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第二部最終話:安息の日

■ 29 名前: なゆた :2004/02/07 21:34:17

冒険と安息とは何か。

■ 102 名前: Efendi :2004/02/01 00:36:07

エミーネ
blockquote(){わたしたちの身体から噴き出した赤黒い液体が形を成しつつあった何かは、アルヨンの「風殺しの剣」によって動きを止め、それは霧消し、あとにはイナゴ豆大の骨のような白いものが残った。

「終わったか…。」
「だけどこれ、そのままにしておくとまた成長するんじゃない?」
「あ、軛がはずれた。これでこいつを封じられないかしら?」

などと、それまでフィリシアの脚に巻かれていた「アーナルダの軛」でその骨のような丸いものを突いたりしているうちに、一陣の風が吹いて、それは消え去ってしまった。

「あぁ、もうぐずぐずしてるから!」
「ま、そういうことになる運命だったのよ。」

 一抹の不安を残しつつ、わたしたちは決戦の場を去り、まずイェゴールの砦に立ち寄った後、パヴィスへ帰還しました。フィリシア、ヤルトバーン、そしてアルヨンは、 SLO に報告をしたあと、準備を整え、まだ彼らに残されている使命を果たしに再び旅立つのです。別れの時はもうすぐそこ。
 夕暮れ時、滑るようにパヴィスの市門を抜けると、彼らは SLO のアジトへ、わたしはアーナルダ寺院へと向かうことになる。

「それやったら、ここで一旦お別れやね? 旅立つときには声かけてや。見送るから。あ、フィリシア、そういえばこれ、返さなきゃ。」

わたしはフィリシアから借りていた治癒焦点魔漿石のペンダントを首からはずし、彼女に手渡しました。

「確かに。」
「…その代わり、それ、『アーナルダの軛』、あてがあずかってもええかな?」
「代わり? …ふ、いいわよ。」

フィリシアから「アーナルダの軛」を渡されると、今度はヤルトバーンに向かって、

「ヤルトバーン、いつも守ってくれて、ほんまにありがとう。お役目、がんばってね。」
「…、あ、あぁ、そうだな。だが、俺がオーランスのように振舞えたのは、アーナルダである君がいてくれたればこそだ。感謝は俺の方こそしている。ありがとうな。」

ヤルトバーンの礼を受けると、アルヨンに向き直る。いけないと思いつつも、眼窩に涙があふれてくる。

「なぁ、アルヨン、あて、待っててもええ? ここであなたの帰りを待っててもええ?」
「ん…、あの、そ、その件なんだけれど…。」
「ごめん、あて、また困らせたね。いま言ったことは忘れて!」

くるりと背を向けて駆け出そうとする。その瞬間、大柄なアルヨンが上からわたしの肩に手をかける。

「そうじゃない。エミーネ、一緒についてきて欲しいんだ!」
「え?」
「…もし、良かったらだけど…、」

わたしの目には先ほどとは温度の違う涙があふれてきて、顔はぐしゃぐしゃ。でもそんなことはかまわず、手を伸ばしてアルヨンの胸元を引き寄せると、降りてきた彼の顔に万感の思いを込めてキスをしました。
 よく言った、ということでしょう、ヤルトバーンがアルヨンの屈んだ背を勢いよく叩くと、二人の歯が相手の唇に傷をつけました。二人は顔を引き離すと口に手を当て、目を合わせて笑いました。夕暮れ時、市門前広場を行き交う人々は忙しいのに、物見高さから事の成り行きを見守っていましたが、わたしたち二人に暖かい拍手を送ってくれました。

