「キャンペーン/短編/20020824」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「キャンペーン/短編/20020824」(2007/12/17 (月) 08:02:18) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
&topicpath() 【 ← [[キャンペーン/短編/20000000]] / [[キャンペーン/短編/20000000]] → 】 タグ:&tags()
#right(){&link_edit()/&link_backup()}
#openclose(show=クリックするとキャンペーン関連記事を一覧表示します){#ls2(キャンペーン/短編)}
//↑ログ用テンプレート
*岩蜥蜴の谷にて
アップルレーンのブリキ亭で、落し物を探しに来た男が流れ者を集めて。
***■ 14 名前: Efendi(なゆたによる転載) :2002/08/27 12:37:43
#blockquote(){**ジャダランの夢の書 第五巻
Djadaranin Habnamesi no. 5
55th - 56th Fir 1620
第7期 49年目 火の季 55日
我が妻、ムアルンが泣いている。彼女を慰めようと私は言葉を繰り出すが、彼女には届かない。そこで私が彼女の肩に手を伸ばすと、彼女はおびえた目で私を見据えた。
彼女の視線にひるんだ私は、そこで目を覚ました。
先日来、南で大きな戦があると聞いた私は、裏街道を南へ進んでいる。サーター街道は尊大なダラ・ハッパ人と卑しい原地人がそれぞれに関税を取り立てていて、とても進む気になれない。と、私が気付いたのはアルダチュールに達した頃であった。近づく戦に往来が増しており、近視眼で貪欲な彼らには今年は格好の稼ぎ時らしい。
裏街道はボールドホームを避け、ルーンゲート、クリアワイン、ウィルムズチャーチへと至る。今日は、ルーンゲートを去って2日目である。谷間の険しい山道を慎重に進んでいた目の前に、兎が駆け下りてきた。私はこんな小動物ごときにひるんだりはしなかったが、これを狙っていた鷲が私の眼前を掠めていったときにはさすがに体の均衡崩した。体を翻してこれをかわそうとしたとき、潅木の枝が私の荷をさらい、無情にもそれを谷間に放ってしまった。
かの荷こそは、我が魂、先祖伝来の逸物の弓。かの弓に刻まれた黄金の頌詩こそは、我が祈り、宇宙の真理。私はこの宝物を、かの名高いエルズ・アスト織りの綿布に包んでいたのだが、これが枝に捕らえられたのだ。
見れば、眼下には黒ウナギ川にかかる娘の道にも匹敵する深い谷。これでは私ひとりの手には負えぬと、私はこの弓を落とした地点に顔料で目印を書き、応援を求めることにした。
裏街道を進んで、天道が中天に達する頃、私はようやく集落に達した。後に聞いたところでは、アップルレーンという集落であった。
私はさっそく集落で唯一の宿場にして酒場にして飯屋に入り、店主に銀貨を握らせて、この集落に腕が立って信頼できそうな男がいるかを尋ねた。すると店主は黙って奥で食事をする一人の男を指差した。男は金髪に日焼けした小麦色の肌をしており、露出度の高い綿織物をまとっていた。その食事するさまは、人品卑しからぬ風で、私は相談するに値する男だと値踏んだ。
「今日は寒くねぇな。」
「? 青草が育つのに適した陽光でんな。」
「お前さ、どこから来ただ?」
「エスロリアでおま。旦那はんは?」
「ホーレイだ。」
「そのホーレイの旦那がわいに何か用でっか?」
「お前さ、陽の一門だべ?」
「分からはります?」
「いんや、あて推量だども、白地に金糸をあてるなんて歌舞伎者、スレイブウォールからこっち、ほとんど見なかったでな。」
「なるほど、すると旦那はんもそうどすな?」
「おら、輝けるイェルムの息子、黄…、ヒッポイに仕えており申す。」
「なら、わいとは兄弟でんな。わいはイェルマリオに仕えさせていただいとります。よろしゅう、兄さん。」
「やめてけろ。ジャダランでええだ。」
「わいはマルティールや。」
「ぶしつけですまねが、マルティール君、君を陽の息子と見込んで頼みがあるだ。」
「何でっしゃろ?」
「まぁ、本当にいい男だな、お前は。人は疑え、ここより北ではとくにな。そりゃいい。おらは、さる大事な荷を谷底に落としてしまっただ。だども、とても一人では取りに降りられん。んで、信頼できる男を探していただ。」
「そら大変なこっちゃ。わいに出来ることなら手伝わさせてもらいましょ。せやけど…。」
「何ね?」
「わいはこの土地の人間ではあらしませんよって、案内役が必要やと思うんどす。」
「んだな。心当たりはねっか?」
「わいにはなんとも…。ここには着たばかりですによって。」
「んだら、やい、店主! この集落の人間で、信頼できそうな男はいっか?」
店主が何かを答えようとした刹那、扉が開かれ、もう一人の若者が入ってきた。
「親父、今日は暑いな。エールを一杯もらえるか?」
私はこの若者の身体つきから彼が訓練を受けた人間であることを見抜き、言葉遣いから原地の人間であることを悟って、彼にも手伝ってもらうことにした。
「おぅ、お前さ、こっちさ来て一緒に話さねか?」
「座るところはそこしかないんだから、嫌でも応じますよ。嫌じゃないですけどね。」
「お前さ、一仕事する気はねっか?」
「金額と内容次第ですね。あなたを手伝うんですか?」
「んだ。120、出そう。」
「お手伝いします。」
「あんれ、あきれたな。ま、たいした内容じゃねぇだよ。」
「銀貨120枚の仕事が?」
「お前さにとってはっちゅうこった。おらには120枚出せることだがな。さる大事な荷を谷底に落としてしまっただども、とても一人では取りに降りられんで、人を探しとっただ。すでにこっちの若武者にも相談しとったんだども、彼もこの土地の人間でねっから、原地に詳しい男が必要っちゅうことになってな。おぅ、お前さにも成功の暁には120枚出すぞ。」
「で、その荷物、どこで落としたんです?」
「こっからルーンゲートへ向かって半日のところだ。」
「あぁ、あの辺りは危ない道が続いてますね。崖を降りるなら、ロープが要るでしょう。」
「んだな、やい、店主! この集落でロープを売ってる店はあっか?」
店主は奥へ引っ込むと、長い、しっかりしたロープを持ってきた。値段を聞くと、45、と答えた。それはふっかけ過ぎと思ったが、こやつも先の話を聞いて、私の足元を見ているのだろう。時間が惜しいので、値切りもせずにそれを買った。
「んだら、お前さたち、行ぐか?」
「え? 今からですか? 着く頃には真夜中になってますよ?」
「当たり前だべ? 何のために大金出すと思ってるだ。」
「分かりましたよ。ただ、ちょっと待っててください。ちょっと外出許可をもらってきますので。」
「急げ。おっと、お前さ、名前は?」
「ギド!」
若者は自分の名前を叫ぶと、走って外へ出て行く。10分程して、再び扉が開かれたとき、そこに立っていたのは、何と言うか、偉丈夫であった。毛羽立ってはいるが、仕立てたときには大枚をはたいであろう黒いビロードの服を痩身に纏い、真っ白の美髯を蓄えた老人…、否、このような表現が許されるなら、超老人。禿頭に浮かんだ老斑は誰よりも濃く、黄色味がかった双眸は誰よりも落ち窪み、その上から枝垂れかかる双眉は誰よりも長い。古の、数世紀を生きたとされる古代ダラ・ハッパの帝王たちも、これほど老けてはいないだろう。老人は戸口で立ち止まり、私を見据えて、かくしゃくたる口調でのたもうた。
「そなたか? 120ギルダーの仕事の依頼人は。」
「…。んだよ。ご老人、お前さは何だべ?」
「わしか? わしこそは“剣の中の剣”、サーターの気高き剣士、ハルダーだ。我が名を知らぬとは、そなた、よそ者だな?」
「いかにも。おらはホーレイの者だ。んで、その剣士殿はまさか…?」
「うむ、かの若輩者は我がいまの弟子。かの者に名誉を与えんとするそなたに感謝は耐えねど、かような大仕事、かような未熟者にはいかにも役不足。そこでわしが自ら足を運ぼうというのだ。」
「そりゃ、いけねぇ。勿体ないことだ。おらがつまらね仕事ば、こっただ大人物に任せるわけにはいかねぇよ。お気持ちだけ受け取り申す。」
「そなた、わしの身を気遣うか? だがな、
Pallida mors aequs pulsat pede pauperum tabernas, Regunque turres.
