを持っています。
 貸出ポイントは貸出元の絆の反感値に足して扱います。仲裁で減らすことはできません。
 反感値が名声値を超えた場合、貸し出された物品は没収されます。
物品等 貸出ポイント 貸出基準
物品 名声値1相当につき1 名声値30
魔術物品 POW1相当につき5 名声値50
同盟精霊 20+経歴年数1年あたり1 名声値70

能力値や技能の喪失

 能力値を喪失した1ポイントにつき、キャラクターの憩い反感は+5されます。
 神聖呪文の取得や自分のための呪付など、自分と強く結びついたものはその時点では能力値の喪失とは感じません。
 一回限りの呪文を消費したり、呪付が破壊されたり、他人に譲り渡した場合は反感が上昇します。
 技能を喪失する状況はレアですが、技能5%につき憩い反感が+5されます。

絆ルールに関する質疑応答

Q.名声値を週に2ポイント以上使用するのに判定が必要なのはなぜ?
A.名声判定には価格の妥当性の検証も含まれています。自分の週の収入を超えるような買い物ですから、年収500万の人の10万円です。100万の車を買うならじっくり時間をかけて雑誌を読んでディーラーをまわり、10週間ぐらいは車の購入に1点づつ割り当てましょう、ということです。住宅ローンは……名声判定してますよね……。

Q.週に2ポイントのサービスを受けたい。名声値2ポイントの消費を宣言して効果的成功が出た。消費を1ポイントにして2ポイントの提供を受けてよいか。
A.必ず2ポイントが消費され、3ポイントのサービスが提供される。サービスの向上は相手の忖度でコントロールすることはできない。

Q.2ポイントのサービスを受けたい。1ポイントを自動成功扱いで受けて、もう1ポイントを名声判定することができるか。
A.できる。成功率を1%高くするために、成功するまで名声判定を行ってから、最後に1ポイントを自動消費することもできる。

Q.名声値32、反感値11で30ポイント分のサービスを受けたい。30ポイントを消費すると宣言できるか。
A.できる。成功率21%で名声判定に成功すれば30ポイント分のサービスが提供された上で、名声値2/反感値11となり、絆から排斥される。

Q.名声値50、反感値6で10ポイント分のサービスを受けたい。いきなり10ポイントを消費するとリスクが高いので5ポイントづつ判定できるか。
A.できる。途中の効果的成功や決定的成功に期待して1ポイントづつ判定しても良い。判定を分割したことで時間が余分にかかることはない。ただし判定のたびに成功率が下がるので、ファンブルのリスクがあるのを忘れずに。

3.社会生活を営む

時間の経過と貢献判定による技能成長

 キャラクターは貢献判定1回ごとに、貢献技能セットに含まれる技能1つに経験値1ポイントを加算できます。
 判定に失敗していても経験値は獲得できます。経験値はexpと表記します。

 1expはルーンクエストのルールにおける研究10時間とおおむね等価です。
 絆ルールでは「経験/訓練値表」に従って技能を5%刻みでexpに読み替え、経験値の上昇に従って5%刻みで技能値を上昇させます。

 例えば、「技能値30%」は経験/訓練値表を見ると「38exp」です。
 さらに16expを獲得すれば累計で「54exp=技能値35%」に上昇します。

 技能値は5%刻みで評価し、余った1%~4%は上昇後の技能にそのまま加えます。
 経験チェック等で技能値が上昇した場合、上昇前の余剰expを上昇後のexpに加えます。
例:技能値33%は経験値換算で38expです。キャラクターは貢献判定によってこの技能に46expを貯めていたとします。
冒険による経験チェックで技能が3%上昇して技能値は36%になりました。
36%は経験値換算で54expなので、経験値は上昇前に余剰だった8expを足して62expになります。

