とある監督のプレスカウンター

12 名前:1 投稿日: 2004/12/28(火) 20:20
~プレスカウンターのススメ~

突然だが、トルシエサッカーと言えばどんなプレイスタイルを思い浮かべるだろうか?
最初に思いつくのは、やはりフラット3であろう。
だが実際のところ、トルシエサッカーとはプレスカウンターサッカーだった。
一般的にトルシエジャパンはラインディフェンスの3-4-1-2と言われていたが、これは微妙に違う。
トルシエジャパンでは左SHに中村や小野、名波といったCH系司令塔タイプが、右SHには明神などのボランチタイプが多く起用された。
三都須や鳩などの純粋なサイドの選手が起用されることは少なかった。
この布陣は、同じ3-5-2DVでも3-2-3-2である。
トルシエが一貫して持っていたサッカースタイルは、

[目標]ボールをできるだけ相手ゴールに近い位置で奪う

そのために
・DFラインを高く保つ(そのためのフラット3)
・FWからおこなう前線からの守備
・中盤は5人が一塊りでプレス

これによって
・中盤をコンパクトに保つゾーンディフェンス
・ボールを奪うと1,2本のパスでゴールに近づけるカウンター

分かりやすいのが、ワールドカップ直前のイタリアとのフレンドリーマッチで柳沢が決めたゴールだ。
小野と稲本が敵PA近くでプレスをかけてボールを奪い、すぐさま一本のスルーパスでFW(柳沢)に渡した。


さて、ゲームの話をしよう。
プレスサッカーを行うためのシステムとして、今回はトルシエがスペイン戦などほんの数試合だけ行ったシステムを紹介する。

       FW
   FW         <これは中田ヒデ

   CH  CH     <ここにたしか稲本と伊藤テルだったと思う
CH   DH   CH  
  CB CB CB

トルシエが格上スペインに取った戦術はある意味単純明快だ。

 

[大前提]プレスカウンターを行う
>でも相手はこちらより巧い
>なら攻撃のキーマンを潰すze!
>キーマン誰よ?
>スペインだからCH野放しにしとくとボール散らされてキケーン!

つまりは、相手のキーマンのCHの位置でボールを取れればこちらの大チャンスになる、と言うわけだ。
よって、本来の司令塔の位置にCHを置き相手のCHにプレスをかけたわけである。

残念ながらこのときはあまり機能せず、また「5-4-1の腰抜けサッカー」との批判がありまくったためこれっきりになった。
だが私には、このシステムこそトルシエが目指していたサッカーではなかったのか、と思う今日この頃である。

 

最終更新:2021年12月03日 23:09