と言うではないか。」
「?」
「無学者め。『蒼白き死こそは賤が伏屋をも玉の宮をも共に訪へ』、死はいつでもそこにある、という意味だ。死ぬのが怖くて生きていられるか。さぁ、日暮れ前に着かねばならぬのだろう? つまらん遠慮は無用。さっさと参ろうぞ。」
「ギド君、ギド君、120ギルダーはお前さたちの間で分け合ってくんろ。」
「…!」
かくて、私たち一行は現場へ向かったのだが、先ほどから運命の歯車は微妙に軋み始めたようだ。さらなる荷物を私は背負わねばならぬことになった。集落を出しな、私たちを呼び止める者があったのだ。それは妙齢の女性ではあったが、私の関心を喚ぶには至らない。不美人というのではない。彼女は、旅の埃のためとばかりは見えない、いかにもみすぼらしい服を纏っていたが、私も農村の出、貧者を厭う気もない。彼女のみすぼらしい服とは対照的な、きわめて洗練された機能的な履物が、彼女が必要と思われることにしか金を使わない守銭奴と呼ばれる種族に属することを雄弁に物語っていたためである。
「待っておくれやす!」
「お前さ、何者だ?」
「失礼、あんたはんには用はありまへん。あてが呼び止めたのは、そこなマルティールどす。」
「何も分からんが、この若武者ぁ、いま、おらと契約中だで、揉め事は後にしてくんろ。」
「事の前後を言張らはるなら、あての方が先約どす。この者には債務があって、返済を履行せずに出奔したんどす。」
「債務?!」
「本当だか?」
「そんな話は初耳でんな。なんや知らんけど、どういうこっちゃねん?」
以後の話は、両者ともエスロリア語になってしまい、私には聞き取れなかったが、女が証文書とおぼわしき書類を提示するに至って、マルティールが形勢不利に陥っていくのが看て取れた。そこで、私は助け舟を出すことにした。
「こら、小娘、この若者に借金があるっちゅうこったが、先立つものが無ければ彼を捕まえても意味がねぇだろ? んだがよ、おらの仕事を終えれば、彼はすっこしだけど金子を得られる。それを待ってもよかっぺよ。」
「ほんま? まぁ、待たないことはないけれど。」
「んだは、お前さはここでおらたちの帰りを待ってるがいいだ。」
「何を言うとるん? やっと捕まえて、また逃げられたらかなわんわ。あても付いてくで。」
「好きにするがええ。お前さ、名前は?」
「…リズ。」
女は無料で名前を教えるのも勿体ない、と言わんばかりの不承不承の口調で答えた。まぁ、足手まといにならなければどうでもいい。女は私たち4人と少し間を空けて着いてきた。
夕暮れに先立って、ようやく私たちは現場と思わしき場所に到達した。崖は深い。私たちは2人の若者のうち、より小柄なマルティールにロープを結わいつけ、残りの4人がロープを支えて、彼を崖の下へと降ろした。崖はオーバーハングになっており、その洞には大小の亀裂が走っていた、ということだ。彼は、その亀裂の一つに白い布で包まれた何かが挟まっているのを、目敏く見つけた。目当てをと思わしきものを見つけて喜ぶ私たちに、彼はこうも報告した。洞は何かの巣になっているようで、そこには人頭大の卵が5つ並んでいた、と。私は、すわ鳳か、地竜かと緊張したが、私の雇った戦士たちは易々と与えられたゴールの前に立ちはだかる障害を、むしろ喜ぶ風であった。
結局、持ってきたロープでは長さが足りず、ここから洞に降り立つことはできないらしい。いったん崖下に戻って、下からこの崖の洞に達するほかなさそうだ。下から来たときにここがすぐ分かるよう、マルティールを降ろしたロープの先に白い布を巻きつけ、ここに垂らしておくことにした。
そして、私たちは崖下に下りてきた。崖の壁面に達するには、潅木生い茂るなだらかな斜面を登っていかねばならない。私たちは原地の若者、ギドに先導を願った。
ギドは自信に満ちて私たちを導いていったが、どうしたことか、崖の道を登る時間よりもずっと歩いているのに目印の白い布が見えない。ギドを除く全員がそう思っていたようだ。私はいったんこの斜面の入り口へ戻ることを提案した。
入り口に戻る頃にはすっかり日は暮れていた。食料もない私たちは、空腹に耐えてそのまま野営した。見張りは、夜半まではギドが、以後はマルティールが受け持つことに決まったらしい。
第7期 49年目 火の季 56日
この夜は、ギドに叩き起こされたため、夢を見ずに目覚めた。
「起きてください。何か不振な物音がします。」
見渡すと、“剣の中の剣”はすでに起きて立ち上がり、耳を澄ませていた。私もそれに倣うと、重いものを引きずる音と、shur shur ないし thur thur と舌擦音のような音が聞こえてきた。
「ふむ、この音、岩トカゲだな。他愛もない。」
一人ごちると、彼は手馴れた捌きで鎧を身に付けていった。私も自分の鎧をまとい、槍を握り締めた。
しばらくして、手前の潅木が揺れた。最初の一頭が姿を現すや、リズは手にしていたダートを投げつけた。まったく見事な腕前。ダートは哀れな一頭の肋骨をすり抜けて深々と刺さり、それは力尽きて地に伏した。潅木はさらに揺れ続け、最終的に残る5頭のトカゲが姿を現した。これらは思いもよらぬ攻撃に怒っているようだった。
岩トカゲはこうした山に棲む、根菜や動物の死骸を食する害のない動物で、岩場でまどろむ姿には愛嬌さえ感じる。だが、いまこのとき、これらの進路上にいた私たちにとってはその大きさが脅威だった。これらはロバほどもあるのだ。私は哀れと思いつつも槍を繰り出した。
他の4人はどう思っていたのかは分からない。だが、彼らも眼前の巨体な動物が与えうる脅威に対する認識は共有していただろう。彼らもそれぞれがそれぞれの獲物でこの哀れな爬虫類を屠っていった。大トカゲがすべて倒されると、これらが護衛していたのであろう、20匹ほどの小さなトカゲが蜘蛛の子を散らすように方々へと走って行った。
私たちはトカゲの遺骸を茂みの方へ押しやり、いまだ血の匂いは消えないが、視界に入らないようにして、再び寝入ることにした。だが、一仕事終えて辺りが静まり返ると、私たちが舌擦音に囲まれていることに気付かされた。大トカゲは6匹だけではなかったのだ…。}
Efendi氏のLIBER OB SCISCITATORAよりの転載です。
美しくHTML化されているので、直接訪れてみてください^-^。
>Efendi氏
以前のやり取りで恒常的に許可を受けていると判断していますが、問題があれば削除します。
----
#comment_num2(size=100%,vsize=10)
----