 貢献判定による成長ではひとつの技能には週に1expしか振り分けられません。
 通常は3回の貢献判定で獲得した3expを異なる3つの技能に振り分けます。

経験/訓練値表
技能 exp(+5) trp(+5) 能力値
5 0(3) 0(+3) 1
10 3(5) 3(+4) 2
15 8(7) 7(+6) 3
20 15(10) 13(+8) 4
25 25(13) 21(+9) 5
30 38(16) 30(+11) 6
35 54(21) 41(+13) 7
40 75(25) 54(+14) 8
45 100(31) 68(+16) 9
50 131(38) 84(+18) 10
55 169(46) 102(+19) 11
60 215(57) 121(+21) 12
65 272(71) 142(+23) 13
70 343(90) 165(+24) 14
75 433(119) 189(+26) 15
80 552(164) 215(+28) 16
85 716(248) 243(+29) 17
90 964(464) 272(+31) 18
95 1428(654) 303(+33) 19
100 2082(-) 336(-) 20

研究

 キャラクターは貢献判定を1回放棄して、任意の技能に1expを獲得できます。研究できる技能・能力値は基本ルールに従います。
 対象の技能が貢献技能セットに含まれる場合、貢献判定をしたほうが効率的です。

訓練

 訓練は上級者の指導を受けることで研究よりも効率的に技能を成長させることができます。訓練できる技能・能力値は基本ルールに準じます。
 訓練によって得られるポイントはtrpと表記します。
 trpについてもexpと同じように技能を読み替えて計算します。trpとexpは交換できません。別々に計算します。
 キャラクターがサービスとして獲得したtrpを使うには、1trpにつき貢献判定を1回放棄する必要があります。

 初期値00の技能は5trpで05%を獲得します。

研究・訓練への集中

 クラスの義務を放棄して技能の習得に没頭することは、グローランサの余剰生産力では一般的ではありません。
 しかし社会生活を顧みずに自分の課題だけを追求する狂信的な個人はたびたび現れます。

 1週間の3回の行動すべてを放棄して研究・訓練に集中することで、ひとつの技能に5ポイントのexp/trpを加算することができます。
 時間が完全に拘束されるため、必然的にクラス名声が-1、憩い反感が+1されることになります。
 加えて、訓練の場合はサービスによってtrpを獲得してから行動回数を割り当てる必要があります。「サービス表」を参照して下さい。

冒険行

 経験に応じた絆(通常は「野外接敵あり」)を作成します。
 冒険の内容をマスターと相談し、内容に応じてマスターが難易度を1から5で定めます。
 難易度と同じ数の貢献判定を行え、expもその数だけ得ることができますが、憩い反感も難易度分上昇します。
 行動回数が3に満たない場合、他の絆に貢献判定を行うことができます。
 ファンブルはクラス名声もしくはカルト名声を1D6点低下させます。

 冒険行では貢献技能セットにPOWを追加した場合、POWに成長ポイントの割り当てができます。
 POWは他の能力値と異なり、10expで1ポイント上昇します。憩いの名声値20%につき、必要なexpを1引き下げることができます(最大5)。

長期一括処理

 行動回数8回を1単位として扱うことで、長期間の変化を一括で処理することができます。
 例えば8週間を処理するには行動回数24回を絆ごとに割り振ります。

 行動回数8回を割り振った絆は自動的に名声値が貢献成功率の1/10(切り捨て)上昇します。
 加えて、望むなら貢献判定を1回行ってその成功度を加えることができます。
例:8週間で24行動をひとつの絆に割り振って貢献成功率が60であれば、名声値は+6×3=18ポイント上昇します。
 しかし、8週間で18ポイント上昇させてしまったので、反感値も10ポイント上昇することになります。
 【クラス】であれば生活費として8ポイント消費するので、名声値の上昇は10ポイント。その場合は反感値の上昇は2ポイントに抑えられます。
 いずれにせよ【憩い】に時間を割いていないので、憩いの反感値は8週間分で8点上昇します。