今日この日、1622年~の季~日、エスロリア王国スキョイ村の農場主と王国軍兵士の娘エミーネ・ハナルダは死に、わたしはアルヨンの妻のエミーネとなりました。

「妻にする、とまでは言ってなかったと思ったんだけど…。」}


■ 103 名前: Efendi :2004/02/24 22:55:43

ピロートーク
エミーネ話は冒頭にあるように、あの方が亡くなった、ことをきっかけに書かれた、ということにしていた。ところが誰も死ななかった(むしろ、エミーネが死にそうだった)。そういうわけで、「死」がずっと頭に引っかかっていたのだけれど、前回の書き込みでは安直にそれを援用したのみで自分としてはぜんぜん納得していなかった。冒頭部分を書き直せば済む話ではあるけれど、まぁ再挑戦してみたかった。
「あてな、『幸せ』ってどういうことなんやろ、ってずっと考えてきたんよ。」
「いまはそんな難しい話はいいんじゃない? それよりも…、ね?」
「あ…む、やのぅて、アルヨンっ!」
「は、はい。」
「こういうもんは言葉からはじめて、言葉で結ぶもんやで。」
「いいじゃないか、人それぞれの愛し方で…。僕はエスロリア人じゃないんだし。それにもう、お姫さま抱っこで部屋に入る、ってのはやってあげたじゃないか。」
「あれは70点。重い、とか口走って。」
「あ、あれは、意外とって言うか…。ほら、着やせするって言うか。」
「ま、それで点が足らへんこともあるし、それにほら、せめて初めてのときはきちっとしておきたいんや。あとで想い出す日のために。」
「はいはい。で、『幸せ』っていう言葉の意味は分かったの?」
「うん…、なんとなくやけどな、死んでもかまわない、って思える時間のことかなって。」
「あぁ、死ぬほど幸せ、と。ふっ。」
「いやそうやのぅて、逆に言うと、いまなら死ねる、言ぅか。そう思えたとき、そのときは『幸せ』とは程遠い心境やろうけど、あとから想い出すとそのときには何も心残りなんてなかったんやなぁ、って。」
「ふぅん、ちょっと僕には分からないな、ごめんね。具体的な例とかある?」
「うん。ちょっと恥ずかしいんやけど、あてね、忌む風に再戦を挑みに行くとき、アルヨンと一緒に逃げられないなら、アルヨンをかばって、あるいは一緒に死のう、思うてたんよ。」
「む、それは…、気持ちは嬉しいけれど感心はできないな。どんなときでも最善を尽くすことを考えるべきだよ。そうでなくても最善は得られがたいんだから。」
「最善言ぅたかて。戦いになったらあてはこの身を盾にするしか方途がないやんか。」
「う、うん、それはそうかもしれないけれど…。」
「ま、それはええんよ。言えば怒るとは思うてたから。ただ、あのときあては、アルヨンとは生きたままでは一緒には行けないと思うてて、帰る場所もあるかどうか分からんで、アルヨンと一緒に死ぬことに何の心残りも無かったんや。」
「それが…、君の得た『幸せ』の答えなのかい?」
「ごめん、ごめんね。変なこと言って。多分きっと、アルヨンが考える『幸せ』とぜんぜん違ぅてて。そらあてかて、アルヨンに一緒にいて欲しい言われて、またいまこうしてお互いの暖かさを確かめおぅて、この上なく心は躍ってるんよ。」
「そうでしょう? うん、そっちが僕が知ってる『幸せ』だね。」
「けど、いま恋人を得たことで、あてはそれがあてから去っていくことをすごく恐れてる。あてがそれを置いて去っていくことをすごく恐れてる。心残り。」
「僕だってそういう不安は感じるよ。でも、差し引きで利益が出ればいいじゃないか。あぁ、いやそうじゃない、ほら何て言うか西瓜に塩みたいに、いやあまりいい例えじゃないな、とにかく悲しみがあるからこそより幸せを強く感じられる、ということもあるよ。」「けど、悲しみの方が後から来るやんか。」
「う…。」
「結局、喜びも悲しみもどっちも、あてがあてがちゅうところから出てきてる思うんよ。あて、ほら、忌む風に蝕まれてたとき、変な夢ばかり見てたんよ。そん中でな、あてが無数の砂粒になって、周りも無数の砂粒で、互いに溶け合って、拡がりあうちゅう夢を後半によく見てん。そこではもう、あてがどうとか、誰がどうとかは無ぅて、ただ静かに満たされている気分だけあったんよ。」
「ふん、ちょっと妬けるかな。僕としては、死んだ方が幸せ、なんて気持ち、ぜんぜん分からないよ。だって、僕は生きて、やっぱり生きていて暖かい君をぎゅっと抱きたいんだから。」
「死んだ方が幸せ、言ぅことやのぅてな…。」
「エミーネはまだ、疲れて癒されてないんだよ。とくに心がね。凍えないよう、僕がずっとこうしててあげるよ。」
「うん…、暖かい。」

「けど…、」
というわけで、はじめてのHを匂わせる描写ということなんですけれど…、そこ、のののさんも、まとさんも泣かないっ!
ま、この期に及んでじっくり話す、ということでピロートークということにしたんですけれど。いや、それにしても、アルヨンの「…ね?」がやらしい。検閲削除対象だ。だいたいキャラは対置して書くので、エミーネが沈んでるので、アルヨンがその分、明るくHになってるわけですけれど。
内実を話すのはスマートじゃないけれど、エミーネのある意味素直な部分が死んで、大人になった、ということです。そこ、大人になった、というのはそっちの意味じゃないです。
やっぱり、あれだけの大事件、何らかの心象を残すと思うんですけれど。ゲーム的には、あるいは原作者的にはあまり引っ張りたくない、というのもあるかもしれませんが。で、「けど…、」とサイコスリラーかゴシックホラーのような伏線が。これが、「えっ。も、もう…?」だと、官能の伏線になってしまう。読むならどっち? 2番目~。
ま、まだ12話どころか、7話を書いてる段階なので、これが生きるかどうかは分かりませんが。