&topicpath() 【 ← [[キャンペーン/短編/20000000]] / [[キャンペーン/短編/20000000]] → 】 タグ:&tags()
#right(){&link_edit()/&link_backup()}
#openclose(show=クリックするとキャンペーン関連記事を一覧表示します){#ls2(キャンペーン/短編)}
//↑ログ用テンプレート
*岩蜥蜴の谷にて
アップルレーンのブリキ亭で、落し物を探しに来た男が流れ者を集めて。
***■ 14 名前: Efendi(なゆたによる転載) :2002/08/27 12:37:43
#blockquote(){**ジャダランの夢の書 第五巻
Djadaranin Habnamesi no. 5
55th - 56th Fir 1620
第7期 49年目 火の季 55日
我が妻、ムアルンが泣いている。彼女を慰めようと私は言葉を繰り出すが、彼女には届かない。そこで私が彼女の肩に手を伸ばすと、彼女はおびえた目で私を見据えた。
彼女の視線にひるんだ私は、そこで目を覚ました。
先日来、南で大きな戦があると聞いた私は、裏街道を南へ進んでいる。サーター街道は尊大なダラ・ハッパ人と卑しい原地人がそれぞれに関税を取り立てていて、とても進む気になれない。と、私が気付いたのはアルダチュールに達した頃であった。近づく戦に往来が増しており、近視眼で貪欲な彼らには今年は格好の稼ぎ時らしい。
裏街道はボールドホームを避け、ルーンゲート、クリアワイン、ウィルムズチャーチへと至る。今日は、ルーンゲートを去って2日目である。谷間の険しい山道を慎重に進んでいた目の前に、兎が駆け下りてきた。私はこんな小動物ごときにひるんだりはしなかったが、これを狙っていた鷲が私の眼前を掠めていったときにはさすがに体の均衡崩した。体を翻してこれをかわそうとしたとき、潅木の枝が私の荷をさらい、無情にもそれを谷間に放ってしまった。
かの荷こそは、我が魂、先祖伝来の逸物の弓。かの弓に刻まれた黄金の頌詩こそは、我が祈り、宇宙の真理。私はこの宝物を、かの名高いエルズ・アスト織りの綿布に包んでいたのだが、これが枝に捕らえられたのだ。
見れば、眼下には黒ウナギ川にかかる娘の道にも匹敵する深い谷。これでは私ひとりの手には負えぬと、私はこの弓を落とした地点に顔料で目印を書き、応援を求めることにした。
裏街道を進んで、天道が中天に達する頃、私はようやく集落に達した。後に聞いたところでは、アップルレーンという集落であった。
私はさっそく集落で唯一の宿場にして酒場にして飯屋に入り、店主に銀貨を握らせて、この集落に腕が立って信頼できそうな男がいるかを尋ねた。すると店主は黙って奥で食事をする一人の男を指差した。男は金髪に日焼けした小麦色の肌をしており、露出度の高い綿織物をまとっていた。その食事するさまは、人品卑しからぬ風で、私は相談するに値する男だと値踏んだ。
「今日は寒くねぇな。」
「? 青草が育つのに適した陽光でんな。」
「お前さ、どこから来ただ?」
「エスロリアでおま。旦那はんは?」
「ホーレイだ。」
「そのホーレイの旦那がわいに何か用でっか?」
「お前さ、陽の一門だべ?」
「分からはります?」
「いんや、あて推量だども、白地に金糸をあてるなんて歌舞伎者、スレイブウォールからこっち、ほとんど見なかったでな。」
「なるほど、すると旦那はんもそうどすな?」
「おら、輝けるイェルムの息子、黄…、ヒッポイに仕えており申す。」
「なら、わいとは兄弟でんな。わいはイェルマリオに仕えさせていただいとります。よろしゅう、兄さん。」
「やめてけろ。ジャダランでええだ。」
「わいはマルティールや。」
「ぶしつけですまねが、マルティール君、君を陽の息子と見込んで頼みがあるだ。」
「何でっしゃろ?」
「まぁ、本当にいい男だな、お前は。人は疑え、ここより北ではとくにな。そりゃいい。おらは、さる大事な荷を谷底に落としてしまっただ。だども、とても一人では取りに降りられん。んで、信頼できる男を探していただ。」
「そら大変なこっちゃ。わいに出来ることなら手伝わさせてもらいましょ。せやけど…。」
「何ね?」
「わいはこの土地の人間ではあらしませんよって、案内役が必要やと思うんどす。」
「んだな。心当たりはねっか?」
「わいにはなんとも…。ここには着たばかりですによって。」
「んだら、やい、店主! この集落の人間で、信頼できそうな男はいっか?」
店主が何かを答えようとした刹那、扉が開かれ、もう一人の若者が入ってきた。
「親父、今日は暑いな。エールを一杯もらえるか?」
私はこの若者の身体つきから彼が訓練を受けた人間であることを見抜き、言葉遣いから原地の人間であることを悟って、彼にも手伝ってもらうことにした。
「おぅ、お前さ、こっちさ来て一緒に話さねか?」
「座るところはそこしかないんだから、嫌でも応じますよ。嫌じゃないですけどね。」
「お前さ、一仕事する気はねっか?」
「金額と内容次第ですね。あなたを手伝うんですか?」
「んだ。120、出そう。」
「お手伝いします。」
「あんれ、あきれたな。ま、たいした内容じゃねぇだよ。」
「銀貨120枚の仕事が?」
「お前さにとってはっちゅうこった。おらには120枚出せることだがな。さる大事な荷を谷底に落としてしまっただども、とても一人では取りに降りられんで、人を探しとっただ。すでにこっちの若武者にも相談しとったんだども、彼もこの土地の人間でねっから、原地に詳しい男が必要っちゅうことになってな。おぅ、お前さにも成功の暁には120枚出すぞ。」
「で、その荷物、どこで落としたんです?」
「こっからルーンゲートへ向かって半日のところだ。」
「あぁ、あの辺りは危ない道が続いてますね。崖を降りるなら、ロープが要るでしょう。」
「んだな、やい、店主! この集落でロープを売ってる店はあっか?」
店主は奥へ引っ込むと、長い、しっかりしたロープを持ってきた。値段を聞くと、45、と答えた。それはふっかけ過ぎと思ったが、こやつも先の話を聞いて、私の足元を見ているのだろう。時間が惜しいので、値切りもせずにそれを買った。
「んだら、お前さたち、行ぐか?」
「え? 今からですか? 着く頃には真夜中になってますよ?」
「当たり前だべ? 何のために大金出すと思ってるだ。」
「分かりましたよ。ただ、ちょっと待っててください。ちょっと外出許可をもらってきますので。」
「急げ。おっと、お前さ、名前は?」
「ギド!」