4.富裕度

 絆ルールは大多数の人々は自分と同じ経済階層の相手とだけ交流することを前提にしています。
 実際には食べているもの、身に着けているもの、住んでいる場所はクラスごとに異なります。
 これを「富裕度(略記はLV)」と呼び、下記の表に準じます。
富裕度と生活水準
LV 名声値1点の価値(L) 年収など クラスの例
1 4 賤民24万円/年=6L/週 奴隷、乞食、流民、ごろつき
2 20 下流120万円/年=30L/週 小作、牛飼い、職人
3 100 中流600万円/年=150L/週 蛮族の貴族、司祭、名士。君主国家の裕福な平民
4 500 上流3,000万円/年=750L/週 君主国家の官庁、大地主、下級貴族
5 2500 貴族1億5,000万円/年=5000/週 君主国家の貴族
6 12500 王族7億5,000万円/年=25,000L/週 君主国家の王族

 サーター程度しか階層分化していない社会であれば、クラスは通常【氏族名】で表され、LV2を適用します。
 奴隷・流民はLV1、有力な司祭や族長の家系などはLV3かもしれません。LV4は本当にまれです。ルナーやエスロリアなどではLV6以上のクラスも見られるでしょう。

 富裕度が異なるクラスは同じ氏族であっても別の集団として扱います。例えば同一氏族であれば【コリマー(LV2)】【コリマー貴族(LV3)】のように表現します。

 絆ルールを用いる場合はルールブックの物品やサービスの価格はLV2相当の参考価格とみなし、キャラクターたちは自分のクラスのLVに合った価値のものを身に着け、食べるものとします。
 収入だけでなく支出も富裕度に応じて上昇します。クラスLV3のブロードソードはクラスLV2のブロードソードの5倍の価格です。貴族が平民の服を着たり質素な食事をしていては、所属するクラスの名声を保つことは難しいのです。
 クラスのLVが4のキャラクターは、日常的な職業や収入がLV3相当だとしても、階層に貢献ロールをすることでどこからかLV4の収入が入り、LV3にしては贅沢な(もしくは質素かもしれないがLV4の体面を保つような)支出をしているのです。

 キャラクターがセッション中に得た通貨や高価な物品は、クラスの名声値に変換しなければ使えません。
 宝物や貨幣を「妥当な価格」で交換する義務は誰にもありません。キャラクターを殺して奪う、騙す、リスクは無数に考えられます。名声値はこうしたリスクを織り込んで評価された「キャラクターにとっての価値」です。

富裕度(LV)の異なる絆

 通常、キャラクターが保持する絆はすべて【クラス】と同じLVを持ちます。
 例えばカルトで【コリマー自由人(LV2)】は【オーランス(LV2)】に、【コリマー貴族(LV3)】は【オーランス(LV3)】に所属します。

 富裕度の異なる集団は日常的に交流しません。
 クラスと異なる富裕度の絆に対してサービスを求める場合、常に名声判定が必要になります。

 名声値の消費、貢献判定への修正、効果はLV差修正表に従って変化します。
 1LV下位への名声判定の効果は5倍になりますが、成否にかかわらず自身のクラスの反感値1ポイントか、対象とした絆の反感値5ポイントが上昇します。どちらを選ぶかはキャラクターが決めます。
 1LV上位への名声判定は名声値を5ポイント消費しなければ効果が出ません。

 差が2LV以上になると現実的ではない悪影響が出ますので、愚か者でなければ関わろうとは思わないでしょう。

LV差修正表
LV差 名声判定 消費 効果 対象の絆の反感値 クラスの反感値
-3 +60 1 ×125 +125 +25
-2 +40 1 ×25 +25 +5
-1 +20 1 ×5 +5 +1
0 0 1 ×1 - -
+1 -20 5 1 - -
+2 -40 25 1 - -
+3 -60 125 1 - -

クラス集団から長期間離れる

 長期の旅行などでクラス集団から離れる場合、キャラクターは生活水準を維持するための一時的なクラス【長期旅行】を設定する必要があります。
 きちんと準備期間があった場合、生活水準を保つのであればクラス5ポイントを長期旅行4ポイントに変換します。生活水準を落とすのであれば、クラス1ポイントを長期旅行4ポイントに変換します。準備期間のない状況では、名声判定をして変換しなくてはなりません。
 旅程の間、【クラス】の名声値と【長期旅行】の名声値の両方を消費する必要があります。名声の維持にはコストがかかるのです。