■ 104 名前: なゆた :2004/02/26 00:29:34

どちらにしろ恥ずかしい会話だ(笑)
や、最近、家庭環境もしんどいので、レス少なくて申し訳ない。
まあ、エミーネがどうかはわかりませんが、アルヨンはその身に負った宿命ゆえに、まだまだ困難に立ち向かわなければならないので、別にアルヨンを死んだことにしても構いません(笑)。
あと個人的にはキャラクター間会話はひとことづつの切り取りで、個性を描き出すほうが好み。

なんにせよ12話まで破綻なく話が運べるのか、期待してみています^-^

ps.他の人のセッション感想も欲しいよ・・・

■ 105 名前: Efendi :2004/02/26 23:19:04

Re:(笑)
どちらにしろ恥ずかしい会話だ
どちらの、ってどの? 698番? あれはいかにも何も考えてない、屈託のない終わり方でいいじゃないですか。

別にアルヨンを死んだことにしても構いません(笑)。
ひどいな。

あと個人的にはキャラクター間会話はひとことづつの切り取りで、個性を描き出すほうが好み。
独り言は通常文章に挿入する方がわたしは好みですね。独り言って、いまの電波に犯されたわれわれはともかく、あまり普通じゃないですから。
会話文だけってのは、情景描写入れなくていいから楽なんですね。わたしが車に載ってて紡ぎだす妄想そのままです。
(いまどき)『フォーチュン・クエスト』とかってそういうノリでかかれてたんじゃないだろうか。

なんにせよ12話まで破綻なく話が運べるのか、期待してみています^-^
ああ、無理だね。
わたしが覚えてるインパクトある言葉の中に、藤田和日郎で「デッサンが悪い絵はいくら描き足してもよくならない」というのがあるけど、これ、わたしの方にはデッサンが最初からなかったし。
でも、そういうへんてこな作品も、何らかの味わいがあるかもしれない。

ps.他の人のセッション感想も欲しいよ・・・
わたしも読みたいです。

708番は、幸せになればなったでそれを失うことをまた恐れる、というわたしが偏見するところの「女の子」を描いています。資料は、女性が作詞した歌詞(歌詞って、現代の生きた詩だと思うのですよ。そりゃ詩も俳句もあるけれど、これらは形骸化してると思う)。でも、そういう甘い無い物ねだりには、人間が本源的に求めているものがあるんじゃないかと疑ってます。

今日、ドライバーの目蓋の開閉の間隔を探知して注意を促す機械をニュースでやっていたけれど、わたしは大概目をあけたまま妄想に耽っていて、いつの間にか(物理的に)遠いところにいる。これも探知して注意して欲しいものだ。

新 CGI 拝見しました。すごいものですね。じっくり見るのは少し待ってください。年度末とて、8時より前に退社した日がないです。

■ 106 名前: なゆた :2004/02/07 21:42:55

お疲れさま。長かったね。

お疲れ様でした、みなさん。

忌風の正体がブラスタロスなのかといえば、それはうそともほんとうともいえるのですが、アレが何から生まれ出でたのかといえば、それはオーランスもしくはその信徒たちの願いから生まれてきたのです。これは間違いなく。
そしていまどこにいるのかといえば、つねに冒険者たちの心の中にいるのでしょう。

最後はマスターの体力不足で描ききれなくてすまん。私生活の苦しさがこんなところに(苦。
このリベンジはいつか。

それはともかく、ちょっと時間をもらいますが、最終シーンぐらいはマスターがリプレイにおこしまふ。たぶん。

彼(彼女)らの再登場はまた、そのうちに。

■ 107 名前: りんぞう :2004/02/27 02:38:51

りんぞう編
いざ感想書こうとすると、記憶がぼやけて文章が散漫になりがち(困)

でもなんか書くべしということで・・・終了直後のことを
思い出しつつ一句。
虚も凶も
    退きてなお 我
          有と呼ぶ
続いてもう一句。

豊穣の
騒擾よ 暫し
      去ねと笑み
言葉遊び優先気味で、多分舌足らず・・・
リクエストあれば訳つけます^^;

■ 108 名前: りんぞう :2004/03/06 09:03:23

おまけ
一昔前のCMソング調にて詠める
blockquote(){まかせて下さい 風のトラブル
           嵐 安心 フィリシアン♪}

……なんだこりゃ><

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