若者は自分の名前を叫ぶと、走って外へ出て行く。10分程して、再び扉が開かれたとき、そこに立っていたのは、何と言うか、偉丈夫であった。毛羽立ってはいるが、仕立てたときには大枚をはたいであろう黒いビロードの服を痩身に纏い、真っ白の美髯を蓄えた老人…、否、このような表現が許されるなら、超老人。禿頭に浮かんだ老斑は誰よりも濃く、黄色味がかった双眸は誰よりも落ち窪み、その上から枝垂れかかる双眉は誰よりも長い。古の、数世紀を生きたとされる古代ダラ・ハッパの帝王たちも、これほど老けてはいないだろう。老人は戸口で立ち止まり、私を見据えて、かくしゃくたる口調でのたもうた。
「そなたか? 120ギルダーの仕事の依頼人は。」
「…。んだよ。ご老人、お前さは何だべ?」
「わしか? わしこそは“剣の中の剣”、サーターの気高き剣士、ハルダーだ。我が名を知らぬとは、そなた、よそ者だな?」
「いかにも。おらはホーレイの者だ。んで、その剣士殿はまさか…?」
「うむ、かの若輩者は我がいまの弟子。かの者に名誉を与えんとするそなたに感謝は耐えねど、かような大仕事、かような未熟者にはいかにも役不足。そこでわしが自ら足を運ぼうというのだ。」
「そりゃ、いけねぇ。勿体ないことだ。おらがつまらね仕事ば、こっただ大人物に任せるわけにはいかねぇよ。お気持ちだけ受け取り申す。」
「そなた、わしの身を気遣うか? だがな、
Pallida mors aequs pulsat pede pauperum tabernas, Regunque turres.
と言うではないか。」
「?」
「無学者め。『蒼白き死こそは賤が伏屋をも玉の宮をも共に訪へ』、死はいつでもそこにある、という意味だ。死ぬのが怖くて生きていられるか。さぁ、日暮れ前に着かねばならぬのだろう? つまらん遠慮は無用。さっさと参ろうぞ。」
「ギド君、ギド君、120ギルダーはお前さたちの間で分け合ってくんろ。」
「…!」
かくて、私たち一行は現場へ向かったのだが、先ほどから運命の歯車は微妙に軋み始めたようだ。さらなる荷物を私は背負わねばならぬことになった。集落を出しな、私たちを呼び止める者があったのだ。それは妙齢の女性ではあったが、私の関心を喚ぶには至らない。不美人というのではない。彼女は、旅の埃のためとばかりは見えない、いかにもみすぼらしい服を纏っていたが、私も農村の出、貧者を厭う気もない。彼女のみすぼらしい服とは対照的な、きわめて洗練された機能的な履物が、彼女が必要と思われることにしか金を使わない守銭奴と呼ばれる種族に属することを雄弁に物語っていたためである。
「待っておくれやす!」
「お前さ、何者だ?」
「失礼、あんたはんには用はありまへん。あてが呼び止めたのは、そこなマルティールどす。」
「何も分からんが、この若武者ぁ、いま、おらと契約中だで、揉め事は後にしてくんろ。」
「事の前後を言張らはるなら、あての方が先約どす。この者には債務があって、返済を履行せずに出奔したんどす。」
「債務?!」
「本当だか?」
「そんな話は初耳でんな。なんや知らんけど、どういうこっちゃねん?」
以後の話は、両者ともエスロリア語になってしまい、私には聞き取れなかったが、女が証文書とおぼわしき書類を提示するに至って、マルティールが形勢不利に陥っていくのが看て取れた。そこで、私は助け舟を出すことにした。
「こら、小娘、この若者に借金があるっちゅうこったが、先立つものが無ければ彼を捕まえても意味がねぇだろ? んだがよ、おらの仕事を終えれば、彼はすっこしだけど金子を得られる。それを待ってもよかっぺよ。」
「ほんま? まぁ、待たないことはないけれど。」
「んだは、お前さはここでおらたちの帰りを待ってるがいいだ。」
「何を言うとるん? やっと捕まえて、また逃げられたらかなわんわ。あても付いてくで。」
「好きにするがええ。お前さ、名前は?」
「…リズ。」
女は無料で名前を教えるのも勿体ない、と言わんばかりの不承不承の口調で答えた。まぁ、足手まといにならなければどうでもいい。女は私たち4人と少し間を空けて着いてきた。
夕暮れに先立って、ようやく私たちは現場と思わしき場所に到達した。崖は深い。私たちは2人の若者のうち、より小柄なマルティールにロープを結わいつけ、残りの4人がロープを支えて、彼を崖の下へと降ろした。崖はオーバーハングになっており、その洞には大小の亀裂が走っていた、ということだ。彼は、その亀裂の一つに白い布で包まれた何かが挟まっているのを、目敏く見つけた。目当てをと思わしきものを見つけて喜ぶ私たちに、彼はこうも報告した。洞は何かの巣になっているようで、そこには人頭大の卵が5つ並んでいた、と。私は、すわ鳳か、地竜かと緊張したが、私の雇った戦士たちは易々と与えられたゴールの前に立ちはだかる障害を、むしろ喜ぶ風であった。
結局、持ってきたロープでは長さが足りず、ここから洞に降り立つことはできないらしい。いったん崖下に戻って、下からこの崖の洞に達するほかなさそうだ。下から来たときにここがすぐ分かるよう、マルティールを降ろしたロープの先に白い布を巻きつけ、ここに垂らしておくことにした。
そして、私たちは崖下に下りてきた。崖の壁面に達するには、潅木生い茂るなだらかな斜面を登っていかねばならない。私たちは原地の若者、ギドに先導を願った。
ギドは自信に満ちて私たちを導いていったが、どうしたことか、崖の道を登る時間よりもずっと歩いているのに目印の白い布が見えない。ギドを除く全員がそう思っていたようだ。私はいったんこの斜面の入り口へ戻ることを提案した。
入り口に戻る頃にはすっかり日は暮れていた。食料もない私たちは、空腹に耐えてそのまま野営した。見張りは、夜半まではギドが、以後はマルティールが受け持つことに決まったらしい。
第7期 49年目 火の季 56日
この夜は、ギドに叩き起こされたため、夢を見ずに目覚めた。
「起きてください。何か不振な物音がします。」
見渡すと、“剣の中の剣”はすでに起きて立ち上がり、耳を澄ませていた。私もそれに倣うと、重いものを引きずる音と、shur shur ないし thur thur と舌擦音のような音が聞こえてきた。
「ふむ、この音、岩トカゲだな。他愛もない。」
一人ごちると、彼は手馴れた捌きで鎧を身に付けていった。私も自分の鎧をまとい、槍を握り締めた。
しばらくして、手前の潅木が揺れた。最初の一頭が姿を現すや、リズは手にしていたダートを投げつけた。まったく見事な腕前。ダートは哀れな一頭の肋骨をすり抜けて深々と刺さり、それは力尽きて地に伏した。潅木はさらに揺れ続け、最終的に残る5頭のトカゲが姿を現した。これらは思いもよらぬ攻撃に怒っているようだった。