 また、生活水準を下げた場合、毎週LV差と同じポイントの【憩い】反感値が上昇します。

絆の富裕度(LV)の上昇

 名声値が100に達した場合、キャラクターは1LV上位への名声判定(5点消費、成功率-20)を行って、絆のLVを上げる試みができます。
 判定に成功したならばその絆のLVは1上昇し、名声値は1/5になります。元の反感値はゼロになり、新たに5ポイントの反感値が付与されます。
 対象とした絆以外のLVは変化しません。他の絆のレベルを上げるか、新たに同じレベルの絆を積み上げるかなど、キャラクターは社会との関わりの変化に対処する必要があります。

没落

 クラスの名声値が20を下回った場合、キャラクターはクラスのLVを下げ、名声値を5倍にすることができます。元の反感値はゼロになりますが、代わりに名声値の1/5の反感値が付与されます。
 クラス以外の絆のLVは変化しません。他の絆のレベルを下げることはできません。キャラクターの没落に付き合ってくれる他人はいないのです。
 キャラクターはLV差のペナルティーを受けながら屈辱の日々を過ごすか、新たなLVに相応しい絆を積み上げる必要があります。

例:貴族のジョーンズは庶民の娘エマに恋をし、【エマ(LV3)】として15点の名声値を積み上げました。クラスの差があるため名声判定の成功率は+40されて55%です。
 この段階で名声判定が必要なアプローチを行うならば、自身のクラスから冷たい目で見られる(クラスの反感値+5)か、エマが困って逃げ出してしまう(エマの反感値+25)かの選択になります。
 クラスの名声を失わないためには、せめてエマの名声値を50程度まで積み上げてからプロポーズしたいところです。

LVの違う絆へのサービス要求例
  • 1ポイントで1クラス下(+20)の上級専門家(技能70%)一人の1週間の協力。判定+20、反感値+1。
  • 2ポイントで2クラス下(+40)の最上級専門家(技能90%)一人の3週間の協力。判定+40、反感値+4。
  • 1ポイントで関連係数80の1クラス下(+20)の反感値を4点引き下げる。反感値+1。
上位クラスへのサービス要求は名声判定にペナルティーを受け、名声値をクラス差×5倍消費します。
  • 5ポイントで1クラス上(-20)の専門家(技能30%)一人の1週間の協力。
  • 25ポイントで関連係数60の1クラス上(-20)の反感値を3点引き下げる。

ユーライジル・トラジェディ
 ユーライジルの【クラス】と【監察庁】は関連係数60です。ユーライジルは【監察庁】に対する名声判定が必要になったならば、【クラス:名声48-1消費-反感20=27%】に+20して47%で行うことができます。

 しかし成功しても失敗しても【クラス】の反感値+1か【監察庁】の反感値+5のいずれかを選択しなくてはなりません。【監察庁:名声52-1消費-反感40=11%】でまっとうにロールするのとどっちが良いか、思案のしどころです。

 名声判定は消費し続ければ繰り返し行えるため、ユーライジルは11%に賭けました。ファンブルで-1D6%!
 D6で6をロールしたため、なんと名声値は46%まで下がってしまいました。
 そして、ユーライジルの【憩い】による1週間の消費限界は4点なので、消費した名声値6ポイントとの差、2ポイントが【憩い】の反感値に加算されてしまいました。
 ユーライジルは自分の不甲斐なさを嘆き、失点を取り戻すべく次の手を考えます。

ユーライジル・トラジェディ
 ユーライジルはスポルに調査活動に赴くことになりました。二重生活で生活水準を維持するのは難しいのでLV4に落とします。
 1週間かけて準備し、【クラス(LV5)】1ポイントを【長期旅行(LV4)】4ポイントに変換します。生活レベルは落ちますが4週間程度の旅程は過ごせるはずです。

 【長期旅行】の名声値は週に1点下がりますが、【クラス(LV5)】の名声も下がり続けるので、レポートを書くなどして毎週1回はクラスへの貢献判定を振り続けます。

 ところが4週目にトラブルに巻き込まれ、帰り着くことが難しくなりました。
 準備時間がないために【クラス(LV5)】を【長期旅行】に変換するには名声判定が必要です。泣く泣く4週目の最後に名声判定を行い、2回失敗したあと、3回目に決定的成功をロール。
 【クラス(LV5)】が3ポイント低下し、【長期旅行】12ポイント(1点×クラス差5倍×関連係数80%×決定的成功3倍)を獲得します。

