キャンペーン > 風道2 > 20020831 > エミーネ3

降伏

 翌朝、私はかなり日が昇ってからようやく目を覚ましました。ですが、二日酔いの後のような最悪の目覚めです。


「ヤルトバーン。エミーネ、起きたよ。」
「まったく、いつまで寝てやがるんだか。」
「何やて? 起こしはったらよかったやろが。」
言った次の瞬間には、私の寝ぼけた頭でも彼らがそうしなかった理由を悟ることができました。


「ごめん。おかげさんで、よぅ寝れたよ。ありがとう。」
「何よりだ。どうせ朝食もないことだし、すぐ出発するぞ。立て。」
「うげ~、かったるぅ。」
「お前の殊勝さは瞬き一つ分ももたないな。ま、俺はともかく、アルヨンにはよく礼を言っておけ。お前があいつの腕をずっと抱いてたおかげで、あいつは起きてから一刻(16)もたつが、ずっと身動きができなかったんだからな。嘘だと思うなら、あいつの袖を見てみろ。お前のよだれの痕が残ってるぞ。」
「よ、よだれ…。あ、あの、アルヨンはん…。」
「いや、気にしてないから大丈夫。ていうか、楽しんだ。君の寝言とか。」
「ね、寝言まで…。あのぅ、あて、どんなこと言ぅてました?」
「バラクヴァ、テル・カダユフ、トゥルンバ、ビュルビュル・ユヴァス、コンポスト…(17)、あと何だったかな? 一緒にノチェットなりに行く機会があったらご馳走してね。」
「はい。はい、ご馳走させていただきますから、こんことは忘れてください。」
 恥ずかしさは気だるさを打ち払い、私たちは今日の道のりを進みました。2刻ほど歩くと、アルヨンは声を輝かせました。


「見て! あそこ、光ってる。河だよ、きっと!」
さらに歩くと、私たちは水を耳で、そして次に鼻で感じられました。私たちは生きてパヴィスに還ることができそうです!
 と、喜びもつかの間、私たちを背後から呼ぶ声が聞こえます。


「なぁ、やっぱり振り返らなきゃダメか?」
「当たり前やないの。あの声、オズヴァルドに似てるで。」
「そう思うなら、お前、振り返ろよ。」
「小っさい男やな。ほな、いっせえのせ、で。」
「分かった。いっせえのせ!」
振り返ると、私たちが懸念したような不吉な影はありませんでした。地平線上に大きいのと小さいの、2つの影がこちらに手を振っているのが見えます。目のいいアルヨンはそれが旧知のものだと確信して、ピリュー、と呼び返し、盛んに手を振っています。私とヤルトバーンもそれに倣って手を振りました。
 が、吉事は二つとつながらないようです。オズヴァルドとピリューという男の影の背後に、土煙が起こり、それは、こちらに向かってくるようでした。アルヨンはすぐさま矢を遮れそうな場所を探します。ヤルトバーンはオズヴァルドたちに、逃げろ、と合図を送りますが、まったく通じないようで、彼らはさかんに手を振り返しています。能天気。私はこの間、土煙の主を勘定していました。8騎いることを確認し、2人の戦士に伝えます。私たちがアルヨンの見立てた場所に走って向かうにつけ、ようやくオズヴァルドたちは異変に気付いて振り返って後ろを見てくれました。彼らも慌てて私たちの場所へ走ってきます。
 オズヴァルドたちがこちらに来る前に、ヤルトバーンとアルヨンは盾を構え(アルヨンの盾はフィリシアから取ったもの)、私はフィリシアとともに潅木の陰に移動し、彼女に覆いかぶさりました。とりあえず、一斉射撃による全滅は避けられそうです。
 土煙の主たる8騎は、やはりルナー巡視隊で、例の“猫にびびって逃げ出したルナー巡視隊”でした。よくよく縁があるようです。彼らには私たちの貧弱な姿がすでによく見えるのでしょう。馬を無理に駆ることはなく、こちらに向かって走ってくるオズヴァルドたちを含めて私たちをゆっくり包囲しようとしています。そして、オズヴァルドたちが私たちの場所にようやく着いたとき、包囲の輪は閉じられました。そして彼らは私たちに降伏を勧告しました。