岩トカゲはこうした山に棲む、根菜や動物の死骸を食する害のない動物で、岩場でまどろむ姿には愛嬌さえ感じる。だが、いまこのとき、これらの進路上にいた私たちにとってはその大きさが脅威だった。これらはロバほどもあるのだ。私は哀れと思いつつも槍を繰り出した。
他の4人はどう思っていたのかは分からない。だが、彼らも眼前の巨体な動物が与えうる脅威に対する認識は共有していただろう。彼らもそれぞれがそれぞれの獲物でこの哀れな爬虫類を屠っていった。大トカゲがすべて倒されると、これらが護衛していたのであろう、20匹ほどの小さなトカゲが蜘蛛の子を散らすように方々へと走って行った。
私たちはトカゲの遺骸を茂みの方へ押しやり、いまだ血の匂いは消えないが、視界に入らないようにして、再び寝入ることにした。だが、一仕事終えて辺りが静まり返ると、私たちが舌擦音に囲まれていることに気付かされた。大トカゲは6匹だけではなかったのだ…。}
Efendi氏のLIBER OB SCISCITATORAよりの転載です。
美しくHTML化されているので、直接訪れてみてください^-^。
>Efendi氏
以前のやり取りで恒常的に許可を受けていると判断していますが、問題があれば削除します。
----
*感想など
***■ 17 名前: なゆた :2002/08/24 21:47:29
岩蜥蜴虐殺戦争
TAKAさん歓迎セッション。
みなさんお疲れ様でした^-^
キャラメイクに時間を使いすぎて、キリのいいところで終われずすみません^-^;
今日は一番下の子がいたのが予想外で、かつ機嫌も悪かったので、いろいろさばき切れませんでした。
まあでも時間を使っただけあって、それぞれ味のある、いいキャラクター達ができたと思います。
マスターがまったく記録を取れませんでしたので、キャラクターの自己紹介など、「時の網」に書いてくれると助かります。
とりあえず、もう1回やって、そのあと続けるかどうか判断ですね。
ps.タイトルは、岩蜥蜴を虐殺するという意味ではなく(以下略)
***■ 18 名前: azatoth :2002/08/27 21:29:31
感想など
おつかれさまでした!
いやぁ、やっぱりRQのキャラメは時間がかかりますなぁ。(笑)
でも今回の関係調整型のキャラメは満足度が高いです。
とてもやりやすかったです。(事前に刷り合わせをメールでできたのも良かったと思います)
しかし、セッション後の食事の時の話では、TAKAさんから「雰囲気重視ですね」という発言があり、考えさせられました。
時間が少なくてあせっていたせいもありますが、我々プレイヤーの方でのご都合主義的誘導とか、キャラクター心理軽視傾向が、強すぎたかもしれません。
その時Efendiさんも「即戦闘というのはここの傾向?」みたいな事もおっしゃっていましたが、対マスター戦経験の差かもしれないですが、なゆたマスターの経験が長い人(特に私)は先読みしすぎという傾向があるのかもしれないな、と反省しました。
それにしても、鋭刃ブーストのフマクトは強いですね。
しかし、あれでTAKAさんが「強い」と思ってしまうのも問題かもしれませぬ。(笑)
次は準備時間なし戦闘(ワニ?)と、敵呪文あり戦闘(ルナー?)ですかね。
腕の1本や2本飛ばないとRQっぽくないし。(←どこか病んでいる気がするが…)
トロールに食われそうになったり、ゴープに解かされたりするのも、恐怖度は高いですが。
>なゆた
セッション時間は短かったですが、今回はかなり楽しめました。
あのキャラクター達もどこかで活かしたいですね。
あと、私のキャラクターの「マルミール君」は、まっすぐで二枚目だけどダメで不幸というもえる設定でしたが、ドワーフと話さない以外のもう一つの制約も考えておいていただけると助かります。
***■ 28 名前: ののの :2002/09/02 02:24:09
「ジャダランの書」の感想でつ。
リプレイ感想、徒然なるままに書きます。
遅くなりました。
◇会話
ジャダランとマルミールの会話、京都弁と東北弁のやりとりつうのはなかなか読んでて不気味なものがありますね(笑 ギド君の東京言葉が逆にういてるし(笑
◇爺
>爺、こんなにはっきりとしてるはずない、という批判が一番多そう。
本人がどう考えているか分かりませんが、和泉氏のプレイに対する感想としては、割合まともなことを喋ってるように感じましたよ、私も。
ていうか、完全ボケというのは実際プレイとして成立させるのは困難でしょうね。
いちばんありそうなのは、部分部分としてはまともなことは喋っているが、会話してみると話が全く通じない、というやつではないでしょうか。例えばこんな感じ。
「なんですねん、おたくにお話することはなんもおまへんで。そこどいてや」
「おのれ小娘、このわしを色香に惑わすつもりじゃな」
「はァ?なにゆうとんねん、このじいさん、冗談はその鬚だけにしといてや。
うちの用事はあんたやおまへん、あそこの金髪あんちゃんですねんてば!」
「色香といえば、わしが1540年ジョンズタウンの警備にやとわれておったときのことじゃ」
「いやだからー、色香もへちまもおまへんて!ちっとは人の話も聞いてや」
「へちまというならへちまたわしは軽石よりも安く、かつ垢取りにも優れておるぞ」
「ああもう!なんとかしてーな、このじいさん!」
◇リズ
リズ、なかなかいい感じです。守銭奴の表現のところは笑いました。
ただ、リズの喋り方はたぶんもっと早口でまくし立てる感じかなと思いました。(まあ私もまだはっきりつかんでいるわけではないんですが。
エスロリアが京都弁というのは、どうやらなゆた世界の準オフィシャルらしいんですが、私としてはリズは京都弁というより大阪弁のイメージの方が強い。
京都弁はどうしても「当たりが柔らかくゆったりしたしゃべりかたでイヤミっぽい」印象が強い(一部偏見有り)ので、リズの「せっかち、短気、単刀直入」という性格とマッチしにくいような気がするでつ。ですんで西エスロリアの出身にして、大阪弁を喋らせることにします(笑
◇いわとかげ
ジャダラン的には「リズがうかつにダートを投げたから、無益な戦いをする羽目になっちゃったじゃん」という認識なんですかね?(笑 文面からはそんな感じを受けましたが。
まあ確かにそう思われても仕方ないかな、うぐぅ。
※私にとって、「いわとかげ=戦闘」というのは一種の条件反射、否、脊髄反射でありまする(だめじゃん笑
どうも、全く取りとめなくて申し訳ない。
***■ 29 名前: Efendi :2002/09/02 21:52:39
Cheer Up, Lise!