 5週目にどうにか帰り着き、【長期旅行】が11ポイント余った状態です。これは資産とみなせるので、10ポイント【長期旅行】を2ポイントの【クラス(LV5)】として戻すこともできます。土産物としてLV4の絆に対して配って名声値を上げるのもいいでしょう。

5.さまざまな状況

貢献技能の入れ替え

 貢献技能は都度入れ替えることもできますが、それまでよりも低いものに変更すると、技能成功率の差5%につき名声値が1%低下します。
 高い技能に入れ替える場合、とくにペナルティーはありません。

 めったにないことですが、1週間を超える技能成功率の低下は名声値の低下を引き起こします。四肢の損失、POWの消費、恒常的な能力値強化などに注意が必要です。

 憩いの貢献技能は名声値か反感値が境界値(30/50/70/90)を超えたときしか変更できません。

名声値と反感値はいつ評価されるのか

 反感値が名声値を超えるとキャラクターはその絆への貢献判定と名声判定を行えなくなりますが、これは即座には行われません。
 集団の構成員がリアルタイムで個人の評価を共有することはなく、会社の人事考課や学校の通信簿のように、決まったタイミングで評価されます。
 通常、評価日は8週間に1回程度で、集団の合議がなされるタイミングになります。カルトであれば聖祝日でしょうし、役所であれば毎季末あたりに会議があり、適用は翌季の1日でしょう。特に定めない場合は毎季の終わりに評価されるものとします。
 憩いなど自身が判断基準である絆は、即時に評価されます。

名声値の境界変化

 名声値が境界値(30、50、70、90、100)に達すると、その集団の中でキャラクターの扱われ方が明確に変わります。
 通常は境界値に達した次の評価日に集団からキャラクターに対して二つのアクションが行われます。

 1.名声値を成功率としてD100をロールし、成功度に等しいサービスの提供が提示されます。
 2.反感値を成功率としてD100をロールし、成功度と同じ名声ポイントを引き下げます。このとき1の成功度数があれば、相殺することができます。

 絆が人間の集団以外である場合、マスターが適切な内容を定めます。

臨時収入の名声値変換

 キャラクターはセッションで獲得した物品や地位をクラスの名声値に変えて加算することもできます。その場合、市場価格の1/2として計算します。
 名声値は1週間に1ポイントを超えて加算すると、2ポイント目からは反感値も上昇することに注意してください。高価な物品を少しづつ譲渡していく、所有権の部分移転も可能です。

新たに絆を獲得する

 キャラクターが貢献技能を割り当て貢献判定を振り向ける限り、絆を持つ数に制限はありません。ただし長期間放置すれば、疎遠表に従って名声が低下し、自然消滅します。

集団以外への絆

 特定個人に割り当てる絆は集団に割り当てるものと特に変わりません。
 ただし、恋人への名声値が氏族への名声値より高いということは、恋人を殺すのと氏族全員を殺すことを天秤にかけたときに、氏族全員を殺すことを選択したくなるということです。他の絆と比較してみて、より優先する個人か、どうかよく吟味したうえで設定してください。
 同じように、キャラクターが特定の物品や知識に拘ることを表現しようとして、気軽に絆を割り当ててしまうことがあります。他の絆と二者択一で考えてみると、実際にはそれほど重視していないことも多いため、集団以外に絆を割り当てるときは慎重に検討します。

 キャラクターが特定の技術・知識・思想に対して絆を割り当てようとしたとき、実際にはそれを重視する集団からの評価が重要だということもよくあります。この場合、絆は集団に対して割り当てます。

 他者以外に割り当てた絆は、時間を割り当てた分だけ対象に関わる知識や技能が上昇したという意味しか持ちません。
 つまり【憩い】として扱い、自己満足でストレスを低下させるのが一般的な割り当て方です。

 本当にごくまれに、絆の割当で動作の変化するアイテムなどもあります。これは意思を持つ他者と同様です。

貢献技能を割り引いて割り当てる

 技能が上昇しても名声値は自動的には上昇せず、貢献判定の成功を積み上げる必要がありますが、技能が低下すると名声値は即低下します。
 これに対処するために、最初から割り当てる技能を減らしておくことができます。目先の貢献技能成功率は低下しますが、魔道の常備呪文、POWを割り当てたいケースで有効です。

追放・隷属状態

 クラスの反感値と貢献値が逆転した場合、キャラクターは家、衣服、食事など、日常生活に必要な状況・物資を調達できなくなります。
 これは金銭を持っていたとしても、交換を拒否される、奪われる、渡されるものが適正でない(腐っている、実は盗品、詐欺)などをを意味します。一度や二度は適正なものを貰えることはあるでしょうが、継続的に暮らしていくことはできません。

 新たなクラスを立ち上げて名声を獲得してしまうのが手っ取り早いのですが、それまで所属していた集団と関連係数があると、名声値を生活費として消費しようとしたとき、元の絆の反感値以下をロールすると成功度分のサービスが打ち消されます。
 関連係数をなくすためには、地域を変える、富裕度を大きく下げる、犯罪者集団となるなど、大きく生活を変える必要があります。

 反感値が借金や隷属状態を意味することも一般的です。この場合、新たな絆としてキャラクターのオーナーとオーナーへの貢献技能を設定し、これがクラスとなります。
 クラスのLVは通常それまでよりも1段階低下します。つまり元のクラスの反感値を解消するには5倍の努力が必要です。

特殊なカルトや技能など

祈禱師
魔精を持つ祈禱師は絆【精霊界】が必要です。
【精霊界】
貢献技能:自分のPOW+魔精のPOW、魔精〈召喚〉〈伝承(カルト)〉、精霊に関わる技能2個
ノルマ:1季節に(自分のPOW+魔精のPOW)/10(切り捨て)の【精霊界】貢献ポイントを消費。ノルマのために支払った貢献ポイントはPOWのexpとして加算することができます。
その他:【精霊界】は技能の構成条件を満たせば【カルト】と一本化することができます。
また、祈禱師は貢献ポイントを1点消費すると、精霊遭遇表を判定し、遭遇した精霊を入手するかどうか選択できます。これにはノルマに消費する分も含めることができます。
混沌を隠して絆に所属する
隠しきれない外見や性質を持つキャラクターは、その社会の絆を取得することはできません。
どうにかごまかせる混沌の生物が混沌を受け入れない社会で暮らす場合、混沌の痕跡を隠すのに大きくコストを支払います。
これはクラス反感の上昇で現されます。毎季の終了時に下記の値を加算します。
  • 混沌の諸相一つにつき+1
  • 生来的な混沌生物の能力一つにつき+1
赤の女神への入信=啓発
 絆ルールを使用する場合、ルナーカルトの〈カルト知識(神性)〉を100以上にした上で、5分の1にして〈赤の女神知識〉とすることが条件。

既存キャラクターへの絆ルール適用

 名声値の初期値に従って絆を設定します。反感値は作成時の標準から引き下げた年数に従います。
 司祭等に必要な名声値を満たせない場合、通常は【憩い】や【クラス】を支払います。
 所有している金銭や物品などを社会やカルトなどの社会資産とし、借り出していることにすることで、対象の絆の名声値と反感値を同じ値で上昇させて条件を満たすことも可能です。
 どうしても満たせない場合、マスターに相談します。

 魔術体系に関わる知識を持っていないキャラクターは下記の表に下がって技能を獲得します。
 いずれも、すでにキャラクターが持っている技能値を下回ることはありません。
精霊 〈伝承知識(トーテム)〉を30%で獲得します。祈禱師は50%で獲得します。
神聖 神性呪文を持っている一種につき〈カルト知識(神)〉5%を獲得します。(最低で30%保障)
魔道 〈経典知識(経典)〉を持っている呪文の個数に必要なだけ獲得します。


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