「残念だけど、ここまでみたいだね。」
「せめてフィリシアがまともなら、勝算無きにしも非ず、なんだがな。」
2人の戦士にすでに鎧はなく、剣も折れ、空腹と疲労と恐怖は耐え難いものになっています。加えて、オズヴァルドたちには矢を防ぐ準備ができていません。私たちが採れる行動は1つだけでした。2人の戦士は、武器を足下に落として、降伏の意を表明しました。


縋りの藁

 2人の戦士は武器を手放したものの、その場に仁王立ちしたまま、ルナー巡視隊の隊長と思わしき騎影を睨みつけていました。両者は100拍(18)ほども睨み合ったままでいました。とうとう敵の隊長は業を煮やして恫喝してきました。


「何だ? 含むところがあるのか? 俺たちはお前たちを、この危険で野蛮な状況から、慈悲深く慈愛遍く赤の女神の庇護の下に置いてやったのだぞ。」
「庇護というならば!」
私はフィリシアの手を取り、茂みから飛び出して叫びました。


「庇護というならば、どうか、この女性をあなた方の馬に乗せてパヴィスまで連れて行ってやってください。」
「何だ? この女は。病気か?」
「いいえ、心の奥底に恐怖が巣食っているんです。彼女は、その恐怖から魂を守るために心を閉ざし、自立的な行動が取れないでいます。」
「ふん、その不気味な女を我らが愛馬の背に乗せろ、と言うか。」
「さらに、私どもにあなた方の食料を分けてくださることも、重ねてお願い申し上げます。私どもはこの2日間飲まず食わずで歩いて参り、とくに、これ以上水を摂らないでいると、何らかの機能障害を起こす可能性があります。」
「やれやれ、面倒な捕虜だ。いっそ、全員殺して河へ放り込むか?」
「いいえ、高潔なあなた様がそのようなことをなさるはずはございません。あなたは、パヴィス総督ソル・イール閣下(19)の名誉と停戦委員会(20)の約定にかけて、私たちの要求を快く容れてくれるはずです。」
「ふん、停戦委員会などくそくらえだが、ソル・イール様の名を出されては致し方ない。おい女、今回は言いくるめられてやるが、2度目はないと思え。」
「はい、それで結構です。」
私はみんなの方へ向き直り、笑顔を見せました。


「ちゅうことになったで。はぁ、標準サーター語、しんど。」
「このぉ、勝手なことしやがって。」
「…まぁ、どうせ捕まるなら、水が飲めて、食事ができる方がいいけどね。」
「はぁ、はぁ、拙者がもう少し早く気付いていれば…、申し訳ござらぬ。」
「いや、どのみちフィリシアがああだからな。それより荷物、すまなかったな、オズヴァルド。」
「んはぁ、いや、当然のこと。ところで、フィリシア殿はいかがなされたのでござるか?」
ヤルトバーンがオズヴァルドにフィリシアのことを(微妙な問題を避けて)説明している間、アルヨンはピリューという名の男、いえ、子供と何やら見当もつかぬ言葉で互いに話し合っていました。そして私は、フィリシアを誘導して、彼女を馬に乗せるのを手伝っていました。それが済むと、ルナーの隊長はヤルトバーンたちに叫びます。


「おい! お前らの荷物は積まなくていいのか?」
「気遣い無用だ。」
「ふん、可愛げのない。おい、威勢のいい姉ちゃん、お前も馬に相乗りしてくか?」
「えぇ。喜んで。」
「よし。じゃあ、あいつに乗せてもらえ。」
と言って、ルナーの隊長は比較的大柄な兵士を指差しました。私が会釈をすると、彼は戸惑った風でした。そして、彼の手を取って私は馬上に上がりました。