>ジャダランとマルミールの会話、京都弁と東北弁のやりとりつうのはなかなか読んでて不気味なものがありますね
でも、だれが喋ってるかは分かるでしょ? 私の文章力だとあれくらいしないと。
>◇爺
>いちばんありそうなのは、部分部分としてはまともなことは喋っているが、会話してみると話が全く通じない、というやつではないでしょうか。例えばこんな感じ。
>(中略)
>「へちまというならへちまたわしは軽石よりも安く、かつ垢取りにも優れておるぞ」
>「ああもう!なんとかしてーな、このじいさん!」
このシーン、現実にはありましたね。織り込んでいいですか?
私も考えないではなかったのですが、長くなる上に内容と関わりないので諦めました。
>京都弁はどうしても「当たりが柔らかくゆったりしたしゃべりかたでイヤミっぽい」印象が強い(一部偏見有り)ので、リズの「せっかち、短気、単刀直入」という性格とマッチしにくいような気がするでつ。ですんで西エスロリアの出身にして、大阪弁を喋らせることにします(笑
実は私、京都弁も大阪弁も、河内弁もまるで気にしてません。ボキャブラリー足りないし。
描ききれてないのかとは思うけど、エミーネはぜんぜんゆったりしてません。
そんなわけで、広島弁くらいなら書き分けられるけど、大阪弁とはどうかな…。
喋り方に差をつけるしかないかも。例えば一人称で「リズ様は」と言うとか、語尾に補足をつけるとか。もっと直接的に、挨拶は「もうかりまっか」、そして何でも金換算、とか。「あの娘、美人よねぇー」「せやねぇ、一晩50ギルダーいうところやろか。」とか。
>ジャダラン的には「リズがうかつにダートを投げたから、無益な戦いをする羽目になっちゃったじゃん」という認識なんですかね?
お、伝わってる。
とりあえず、あの中ではリズちゃんが一番将来性があると思います(キャラが立つ、参考になる)。がんばって育てましょう。
***■ 30 名前: ののの :2002/09/03 10:12:09
基本はナニワ金融道でせう
>このシーン、現実にはありましたね。織り込んでいいですか?
>私も考えないではなかったのですが、長くなる上に内容と関わりないので諦めました。
どうぞどうぞ。
適当に手をくわえてくだせい。
>挨拶は「もうかりまっか」、そして何でも金換算、とか。「あの娘、美人よねぇー」「せやねぇ、一晩50ギルダーいうところやろか。」とか。
「もうかりまっか」は古典的すぎてちょっといただけませんが、何でも金換算「一晩50ギルダーというところや」というアイディアは頂きです(笑
*事前のキャラメイク相談
***■ 19 名前: なゆた :2002/09/01 23:14:59
キャラクターメイキング事前うちあわせ
TAKAさん歓迎セッションについては、初のRuneQuest&グロランサ初心者だということでしたので、事前に他のプレイヤー間でキャラクター調整をしました。
で、ののの氏より、「面白かったから公開すれば?」との提案をいただいたので、各氏に許可をいただいて転載することにしました。
まずは最初のなゆたのメールから。
#blockquote(){まず、年代は1620-1621程度。これはTAKAさんに継続意思があったばあい、後でスティスさんのオズヴァルドとの合流を考えているためです。場所はサーター。
TAKAさんはフマクトでいいかな。とりあえずやってもらってみます。
オズヴァルドと同カルトでくっつけやすいので。
今回、基本的に、初心者への啓蒙を基本に置きますので、承知してください。
話も当然一回で終わらせます。TAKAさんのカルトがカルトですので、戦闘を複数含む、小事件セッションです。
Efendiさんは弓の達人をやってみたいということでしたね。
ただし、スティスさんと予定が合わないのはわかっているので、キャンペーンにする場合でも次回以降の登場はないように調整すると思います。もちろんキャラは他の流れで引き継いで使うつもりですけど。
ですから今回は一時雇いの傭兵のような立場ですかね。あとは1年前のエミーネというのもアリです。新しいキャラが作りたければ新しいので。エミーネを深めたければエミーネでどうぞ。その場合、経験チェックなどは累積させていきます。
まあ、流れによってはスティスさんとの合流ではなく、そのまま続行というセンもあると思いますが。
ひとりリーダーを決めて、そのキャラクターだけ技能90~120程度、他は30~70ぐらいで。TAKAさんは30ぐらいでやってもらおうと思っています。
これは低レベルでのRuneQuestの戦闘バランスと、技能が上がっていったときどうなるのかを見てもらうため。
カルトの相関関係とかヴァリエーションもみせたいですが、あまり付き合うのが困難なキャラクターは今回は禁止。種族も人間オンリー。
aza、和泉屋、のののも、こんな範囲で捻ってみてください。
さすがにちょっと設定したいので、キャラ案は早めに^-^;}
***■ 20 名前: 和泉屋 :2002/09/01 22:18:04
はやいものがちー
>キャラ設定
世界観を重要に、雰囲気を重視したキャラクターを作ったほうがよさそうですね・・・
んでリーダー役は今回はパス。(私がリーダー役やると、他の方の出番を取るタイプなので。)
んー、サーターメインであの時代、特定村落に縛られずに移動している事が不自然でないキャラクターでかつ生活感があるというと・・・行商人?
つーわけで20代後半くらいの織物行商人(イサリーズ)、交渉メインで戦闘能力若干あり位がいいかな。
故郷には女房と10代前半を頭に5人の子どもがいるような。
別に裏設定で「実は反乱軍の連絡役」だの「実はハジアの密売人」など(もしくは両方)と添付しても問題はありませんが。
別件で最近やってみたいキャラクターのネタはあるのですが。
「耄碌&老衰寸前のフマクト信徒、座右の銘は『生涯現役』、決め台詞は「また・・・お前達の処へ行けなかった・・・」、趣味は自分の参加した戦いの(英雄の)武勲を語る事「おお、あの折のサリナーグ王の戦いぶりの見事だった事!群がる帝国重装歩兵をばったばったと・・・」(←勿論、耄碌しているので、状況に係らずイキナリ語り始める)」
一発ネタには良いのですが、初心者にいきなり見せるものではありません(笑)}
***■ 21 名前: Efendi :2002/09/01 22:20:05
では、エミーネの過去を掘り下げることにします
Efendi です。
>Efendiさんは弓の達人をやってみたいということでしたね。
>ただし、スティスさんと予定が合わないのはわかっているので、キャンペーンにする場合でも次回以降の登場はないように調整すると思います。もちろんキャラは他の流れで引き継いで使うつもりですけど。
>ですから今回は一時雇いの傭兵のような立場ですかね。
むぅ、結局ドラゴン・パスにおける弓の達人にふさわしいのはグレイズランダーしかない、という結論も出たし(無名祭祀書 [http://544.teacup.com/yelmalio/bbs]参考)ね。一発キャラにするのは惜しいのと、「普通」ではない(まず言葉が違う)ことから、今回は見送りますか。
>あとは1年前のエミーネというのもアリです。新しいキャラが作りたければ新しいので。エミーネを深めたければエミーネでどうぞ。その場合、経験チェックなどは累積させていきます。まあ、流れによってはスティスさんとの合流ではなく、そのまま続行というセンもあると思いますが。
という案が出るからには、あれがご愛顧をいただいているようでもあるし、データも残っているから、そうしようかな。あれも「普通」ではないんだけどね。
>作成時からルーンレベルのキャラなども居ますよね?
>難解なのはその辺なんですよねぇ(^^;
そういえば、昔の RPGマガジンか何かには、そのように薦めているのもありましたね。デフォルトで出来上がるキャラ、というのが多分あらゆる TRPG の中で死にやすいのは確かですね。
ただ、死にやすいというのは相対的なものだから、シナリオ次第で、RQ のマスターやる人はそういうことを分かっていると思います。
だから、この死にやすいという問題をクリアした上では、むしろ普通の市民の方が視野が狭く、知識がない点でプレイしやすいと思うんです。プレイヤーが何も知らないという現状況をそのままプレイに反映できますからね。
ソードワールドとの比較で言えば、フォーセリアは冒険者が職業として成り立っており、冒険が主体的ですが、グローランサのほとんどの住民は食べるために働いている人がほとんどで、多くの冒険が受動的(巻き込まれ型)です。強くなれば強くなるほど社会との結びつきが強くなって、自由に行動できなくなるのも特徴ですね。
そんなわけで、キャラの造り方としては、いかに強く造るか、というよりも自分がグローランサに暮らすなら、どんなかな? という発想で造ると楽しいと思うんですけど。
ただし、そうは言っても、ある程度戦闘能力がないと、TRPG の華である戦闘時に何もできない、ということにはなるのですが。私のやってるキャラのように。
でも、それはそれで RQ 。
キャンペーンになったときのことも考えて、10年愛せるキャラを造れたらいいですよね。
>カルト…フマクトが格好良いかなぁ、でも難しいかなぁと思っています。
社会的なつながりが薄いし、案外好適かもしれませんね。
>ひとりリーダーを決めて、そのキャラクターだけ技能90~120程度、他は30~70ぐらいで。TAKAさんは30ぐらいでやってもらおうと思っています。
>んでリーダー役は今回はパス。(私がリーダー役やると、他の方の出番を取るタイプなので。) < 和泉屋
私も、エミーネならリーダーじゃないですね。
>つーわけで20代後半くらいの織物行商人(イサリーズ)、交渉メインで戦闘能力若干あり位がいいかな。
看護婦と織物行商人…、彼が(のこのこ)ホワイトウォール in 1621 (もしくはカーシー in 1619)に毛織物を売りに来て、連れ立って逃げたか?
ともあれ、よろしくお願いします。
***■ 22 名前: azatoth :2002/09/01 22:22:23
>カルトの相関関係とかヴァリエーションもみせたいですが、あまり付き合うのが 困難なキャラクターは今回は禁止。種族も人間オンリー。
ふむふむ。
ということは、どこで特徴を出せと?(笑)
…設定か?
和泉屋 wrote...
>つーわけで20代後半くらいの織物行商人(イサリーズ)、交渉メインで戦闘能力若干あり位がいいかな。
耄碌…すてがたい。
きっと早起きなんだ…それで他PCもたたきおこしたりするんだ…それでそれで…。
Efendi wrote...
>という案が出るからには、あれがご愛顧をいただいているようでもあるし、データも残っているから、そうしようかな。あれも「普通」ではないんだけどね。
という事は救急箱も確保、と。
Efendi wrote...
>社会的なつながりが薄いし、案外好適かもしれませんね。
しかし、私の評価は異なります。
よほどうまく作りこまないとよくあるフマクト傭兵というパターンにはまりがちで、かつ「無口」あるいは「寡黙」という設定もつけたりしがち、だと思うのです。
この設定ってTRPGでは結構厄介なポジションではないでしょうか。
戦闘好きの人ならそれでも良いのですが、楽しみは半分以下じゃん、とか思うわけ。
つうことで整理。
●現在
TAKA =フマクト?
和泉屋=イサリーズ
Efendi=アーナルダ
リーダー不在
●案1
リーダーの場合は、順当なところではオーランスですかね。
戦闘系の話で、技能90~120程度という事は武器が重要?
使ったことのない武器は「農具」と「メイス」ですが…。
農具はさすがにやりすぎ?(笑)
んじゃメイスかな。
まっとうなジャイアンタイプリーダーはヤルトバーンがいるし…。
闇討ち、不意打ち、罠大好きとかだとキャラ立ちますかね。
設定としては織物職人の頑固親父とかだとイサリーズとの繋がりが生まれるか…。
いや、ちょっと無理があるかな。
基本ルールでコルマックをいじめる警備兵みたいなやつが、出世したみたいなイメージとか?
異常に若い武器の使い手だとマスターの意図とずれるでしょうし。
「25才ぐらいの兵士あがり」か「35~40才ぐらいの横道経験者」ってフレームですかね。
個人的には後者が好きかな。
●案2
リーダーじゃない場合は、他の系統よりのイェルマリオで迫害されるのがいいなぁ。
借金か恩を返すために誰かにこきつかわれていて、文句たれつつってのは良い設定では?
んー、ありかも。
顔は、二枚目である必要があるな。(笑)
すごく男前で、頭が硬くて借金をふみたおしたり恩義を無視できない「いいひと」。
もえる設定だ。
まあ、私はどちらでもOKです。
***■ 23 名前: Efendi :2002/09/01 22:23:31
闇の若旦那
Efendi です。
メイス、イサリーズとつながりがある、闇討ち…、アーガン・アーガー?
影の高原周囲に暮らしていて、エミーネの保護を主張する、するとイサリーズ、いけません、そんな闇の商人に…、あぁ、どうしようエミーネ。どんな話やねん。
>戦闘系の話で、技能90~120程度という事は武器が重要?