「お前らに関わったせいで予定がずいぶん遅れている。飲食は歩きながら摂れ。出発するぞ。」
 一行は河沿いのなだらかな土地を一路北へ向かって進みます。いまやフィリシアは馬上にあって、他のメンバーは馬の歩調に合わせて小走りを要求されているので、ずいぶん距離が稼げそうです。しかし、日没前にパヴィスにたどり着く、というわけにはいきませんでした。辺りが暗くなるにつれ、私の心にはまたもや不安感が湧き上がり始めたので、私は一つ首を振りました。すると、私は現実に引き戻され、周囲もよく見渡せるようになりました。ですが、ほっと胸をなでおろすのもつかの間、私たちの前方に人影がいくつかあるのに気付いて、私はじっと目を凝らしました。あぁ、どうしたことでしょう。あれは私の父母と弟妹です。私は短い腕で乗馬の首を締め上げ、叫びます。


「だめーっ!」
私の乗ってる馬は急停止し、私は振り下ろされそうになりましたが、騎手が私の襟首を掴んだので、落馬は免れました。


「何をするんだ!」
「せ、せやかて、前に人が…」
と、私が指差した先には何もありませんでした。


「ご、ごめんなさい。」
「寝ぼけてんのか? 今度やったら鞍に縛り付けるぞ。」
 その後、私の目の前には累々たる屍が、あるいは城壁が、あるいは水面が次々と迫りましたが、私はじっと我慢しました。我慢するほどに、身体が震えてきます。その振動は騎手にも伝わったようで、彼はゆっくりと馬を止めました。


「おい、大丈夫か?」
「へ? 何が?」
振り返った私の顔を見て、彼はさらに驚いたようでした。


「おい、お前の顔、唇まで青いぞ。ちょっと待ってろ。隊長!」
他の騎手たちも、私たちの乗ってる馬にあわせて速度を落としていたので、ルナーの隊長は馬首をめぐらしてすぐにこちらへやって来ました。


「何事だ?」
「隊長、この女、ちょっと様子が変ですぜ。休ませないと、あの女みたいになるかも…。」
「ふん、よくよく厄介な連中だな。仕方ない、ちょっと早いが今日はここまでにしておこう。全員! 下馬! 野営の支度をしろ!」
私の乗っていた馬の騎手は私の肩をぽんと叩きました。


「おい、良かったな。休めるぞ。さっさと俺の馬から下りろ。」
「あ、脚が動かへん…。」
「何ぃ? まさか、俺が下ろすのか? 何で騎兵の俺が…。そうだ、あいつらにやらせよう。おい、お前ら! こいつを馬から下ろせ!」
そして、私はアルヨンによって馬から下ろされました。異教徒には私の眼力も通じないみたいです。それとも、弱ってるからでしょうか? 地面に下ろされた私は、その場で吐いてしまいました。ルナー兵たちからの印象をさらに悪くしたようですが、おかげでアルヨンが、私を引き取りたい、とルナー側に申し出たとき、彼らは簡単に応じてくれました。
 彼が私を抱きかかえて運んでくれたとき、私は実感しました。彼に抱かれていると、私の心の不安が薄れていくのを。あぁ、アルヨン、アルヨン…、私はあなたを強く抱きしめて、あなたの中に溶け込んでしまいたい。私は彼を強く抱きしめるあまり彼の背中に爪を立てていましたが、そんなことには頓着できませんでした。そうして彼をがむしゃらに抱きしめているうちに、私の心の中には消え去った不安とは別の不安が湧き上がってきました。この人に邪魔にされたら、どうしよう、と。私は抱きしめる力を緩め、震える唇でこれだけを言いました。

「捨てないで…。」
 私は結局アルヨンに抱きついたまま寝てしまい、私は夜明け前に目覚めたのですが、このときもそのままでした。可愛そうに、アルヨンは私にへばりつかれたまま、座って寝ていたようです。辺りを見渡すと、フィリシアはヤルトバーンの隣で横になって眠っていました。ヤルトバーンもアルヨンの行動を見てフィリシアを引き取ったのでしょう。ピリュー少年はアルヨンになついているようで、私たちの足元で身体を丸めて寝ていました。オズヴァルドは、相変わらず何が楽しいのか大剣を抱えて眠っています。
 見渡していて驚いたのは、私が朝起きて、周りを見渡す余裕があったということです。でもその理由はすでに私には分かっていました。いまも私を抱いていてくれている人のおかげだということが。それにしても、私の口先には昨夜呟いた一言の名残が残っていて、私を赤面させました。捨てないで、とは。まだ彼が私のことを好きかどうかも分からないのに。と、思った瞬間、私は例の吐き気を催す不安感に苛まされました。彼が私のことをどうとも思っていないなんて…。いや、そんなことがあるはずがない。あってよいはずがない。


「絶対にあてのことを好きにさせてみせる!」
私の決意表明は、アルヨンを起こしてしまいました。


「んぁ? もう朝?」
「あ、ごめん。まだ誰も起きてへんよ。それより、横になって。」
私は彼から離れて、彼を支えてゆっくりと地面に横たえました。まだ、東の地平線が紺色を薄くさせているだけで、みんなが起きるには半刻ほどもかかりそうです。私はアルヨンから離れると立ち上がって、手を後ろに組みながらうろうろとしていましたが、面白いはずがあるわけなく、横になっているアルヨンの左のわきの下にもぐりこみました。そして、みんなが起きるまで、アルヨンが好きな食べ物は何だろう、アルヨンが好きな歌は何だろう、と、本人に聞けば済むことをずっとずっと考えていました。


帰宅

 そして夜が白々と明け始め、ルナーの騎兵たちも我がメンバーたちもぽつりぽつりと起き始めました。私たちはルナー兵が差し出した昨晩のごった煮の残りを食べ、私とフィリシアはそれぞれ騎馬の1騎に相乗りします。
 一団が北上してまもなくすると、ちらほらと収穫を終えた田畑が見え始めました。そして、昼前には大廃都の城壁が望見されました。一団は大廃都の城壁を右手に眺めながらさらに歩を進め、そして、1つ目の農民区に通じる城門は通り過ぎ、2つ目のルナー軍司令部に面する城門に達しました。城門にはいつものように市内に入るために検問を受ける旅行者たちの列が連なっていましたが、私たちはすんなりと市内に入ることができました。ですが、そう喜んでもいられません。私たちは城門をくぐってすぐの司令部で、ルナー兵に尋問を受けることになるのですから。
 城門をくぐって司令部の前の広場で一団は馬を止め、荷物を下ろしました。隊長が私たちに言います。


「さてと、パヴィスまでは連れて来てやったが、お前らにはもう少し我々に付き合ってもらうぞ。」
「あぁ、分かっている。」
「それと、だ。お前らのうち、2人の不気味な女、そう、お前とお前だ、こいつらはそのまま施療院へ連れて行ってやってもいいぞ。」
「ということだそうだが、どうする? エミーネ。」
「アーナールダ様の下へ駆け込めるなら、否も応もないわ。」
「お…! なるほどな、無知とは恐ろしい。俺は連中が施療院と言ったらティーロ・ノーリ(21)寺院に決まってると思ったが、そうか、お前はアーナールダの信徒だったな。よし、おい、隊長! お願いする、この2人をアーナールダ寺院へ連れて行ってくれ。」
「アーナールダ寺院だと? どういうことだ?」
「見ての通り、こちらのエミーネは“癒し手”アーナールダの信徒だ。彼女がルナーの癒し手に掛かることは彼女の信仰にもとることになる。」
「ふん、相変わらず回りくどい。だが、分かった。事情聴取は寺院を通じてやってもらうぞ。おい、ハーフューズ! 足労だが、この女たちをアーナールダ寺院へ連れて行け!」
ハーフューズと呼ばれた男は、かしこまった、と応じるや、馬上にフィリシアを乗せ、自分は徒歩で手綱を取って、広場を離れました。私も後から着いていきます。ちらりと振り返ると、アルヨンはもうルナーの隊長と何がしかを話していて、私たちの方を見てはいませんでした。胸に軽い痛みを覚えて、視線を元に戻すもこらえきれず、再び振り返って叫びました。


「アルヨン! またね!」
アルヨンは私のほうに振り返り、微笑んで手を振ってくれました。私はその映像を胸に大事にしまいこみ、ちょっと先行したフィリシアを乗せた馬に小走りに追いつきました。私たちは下町を抜けて、市民広場に入ります。広場ではいつものように行商人たちが市場管理官に鼻薬を嗅がせて違法に商品を広げ、足の踏み場がありません。喧騒、魚の焦げる匂い、荘重なイサリーズ(22)寺院、そのどれもが何と懐かしく感じられることでしょう。そして、イサリーズ寺院の裏に回るとそこには、重厚なアーナールダ寺院が鎮座していました。
 すでに窓から見ていたのでしょう。寺院事務所の扉は内側から開き、スィベル侍祭は駆け寄って私を抱きしめました。


「お帰り! エミーネ。」
「ただいま、スィベル姉さま(23)。」
私が安堵感に浸っているのもつかの間、ルナー兵は居丈高にスィベル侍祭に申し付けます。


「おい! この容疑者2名は現在、当局の取調べを受けねばならぬ身の上だが、罹患しておるゆえ、その治療を汝らアーナールダ寺院へ委託する。治療の経過報告を2日ごとに当局へ届けで、完治の後は両名を当局に出頭させるように。」
「かしこまりました。ご苦労様でございます。」
「では、頼むぞ。」
そう言うと、ルナー兵は馬を曳いて去っていきました。


「どういうこと? 容疑って。それと、病気って。」
「う~ん、とりあえず、中に入ってお茶でも飲ませてくれへん?」
「ちょうど、フルンストゥラチ(24)をつくっていたところよ。間に合ってよかったわね。」
 私はフィリシアをスィベル侍祭に預けると、アーナールダ様の御神体にお香を焚いて、生還の礼を述べました。そして、入信者共用の大部屋に入り、旅装を解いてベッドの下に仕舞い、下着を替えて、自分のゆったりとした貫頭衣をかぶって、広間に行きました。すでにみんなはテーブルにお茶を並べ始めていたので、私も手伝います。


「あの、フィリシア、私の連れの女性はどうしはりました?」
「呪文で眠ってもらっているわ。体力の消耗が激しいみたいだから。あなたも、休んだ方がいいんじゃない?」
「はい。お茶を戴いたら存分に。」
支度が終わって、お茶の時間の合図のベルがチリン、チリンと鳴らされると、大女祭様をはじめとする大奥さまたちも広間にやってきました。


「お帰りなさい、エミーネ。ずいぶん大変な旅だったみたいね。」
「はい、大女祭様。せやけど、アーナールダ様のお蔭で無事、帰ってこられました。」
「そうね。もっとも、赤い方々(25)は自分たちのお蔭だ、と主張しているけど。何があったか話してくださる?」
私は、この数日間に起こった出来事を簡潔に、また恐怖を引き起こす部分に関してはあいまいにして報告しました。


「…ということやったわけです。」
「ところで、そのアルヨンていう人、どんな人なの? ガーラス系? クロガー系?」
「姉さま…、関心の焦点がずれとる。」
「はいはい、質問はまた後にしましょう。アルヨンという御仁については、いずれエミーネ本人につれてきてもらうことにして。」
「だ、大女祭様まで。」
「ほほほ…。エミーネ、あなたは今日の晩禱は休んでいいから、早く寝なさい。他の皆さんは、食器を片付けて。」
「ほなら姉さま方、すいません、お先に失礼します。」
「は~い。いい夢、見てね。ぷ、くくく…。」
私は、自分は無意識にもそんなにアルヨンのことを強調していただろうか、と訝しみながら、大部屋の自分のベッドに行き、貫頭衣を脱いで、久々にベッドの上に脚を伸ばしました。}

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