〈言いくるめ〉が120ってのもありかも。
それでは。おやすみなさい。
***■ 24 名前: ののの :2002/09/01 22:24:22
お疲れ様です。ののの@葛西です。
遅くなりましたが、とりあえず、やりやすそうなキャラ案を2つ立ててみました。
◇第1案
放浪のストブル信徒。
カルトと協働して事に当たるをよしとせず、一人で戦うことを好むバーサーカー。
旅の路銀を傭兵家業で稼ぎながら、混沌の撲滅目指して各地を放浪している。
巨漢、怪力、打たれ強いの3点セットで両手戦槌を振るう。
◇第2案
他のPCの補佐的存在。
例えば、リーダーが軍人だった場合の副官、又は隊商の長の補佐役など。
リーダーより若く、経験も若干不足している。
性格的にお互い補完関係にあるのが好ましい。
例えば、
リーダー=大胆 → 副官=慎重
リーダー=いいかげん → 副官:几帳面
特にカルトにこだわりはありません。
多分リーダーと同じカルトの後輩ということになるね。
こんなところです。
宜しくお願いします。
***■ 25 名前: なゆた :2002/09/01 23:17:36
>和泉屋
マスター的にはありがちな行商人よりもうろくじじい推奨ですが(笑)。
みんなの様子を見ながらもうひとひねりしてみてください。
>Efendi
>一発キャラにするのは惜しいのと、「普通」ではない(まず言葉が違う)ことから、今回は見送りますか。
うちはキャラクターはストーリーではなくワールドに付属します。
基本的に一発キャラというのは存在しないので、そのあたりは安心してください。
なので、新しいキャラをやってみたければご自由に。
>という案が出るからには、あれがご愛顧をいただいているようでもあるし、データも残っているから、そうしようかな。あれも「普通」ではないんだけどね。
>私も、エミーネならリーダーじゃないですね。
ご愛顧、というか、なるべく一人のキャラを長くやりたい、という人もいるので。
もちろんエミーネは好きですが。
キャラシートは別に古いバージョンじゃなくていいです。
よっぽどヤバいアイテムとか、新しい呪文とかを最近覚えているなら別ですが、技能の5%、10%、POWの1,2点は気にしないでやっちゃいます。
あと、「雇い主」になるという手があるので、別にエミーネでもリーダーはできます。
戦闘時のリーダーではありませんが、話を引っ張るという意味で。
azaoth
>戦闘好きの人ならそれでも良いのですが、楽しみは半分以下じゃん、とか思うわけ。
なゆたの評価としては、初心者は「戦闘だけで手一杯なので、ロールプレイはあとで」かな。ルーンクエストはそれだけでも比較的楽しみの多いシステムなので。
最初のキャラクターはルールだけでおなかいっぱいだと思う。
>●案1
>リーダーの場合は、順当なところではオーランスですかね。
>(中略)
>●案2
>リーダーじゃない場合は、他の系統よりのイェルマリオで迫害されるのがいいなぁ。
>(中略)
>もえる設定だ。
うんうん。案2は燃えます。で、純情だけど色事に弱くて、ちょっとマゾ気があって、となると、エミーネのよい餌食になれます(笑)。
ののの
>◇第1案
>放浪のストブル信徒。
>(中略)
>◇第2案
>他のPCの補佐的存在。
>例えば、リーダーが軍人だった場合の副官、又は隊商の長の補佐役など。
ま、ストぶる可です。裏でも可(爆)。その場合はリーダーですな。混沌退治の依頼人というかんじで。
案2のケースでも、今回はキャラクター関係から作りこめるので、
部下「うりゃー!!!いっちゃるでー!」
隊長「やめんか、バカモノー!」
というのもアリかと(笑)。
まあ、みなさん、あまり決め付けず、いくつかパターンを練ってみてください。
TAKAさんの作りこみを見て、あわせる部分もあると思うので。
朝までにもう一巡ぐらいできるかな?
***■ 26 名前: Efendi :2002/09/01 22:28:04
Efendi です。
>まあ、みなさん、あまり決め付けず、いくつかパターンを練ってみてください。TAKAさんの作りこみを見て、あわせる部分もあると思うので。
なんて言うものだから、結局、
>ただし、スティスさんと予定が合わないのはわかっているので、キャンペーンにする場合でも次回以降の登場はないように調整すると思います。もちろんキャラは他の流れで引き継いで使うつもりですけど。
ということで、基本的には私のキャラは今回ゲストなので、(> まあ、流れによってはスティスさんとの合流ではなく、そのまま続行というセンもあると思いますが。 ということもあるみたいだけど、)エミーネでもいいのだけれど、一応、ここ数週間私の頭の一隅で形成されたキャラを披露してみます。
ジャダラン (男性)
カルト:黄金弓
出身:ターシュ(あるいはセアードとかでも)
キャラ:
・自由の地、祖国の地に憧れて南に来るも、最近は失望を味わいつつある。
・ルナーの教育・文化影響下にあって、道徳家で、ロマンチスト。
・自尊から、おべっかに弱く、女の嘘にも騙されやすい。
・「弓を張っているとき、世界が自分に収束していくような気がする。」
・東北弁。
情景:
「夜、赤い月が照らす丘の稜線に孤影が伸びる。男は馬上にあって、弓を一弦琴の代わりに奏でる。その音色は悲しい。男は棹を操る腕を止め、一人ごつ…、『彼女が悪いわけではね。嘘をつかねばならねこともあんだぁ。はぁ、でもどう
せこんただことになるんなら、同宿したときに紳士ぶったのはもったいなかったなぁ…』」
どう? 魅力ありそう?
エスロリア人女性ということで、(偏見から)当初は淫猥な女性を意図していたのですが、自分的にやりにくいのと、自分的に好きじゃないので、最近は、あれは口で言っているだけ、という風にしています。外面的に変化ないですが。
という風にキャラが定まってきたことではあるんだよね、エミーネ。
どうしようかな? まさに、今後私がどのキャンペーンに属するか次第ですけど。
>うんうん。案2は燃えます。で、純情だけど色事に弱くて、ちょっとマゾ気があって、となると、エミーネのよい餌食になれます(笑)。
イェルマリオとアーナールダだし。いや、アーナールダって本当に便利だな。どこに行っても食べるのに困ることがなさそう。
>マスター的にはありがちな行商人よりもうろくじじい推奨ですが(笑)。
RQ の耄碌爺って、技能が半端じゃないから危ないですよね。
***■ 27 名前: ののの :2002/09/01 23:19:47
で、キャラですが、
どちらかというと、個人的には案2の方で進めたいですね。
ただ、これは他のプレイヤーの方が嫌ではない限りにおいてですが。
案1のストブルは、案2がまとまらなかったときの予備にとっときます。
で、案2の具体的なキャラ案ですが、とりあえず以下の3案、準備しました。
1.和泉氏の「行商人」案にくっつける場合
和泉氏の行商人はなんとなくハン・ソロを思わせるものがあるのですが、(もしかしたらぜんぜん違うかもしれませんが)そうならば、ソロに対するチューバッカの役回りのキャラというのがいいかと。
『行商人の相棒件ボディガード。あまり頭の回転が速くないので交渉向きではなく、もっぱら暴れる専用。要領悪いが勇敢で信頼はおける。』
カルトはオーランスか、粗暴ということでロウドリルなんかもいい。
2.azatoth氏の案1にくっつける場合
『リーダーの部下又は後輩』
特に「闇討ち、不意打ち、罠大好き」なキャラだった場合、それのストッパー役というか押さえ役として、「常識的な思考の善人」というのはどうでしょうか。カルトはリーダーと同じでしょうね。
3.azatoth氏の案2にくっつける場合
『ボスの命令で、借金を踏み倒したりしないよう、目付けとして派遣されている高利貸し商人。』
相手キャラがイェルマリオということなら、ロカーノウスが順当か。いや富の守護者アズリーリアがいいな(某ほへー系ネタ 笑)
相手が早く借金を返せるよう、ヤバイ仕事を仲介したりするのもあり。
エミーネに関係のあるキャラというのも考えてみようと思ったけど、彼女は今後が決まっているキャラなので、採用は難しいでしょうね。
----
#comment_num2(size=100%,vsize=10)
----
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: